赤ちゃんがパラベンを含む製品に触れると小学生になって肺に障害が出ることが判明!(2019年欧州研究)

ニュース/レビュー

執筆日:2019年4月11日、更新日:2021年3月23日

ファーストフードで使われる容器やダイバーが使う潜水具には防水性(または撥水性;はすいせい=水をはじく性質)を高めるために有機フッ素化合物(PFAS)が使われている場合が多いですが、この毒性が米国で問題になっていることが報告されています。

これは2年前から一般に知られはじめましたが、日本ではこのような情報は完全にブロックされているので、今回は以前の記事の復刻版を掲載します。

ーーー 2019年4月11日の記事より ーーー

今回は子供の肺病と化粧品の化学成分の関連についての新しい研究結果という報告です。

欧州の科学者チームが最新研究をプレスリリース(英文)しました。それを翻訳しましたので、ここにご紹介します。

ニュースタイトル「子供の肺障害と化粧品の化学成分の関連についての新しい研究結果」

泡だらけの中に潜む有害物質(出典:Dieter UgoliniによるPixabayからの画像)


新しいヨーロッパの研究によると、パーソナルケア製品に広く使用される化学物質にさらされた子供たちは、後に肺障害になる危険が高くなるかもしれません。

欧州の科学者チームによる The Lancet Planetary Health 誌に掲載された長期的研究によって、子宮内および出生直後の赤ちゃんが3種類の化学物質フタル酸エステルパラベン、そしてフッ素化合物PFAS)にさらされると、6歳から12歳までに肺機能が悪くなることが判明しました。(seigoの補足3種類のうち1つでも触れる機会があれば、後々 肺機能に影響するとのことです 😱 )

このチームはフランスやギリシャ、リトアニア、ノルウェー、スペイン、そしてイギリスの1,000組以上の母親と子供のデータをこの研究に使用しました。出生前後の化学物質への暴露が子供の肺機能に及ぼす影響を調べる最初の研究であると考えられます。

この研究で引用されている化学物質には複数の用途がありますが、3つのクラスすべてが化粧品やその他のパーソナルケア製品に含まれていることが多くみられました。

環境作業部会(Environmental Working Group /EWG)の政府問題担当副会長のスコットフェーバー(Scott Faber)氏は、「この研究は、今や最終的に化粧品の化学物質を規制する時期であるという多くの証拠を提供するものです」として、「がんや不妊のリスクが増えても議会が行動するには不十分だというのに、今度はこれらの日常的な製品が引き起こす害のリストに子供の肺障害を加えなくてはならない。」と述べています。

パラベン、PFAS、フタル酸エステル

石けんのイメージ(出典:Tomasz MikołajczykによるPixabayからの画像)


パラベンは化粧品に広く使用されている化学防腐剤であり、乳がんを含むその他の健康問題に関連しています。パラベンは、EWGのSkin Deep® 化粧品のデータベースの5分の1の製品に含まれています。このデータベースでは7万を超える製品の成分が分析されています。

PFASは、がん甲状腺疾患肝臓の問題など深刻な健康への影響と関連しています。EWGの研究者は最近Skin Deepデータベースを調べ、15ブランドの66製品から PFASを発見しました。

フタル酸エステルは、フレグランス混合物(香りの保留剤)やボディケア製品に使用される工業化合物です。それらは男児の生殖機能発達を妨げ、成人男性の精子損傷に関連する強力なホルモン攪乱物質です。

議会が化粧品規制法を最集的に決議して以来 80年以上経っていますが施行が遅れ、企業は未だにパーソナルケア製品にがんや他の健康上の害に関わる化学物質を追加することが許可されています。多くの化粧品会社が大小を問わず、また公衆衛生団体が、非常に時代遅れの化粧品法を更新して、食品医薬品局に疑わしい成分を審査する権限とパーソナルケア製品業界を監督するのに必要な手段を与える必要があるということに同意しています。

前回の議会でDianne Feinstein(D-Calif)議員とSusan Collins(R-Maine)議員、そしてFrank Pallone議員(DN.J.)が提出した法案は、米国食品医薬品局に物議を醸す化学物質を審査する権限を与えるものとなっています。

「これまでに、化粧品やその他のパーソナルケア製品が安全だと保証することが実現しそうになったことは全くありません」とフェイバー氏は述べています。

引用ニュース & 原著論文

🔵 英語ニュース:Chemicals in Cosmetics Linked to Lung Damage in Children, New Study FindsThe Environmental Working Group’s mission

🔵 原著論文(1):Early-life exposome and lung function in children in Europe: an analysis of data from the longitudinal, population-based HELIX cohort ( The Lancet Planetary Health, February 05, 2019)
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