腸内細菌を調べれるだけで年齢や性別までも判別できる時代に・・・!? (2019年最新論文)

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たくさんの腸内細菌を調べるために「機械学習」や「AI」を利用することによって、性別だけでなく、腸内細菌の成熟度から年齢まで推察できるようになったとのことです!

ただ中国の方の腸内細菌を調べたところ年齢の区別などがあまりつかなかったそうです。どういうことでしょう?

この研究はカリフォルニア大学のサンディエゴ校が中心となり、大学のサイトにプレスリリース(英文)が出たので、翻訳したものをご紹介します。(翻訳のプロではないので読みづらかったらすみません。

また発表された論文はオープンアクセスですので、どなたも無料で全文が閲覧できます。リンクを以下のレビュー記事の後に貼っておきます。
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よくあるように、女性の腸内細菌は男性よりも成熟が早い

英文執筆者:Michelle Brubaker

年齢も関係しているようで、若い人の腸は高齢の人よりも細菌の多様性が高いです(多様性が高いほうが良いとされる)。

人の腸内フローラは、私たちの健康に重要な役割を果たす複合的な微生物エコシステムです。例えば、これらの細菌(バクテリアやウイルス、真菌など)は代謝を調節したり、感染を防いだり、必須ビタミンを産生したり、食物繊維を分解する手助けをしてくれます。また健康と病気のバイオマーカーにもなりえます。

カリフォルニア大学サンディエゴ医学部、サンディエゴ州立大学およびマックスプランク発生生物学研究所の研究者による最近の研究は、個人の年齢と性別が腸内フローラの多様性に強く影響することを見つけました。

2019年5月14日に mSystemsのオンラインで発表された研究は、腸内細菌の多様性は若い年齢(男性でも女性でも)ほどより高く、また若い女性のほうが若い男性よりも生物学的多様性が高いことがわかりました。

「子供から大人にかけて腸内フローラが変化することはよく知られています。私たちは若い頃から中年の成人で起こっている変化とその変化が性別や年齢によって影響を受けているのか調べたいと思いました。」とカリフォルニア大学サンディエゴ校医学部の産婦人科生殖科学部門(Associate professor in the Department of Obstetrics, Gynecology and Reproductive Sciences at UC San Diego School of Medicine)のタックレイ准教授(Varykina Thackray, Ph.D.)は言いました。「私たちの結果は女性の腸内フローラは男性よりも多様性があり、早く成熟する可能性があることを示しています。

女性の腸における微生物の多様性は、性ホルモンと関わるかもしれません。「私たちの研究結果は女性は男性よりも早く思春期を迎えるので、男性の腸内フローラは追いつくのに時間がかかるかもしれないことを示唆しています。」UCサンディエゴのマイクロバイオームイノベーションセンターの職員でもあるタックレイ准教授は述べています。

調査方法

研究チームは4つの地理的な地域の20〜69歳の成人約8,900人の腸内細菌の多様性を分析しました:アメリカとイギリス(UCサンディエゴ主催のAmerican Gutプロジェクト市民科学イニシアチブの支部)、そしてコロンビアと中国からの2つの独立したコホート研究です。

年齢に関して、米国、英国、コロンビアのコホートでは、細菌の生物学的多様性は若い成人(20~45歳)の年齢で正の相関がありますが、40歳ごろ横ばいになり、中年(40~69歳)では正の相関は見られませんでした。

「私たちは青年期の男性と女性の腸内フローラで見いだされた違いが、中年ではそれほど明らかな違いがないことに興味を持ちました。見解の一つとして、新しく耕された土地で成長する植物のようなものです。ある期間にわたって、多様な植物の生態系が確立され、スペースがなくなるまで成長を続けます。」とタックレイ准教授は言いました。

私たちの研究は、人の腸内フローラは一生かけてどんどん多様化を続けるのではなく、40歳くらいまでは多様性を維持し続けますが、プラトーに達するようだと示唆しています。

中国人の腸内フルーラには性別や年齢による違いがあまり見られなかった

注目すべきことに、研究者らは中国のコホートでは年齢や性別と腸内フローラの生物学的多様性との関連性がほとんどないことを発見しまた。

「性別や年齢が細菌フローラの多様性に関わっているという考えは普遍的なものではないかもしれません。思春期から若年期にかけての腸内フローラの多様性において、「早熟」や「ステロイドホルモン濃度」,「ホルモン避妊薬」などの要因の影響を理解するために、これから長期的研究でするべきことはたくさんあります。」とタックレイ准教授は述べています。

ーーー 翻訳ここまで ーーー


引用ニュース & 原著論文

🔵 英語ニュース:Like a lot of things, women’s gut microbiomes appear to mature earlier than men’s ()May 14, 2019

🔵 原著論文(オープンアクセス:全文が無料でご覧になれます): Age and sex-dependent patterns of gut microbial diversity in human adults. (mSystems. 2019 May 14;4(4), 2019 )
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Seigoの追記

女性の腸内フローラは男性より早く成熟するそうですが、女性は「身体的にも」男性より早く成熟することと関連があるのでしょうね。

もしかしたら「精神的にも」女性の方が早く大人びてきて性格が落ち着いてくる傾向がありますが、それも腸内フローラの成熟と関連してるのでしょうね。

またこの研究結果から次のようなことも推察できます:

🔵 腸内細菌のDNA解析のレベルが短時間ででき、腸内フローラの「未成熟タイプ」と「成熟タイプ(大人型)」が判別可能になった(大まかな年齢を当てることも可能)。➡️ ・・・ということは、腸内細菌が何千種類・何万種類と非常に多くても、その解析が可能で機械学習(AIなど)を利用してグループにわけることができるくらいにまで技術は進歩している。

🔵 40歳くらいまでは腸内フローラは絶えず多様化しているが、それ以降は多様化しない。 ➡️ やはり精神的な安定性(中年以降の)とも腸内細菌は関連がある可能性がある。

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