日本の中核技術が盗まれないように警察組織を強化せよ/安部首相の知られざる貢献【江崎道朗】

ニュース/レビュー

日本のインテリジェンス、江崎道朗氏が虎ノ門ニュース(火曜日の百田さんとの会)に出演し、あまり私たちのうかがうことができない日本の警察組織の現状や安部首相の陰の頑張りを詳しく説明されていたので、ここに記録しておきます。

火曜特集『中国の経済覇権を阻止せよ!日本と米国による反撃』

大手のマスメディアが報じない日本の対中政策について

今回の新型コロナを中国が隠蔽し世界中にダメージを与えたことにトランプ政権は激怒。(半年でベトナム戦争以上の犠牲者を超えた。)

アメリカ連邦議会には中国と連携したい人たちもいたが、コロナで一変。ウイグルなどの問題も重なって。

アメリカの新しい経済構想を打ち出しました ↓

経済繁栄ネットワーク構想(EPN; economic Prosperity Network)
🔵 中国共産党政権を排除した自由主義国家で構成する経済圏
🔵 民主的価値観に基づいて運営される
🔵 参加国は米国・日本・インド・オーストラリア・韓国(△)など

2001年中国がWTOに入って以来、薬やマスクなどグローバルサプライチェーンが中国に移り、中国に依存するようになった。これは安全保障上の危機で中国を太らせるだけなので、中国を外して自由主義陣営だけで再編しようというもの
先月トランプ政権が打ち出し、今は各国にEPAへの加入を説得している段階。

<サプライチェーンとは>
調達→製造→販売→消費→回収→(製造や販売に戻るものあり)
製造部門を世界は中国に大きく依存)

アメリカは日本以上に中国に依存していた。
20年以上前からアメリカで買ってくるお土産は全部 “Made in China” だった。

韓国が△なのは、ムンジェインが中国側につくか自由主義側につくか全くわからないので。

なぜアメリカは中国に圧力をかけるのか?

中国が対外貿易で国内でやっている3つのダンピングが原因
① 知的財産権の侵害:知的財産を盗用している
② 奴隷労働:    農村戸籍の人々を不当に安くこき使う
③ 環境規制を軽視: 様々な化学薬品を川や地下や大気に垂れ流す

江崎氏:なぜ世界が中国に生産拠点を移したかというと、中国で作ったほうが安いからなのです。

それではなぜ安いのかというと、トランプの政策アドバイザーのピーター・ナヴァロも言ってる3つのダンピングを中国がしているから。
外国の技術を盗んだりパテント払わない 時給1000円を200円で働かせ労災払わない 環境配備のコストにもお金をかけない
ウイグル人を強制労働させて儲けてる企業が中国だけでなく日米もあるのも問題。
それで現在3つのダンピングに加担する企業は、相応の金を払ってもらうなど裁判の証拠固めをやっている。

EPNにとって重要なことが起きつつあります。それがこれです。

TSMC(台湾積体電炉製造)が今年9月なかば以降ファーウェイへの供給を止める予定

江崎:トランプ政権になってから、軍事に直結する通信などを徹底的にファーウェイの参入を排除するだけでは足りなくて、コロナの問題があってからはファーウェイを潰すためTSMC社の最新型のシステム半導体ファーウェイに売るなということになり、アメリカがTSMCの製品を代わりに買ってアメリカで工場を作らせることにした。
新しい技術を中国は持っておらず、台湾にはすごい半導体技術のある日本が協力した。
関日本は中国に盗まれてきたのでトランプ側が反対攻勢を仕掛け、通信やAIにして徹底的に中国を潰す。

アメリカが潰すと言っている中国の構想がこちらです。

中国製造2025
世界での技術派遣の獲得が目的

この中国が掲げてきた構想を米中貿易戦争を仕掛けられて以来、中国のハイテク技術をアメリカから盗めなくなり、製造2025は表で言わなくなった。

コロナの件でトランプは、アメリカにいる中国系の技術者(大学の研究機関にいる人)を本国に返し、帰ってくるなと言ってる。
技術者が中国に帰るとき、持ち出そうとしたパソコンは空港が買い取るという徹底ぶり。
5月26日のアメリカの新しい中国戦略に、在米中国人留学生、研究者たちがアメリカの技術を盗んでいるので徹底的に監視し、彼らが盗めないようにする仕組みを作るべきとある。

TSMC(世界トップ)の他にもう一つ最新の半導体を供給できるのがサムスン電子(世界No.2)。
中国は5月にサムスンの前社長を中国系の半導体の会社に引き抜いた。

世界のフォトレジスト市場の日本の企業が5社が9割を独占

フォトレズスト技術は日本が世界の9割を独占!(出典:Colin BehrensによるPixabayからの画像&Marsel EliaによるPixabayからの画像(日本国旗))


最先端の超微細加工の半導体を作るためにはフォトレジストが必要で、9割が日本

世界のフォトレジスト市場の日本の企業が5社が9割を独占
JSR 東京応化工業 信越化学工業 住友化学 富士フィルム

去年韓国はホワイト国外しされサムスンは先端のシステム半導体を作れなくなりつつある。韓国が(日本で)輸入を自由にできるように言い続けているのは、バックに北京がいる。安倍政権はそういうことはさせない。
韓国はWTOに提訴しているが、WTOの紛争解決委員会が処理をすることになっているが今機能停止中。
紛争解決委員会の7か(9の)理事国の5名が中国系だったが、トランプ政権になって中国系のアフリカの理事国の再任を全部拒否したため。
カナダでG7サミットの時に、WTO改革の意見をまとめたのが安倍さん。要は中国韓国にいいように操られてきたのを止めた上で、韓国にホワイト国外しをしてるので、韓国がいくら提訴してもWTOはふん!って感じ。
そのように一つ一つ潰して中国・韓国・北朝鮮を追い詰めるかの戦略的な外交をトランプ政権はやっていて、それに安倍政権は呼応しながら動いているという状況。

安倍政権がしているEPNの裏付け
4月30日補正予算
サプライチェーン改革 2486億円の予算
1 サプライチェーン対策のための国内投資促進事業費補助金 2200億円
2 海外サプライチェーン多元化等支援事業 235億円

中国から日本やASEAN(東南アジア諸国連合)に移すために予算をつけて、実際に事業の応募を始めている。中国から日本に移す場合半分〜3分の2、国が助成することで、事実上サプライチェーンを多角化していく形で戦略的に動いている。

トランプ大統領は緊急事態宣言を3月末に発した時、医療・医薬品メーカーなど17社の幹部に5兆円を出すから生産拠点をアメリカに移すように頼んだ。
17社に5兆円と比べると日本の2486億円は少なすぎで、財務省に勝てない、消費税減税さえできないような自民党が軟弱。
全面的に財政出動するとともに中国を追い詰めるために、トランプ政権も製造拠点を国内に戻すと言ってるが、戻すにあたってアメリカ企業を中国共産党は脅しまくるので、屈しないための軍拡が必要と言っている。

6月7日 改正外為法が全面適用

フォトレジストも含めた日本企業などからファーウェイは中国に進出できなくなったので、日本やドイツの技術を盗もうとするのに対して、改正外為法で中核的なハイテク技術を持つ日本の約500社に中国系も含め外国企業が買収や協定をする場合は、すべて政府がチェックすることで中国が買収できないような法律を去年作った。産業スパイや中国企業が日本の重要な企業の買収を阻止するため。
産業スパイを取り締まるのは不正競争防止法。
警察KOBANという幹部向けの雑誌で先月から「産業スパイの捕まえ方」のノウハウを警察官が勉強しようという特集が始まっている。これをちゃんと理解しないとこれからは幹部になれないということをやっている。(機密ではないので、名前などを登録すれば一般人も購入可)これをやることで企業がきちんと運用し、警察も連動してやっている。日本にはスパイ防止法はないのでスパイは取り締まれないが、企業のスパイは不正競争防止法プラス改正外為法の二つの法律で産業スパイは取り締まれるということ。改正外為法の所管は麻生外務大臣なので、麻生外務大臣の意向を受けて岸田さんが新しい世界秩序を作る会みたいなものを議連で作って、議論が始まっている。財務省は中核技術を持っている日本のメンバーに対して改正外為法の説明会を繰り返し行い、対象企業への通知、企業のどの技術が安全保障上重要かの通告、その技術を守るための対応も行なっている。
今年8月アメリカで国防権限法が適応になると、アメリカの中核技術を使った会社がその技術を漏洩したら外国企業であっても罰則が与えられる。改正外為法は国防権限法に対応した形なので、日本だけじゃなくアメリカの外国企業に全部網をかけることになる。アメリカで日本の会社が中国に技術を漏らすと、罰則を食らう。(アメリカは金額が桁違い)

共同通信によりますと、今月13日警視庁公安部が5月に立件した生物兵器製造に転用可能な噴霧乾燥装置の不正輸出事件で3年前に罰金の上限を100倍の10億円に引き上げた改正外為法が初めて適用された。公安部は噴霧乾燥装置スプレードライヤーを韓国企業に不正輸出したとして外為法違反容疑で横浜市の機械製造会社大川原化工機社長らを再逮捕した。スプレードライヤーは液体を霧状にし乾燥させて粉末状にする装置で、公安部は軍事用細菌製剤の製造などに転用される強いとしていた。

検察が起訴して、裁判で決めるので額はどうなるかわからないが、こういうケースが今後増えていくし、警察官の手柄になり出世することになる。

昔特定秘密保護法案が出た時、軍事機密を漏らしたら罰則だか、西村眞悟先生がこんな罰則ではダメだと怒っていた。最高は死刑!
国家機密はそれくらい厳しくしないといけない。

国家安全保障局の役割

第2次安倍政権から国家安全保障会議があり、これまでは財務省、経産省、総務省みんなバラバラで安全保障の観点がなかった。でも官邸に国家安全保障局を作り、安全保障の観点から各政府の経済政策など全部チェックする仕組みを作った。そこでインテリジェンスも活用する。NSSが今年経済班を作って、経済安全保障この改正外為法の運用をするためどれが優秀なハイテク技術で軍事的に重要かを徹底的に調べている。会社は自分たちの技術が軍事転用できるかわからないので無邪気に売っていたりする。それをチェックするのも、2400億円の生産拠点回帰の仕組みを作ったのもここ。戦後70年以上経ってようやく安全保障の観点から、各省のやっていることをチェックするという基本的な仕組みができた。
軍事転用は本当の専門家でないとわからず、例えばステルス戦闘機はカセットテープみたいな磁気テープの技術を転用した。だから心配なのは国家安全保障局の経済班はたった30名。もっと人員と予算をつけていかないと日本全国の企業をチェックできない。第2安倍政権前まではなかったのでこれを作ったことは評価するが、もっと本格的にやるべき。中国に対して本当に立ち向かおう、スパイを取り締まろうと思ったら、もっとみんなにNAC・ NSSの動きを後押ししようとと本当に思ってもらいたい改正外為法とか不正競争防止法などをもっとしっかり適応できるように警察を応援してもらいたいのですよ。

🔵 引用:【DHC】2020/6/16(火) 百田尚樹×江崎道朗×居島一平【虎ノ門ニュース】
(6月29日まで無料公開)

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