柿の葉石鹸で加齢臭が消える!? 柿のタンニンが体臭を除去するメカニズム

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柿は古くから栄養に富んだ食べ物として日本人に好まれた!

柿(出典:by elfa/Pakutaso)


田舎の美しいイメージというと、茅葺(かやぶき)屋根の家に柿の木でしょうか・・・。
秋になると柿がたわわに実って、秋の風物詩とも言えます。

古くに柿は縄文時代にも食べられていたようで、柿の種の化石が発見されています。
甘柿だけでなく渋柿も干し柿にして冬場に食べていたそうです。

江戸時代に全国を行脚していた松尾芭蕉は、古里伊賀を巡った時にあちこちにある柿の木を見て、

「里古りて 柿の木持たぬ 家もなし」

と俳句で伝えました。家々の隣にたわわに実った柿の木がいっぱいある感動的な風景を俳句にしたためたのでしょう。

柿の俳句で最も有名なのは、柿が大好きだった正岡子規の

「柿食えば 鐘が鳴るなり 法隆寺」

ですね。柿と奈良が大好きで、柿は一度に5~6個も食べたそうです。渋柿についてもおもしろい句もあります。

「渋柿は 渋にとられて 秋寒し」

「渋柿は 馬鹿の薬に なるまいか」

柿を食べながらいろいろと考えていたのでしょうね。

柿タンニンが体臭や加齢臭を抑える効果があることに注目されている!

柿と柿の葉(出典:はなたれ君/写真AC)


昔から馴染みのある柿は、果実も葉もそれぞれ大事な栄養素を含んでいます。

柿の葉のメリット

柿の葉にはビタミンCタンニンがたっぷりと含まれていて、ビタミンC緑茶の約20倍レモンの約10~20倍とも言われています。しかも柿の葉のビタミンCは「プロビタミンC(生体内で酵素反応によりビタミンCとなる)」という熱に強いタイプで、柿の葉茶にして飲んでも抗酸化力がバッチリあるので、美肌・美白効果やシミ、肌荒れ、ニキビ対策にも優れています(参考文献)。

柿の葉タンニンを使った体臭・加齢臭防止の柿の葉石鹸もあります。参考商品のリンクを貼っておきます。(リンクは効果を保証するものではありません。)

柿の果実のメリット

柿の果実にも、様々な栄養素が含まれています。成分として、カリウムの含有量が多いのと、ビタミンAとC、柿タンニンがたくさん含まれていることです。

カリウムは、塩分(ナトリウム)を排泄する作用があるので高血圧を予防する効果があります。

またチアミン(ビタミンB1)、リボフラビン(ビタミンB2)、葉酸、マグネシウム、りんも含みます。

柿のタンニンとは?

柿に含まれる可溶性のタンニン(カキタンニン、シブオール)はポリフェノールの一種であり、渋柿の渋みの成分ですが、アルコールが肝臓で分解されてできるアセトアルデヒドと結合し、体外に排出してくれます。二日酔いの原因物質であるアセトアルデヒドを効率よく排出してくれるシブオールと分解を助ける酵素のカタラーゼ、そしてアルコールの分解を助けるビタミンCの豊富な柿はまさに二日酔いの救世主かもしれませんね。

柿のタンニンの量ワインの約20倍緑茶の約70倍とも言われています。柿タンニンは、活性酸素の働きを抑える高い抗酸化作用を持っています。この抗酸化力は、メラニンの生成を抑制してシミの予防美白効果を発揮し、抗老化動脈硬化の防止にも効果があります。

柿のオレンジ色の成分はβ-カロテン(体内でビタミンAに変化)という色素で、カロテノイドの一種であるβ-クリプトキサンチンもオレンジ色を発色します。このカロテノイド(特にβ-クリプトキサンチンとβ-カロテン)は骨の形成を助ける作用もあって、骨粗しょう症予防に効果があるようです。閉経を迎えた女性の味方でもあります。さらには体内で抗酸化物質として働いて活性酸素を抑制し、がん細胞の増殖を抑える作用があることも分かってきました。ビタミンA眼や皮膚の健康、免疫力アップにもいいですね。柿2個で1日に必要なビタミンAが摂れてしまいます参考文献)。

心臓病や高血圧の予防になる成分も柿に入っている

さらに柿はケルセチンケンペロールなどのフラボノイドも含んでいるので、心臓病の予防にいいかもしれません。10万人近くで行なった研究ではフラボノイドを多く摂っている人は心臓病による死亡が18%減るそうです(参考文献 ←論文の全文が閲覧可)。

また血圧やLDL値を下げ炎症を減らしてくれるようです(参考文献 ←論文の全文が閲覧可)。

柿に含まれるタンニン3,4,5-トリヒドロキシ安息香酸によっても高血圧予防心臓病予防に良いそうです(参考文献 a, b, c)。

 加齢臭を抑える方法は?

柿の葉石鹸やシャンプー、ボディーシャンプーも登場!



イメージ画像(出典:acqueline macouによるPixabayからの画像)


柿タンニンのもう一つの大事な作用は悪臭成分と結合しやすいので、加齢臭を消す働き(消臭作用)があるのです(参考文献)。このため、加齢臭や嫌な体臭を抑える目的で、このタンニンを使用したボディーソープやシャンプーが発売されています。さらには柿タンニンには、皮膚や頭皮に繁殖して臭いを発散する雑菌やウイルスを寄せ付けない防菌作用と殺菌作用もあるのです。

参考商品のリンクを貼っておきます。(リンクは効果を保証するものではありません。)

消臭のメカニズム

消臭の原理は、柿タンニンに含まれるフェノール性の水酸基が、加齢臭(ノネナール:加齢と共に増加する匂い成分〔参考文献〕)や体臭の成分と化学的に結合し、別の臭わないポリフェノール付加生成物を作るためです。別の香り成分を添加して臭いをごまかすマスキングではなくて、嫌な臭い成分を根本から除いて脱臭するので効果が強いと言われているのです。体臭はノネナールアンモニア酢酸イソ吉草酸などの成分ですが、これらを90%以上消臭してくれるそうです。

柿タンニンは発酵させて作る

柿タンニン未熟な柿の果実に多いので、柿タンニンを得るには青い未熟渋柿が利用されます。粉砕機などで砕いた後で樽の中に二昼夜ほど貯蔵して発酵させて「生渋」を作ります。生渋を圧搾して得られる上澄み液が「一番渋」で、さらに搾りかすに水を加えて同じ作業を繰り返します。

柿タンニンの幅広い用途

柿タンニンには「防腐作用」や「防水作用」もあるので、漁網や木工建材の塗装の下地塗りにも使われています。広島大学・食品衛生学研究室の研究ではノロウイルスなどに対する抗菌作用が認められ、2010年9月のNHKの「あさイチ」でも取り上げられました。

柿の果実には多くの有益な栄養素が含まれていたり、柿のタンニンや色素成分のポリフェノールは抗菌性や加齢臭防止作用もあって、有益な食材と言えます。秋の味覚である柿は「医者いらず」と言われる所以ですね。(「柿が赤くなれば医者は青くなる」と言われる)

柿タンニンのデメリット – 便秘

ただ柿で便秘になる方もおられるようです。柿タンニン(ギブオール)タンパク質を編成するので、腸で膜ができてぜんどう運動を弱めて便秘になりやすくするので、下痢止めとしても使われるそうです。
ですので食べ過ぎには注意が必要ですね。

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