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ビタミンD不足はうつ病を含む脳機能低下に関係している!? マコーラ博士レビュー記事「善玉菌はうつ症状を緩和」

健康情報

執筆日:2018年10月13日、更新日:2021年4月20日

農薬電磁波(5G)、そしてコロナによるストレスなどなどうつ病になる要因が増えてきております。このサイトにすでに紹介されたうつ病の大切な論文の復刻版を掲載します。

ーーー 2018年10月13日の記事より ーーー

今回はマコーラ博士の2017年6月22日の英文記事 “Probiotics Help Reduce Symptoms of Depression“(善玉菌はうつ症状を緩和)についてまとめさせていただきます。

善玉菌とビタミンB12不足がうつと深く関わっている論文があるのは知ってましたが、ビタミンDもうつに影響するのですね。

それからうつを改善させるには乳酸菌を摂るだけでなく、食事や色々なアプローチが必要だということです。

「善玉菌は鬱症状を緩和」マコーラ博士(Dr. Joseph Mercola)

心の問題は脳が原因と思いきや実は腸かもしれません。
1800~1900年代初頭に、大腸の老廃物からの感染で鬱を起こすという考えがありました。

今では科学で心の状態は腸内細菌の影響を受け、善玉菌が抗うつ剤になると考えられています。
ですがもっと広範囲に取り組むことをお勧めします。

善玉菌のサプリを飲むだけでも効くかもしれませんが、ジャンクフードを食べ続けてはあんまり違いはでないでしょう。

以下のようにヘルシーな食生活が大切です。
⭐️ お砂糖を制限あるいは止める
⭐️ 体に良い脂肪酸を摂る(脳の燃料になります)
⭐️ 発酵食品を積極的に取り入れる

さらに
⭐️ エクササイズ
⭐️ 質の良い睡眠
⭐️ 適度に太陽を浴びる

善玉菌のサプリだけではダメで、研究ではうつ病の治療でどれだけ腸内細菌が重要かを言ってるだけです。

善玉菌はうつ症状を軽減

ビフィズス菌(出展:wikimedia commons)

 最新の研究 
過敏性大腸症候群 ( IBS )軽~中程度のうつあるいは不安の症状のある44人の成人に
Bifidobacterium longum NCC3001(ビフィズス菌の一種)を与えるとうつが軽減しました。
引用文献(1~4)


  • 半数は菌で半数はプラシーボ(コントロール)です。
  • 6週間後、64%の人が改善が見られました。(プラシーボのグループは32%)
  • IBSの症状も減り、生活の質が上がりました。
  • 10週後は2倍ほどの患者さんがうつが良くなりました。
  • 面白いのはMRIで扁桃体のような気分調節に関わる部位の脳活動に変化が見られたことです。
Dr. Roger McIntyr(この研究に関わっていません)は
「うつだと扁桃体が赤くなりますが、青になってます。これは生物学的なレベルで脳内の何かが菌による影響を受けているといえます。」(5)

共著者のDr. Premysl Bercik(消化器科医、Hamilton Health Sciences)は
「この研究では、特定の善玉菌で腸の症状や精神的な症状が緩和できるので新たな治療法となると言えます (6)。

善玉菌が扁桃体の機能に変化を与えたということは、扁桃体は腹痛の原因の重要な場所でもあるので、IBSの症状を良くすることができます。(腹痛はIBSの症状)(7)」

うつと腸の炎症の強固な関係

たくさんの研究から消化器系の炎症がうつの発症に重要な役割を担っていると確認されています。

例えば2011年のハンガリーのレビュー(8):

❶ うつはしばしば自己免疫や心血管、神経変性疾患と同じように消化器系の炎症とともに見出され、慢性の弱い炎症が全てにとって重要な要因。よってうつは慢性炎症の精神症状。

❷ 善玉菌やオメガ3脂肪酸、ビタミンB, Dで胃腸の炎症を治療すると、脳への炎症性刺激を弱めるのでうつが改善されるとの多くの臨床研究 (9)。

❸ 炎症の主な原因は脳腸相関の機能障害の可能性 (10)。脳腸の関係は生理学と医学の教義として知られているため驚くようなことではない。腸は第2の脳で、実際妊娠中に脳と同じ組織からできる。

加工食品や糖をたくさん摂ると、健康的な腸内細菌がやられます。
代わりに病原菌や酵母、カビが増え、炎症が起きてきます。

善玉菌が脳の機能を変える力があるということを検証した研究もあります (11)。Bercikのチームは不安を軽減できなかったものの、Bifidobacterium longum NCC3001株でマウスで感染性大腸炎の不安のような行動を正常化させました (12)。抗不安効果は脳腸相関で迷走神経経路が調節されたからと考えられます。

Lactobacillus rhamnosus がGABAレベルに効果があったという研究もあります (13)。抑制性神経伝達物質が多くの生理及び心理学的なプロセスの調整に関わっているというもので、ある脳の領域でストレス誘発ホルモンのコルチコステロンを低下させます。つまり不安や鬱のような行動が減ったということです。精神分裂病や双極性障害と腸内細菌の強い関連が発見されました (14)。

糖の影響


糖を多く摂っているとうつに良くないです。
悪玉菌の栄養となり、腸内細菌のバランスが悪くなる。
慢性的な炎症が起こる。
インシュリンが上昇すると脳でグルタミン酸の分泌が上がって、精神に影響。グルタミン酸は興奮、うつ、怒り、不安、パニック障害に関係。
・健康な神経を保つ成長ホルモンの脳由来神経栄養因子 (BDNF)抑制。うつ病、統合失調症ではBDNFのレベルは非常に低くなり、動物実験ではBDNFのレベルが低いことが原因であるとのこと。

William Duffyの「Sugar Blues」(1986年)という本は砂糖とうつの関係について詳しく、砂糖を除くだけでも効果的な治療になる可能性を述べてます。

私(Dr.マコーラ)もうつを治療する食事はまずあらゆる糖(精製した砂糖、特にフルクトース、穀物)を制限することだと思います。
まずはフルクトースの量を25g/1日以下にすることから始めましょう。(Seigoの補足:ここでいうフルクトースとは加工食品やお菓子によく用いられる「果糖ブドウ糖液糖(ハイフルクトースコーンシロップ)をやめること」と「果物を食べ過ぎないこと」だと思います。)

グルテンもうつや精神病などに関係しています。
グルテンに弱いなら減らすのではダメで、完全にやめたほうがいいです。
糖やグルテンを除去するには加工食品(Seigoの補足:例えば加工食品の多くには砂糖ないしは小麦粉が入っているものが多い:ソース、ナゲットなど)をやめて素材から調理するのが簡単です。

加工食品をやめると慢性の炎症や腸内細菌のインバランスに関係があるとされる遺伝子組み換え食品やグリホサートなどの農薬も大幅に減らせます。
できるだけオーガニックがいいです。

うつを克服するために

砂糖やグルテンをやめるのと、さらには健康的な脂肪が必要です。
健康的な飽和脂肪酸の例としてアボカド、有機のバター、有機の黄身、ココナッツオイル、生ナッツ、牧草で育てた牛肉。
毎日のカロリーの50~80%必要かもしれません。

何より動物性のオメガ3</span>が最も重要です (15, 16)。
統合失調症など深刻な精神病には特に必要です (17~20)。
オメガ3は水銀の少ないアラスカワイルドサーモン、イワシやアンチョビなどから摂るのが良いです。
これらを食べない場合は吸収の良いオキアミオイルなどのオメガ3サプリをお勧めします。
そして良い腸内細菌を増やすために

🔵 繊維質の多いもの:野菜ナッツやシード(穀物でない)をたくさん摂ります。最近の研究では未処理のものがより効果的で、イヌリンのような加工されたサプリでは効果がありません (21, 22)。
オーガニックのサイリウムハスク、ひまわりの芽、ピクルス、フラックス、チアシードも食物繊維として良いです。

🔵 発酵食品:発酵させた野菜、コンブ茶、ケフィア、生ヨーグルト、納豆、キムチ、いろんな種類の菌を摂ると良いです。
プロビオティックサプリも良いですが、生きた発酵食品を食べるほどの利益はないかもしれません。

脳の健康に大切な栄養素

亜鉛

セレニウム
ナイアシン(B3)
ビタミンB6
ビタミンB12 (23~25)
葉酸(folates)
ビタミンD 〈 30 ng/mLレベルに比べ20 ng/mL以下の人はうつのリスク85%〉(26~27)
S-アデノシルメチオニン (SAMe)

William Walsh, Ph.D(著書「栄養のパワー:あなたの分子(biochemistry)を癒せ、脳を癒せ」)は精神薬は脳に異常な状態を引き起こすと警告しています。

Dr. Hyla Cassは精神の問題の治療のステップの第一が「食事」や「腸の健康」に取り組むことだと強調しています。彼女の CassMD.com に不安やうつ状態などの症状に対処する栄養について詳しく書いた「Reclaim Your Brain」という無料のレポートがあります。

21世紀のうつの原因

携帯電話、携帯電話の塔、Wi-Fi、コンピュータ、スマートメーター、ベビーモニター、インターネットなどマイクロ波放射の普及により細胞がダメージを受けます。

害を引き起こすメカニズムは、Martin Pall名誉教授によって約5年前に明らかになりました。電磁場(EMF)が細胞の外から内へ100万個/秒のカルシウムイオンを放出する細胞膜にある電位依存性カルシウムチャンネル(VGCC)を誘発することを発見したのです。

脳と心臓のペースメーカー細胞はVGCCの密度が高いです。脳のセンサーが活性化するとうつ病や不安に関連するホルモンや神経伝達物質が放出されます。自閉症の原因だったり、心臓不整脈を引き起こすこともあります。

うつ病、不安、自閉症または不整脈の場合、電磁波を制限することもいいでしょう。私(Dr. Mercola)のビデオもあります。

YouTubeビデオ:電磁放射の危険性(by Dr. Mercola)

〔英語です。英語字幕を自動生成させることができます(YouTubeの「設定」から変更できます)。全9分10秒ビデオ〕


メンタルヘルスの自然療法

🔴 抗うつ剤など精神薬をやめる。抗うつ剤を飲んでいる方はできれば医師の協力
を得ながら辞められると良いでしょう。
www.ACAM.org では自然療法の医師の紹介リストがあります。あなたの医師の協力を得て薬の量を減らしていきましょう。
徐々に減らすためのプロトコールがあり、マルチビタミンを少し同時にとりましょう。
医師の下でSSRIを終了する場合、5-ヒドロキシトリプトファン(5-HTP)を少量投与することを提案しています。躁鬱患者の場合ホリスティック精神科医は、魚油(オメガ3脂肪)、イノシトール、ナイアシン、トリプトファンなどを処方することがあります。

🔴 ライム病だったら医師に報告すること。躁鬱とライム病は関連しているのでもし感染していたらお知らせしましょう。

🔴 炎症と戦う。炎症のチェックは重要です。もしグルテンに弱いなら、グルテン除去食にします。食べ物のセンシティビティーテストが役に立ちます。ホールフードダイエット(全体食、精製しない穀物など)に変えます。

🔴 ビタミンDレベル:足りないとうつなどのメンタルヘルスに影響します。2008年の研究で、ビタミンD摂取が症状を改善したり少ないことが原因となることが結論づけられました (28)。最近の研究では自殺とビタミン欠乏の関連が指摘されてます (29)。

できればずっと40~60 ng / mLのビタミンDレベルを維持します。必要ならDサプリをビタミンKとマグネシウムと一緒にとります。

🔴 睡眠の質を上げる:睡眠を図るスマートウォッチが便利です。(http://www.atoshira.com/entry/2017/10/21/suiminkei)
睡眠不足はコルチゾールが高いかもしれないので唾液テストができると良いです。(副腎ストレス検査)
ホルモンを服用している場合、夜中目を覚まして眠れないならクビにプロゲステロンクリームを塗ります。あるいはストレス軽減やコルチゾールを下げるアダプトゲン(ストレスへの抵抗力を強める抗酸化物質もあるハーブ)やハーブを摂取します。いいハーブやアミノ酸があります。瞑想も良いです。

🔴 ビュテイコ呼吸法(浅い呼吸エクササイズで血中の二酸化炭素濃度を上げて喘息を治す。)で不安を迅速に緩和したりPTSDに有効とされる眼球運動再処理法(EMDR)、感情解放テクニック(EFT)は肯定的な感情を増やし否定的な感情を減らすテクニックで不安、うつ、恐怖症、PTSDなどに良いとされます (30~32)。

🔴 サプリメント
SAMe(アミノ酸誘導体)
5-HTP(セロトニン前駆体)(33)
セントジョンズワートは、軽度のうつ症状を軽減することも示されています。

🔴 エクササイズはGABA産生ニューロンを作り出したり、ストレス緩和に役立つセロトニン、ドーパミン、ノルエピネフリンのレベルを上げます。

Seigoの追記

私がマコーラ博士のこの報告を読んで驚いたことは、うつの改善方法というのは私がしているアンチエイジングの方法と共通点が多いということです。

腸内細菌のことを考えたり、ビタミンD不足を気にしたり、こういうことは老化しない方法や若返り法にも大切な要素です。

老化を促進してしまう方向の中に、「うつ」という1つの症状があり、もしかしたらこの症状は私たちに「あなたは間違った方向へ行ってますよ〜」っということを教えてくれている「サイン」なのかも知れませんね。

もし「うつ」っぽくなったら、食生活や生活態度を改めなさいということなのかもしれません。

それではうつ症状とは縁のない、いつもウキウキの人生にしていきましょう!

当サイトのビタミンDに関連する記事

🔵 ビタミンD不足になると精神に影響(記憶力低下)することが実証される! (オーストラリア最新研究), 2019.04.04

🔵 子供の喘息は大気汚染(タバコを含む)とビタミンD不足に原因があることが判明! (米国最新研究レポート)、2019.03.29

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引用と参考文献

引用:Probiotics Help Reduce Symptoms of Depression (June 22, 2017) by Joseph Mercola

以下は記事中に引用してある参考文献のリストです

1. Probiotic Bifidobacterium longum NCC3001 Reduces Depression Scores and Alters Brain Activity: A Pilot Study in Patients With Irritable Bowel Syndrome

2 &7. Small study shows probiotics can beat back depression

3. Are Probiotics The New Mood Cure, Or Another Overhyped Supplement?

4. Link shown between probiotics, improved depression symptoms

5. How Probiotics May Help Depression

6. Probiotic use linked to improved symptoms of depression

8&9& 10 & 33. Role of gastrointestinal inflammations in the development and treatment of depression

11. Gastroentorology 2013 Jun;144(7):1394-1401

12. The anxiolytic effect of Bifidobacterium longum NCC3001 involves vagal pathways for gut-brain communication.

13. Ingestion of Lactobacillus strain regulates emotional behavior and central GABA receptor expression in a mouse via the vagus nerve.

14. The microbiome, immunity, and schizophrenia and bipolar disorder.

15. Clinical Guidelines and Recommendations

16. Omega-3 supplementation lowers inflammation and anxiety in medical students: a randomized controlled trial.

17. Longer-term outcome in the prevention of psychotic disorders by the Vienna omega-3 study

18. Omega-3s May Protect Against Psychosis

20. Fish oil may counter schizophrenia

21. High-Fiber Diet Keeps Intestinal Walls Intact

22. FIBERS ARE FOUND TO FIGHT FLESH-EATING BACTERIA IN OUR STOMACHS

23. Vitamin B-12 and depression: Are they related?

24. Cerebral Manifestations of Vitamin-B12 Deficiency

25. Cerebral Manifestations of Vitamin-B12 Deficiency(全文)

26. Depression

27. Vitamin D might help fight symptoms of depression

28. Effects of vitamin D supplementation on symptoms of depression in overweight and obese subjects: randomized double blind trial

29. LOW VITAMIN D MAY PLAY ROLE IN SUICIDE ATTEMPTS

30. How Trauma Alters Memory; Why Every EFT Practitioner Should Know About the Amygdala and Hippocampus

31. What If You Could Eliminate Your Limiting Beliefs Overnight?

32. EFT Practitioner List

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