モンサントの除草剤の主成分が肝炎患者に蓄積していることが判明!? (2019年最新論文)

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肝炎を患っているカリフォルニア州の患者さんに日本でも人気の除草剤であるラウンドアップの主成分グリホサートが体内に高濃度で検出されたという研究論文が発表されました。

この論文はカリフォルニア大学サンディエゴ校が発表すると同時に、大学のサイトにプレスリリース(英文)が公開されましたのでそれを翻訳しました。(翻訳のプロではないので読みづらかったらすみません。

苦境に陥って・・・肝臓病と除草剤とのつながり

人気の除草剤であるラウンドアップの主要成分であるグリホサートに人間がさらされると、非アルコール性脂肪肝疾患の重篤な症例と相関しています。

モンサントの人気の除草剤であるラウンドアップの主成分グリホサートは、動物モデルでは肝臓病の原因になることが分かっていました。初めて行われた最新研究でカリフォルニア大学サンディエゴ医科大学の研究者は除草剤人の肝臓に及ぼす悪影響との関連を報告しています。

Clinical Gastroenterology and Hepatology 誌に発表された研究で、カリフォルニア大学サンディエゴ医科大学の家庭医学と公衆衛生学のポール J. ミルズ(Paul J. Mills)教授が率いる研究チームは、二つのグループ — 【1】NASH非アルコール性脂肪性肝炎(Nonalcoholic Steatohepatitis = NASH非アルコール性脂肪性肝疾患nonalcoholic fatty liver disease = NAFLD)の一種〕と診断された患者と、【2】そうでない患者のグループ — から採取した尿のグリホサートを調べました。

その結果は顕著なものでした:年齢や人種、肥満指数(BMI)、人種または糖尿病の状態に関係なく、グリホサートの残留濃度は健康な肝臓の患者【2】よりもNASHと診断された患者【1】で(統計学的に)有意に高かったのです。

この結果は以前行われた動物実験の結果と、過去25年に大幅に増加した食料供給における商業用グリホサートの使用と、20年間で増加しているNAFLDの蔓延との関連を示唆するものであるとミルズ教授は述べます。

グリホサートを主成分とする除草剤(日本のAmazonで売られている製品)〔出典:Amazon.co.jp〕


ミルズ教授は「たくさんの研究がありますが、動物実験でラウンドアップやグリホサートを直接与えたものも与えらなかったものも私たちの論文に引用した研究はすべて同じことを指摘しています。それは肝臓障害です。そして当然思いました。米国で肝疾患を引き起すのと同じ除草剤にさらされているのではないでしょうか?」と。

この研究では93人の患者の尿を調べました。41%が男性;42%が白人またはコーケシアン;35%がヒスパニックかラテン系でした。平均肥満指数は31.8%でした。患者は2012〜2018年の間に実施されたUCサンディエゴNAFLD研究センターでの大規模研究として採用されました。肝生検を使用して、コホートで被験者を分類し、NAFLDの有無を判定しました。

次に、ミルズ教授は患者のグループに全てオーガニックの食事にしてもらい数ヵ月月かけてチェックし、除草剤なしの食事が肝疾患のバイオマーカーにどう影響するかを検討する予定です。

グリホサートは、米国で最も広く使われている除草剤です。それは1970年代に農薬大手モンサントによって開発され特許を取得、売上高は同社の年間売上高のおよそ50パーセントを占めています。

ミルズ教授は「人の尿中の(グリホサートの)増える量は、ラウンドアップを使った作物の食事を食べることと密接に相関します。」と述べます。しかし研究者がこの研究は除草剤曝露と人の肝疾患が関係するとはいえ、ミルズ教授はまだやるべき研究がたくさんありますと言います。

「我々が通常、非常に多くの合成化学物質にさらされています。そのたった一つを測定しただけです。」

ーーー 翻訳ここまで ーーー


引用ニュース & 原著論文

🔵 英語ニュース:It’s in the Weeds: Herbicide Linked to Human Liver Disease)MAY 14, 2019

🔵 原著論文: Glyphosate Excretion is Associated With Steatohepatitis and Advanced Liver Fibrosis in Patients With Fatty Liver Disease,Clinical Gastroenterology and Hepatology, 2019 )

農薬に関する書籍

Seigoの追記

脂肪肝で(アルコールを飲んでいないが)肝臓に炎症や壊死が見られる方(病院では「非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)」と診断される場合が多い)は、日本でも人気の除草剤であるラウンドアップの主成分であるグリホサート(家庭用でも使われる)が体内に高濃度で検出されたと、カリフォルニアから報告がありました。

これはNASHになったせいで肝臓の機能が衰えてグリホサートを分解できなくなったためにグリホサートの体内濃度が上がってしまったのかグリホサートのせいNASHになったのか分かりませんが、こういう途中経過を経てグリホサートによるガンが発生している可能性は大です。

家族の方にいつの間にか、肝炎や脂肪肝が増えていたら農薬が原因かも知れないのでお気をつけ下さい。NASHは脂肪肝の中でも肝硬変や肝臓がんに移行しやすい肝炎ですので、がんに進行する可能性が高いと考えられます。

しかしもしグリホサートで肝炎になっていることが分かれば、無農薬野菜に変えれば肝炎は改善する可能性があります。

グリホサートでがん化することが有名になったので世界中で使用規制しているが日本だけが使用量を増やしている!😖

去年の8月(2018年8月10日)にサンフランシスコの陪審(ばいしん)が、モンサントに約320億円の損害賠償の支払いを命じて以来(2019/7/14の記事参照:ある学校の用務員さんが除草剤(ラウンドアップ)を20〜30回撒いたところ、リンパ節の末期がんになったり、世界中でラウンドアップの使用規制が始まっていますが、日本だけはラウンドアップの使用規制を緩和しています。

例えば蕎麦は今までの150倍までラウンドアップを使用していいと緩和しています(下のリスト参照)
食品名 残留基準
(改正前)
ppm
残留基準
(改正後)
ppm
増えた倍率
べにばなの種 0.1 40 💀 400倍
ゴマの種 0.2 40 💀 200倍
そば 0.2 30 💀 150倍
ライ麦 0.2 30 💀 150倍
てんさい 0.2 15 75倍
小麦 5.0 30 💀 6倍

(厚生労働省の資料より)

🔴 日本は上記のように2017年12月、べにばなの種で400倍から小麦で6倍まで、残念なことにグリホサート残留基準の緩和を行っています。

「無農薬」や「有機」と書いていない食品には十分にお気をつけ下さい!

 



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