タロイモなどに含まれるレクチンがSARSなどのウイルス対策になる可能性【科学的根拠・論文引用あり】
今回はタロイモや海藻に含まれるレクチンの抗ウイルス効果についてまとめてました。
ご参考までに・・・
マンノース結合レクチンとは?
海藻のヌメッとした成分は、ウイルスの殻にくっついてウイルスを殺してしまいます。そこで感染予防に有効かもしれないので日頃から食べておきたい食材です。
そしてヌメッとした成分は多糖類(食物繊維)だけでなく、たんぱく質もあったんです。
その名もレクチン。レクチンの中にはある決まった糖鎖とくっつける糊のような性質があります。
その中でもマンノース結合レクチンはよく研究されており、病原体表面の糖タンパク質にあるマンノースやN-アセチルグルコサミンなどにくっつくことで、細胞の受容体からウイルスが侵入するのを防ぐ働きがあります。
マンノース結合レクチンは、水溶性のたんぱく質でシステインリッチドメイン、コラーゲン様ドメイン、糖鎖認識ドメインで成り立ち自然免疫システムで重要な役割を持ちます。肝臓で作られてから血液中に行きます。ウイルスがやってくるとウイルスのトゲ(スパイクたんぱく質)にマンノース結合レクチンがくっついて殺してしまいます。マンノース結合レクチンがうまく機能しない遺伝子の変異を持った人は結構多く、気道感染症の重症科や死亡と関連があることが研究で示されています。
食品に含まれるレクチン
レクチンは大豆や玄米、トマトなどに多く、赤血球を固まらせたりグルテン(グルテンもレクチンの一種)のように腸などに悪さをしたり、有害物質ということでレクチンフリーダイエットをする人もいます。そんな体に悪そうなレクチンですがそもそも外敵から身を守るために存在しているもので、特にマンノース結合レクチン、紅藻類からのグリフィスシン(Griffithsin)などは、ウイルスの殻にくっついて壊すことでウイルスの侵入から体を守る可能性が研究され、抗ウイルス剤の候補として重宝されそうなのです。紅藻(グリフィスシア)の抽出物のグリフィスシンも高マンノースオリゴ結合レクチンです。
グリフィスシンはSARS、MERS、HIV-1、HSV-2(単純ヘルペスウイルス)、HCV(C型肝炎)、エボラウイルスに対して抗ウイルス作用が証明されていて、天然の成分ながらも抗ウイルス剤のベストな候補となっている強い味方です。
参考文献(オープンアクセス, 論文全文が無料で読めます):Griffithsin: An Antiviral Lectin with Outstanding Therapeutic Potential (グリフィスシン:卓越した治療能力を持つ抗ウイルス性レクチン)
Viruses, 2016
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マンノース結合レクチンを含む植物
マンノース結合レクチンを含む植物リスト
• タロイモ Taro (Colocasia esculenta)
• アマリリス Amaryllis (Hippeastrum hybrid)
• 待雪草 Snowdrop (Galanthus nivalis)
• ラッパスイセン Daffodil (Narcissus pseudonarcissus)
• 彼岸花 Red spider lily (Lycoris radiate)
• リークネギ Leek (Allium porrum)
• ラムソン, ネギの一種 Ramsons (Allium ursinum)
• シンビジウム蘭 Cymbidium orchid (Cymbidium hybrid)
• リパリス属の蘭 Twayblade (Listera ovata)
• 青すずらん Broad-leaved helleborine (Epipactis helleborine)
• チューリップ Tulip (Tulipa hybrid)
• ブラックマルベリーの木 Black mulberry tree (Morus Nigra)
• イラクサ Stinging nettles (Urtica dioica)
• タバコ Tobacco plant (Nicotiana tabacum)
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参考文献:Can Red Algae and Mannose-Binding Lectins Fight Coronavirus (COVID-19)?(紅藻とマンノース結合レクチンはコロナウイルス(COVID-19)と戦うことができますか?) 〔plantmedicines.orgより〕
リークは欧米でよく食べられていますが、日本のネギの方がヌメッとした成分がありそうです。
タロ芋はサトイモ科で日本のサトイモに近いですし、アメリカでもスーパーで売ってます。
参考文献:Inhibition of severe acute respiratory syndrome coronavirus replication in a lethal SARS-CoV BALB/c., Antiviral Res. 2011年(SARS-CoV BALB/cネズミにおける致死的な重症急性呼吸器症候群コロナウイルス複製の抑制)
イラクサとありますが、日本のイラクサではなくてネトルというハーブで、腰痛や関節炎、花粉症やアトピーなどに使用されるハーブです。ネトルのレクチンはSARSが細胞にくっつくのを防ぐということで初期に効果的というマウスの研究結果があります。
参考文献:mouse model by stinging nettle lectin, Urtica dioica agglutinin.(イラクサレクチンによる致死SARS-CoVのBALB / cマウスモデルにおける重症急性呼吸器症候群コロナウイルスの複製の阻害イラクサ(Urtica)ジオイカアグルチニン)
Antiviral Res. 2011年
イラクサ根エキス
イラクサ根エキス、300 mg
ベジキャップ60錠(Solaray製)
約1210円
長芋に含まれる Dioscorin Aというたんぱく質は、抗インフル作用やACE阻害作用による高血圧予防としてもいい粘り気のあるたんぱく質で、マンノース結合レクチンも含んでいるようなのでもっと研究が進むといいなと思います。
皆さんも、海藻や長芋、里芋、ネギなどぬるっとネバっとしたものを日頃から美味しく頂きながらウイルスを包んでしまいましょう!
参考文献
🔵 Functional properties of dioscorin, a soluble viscous protein from Japanese yam (Dioscorea opposita thunb.) tuber mucilage Tororo.(ヤムイモ塊茎粘液トロロからの可溶性粘性タンパク質ジオスコリンの機能特性)Z Naturforsch C J Biosci. 2006年
🔵 ナガイモでインフルエンザ予防!(日本語レビュー、生物工学、2009年)
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PDF書類(日本語)
(ユニークレクチン活性を示すDioscorea batatasからのヤムイモ貯蔵タンパク質の特性化)
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20余年アメリカで遺伝子治療&幹細胞の研究者をやってきました。
特に遺伝病の間違った遺伝子をピンポイントで修復し、元に戻す技術開発です。
理学博士(Ph.D. )
アメリカ生活で学んだアンチエイジングなど健康に関する知識をシェアしたいと思います。
巷の情報もご紹介、時にはブッた斬ったりしてしまうかもしれません。
またポイントなどの節約術や生活に便利なガジェット(スマホやアプリの紹介)も記事にしますので参考になれば嬉しいです。
皆さん、ご一緒に「究極のヘルシーライフ」を楽しみましょう♪
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