ネオニコチノイドが水道水に触れると人体に影響がでる物質へ変化することが判明! (2019年報告)

ニュース/レビュー

公開日:2019年4月12日, 最終更新日:2019年7月6日

今回は農薬ネオニコチノイドが水道水に混ざると、塩素などの成分とくっついてより毒性の強い物質に変化してしまうという報告についてです。

この研究は天然資源防護協議会(The Natural Resources Defense Council, NRDC; 非営利の国際的環境擁護団体)がその調査結果を論文発表し、またそのレビュー記事(英文)をインターネットに公開しました。今回はそのレビュー記事を翻訳しましたのでご紹介します。

私は翻訳のプロではないので和訳した文章が読みづらかったらどうもすみません 😅

ニュースタイトル「水道水におけるネオニコチノイドのより強い毒性」

イメージ画像(出典:Jan AmissによるPixabayからの画像)


繰り返しになりますが、わが国政府の科学者たちは — しばしば無視されていましたが、重要な国家ブレーンの信頼を得て — 非常に重要な新しいデータを一般に公開しています。

米国地質調査所(USGS)の農薬汚染水モニタリングの専門家は、水道水中のネオニコチノイド系農薬または「ネオニクス」を、農薬とその代謝物から元の合成化学品よりもさらに毒性の強い塩素消毒副生物(DBP = disinfection byproducts)が生成される可能性を含め、それらを追跡する連邦政府出資の提携事業として、アイオワ大学の科学者と協力して実施しました。

科学者たちは今、以前の水道水にネオニコチノイド(neonicotinoid)を発見した研究(2017 年Klarich論文)をフォローアップして、その環境下で生成されたネオニック(neonic)化合物またはその代謝物が、公衆衛生を維持すべく採用される塩素消毒のような一般的で、主要な水道水処理プロセスを経て重要な時の消毒副産物に変換されているかどうかを追求しています(2019年、Klarich Wong 他論文)。この論文は、水道水中に見つかったイミダクロプリド(Imidacloprid)の2つの既知代謝物に関してなされた初めての報告であって、それらはデスニトロイミダクロプリド(desnitro-imidacloprid)およびイミダクロプリド尿素でした。この研究は特に、デスニトロイミダクロプリドイミダクロプリドよりも哺乳動物に対して約319倍毒性が高くそれより遥かに低いレベルであっても有害であることの理由に関するものでした。

イメージ画像(出典:plによるPixabayからの画像)


水道水の2つの代謝産物の発見に加えて、論文の著者らはこれらの代謝産物が日常的な水処理プロセスの間に新しい形態のネオニコチノイド由来塩素化消毒副生成物にさらに変換される可能性を示しています。科学者たちは、実験室条件下で塩素系化学物質が生成されていることを示すために、現実的な飲料水条件の間に起こるであろうとされるラボラトリー条件をシミュレートしました。

これらの新しい塩素化汚染物質はテストされておらず、追跡されず、潜在的に有害とされています。言い換えれば、人間の健康に対するそれらの(有害であるという)潜在的な可能性は大いにあり得るということです! 飲料水中の他の種類の消毒副生成物は非常に有毒であり、がん先天性欠損症のリスクと関連しています。

ネオニコチノイドは市場で最も広く使用されている殺虫剤であるため、これらの潜在的な害もまたリスク面でもかなりの可能性があります。米国環境保護庁(EPA)および他の規制機関は、それらの毒性のメカニズムが昆虫選択的であると考えられていたので、ネオニクスが脊椎動物に害を及ぼす可能性を無視していました。

イメージ画像(出典:rostichepによるPixabayからの画像)


残念なことに、ミツバチなどの有益な昆虫や両生類、魚および他の水生脊椎動物にとって重要な食料源を提供する水生無脊椎動物に危害を加えるという規制の盲点を引き起こしました。代謝物(例えば、desnitro-imidacloprid)が赤信号を掲げる理由は、科学が昆虫選択的毒性に変化を起こし、それらが人や他の哺乳類を含む脊椎動物に対してより毒性が増すことを示しているからです。

最新の情報についてはUSGS農薬使用マップを参照して下さい。ただし、2015年以降、データレポートには農薬の種子処理用途は含まれていないというUSGSの免責事項に注意して下さい。ネオニクスに関しては、これは農業で使用されるネオン農薬総量のおよそ90%を占めますが – 非常に深刻な過少報告です。イミダクロプリドについては下記を参照して下さい(2015年以降は種子処理剤が含まれないためのドロップオフに注意して下さい)。

USGS Pesticide Use Map – imidacloprid (出典:nrdc.org


調査報告書の著者は、ネオニコチノイド由来の塩素消毒副産物が未知の毒性プロファイルを有するが、元の成分より毒性が高い可能性があることを記しています。

このように記事の中で、「ネオニコチノイド代謝産物の水サンプル中のより大きな潜在的毒性と存在の多さは飲料水処理システムにおける持続性(例えば塩素化および他の処理プロセス中)およびそれらの存続と健康への影響を考慮する必要性を示しています。」NRDCはそれに同意しているのです! それゆえに私達は、今年後半には、ネオン農薬の健康リスク評価にすべてのネオン代謝物と塩素化製品を含めるようEPAに依頼しているのです。

地表水や飲料水の汚染に加えて、米国農務省USDA)は、果物や野菜の中にネオニコチノイドを見つけました。ですが、野菜全体に広がっているためそれらを簡単に洗い流すことはできません。そして、新科学は動物実験での神経行動障害や出生前に暴露された子供における自閉症などとネオ二コチノイド暴露との関連を示唆しています(詳細については当サイトの別記事を参照 ↓ )。

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そのリスク評価にすべてのネオニコチノイド代謝物を含めることに加え、EPAはすべてのネオニコチノイド農薬とそれらの毒性代謝物の累積リスクを一緒に評価するべきです。EPAがこの有毒で持続性のあるクラスの農薬について累積リスクアセスメントを実施する計画を持っていないように思われることは驚くべきことです。

科学的な害の証拠が累積されています – EPAは注意を払うべきです!

引用ニュース & 原著論文

🔵 英語ニュース:Neonic Pesticide May Become More Toxic in Tap WaterThe Natural Resources Defense Council (NRDC)

🔵 原著論文:Chlorinated Byproducts of Neonicotinoids and Their Metabolites: An Unrecognized Human Exposure Potential? (Environ. Sci. Technol. Lett., 2019, 6 (2), pp 98–105)

※ 当サイトの新しい記事 ↓

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Seigoの追記

ヨーロッパではネオニコチノイド系農薬は5種類が使用禁止になっていますがが、日本は問題意識が低くもうバンバンに使用されているので川にも多いでしょう。

また農作物に単純に水道水を使っているところもあるのではないでしょうか?

ネオニコチノイドだけだと人に毒性はあまり内容ですが、それが代謝されて塩素と結びつくと毒性が500倍以上増すとは、いままで誰も気づかなかったのでしょうか?

測ってないようですが・・・残念なことにミネラルウォーターなどにも塩素は入っていることがあるようです。

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