新型コロナの後遺症は脳に感染したウイルスが引き起こしている可能性が浮上!【2021年最新論文】

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新型コロナにかかった後に後遺症が残ることが問題となっています。その症状は例えば、倦怠感やうつ、そして嗅覚味覚の異常などです。

今回は新型コロナが脳に感染し、それが後遺症を起こし、長引かせている可能性を示した(動物実験からの)論文です。2本目の論文は、では脳に障害が起きているとなると、どの部分に損傷が起きているかを顕微鏡で調べた研究です。分かりづらいところもあるかも知れないので、最後に両方の論文のプレスリリースの全訳も載せてありますので、ご活用下さい。

2本の論文の要点

1本目タイトル和訳『K18-hACE2マウスにおける新型コロナウイルスの鼻腔内感染後の神経浸潤および脳炎』

ジョージア州立大の研究では、新型コロナは肺の感染症だけでなく、脳にも多く感染することがマウスの実験でわかりました。
ヒトのACE2を持ったマウスに新型コロナウイルスを感染させたところ(通常, Covid-19はマウスには感染できないが、人工的にヒトのACE2受容体を発現させて感染できるようにした)、
新型コロナウイルスは肺で3日目に一番多く、5日目と6日目には減ったのに、6日目までには全てのマウスの脳に非常に多くのウイルスが見つかったということです。そして感染したマウスの重篤な疾患の発症は、脳のウイルスレベルと相関していました(つまり感染したウイルス量と比例して症状は悪化した)。そしてサイトカインやケモカインが増えて炎症が起き、白血球の浸潤、出血、神経細胞死という脳炎の特徴を示しました。また鼻甲介、、嗅球内の細胞に感染するので、鼻から感染し脳へ行ったと考えられるということです。(眼にも感染するということなので、本サイトとYouTubeで以前から私が言っていた「花粉症対策用メガネ」の着用は役立つ可能性が高いですね!)

肺のようにウイルスからは守れない脳は、ウイルスにとっては隠れられる格好の場所です。これは新型コロナは肺の感染症だけでなく、後日脳に感染して脳に関係した何らかの症状が継続的に起こるという可能性があるということです。

原著論文(オープンアクセス):Neuroinvasion and Encephalitis Following Intranasal Inoculation of SARS-CoV-2 in K18-hACE2 Mice. Kumar et al.
Viruses, 2021 Jan; 13(1): 132. doi: 10.3390/v13010132

2本目タイトル和訳『Covid-19患者の脳における微小血管損傷』

2番目の論文ニューイングランドジャーナルオフメディスンに短いレポート(Correspondence)として発表されました。米国NIH(アメリカ国立衛生研究所)から発表されており、亡くなった患者さんの脳を特別精度の高いMRIで見ると、脳と嗅球に微小血管の損傷が観察されました。脳出血や脳血管が薄くなっているといったダメージと免疫反応があったことが分かったというものです。ただこちらは脳に直接感染した証拠は出ませんでしたが、ウイルスがすでに出て行ったか検出限界以下かもしれないのでウイルスが直接影響したかは分からないということです。(このレポートは短いですがプレスリリースのほうが詳しく書かれてあります → 記事の一番下にあり)

原著論文(Correspondence):Microvascular Injury in the Brains of Patients with Covid-19
N Engl J Med. 2021 Feb 4;384(5):481-483. doi: 10.1056/NEJMc2033369.

seigoの追記

新型コロナにかかった後も脳の後遺症が出てしまうのは辛いです。ウイルスが住みついてしまうのでしょうか・・・(私はYouTubeで新型コロナが私たちの体に住み着く可能性がある(日和見感染のようになる)と言いましたが(2020年4月29日の動画; 4分20秒頃から言及)、まさにそれが起きているようです。イヤですね〜)

1本目の論文では、肺へのウイルス感染量が多いと脳への感染も相関して見られたと言うことなので、やはりマスクや花粉症用メガネをして、初期曝露量を減らすことは大切です。感染してもウイルスが増えなくする最も効果的な方法は、アビガンのような早期型抗ウイルス薬を服用するのが理想的ですが、まだ日本人が手軽に使える状況にありません。それ以外のウイルスの感染を減らす方法とは、日本の食事の成分にあることが分かっておりますので(すでに本サイトで論文と共に紹介しました)、以下のものを定期的にとり対処していきましょう!
– カテキン(緑茶の成分)や海藻の成分(スパイクタンパク質を取り囲んで感染抑制)
– 納豆や醤油、味噌などの大豆製品(腸内細菌のバランスを整える)
– ケルセチン(感染予防。玉ねぎやピーマン、リンゴに多く含まれる。ケルセチン+ビタミンC+亜鉛が良い組み合わせです。)


1本目: ジョージア大学のプレスリリース

ニュースタイトル『研究は、肺ではなく脳へのCOVID-19攻撃によってマウスの重篤な疾患が引き起こされることを発見しました』

ジョージア州立大学の研究で、新型コロナのウイルスをマウスの鼻腔に感染させると、肺がウイルスをうまく除去した後でも、脳への急速でエスカレートする攻撃を引き起こし重い病気を引き起こすことを発見しました 。
ムケシュ・クマール助教授は、この研究結果は新型コロナウイルスに感染したヒトの症状と重症度についての広い理解に影響しますと述べました。

「新型コロナが呼吸器疾患という私たちの考えは必ずしも真実ではありません」とクマール助教授は言いました。「脳は肺、心臓などすべてを制御しているため、脳に感染すればあらゆるものに影響する可能性はあります。脳は非常に敏感な器官で、すべての中央処理装置です。」

この研究は「Viruses」誌によって公開され、感染したマウスの複数の臓器のウイルスの量を調べました。マウスの対照群(ネガティブ・コントロール)は、鼻腔内に滅菌生理食塩水を投与されました。

クマール助教授は、パンデミックの初期にはマウスなどの研究で肺にフォーカスし、脳は調べませんでしたと述べました。感染した肺のウイルス量が感染3日後にピークに達し、その後下がり始めたことを発見しました。しかし5〜6日目には、すべてのマウスのに非常に高レベルの感染性ウイルスが見つかりました。このとき呼吸困難、見当識障害、脱力感などの重い症状が明らかになりました。

この研究では、脳内のウイルス量が体の他の部分よりも約1,000倍高いことがわかりました。

クマール助教授は、この結果は新型コロナの患者さんの中にはでは肺機能が改善し治ってきたように見えても急に再発して死ぬことになってしまった説明がつくかもしれませんと述べました。他の研究でも、病気の重症度とや症状の種類はウイルスの量だけでなく、どのように体内に入ったかも影響する可能性を示唆しています。

鼻腔は口より脳へのより直接的なルートです。そしてマウスと人の肺は感染をかわすように設計されていますが、脳は準備されていませんとクマール助教授は言いました。ウイルスが脳に達すると炎症反応が起こり、無期限に継続的な損傷を起こします。
「脳はウイルスが隠れるのが好きな場所の1つです。なぜなら脳はウイルスを取り除けるような免疫反応を始められないからです。
そのため脳の損傷は次の複数の症状と関連している可能性があります: 重症 心臓病 脳卒中 においや味覚の喪失を伴ったすべてのlong-hauler(長引く後遺症)
「これはすべて肺ではなく脳に関係しています。」

脳に感染した新型コロナ生存者は、 自己免疫疾患 パーキンソン病 多発性硬化症 、一般的な 認知機能低下 など、将来の健康問題のリスクも高まるとのことです。
「それは怖いことです。多くの人が新型コロナにかかって治り、森から出たと思っています。もう私はそれが決して真実ではないように感じます。森の外に出ることはないかもしれません。」とクマール助教授は言いました。

🔵 ジョージア州立大学のプレスリリースStudy Finds Covid-19 Attack On Brain, Not Lungs, Triggers Severe Disease In Mice(Georgia State University)JANUARY 19, 2021

2本目: 米国NIHのプレスリリース

ニュースタイトル『NIHの研究では、新型コロナ患者の脳の血管の損傷と炎症が明らかなものの、感染は見られません』

死亡した患者19人の研究結果は、脳の損傷が病気の副産物であると示唆しています。

矢印は、研究で観察された血管の損傷を示す明るいスポットと暗いスポットを指しています。

COVID-19が患者の脳にどのように影響するかについての詳細な研究で、NIHの研究者は、病気にかかった直後に死亡した患者の組織サンプルの脳血管の菲薄化(ひはくか)と漏出によって引き起こされる損傷の特徴を一貫して発見しました。
新型コロナが患者の脳にどのように影響するか詳しく研究したもので、国立衛生研究所(NIH)の研究者は、亡くなった患者の組織サンプルの脳血管が薄くなり漏れがあることによって起きるダメージを発見しました。さらに組織に新型コロナウイルスの兆候は見られず、ダメージが脳への直接的なウイルス攻撃によって起きたのではないことを示唆しています。結果は、ニューイングランドジャーナルオブメディシンに公開されました。

「新型コロナウイルスにかかった患者の脳は、微小血管の損傷を受けやすい可能性があることが分かりました。私たちの結果は、ウイルスに対する体の炎症反応によって起きる可能性があることを示しています」とNIH国立神経障害脳卒中研究所(NINDS)で筆頭著者のAvindra・Nath医師は述べます。「この結果が、患者が苦しむ可能性のある問題をしっかり理解し、より良い治療法を考え出すのに役立つことを願っています。」
新型コロナは主に呼吸器疾患ですが、患者はしばしば頭痛、せん妄、認知機能障害、めまい、倦怠感、嗅覚の喪失などの脳の問題を経験します。また、脳卒中や他の神経病理を患わせる可能性があります。
いくつかの研究は、この病気が炎症や血管のダメージを起こす可能性があることを示しています。ある研究では、ある患者の脳に新型コロナウイルスが少しいるのを見つけました。それでもやはり科学者たちは脳への影響を理解しようとしています。

この研究では、2020年3〜7月に新型コロナにかかって亡くなった19人からの脳組織サンプルを詳しく検査しました。16人のサンプルは、ニューヨーク市、他の3例はアイオワ大学医学部の病理学科から提供されました。患者は5〜73歳までの幅広い年齢でした。症状を報告してから数時間〜2ヵ月以内に死亡しました。多くは、糖尿病、肥満、心血管疾患など、1つ以上の危険因子を持っていました。患者のうち8人は自宅や公共の場で亡くなっているのが発見されました。他の3人は倒れ、突然死しました。

当初研究者たちは、嗅球と脳幹を調べるために、MRIスキャナーより4〜10倍感度の良い特別な高出力磁気共鳴画像(MRI)スキャナーを使いました。これらの部位は、新型コロナの影響を非常に受けやすいと考えられています。嗅球は私たちの匂いの感覚をコントロールし、脳幹は呼吸と心拍数をコントロールします。スキャンの結果、両方に炎症を示す高信号と呼ばれる輝点と、出血を表す低信号という暗い斑点がたくさんあることがわかりました。

その後、研究者は顕微鏡下でスポットをより詳しく調べました。輝点には正常より薄い血管壁フィブリノーゲンなどの血液タンパク質が脳に漏れていることわかりました。これは免疫反応を起こすようでした。スポットは血液のT細胞とミクログリアという脳の免疫細胞に囲まれていました。対照的に、ダークスポットは凝固した血と血液の漏れが認められましたが、免疫反応はありませんでした。

「私たちはすっかり驚きました。当初、酸素不足によるダメージを予想していました。ですが通常は脳卒中や神経炎症性疾患と関連する多発性の損傷領域が見られました」とNath博士は述べています。

最後に研究者らは、新型コロナウイルスから遺伝物質またはタンパク質を検出するためにいくつかの方法を使用したにもかかわらず、脳組織に感染の兆候は見られませんでした。

「これまでのところ、私たちが見た損傷は、脳に直接感染する新型コロナウイルスによって引き起こされたのではない可能性があることを示唆しています」とNath博士は述べました。「新型コロナが脳の血管にどうに害を及ぼすか、そして患者に見られる短期的および長期的な症状を引き起こすかどうかを将来的には研究する予定です。」

引用:NIH study uncovers blood vessel damage and inflammation in COVID-19 patients’ brains but no infection(NIH)

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