米国の飲料水に発見された恐ろしい化学物質とは? 血液中に蓄積も (2019年論文)

ニュース/レビュー

執筆日:2019年11月15日、更新日:2021年3月24日

ファーストフードで使われる容器やダイバーが使う潜水具には防水性(または撥水性;はすいせい=水をはじく性質)を高めるために有機フッ素化合物(PFAS)が使われている場合が多いですが、この毒性が米国で問題になっていることが報告されています。

これは2年前から一般に知られはじめましたが、日本ではこのような情報は完全にブロックされているので、今回は以前の記事の復刻版を掲載します。

ーーー 2019年11月15日の記事より ーーー

先日にIQの低下を招く環境ホルモンランキング・ワースト9をご紹介しましたが、その中に有機フッ化物が3種類もランキングに入っていました。

この物質が米国の飲料水の中で見つかり、しかも人々の血液に蓄積していることが今回のレポートで分かってきました。

今回、それらの情報のレビュー記事(HealthDay)を翻訳しましたのでご紹介します。(翻訳のプロではないので読みづらかったらすみません。

飲料水危機の最新情報:43州で有害なPFASによる汚染が判明

英文執筆者:Elizabeth Heubeck(HealthDay レポーター)

ノースイースタン大学(マサチューセッツ州ボストン)と環境ワーキンググループ(EWG)の新しい報告によりますと、米国中の何百人もの人々が飲料水中の有毒なPFAS*という化学物質にさらされています。

PFAS = per- and poly-fluoroalkyl substances; パー/ポリ・フルオロアルキル物質 いわゆる「有機フッ化物」(用途:ファーストフードの包み紙や箱のコーティング剤など)

2019年3月現在、米国43州の少なくとも610の地域で約1900万人用の飲料水システムを含む、PFASとして知られるフッ素化合物に汚染されているを発見しました。疾病管理予防センター(CDC)によりますとPFASへの曝露によって、 免疫や行動および生殖に関する問題 とともに がんのリスクを増やす可能性 があります。

非営利団体の環境ワーキンググループ(EWG)とノースイースタン大学の非営利環境作業部会と社会科学環境衛生研究所はペンタゴンと水道施設の情報から、汚染の広がりの詳細なインタラクティブマップを更新しました。EWGは2018年7月にマップが公開された時点では、PFAS汚染が示されていたのは40州で172地域だったと述べています。

PFASの一種であるPOASの構造。このPFOSはアメリカ環境保護局(EPA)が次の疾患を引き起こすリスク要因になると指摘したもの:腎臓がん精巣がん膵臓がん前立腺がん乳腺がん、および低体重児甲状腺疾患精子減少〔EPAの記事(英文)〕(画像の出典:Wikimedia Commons, By Jynto (talk) – Own workThis image was created with Discovery Studio Visualizer., CC0, Link )


今回の新しいデータに基づき、地図上でこの汚染地域数が最も多い州ミシガン州の192地域で、カリフォルニア州の47地域とニュージャージー州の43地域が続きます。PFAS汚染は全国の117の軍事基地で発見されましたが(発見された軍事基地)、これは航空機用消化泡の使用によるものです。米国防総省関係者は米国のすべての基地で汚染を一掃するには20億ドルかかると推定している、とミリタリータイムズ紙(Military Times)に報じられています。

EWGの上級サイエンティストのデービッド・アンドリューズ(David Andrews)は、CBSニュースで「これらの化学物質は体内にも環境にも分解されることはなく、実のところ私たちの血液にへばりついています。そしてその量は時間が経つと増えていきます。」と語ります(CBSニュース記事)。

PFASは1940年代から生産が始まり、化粧品、塗料、接着剤、食品包装、家具、クリーニング製品、さらに水、油、撥水剤など幅広く商品に使用されていることがオンライン誌 HuffPost に報告されています。それらが分解するのに何千年もかかるので、PFAS飲料水、湖と川、そして野生生物に簡単に入り込みます。CDCによると、基本的に米国民が汚染された水や食物を消費しているので、ある程度のPFASを血中に含むとされています。

デイリーメール紙は現在、飲料水中のPFASには連邦の強制的な規制はありませんが、米国環境保護庁(EPA)には70 ppt( 0.07 µg/ L )を安全な量の目安と報じています。EWGは濃度が安全レベルを下回っていても、PFASが発見された場所は全てこの報告書に入れています。EWGは飲料水中のPFASについては、1pptに制限することを提案しています。

EWGのプレジデントであるケンクック(Ken Cook)氏はプレスリリースで、「EPAは、PFASの深刻な危機に立ち向かうことを全くせず、連邦化学物質規制システムの失敗に起因する複雑な問題を、地域のコミュニティーや州に丸投げしています。」と述べています。

EPAは飲料水中のPFASに関する国内規制値を設定すべきと最近ほのめかし、地下水中のPFAS汚染の浄化に関する指針ガイダンス草案を発表しました。EPAはEWGからの最新データを完全にレビューしていないと述べ、現在のところは既存のPFASのプランに固執しています。

「EPAはPFOAおよびPFOSの安全な飲料水法(SDWA)で概説されている最大汚染物質レベル(MCL)処理プロセスを実施しています」とCBSへの声明で述べました。 「この法律で規定されているプロセスにより、公共用水システムの汚染物質に関する規制を策定する際の科学的完全性と透明性が確保されます。」

ーーー 翻訳ここまで ーーー


引用ニュース

🔵 英語ニュース:Drinking Water Crisis Update: Supplies in 43 States Found Contaminated With Harmful PFAS ChemicalsEcoWatch)May. 10, 2019

Seigoの追記

先日の記事ではPFASのような有機フッ化物が、 子供のIQを低下させる環境ホルモン ランキング・ワースト93つもエントリしていたことに驚きました。(2019.11.02の記事

🔴 ワーストNo.4 PFOA
🔴 ワーストNo.6 PFOS
🔴 ワーストNo.8 PFHxS

PFASが全米の水に混入し、しかも血液中に溶け込んで(排出されないで)蓄積していくとは恐ろしい物質です。

しかもPFASは、EPAにより次の疾患を引き起こすリスク要因になるという指摘があります:

腎臓がん精巣がん膵臓がん前立腺がん乳腺がん、および低体重児甲状腺疾患精子減少〔EPAの記事(英文)参照〕

(業界の方でないとご存知ないと思いますが)日本でもPFASは使われていて、ファーストフードの容器のコーティング剤として使われているそうです(どこで使われているかあまり資料が見つかりません)。

日本でもアメリカのように汚染が広がらないように対策が必要でしょう。

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