ある種のビフィズス菌がアルツハイマー型認知症に改善の光《マウスの研究で/論文速報シリーズ》

速報記事

この研究では人工的にアルツハイマー病にさせたマウスを用いて

ビフィズス菌(Bifidobacterium breve) A110億個を口から入れて効果を調べました。

結論として

ビフィズス菌A1が、アルツハイマー病のモデル動物において、認知機能障害を改善するだけでなく、炎症や免疫反応に関係する脳の遺伝子を抑制することを証明しました。

よってマウスでアルツハイマー型認知症が改善が確認できた事から人へも応用が期待できるわけです。


この論文はオープンアクセスなのでスマホやパソコンで誰でも見ることが可能  👍

Bifidobacterium breve A1株(B. breve A1) がアルツハイマー病の認知症状を予防する可能性
Therapeutic potential of Bifidobacterium breve strain A1 for preventing cognitive impairment in Alzheimer’s disease.
Sci Rep. 2017 Oct 18;7(1):13510.
Kobayashi Y, Sugahara H, Shimada K, Mitsuyama E, Kuhara T, Yasuoka A, Kondo T, Abe K, Xiao JZ.

論文にアクセス

英語が苦手な人でも、「Google翻訳」などを使って和訳すると結構わかりますよ  🙂

実験方法

まずBifidobacterium breve A1株を60℃1時間熱処理と1時間超音波処理したものを作ります。
(菌は死亡するので、菌の成分や産生物質の効果を調べるのであって、生きた菌を使用するわけではありません。
(また短期投与で腸内微生物の組成に著しい影響はありませんでした。)

1日目

10週齢のオスのマウスに処理した菌10億個を口から与えます。
10日間毎日続けます。
コントロールとして酢酸ナトリウムを与えるグループと
ドネペジル塩酸塩(認知症の進行を抑制するコリンエステラーゼ阻害剤)を与えるグループも作ります(ポジティブ・コントロール)。

3日目

アミロイドβ1-42、β25-35の2種をそれぞれマウスの脳に注射します。
これで2種類のアルツハイマーの症状を持つマウスができます。

9日目

実験方法と試験法(Y迷路試験と受動回避試験)《Jcastトレンドより》


Y迷路試験実施
Yの形の迷路で餌探しとしてマウスが自発的に移動するのを記録して、3つのarmに入った順番で、短期の記憶や自発的交代行動が測定できるテストです。

10日目

受動回避テスト実施
暗い所と明るい所が繋がったチャンバーにマウスを入れて、暗い所に入ったら電気ショックを与えます。明るい所に戻ったらマウスを取り出し、次の日に電撃がなくても暗い箱に行かないか、暗い箱に行くまでの時間で学習記憶

があるか測定するテストです。

結果

Y迷路試験では交替行動の障害がビフィズス菌A1を与えたら、ドネペジルを与えたグループとコントロールと同じレベルで良くなりました。

受動回避テストでは待ち時間が減り、認知障害が改善したことがわかりました。

このことから菌の成分や代謝物が認知低下を部分的に改善したと言えます。

Y迷路と受動回避テストによって、Aβ25-35およびAβ1-42の両方が認知機能障害を誘導することを確認しました。

興味深いことに、B.breve A1がこれらのアルツハイマーモデルマウスの作業記憶と長期記憶の両方で改善効果があることを見出しました。


海馬の遺伝子を調べたら

305個の遺伝子の発現が変わっていて、それらは主に免疫に関する遺伝子でした。

驚くことに、ほとんどすべてがA1株の投与で海馬で正常に発現することがわかりました。(←遺伝子発現が正常化したという事?)

アミロイドβによる免疫反応や炎症に関する遺伝子の発現は減りました。

つまり免疫応答およびニューロンの炎症の減少を示しました。

特に学習および記憶で重要な役割を果たすbdnf(脳由来神経栄養因子)遺伝子の発現は、 A1株の投与で正常レベルにまで上がりました。

したがってB. breve A1が免疫応答およびニューロン炎症に対する調節効果によって、アルツハイマーモデルマウスでの認知低下を予防すると仮定できます。


用語説明

アルツハイマーについて
アルツハイマーはゆっくり進行し、認知症に至る不治の病です。
この高齢化社会で一番よくある神経変性疾患の一つですが、
医学的に治療や予防が成功したという報告はありません。
原因はアミロイドβというタンパク質が脳に溜まって老人斑ができるのと
タウというタンパク質がリン酸化されて繊維状になってたまって
酸化ダメージや神経の炎症を起こし
神経細胞が減っていくことで症状が進んでいきます。
アミロイドβは40歳くらいから脳に溜まり始めますが
認知機能障害になるのに20年かかったりします。
なので症状がはっきり表れた頃には手遅れになってしまいます。
つまり、手遅れにならないように
ライフスタイルやダイエットを改善し予防することが一番大切なのです。

善玉菌の期待できる効果
・腸内環境の改善
・肥満を防ぐ
・癌予防
・免疫調節機能
・感染症の予防
・寿命の延長
などの健康促進効果がありますが
驚くのは中枢神経系や行動などに効く菌もあることです。
すでに報告されているのは
Lactobacillus plantarum PS128で不安行動のマウスが正常になったり
グラム陽性細菌種8種類でラットの神経細胞の炎症が治り、機能が上がったり
アルツハイマー患者の認知機能や代謝に影響があるというもので
治療が期待されます。


参考資料

 ➡ ニュース記事:アルツハイマー型認知症の発症抑制に光 「ビフィズス菌A1」実験で成果

 

20余年アメリカで遺伝子治療&幹細胞の研究者をやってました。

アメリカ生活で学んだアンチエイジングなど健康に関する知識をシェアしたいと思います。

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