環境ホルモンが複数作用すると男児のIQが低下することが判明!? (2019年最新論文)

ニュース/レビュー

クリーニングや抗菌石鹸に知らずに含まれている外因性内分泌かく乱物質EDCs = endocrine disrupting chemicals、いわゆる「環境ホルモン」のこと)によって男児のIQが低下している可能性があることが発表されました。

これまで日本では環境ホルモンの情報はウソだとする風潮がありますが、この論文で環境ホルモンは「黒」であることが証明されました。それは、環境ホルモンは1種類では有害性はあまりはっきりしなかったことが原因でした。この論文では、複数の環境ホルモンについて調べられ、それが妊娠している女性に影響し、生まれてくる子供のIQが低下するという研究結果が示されました。

日本の家庭用製品に環境ホルモンが多数使われていますが、早急の除去が求められます。特に妊娠期の女性が使用する製品は、生まれてくるお子さんにとって一生を引きずる脳機能低下として現れる可能性が高いので、特に注意が必要です。

この研究はスウェーデンのカールスタッド大などが発表し、そのレビュー記事(英文)が大学のサイトとHealthlinesに掲載されました。今回その2つのレビュー記事(英文)を翻訳しましたのでご紹介します。(翻訳のプロではないので読みづらかったらすみません。

また発表された論文はオープンアクセスですので、どなたも無料で全文が閲覧できます。リンクを以下のレビュー記事の後に貼っておきます。
→ 最近はGoogle翻訳の性能が良くなってスムーズな日本語に翻訳してくれるようになってきました。(時々変ですが)ご活用下さい。(Google翻訳のページはこちら

妊娠初期における消費者製品中の環境ホルモンとIQ低下との関連

英文執筆者: Åsa B Höjer
(スウェーデン・カールスタッド大のレビュー記事より)

妊娠初期(〜3ヵ月)に消費者向け製品に含まれる内分泌かく乱化学物質(以後環境ホルモンと呼ぶ)の疑いのある混合物が含まれたものに接することにより、7歳以降の子供のIQ低下との関連しています。この研究はマウントサイナイ医科大学とスエーデンのカールスタッド大学の研究者によって10月の Environment International 誌に発表されました。これはに含まれる環境ホルモンの混合物を調べた最初の研究です。

研究者は、SELMAとして知られるスウェーデンの母子の研究において、妊娠初期の718人の母親から血液と尿の26種類の環境ホルモンを測定しました。これらの環境ホルモンには、プラスチック製の食品容器や飲料ボトルに含まれるビスフェノールA(BPA)消費者向け製品に含まれる農薬フタル酸エステルおよびその他の環境ホルモンが含まれていました。26の内のいくつかは、人の内分泌(ホルモン)活性を悪くすることが知られています。他の物質は動物でそのような結果が示されているか、既に知られた撹乱物質と化学的に似ているために内分泌かく乱として疑いのある物質です。

後に研究者は7歳の子供を追跡し、妊娠中に含まれる環境ホルモンのレベルが高い母親の子供はIQスコアが–1低いことを発見しました。特に男の子は、2ポイント低くなりました。中でもBPA代替化合物であるビスフェノールF(BPF; BPAよりも安全とされて登場した化学物質)は、子供のIQの低下に最も影響しており、BPFは子供にとってBPAより安全ではないことを示唆しています。

この研究では、他の問題の環境ホルモン農薬クロルピリホス洗浄剤に含まれるポリフルオロアルキル物質抗菌石鹸のに入っているトリクロサン軟質ポリ塩化ビニルプラスチックや化粧品に含まれるフタル酸エステル類であることがわかりました。環境ホルモンの多くは短期間しか体内に留まらず、短期間でも有害になる可能性があるため、研究者はこれが妊娠中の女性または妊娠しようとする女性への曝露を防ぐことが子供の神経学的ダメージを防ぐために重要であることを示唆しています。

-ほとんどの研究は1種類の環境ホルモンしか評価していないため、この研究は重要です。人々は一度に多くの環境ホルモンにさらされており、個々の環境ホルモンが低レベルであっても複数の暴露は有害である可能性があります。」とマウントサイナイ医科大の環境医学と公衆衛生科のエバ・タナー博士は言います。

カールスタッド大学の博士課程学生であるカール・グスタフ・ボルネハグは、通常の製品に含まれる環境ホルモンの混合物への曝露は脳の発達に影響を与え、BPFなどのより安全である物質とされているものでも子供にとって安全ではないかもしれません。

低レベルでも、環境ホルモンはホルモン活性に影響を与えます。これまでの研究では、フタル酸エステルBPAを含む多くの内分泌障害の疑いが、子供の神経発達障害と関連付けられています。

これらの環境ホルモンのいくつかは妊娠中に胎盤を通過し、胎児に治ることのない発達におけるダメージを引き起こす可能性があります。短い期間に汚染物質にさらされて起こる成人の悪影響は除去できますが、胎児の発達の重要な時期の暴露は永続し、微妙な内分泌の変化が成人期の健康に影響する可能性があります。

タナー博士は、この研究では妊娠初期の時点での曝露しか評価しなかったため、妊娠後期および小児期の曝露がどのように影響するかを理解するには、さらに研究を行う必要があると述べています。研究者は、対象の環境ホルモンのいくつかは短時間しか体内に留まらないため、研究中の母親は血液検査と尿検査の前や後に追加の暴露を受けた可能性も指摘しています。

研究者はこの研究は観察的なものであり、これらの結果を確認するにはさらなる研究が必要であると指摘しています。

カールスタード大学、オレブロ大学、ルンド大学、フィンランドのヘルシンキにある国立保健福祉研究所は、この研究に多大な貢献をしました。

この研究は、国立環境健康科学研究所(R01ES028811-01)および欧州連合(EDC-MixRisk 634880)によって部分的に資金提供されました。

ーーー 翻訳ここまで ーーー


引用ニュース

🔵 英語ニュース:CHEMICALS IN CONSUMER PRODUCTS IN EARLY PREGNANCY RELATED TO LOWER IQKarlstad University, Sweden)24 October, 2019

内分泌かく乱化学物質はどこにでもありますが、妊娠にどのように影響しますか?

英文執筆者:George Citroner(Healthline)

このレビューのポイント

🔴 ビスフェノールAフタル酸エステル、および類似の化学物質は、化粧品石鹸マニキュアヘアスプレーなど、多くの消費財に含まれる内分泌かく乱化学物質(環境ホルモン)です。

🔴 研究者は、妊娠中にシステム内の環境ホルモンのレベルが高い母親は IQスコアが低い子供 、特に男の子のスコアが2ポイント低下したことを見出しました。

🔴 この研究は、神経の発達に影響する環境ホルモンの混合物を扱った初めての研究の1つです。



科学者は、妊娠中に内分泌かく乱化学物質EDC)〔以後環境ホルモンと呼ぶ〕にさらされると子供のIQが低下する可能性があるという証拠を発見しました。

ビスフェノールA、フタル酸エステル、および類似の環境ホルモンは、化粧品、石鹸、マニキュア、ヘアスプレーなど、多くの消費財に見られるEDCです。【食品医薬品局(FDA)の情報へ

研究者は多くの異なる環境ホルモンを見出す

研究者らは、スウェーデンの妊娠第1期に718人の母親の血液と尿中の26のEDCを測定しました。【SELMA の報告-英語文献

彼らは、プラスチック製の食品および飲料容器、農薬、フタレート、および家庭用品に含まれるその他の環境ホルモンに通常含まれるビスフェノールA(BPA)〔 Healthlineによる BPAに関する英文記事参照 〕を含む物質を調査しました。

彼らは7歳の子供をフォローアップし、システム内のEDCのレベルが高い母親はIQスコアが低い子供、特にスコアが2ポイント低下した男の子を持つことを発見しました。

「ほとんどの研究は一度に1種類環境ホルモンを評価しかしないので、この研究は重要です。人間は同時に多くの環境ホルモンにさらされ、個々の環境ホルモンが低レベルであっても複数の暴露は有害である可能性があります」と研究著者のEva Tanner(LinkedInへのリンク)PhD、MPH、マウントサイナイ医科大学のアイカーン医学部の環境医学および公衆衛生学科の研究者は、電子メールで声明でヘルスラインに語った。

最も有害な可能性のあるビスフェノールF

驚くべきことに、いくつかの製品でBPAに取って代わる化合物であるビスフェノールF(BPF)IQの低下に最も大きく影響している可能性が示唆されました。つまり、BPFはBPAよりも子供にとって安全ではないかもしれません。

この研究は、神経発達に関連した出生前内分泌かく乱化学混合物を研究した最初の研究の1つでもあります。

「通常の消費者製品の化学物質の混合物への曝露は、子供の脳の発達に影響を与える可能性があり、BPFなどの安全性が高いと考えられる一部の化学物質は子供にとって安全ではない可能性があることを示しています」とカールスタード教授のCarl-Gustaf Bornehag博士電子メールでの大学、研究チームのメンバー、。

BPAは、一部の硬質プラスチック容器、缶詰食品のエポキシライニング、おもちゃ、感熱紙に含まれています」とシンシナティ大学医学部教授のHong-Sheng Wang博士はHealthlineに語りました。

「フタル酸塩は可塑剤として使用されます。より柔軟にするために、幅広くプラスチックに使われています。例えば、建築材料、庭のホース、おもちゃ、プラスチック包装、医療製品、パーソナルケア製品などです。」」と彼は言いました。
一般的な化学物質が体に与える影響
調べた他の化学物質には、農薬クロルピリホスクリーニング製品に含まれるポリフルオロアルキル物質(PFAS)、およびトリクロサンと呼ばれる抗菌石鹸の化学物質が含まれていました。

これらの化学物質の多くは、身体で迅速に除去されます。短期間の曝露でも有害である可能性があります。

研究者は、妊娠中の女性または妊娠予定の女性への暴露を防ぐことが、小児期の神経障害を防ぐために重要であることを示しています。

BPA胎児の血漿および出生時の胎盤で検出されています。多数の動物実験により、胎児の発育中にBPAにさらされると肥満、糖尿病、生殖および神経内分泌障害、および乳がんのリスクを高めることが示されています」とWang氏は述べています。

以前の研究で、内分泌かく乱化学物質が低レベルであってもホルモン活性を妨害する可能性があることを示しています。(引用文献1  ←オープンアクセス, 全文が無料で読めます)

その他の研究では、フタル酸エステルやBPAなどの多くのEDCを子供の神経発達の問題に関連付けています。(引用文献2オープンアクセス, 全文が無料で読めます)

研究者によると、一時的な汚染物質への曝露を取り除くことで成人の悪影響を排除できる一方で、胎児発育の重要な時期の曝露は数年後に健康に影響を与える可能性があり、これらの化学物質は潜在的に成人の健康結果に影響を与える可能性があります。

「人口ベースの妊娠コホートでは、EDCの疑いのある混合物への出生前早期暴露は、特に7歳の少年の認知機能の低レベルに関連していることがわかりました。」と研究著者は書いています。

「私たちは、主に一時的な汚染物質を懸念のある化学物質として特定し、妊娠中や妊娠しようとしている女性の曝露を軽減することが、出生前EDC曝露の有害な神経発達の影響を緩和する可能性を示唆しています」ということです。

ーーー 一部省略 ーーー


最後に

最近の研究では、妊娠中に家庭用品に多く見られる内分泌かく乱化学物質への曝露が、(7歳で測定された)子供のIQを低下させることがわかっています。

これらの化学物質のほとんどは短期間だけ体内に留まりますが、それでも害を引き起こす可能性があることを示しています。

研究者によると、妊娠中や妊娠しようとしている女性の被ばくを減らす方法を見つけることは、子供の脳の発達に対するこれらの化学物質の有害な影響を減らすのに役立つ可能性があるということです。

ーーー 翻訳ここまで ーーー


引用ニュース & 原著論文

Endocrine Disrupting Chemicals Are Everywhere, but How Do They Affect Pregnancy?Healthline)24 October, 2019

🔵 原著論文:
Early prenatal exposure to suspected endocrine disruptor mixtures is associated with lower IQ at age seven.( Environment International, 2019 )
→ 最近はGoogle翻訳の性能が良くなってスムーズな日本語に翻訳してくれます。(時々訳が変ですが)ご活用下さい。(Google翻訳のページはこちら

Seigoの追記

この論文が発するの2つの警告

①1つだけの環境ホルモンでは異常は出ないが複数とることによって有害となる
今回の研究は、1種類だけの環境ホルモンの体に対する影響を調べたわけではなく、26種類の環境ホルモンが複合的にどのように体に影響していを調べました。
② 大人には環境ホルモンを避ければ症状は軽減するが, 発達中の胎児への影響は知能低下として一生のハンディーを負うこととなる
大人が環境ホルモンの影響を受けても、使用をやめれば症状が治まるかも知れません。しかし、妊娠中の女性が抗菌剤をふんだんに使った家庭用品を使用したり、フッ素加工したフライパンや容器などを多用していると、発達中の胎児の脳に影響を及ぼし、7歳以降になってから子供のIQが低下する(特に男児は2ポイント悪くなる)ことが認められました。この影響は一生続く可能性があり、子供も迷惑ですが家族全員に影響するとても重大な問題を引き起こしますので、これらの環境ホルモンの使用には十分に気をつけて下さい。

原著論文オープンアクセスなのでどなたでも読むことができます。グーグル翻訳などを利用すれば翻訳が容易になるでしょう。

以下に論文で調べられた26種類の環境ホルモンを列挙しておきます。

今回IQの低下の主原因とされた9つの環境ホルモン

🔴 BPA(bisphenol A): プラスチックの原料エポキシ樹脂容器などに用いられる。 ワーストNo.8 (4%)
🔴 BPF(bisphenol F): BPAより安全だとして多用されている。男児のIQの低下にもっとも影響があった。 ワーストNo.1 (14%)〔括弧内の数字が大きいほど悪い〕
🔴 MEP(monoethyl phthalate, フタル酸モノエチル) ワーストNo.4 (6%)
🔴 PBA(3-phenoxybenzoic acid, 3-フェノキシ安息香酸) ワーストNo.2 (9%)
🔴 PFHxS(perfluorohexane sulfonic acid) ワーストNo.8 (4%)
🔴 PFOA(perfluorooctanoic acid) ワーストNo.4 (6%)
🔴 PFOS(perfluorooctane sulfonate) ワーストNo.6 (5%)
🔴 TCP(3,5,6-trichloro-2-pyridinol、3,5,6-トリクロロ-2-ピリジノール)有機リン系殺虫剤であるクロルピリホスおよびクロルピリホスメチルの代謝産物  ワーストNo.2 (9%)
🔴 Triclosan(トリクロサン): 医薬部外品の薬用石鹸、うがい薬、食器用洗剤、練り歯磨き、脱臭剤、手の消毒剤、及び化粧品など、様々な場面で使用される。  ワーストNo.6 (5%)
ワーストランキングは原著論文のFig.3のデータより 〕

 

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