ワインは防腐剤による毒性だけではなくビン自体にも有害物質が塗られていることが発覚!? (2019年最新研究)

ニュース/レビュー

今回はアルコール飲料ボトルのガラス瓶自体に有害物質が見つかったという報告です。

英国プリマス大学がその調査結果を論文として発表し、またそのレビュー記事(英文)を大学サイトに発表しました。今回はそのレビュー記事を翻訳しましたのでご紹介します。

翻訳のプロではないので文章が読みづらかったらどうもすみません 😅

ニュースタイトル「アルコール飲料ボトルのガラスと装飾に含まれる有害物質」

イメージ画像(出典:Gerd AltmannによるPixabayからの画像)


ビールやワイン、スピリットのボトルに使われているエナメル質(ツヤを出すため)の装飾塗料には、鉛やカドミウムなどが有害レベルの物質が含まれていると新しい研究が示しています。

プリマス大学の研究者は、お店やスーパーで簡単に手に入る透明や色のついた様々なガラス瓶とエナメル装飾を分析しました。

彼らは、カドミウム、鉛、クロムはすべてガラス中に存在していることを示しましたが、環境や健康へのリスクは深刻ではないと見なされる濃度でした。

しかし、エナメルはより懸念されており、さまざまなスピリッツ、ビール、ワインボトルの装飾された部分のカドミウムの濃度は最大20,000ppm、さまざまなワインの装飾には最大80,000ppmの鉛がありました。塗料中の鉛の許容限度は90 ppmです。

研究ではまた、有害物質がエナメルを塗ったガラスの破片から溶け出る可能性を示し、埋め立て地の降雨量をシミュレートする標準的な試験でいくつかの破片は米国のパッケージの重金属規制では「危険」とされるレベルでした。

Environmental Science and Technologyに発表されたこの研究は、水地球化学と汚染科学のAndrew Turner准教授によって行われました。

彼は以前の研究で、遊具や中古のおもちゃ、コップなど、いろいろな絵の具やエナメルに人の健康に有害なレベルの有害物質がある可能性を示しました。

Turner准教授は、「私たちが日常的に使う製品にこのような高レベルの有毒元素が含まれているのを見るのには、ずっと驚き続けています。これはそのほんの一例であり、代わりのものがあるのに有害物質が不必要に使用されているというさらなる証拠です。廃棄物やリサイクルの過程でこれらの物質が溶け出る可能性があることは明らかであり、さらなる心配の原因となっています。

イメージ画像(出典:All my pics are free!によるPixabayからの画像)


現在の研究では、ビール、ワイン、スピリッツのボトルはサイズは50〜750mLで、2017年9月〜2018年8月までに地元や全国の小売店から購入しました。

それらは、透明、つや消し(フロスト)、緑色、紫外線吸収性緑色(UVAG)または褐色のいずれかであり、単色のものや複数の色で画像、パターン、ロゴ、テキスト、バーコードとして表面の一部にエナメル加工されていました。

蛍光X線(XRF)スペクトロメトリーを使用して分析された、89本のボトルおよびとガラス破片のうち、76は低レベルの鉛、55はカドミウムが検出されました。クロムはすべての緑色のボトルとUVAGボトルで検出されましたが、茶色のガラスは40%しかなく、透明なガラスには入っていませんでした。

一方、試験された24のエナメル製品のうち12個は、全部か一部が鉛かカドミウムのどちらかまたは両方ありました。

ターナー博士はこう付け加えました。「世界中で政府は、日常の製品に有害物質の使用を制限するように明確な法律を制定しています。しかしサプライヤーと連絡を取ったとき、多くはボトルは飲料を製造しているのとは違う国で輸入または製造されていると述べました。これはガラス業界とガラスのリサイクルに明らかな課題を投げかけており、おそらくこの辺をカバーする将来の法律に含まれる必要があるでしょう。」

引用ニュース&原著論文

🔵 英語レビュー:Toxic substances found in the glass and decoration of alcoholic beverage bottles )July 01, 2019

🔵 原著論文: Heavy Metals in the Glass and Enamels of Consumer Container Bottles (Environ. Sci. Technol., 2019 )

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Seigoの追記

ワインは亜硫酸塩などの防腐剤が入っているので毒性が時々問題になりますが、今回はワインの中身ではなく、それが入っているガラス瓶自体に有害物質の鉛やカドミウムが検出されたという報告です。

ただ中に入っているワインやアルコール飲料自体には害が出るほど含まれていないということなので、その点はご安心ください。

なにが問題であるかというと、ビンの装飾部分に特殊な塗料が使われていてビンを捨てた時に環境汚染になるレベルの高い濃度の有害化学物質が塗られていることなのです。

ワインや高級アルコールボトルに豪華な装飾をつけて高級感を出すことはメーカー側としては力をいれたいところだと思いますが、環境や人間に対して有害な鉛やカドミウムを使うのはどうかと思います。

私たち消費者はボトルを装飾する塗料にも目を光らせていく必要があるようです。

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