小麦を食べた後に運動するとショック症状を起こすのはなぜ?/潜んでいるアレルギー3例を紹介

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実は普段よく食べているものが、ついありがちな生活習慣が引き金となり、思いもよらないアレルギー発作を引き起こしてしまうことがあるのです。

しかも今まで一度もアレルギー症状がなかった人にも突然起こるというのです。

今回は大きく分けて2つの組み合わせ①小麦 × 運動 と ②フルーツ × ゴム手袋についてまとめました。

 

① 小麦 × 運動 のキケン

問題が起きた実例

2月上旬、ある夫婦は食べ歩きに出かけた。食べ歩き1食目は高級店のうな重、2食目の待ち時間にはホットコーヒーを飲み、2食目は大好物のラーメンを食べた。その後は限定のプリンを食べに行くことに。売り切れになる時間だったため、小走りで移動。寒い中行列に並んでプリンを食べた。

その帰り道、夫は 激しいかゆみ 発疹 に襲われ、 呼吸困難 に陥り病院に救急搬送された。太田さんはこれまで食物アレルギーを起こしたことはなかった。呼吸困難を引き起こした原因はなんだったのであろうか? (一部の文字起こしは「どこでもディーガ」iPhoneアプリより)

病名そして原因は?

 講師:伊藤浩明 先生(あいち小児保健医療センター)

ラーメンを食べた後に軽く走ったあとに、体が突然赤くなり呼吸困難になってしまう方がいます。これはなぜ起きてしまうのでしょう?

病名「食物依存性運動誘発アナフィラキシー」

ラーメンを食べて走ったということが原因です。
ではなぜ?
食べた後で運動をすることでアレルゲンをたくさん吸収してしまうことにあると言われています。これまで小麦アレルギーと思っていなかった方にも突然発症することがあります。
運動をしていない場合アレルゲンの吸収が少ないですが、食べた後の運動によってアレルゲンの吸収が多くなって発作を起こしてしまったと考えられます。

この方のように普段から小麦を食べてもアレルギー症状が出ない人は、自分に小麦アレルギーがあることに気づかない人が多いのです。
(普段から小麦にアレルギーをもっていないかチェックすることが大切)

多くは球技(38%)やランニング(28%)などの強めの運動をした時に発症するのですが(ちなみに歩行17%)、激しい運動だけでなく意外なことでも起きるそうです。

激しい運動ではなくても次のような行動でアナフィラキシーショックが起きる
シャワー入浴
散歩
お酒

🔴 60〜70代の方でも軽くパンを食べた後にゴルフの打ちっ放しに行ってちょっと練習してもアナフィラキシーショックを起こすことも。

🔴 姫野友美先生によると、過去にシャワーを浴びたことで食物依存性運動誘発アナフィラキシーになった患者がいたとのこと。矢上先生は、散歩やシャワーや入浴の他、飲酒でもアレルギー症状が出る可能性があるとのこと。

🔴 石原先生「寝不足、疲労、ストレス、生理などが重なるとアレルギーが発症しやすいので、体調管理にも気をつけて欲しいです。」

小麦以外にもアレルギーを引き起こしやすい食べ物とは?

食物依存性運動誘発アナフィラキシーのほとんどは小麦甲殻類原因です。稀に果物で起きる場合もあるそうです。

食物依存性運動誘発アナフィラキシーを原因となる食品
・小麦(62%)
甲殻類(28%)(エビカニなど)
ソバ(3%)
・魚(2%)
・果物(1%)
・牛乳(1%)
・その他(3%)


未然に防ぐためには?

運動する前にアレルギーを起こすものを食べない

つまり事前のアレルギー検査が大切

中山先生によりますと、原因の食べ物を食べて2時間以内に運動をすると起きてしまう方が多いです。中には2時間経って起きてしまう方もいるそうで、安全のため(アレルギーを持っていないことを確認した人を除いて)食後4時間は運動しないようアドバイスしました。

 

② 食べ物 × 生活習慣 のキケン

問題が起きた実例

主婦の松本みどりさん(仮名・45歳)は手のかゆみが悩みだったが、季節は乾燥した冬の時期だったため特に深刻には考えなかった。キレイ好きな松本さんは普段から水回りの掃除を欠かさず、掃除の際はゴム手袋を使用していた。掃除後は肌荒れ対策に必ずハンドクリームを塗り、乾燥対策に加湿器を使用していた。食事では美肌のためにコラーゲンたっぷりの豚足を食べ、寝る前には保湿のためコトンの手袋をしていた。普段から肌に気をつかっていた松本さんだったが、手のかゆみは治まらず松本さんを気遣った夫が大好物のキウイフルーツを用意。これを食べ始めた直後、アレルギー反応が起こり 呼吸困難 に陥った。松本さんは救急搬送され、一命は取り留めた。その後の精密検査で、松本さんはキウイフルーツとある習慣の組み合わせによって引き起こされる複合型アレルギーになっていたことが判明した。 (一部の文字起こしは「どこでもディーガ」iPhoneアプリより)

病名そして原因は?

病名「ラテックス-フルーツ症候群」

講師:矢上晶子 先生(藤田医科大学アレルギー科)

ラテックス-フルーツ症候群とは、ラテックスアレルギーにまずなってしまった人が、果物を食べると突然 息が苦しくなったりじん麻疹を起こすという病態のことです。

なぜキウイで発症?

交差反応性といいますが、天然ゴムにアレルギーを持った人が天然ゴムと同じような成分(クラス1キチナーゼ)を含んでいる果物を食べたら同じように症状が起こり、時にはショックも起きます。

アレルギーは1つ発症すると全く別のものでも発症することがあり、キウイフルーツ以外にはバナナ・桃・パパイヤなども危険なってしまいますので注意が必要です。

問題が起きた実例②

過去にラテックス-フルーツ症候群を発症したという小寺直美さんを紹介。小寺さんは26歳の時に発症し、当時は看護師として病院に勤めていた。仕事柄ゴム手袋を着ける機会が多かったという小寺さん。気づかぬうちにラテックスアレルギーとなり、モンブランを食べたことで発症した。ラテックス-フルーツ症候群キウイフルーツやバナナなどの他、栗やアボカドなどでも発症するという。 (一部の文字起こしは「どこでもディーガ」iPhoneアプリより)

未然に防ぐ方法は?

・痒くなったらゴム手袋の使用をやめる
・中がコーティングしてあるゴム手袋がオススメ

※ 汗によって手袋から水溶性たんぱく質(アレルギー物質)が出てきますが、手袋を外す時に鼻に入って発症します。

③ 花粉症 × 食べ物 のキケン

講師:矢上晶子 先生(藤田医科大学アレルギー科)

矢上先生によると、花粉症の人が果物や野菜を食べてアレルギーを起こすことがあるそうです。

上山先生によると、白樺の花粉で発症する人はリンゴ・サクランボ・モモなどのバラ科の果物、スギの花粉で発症する人はトマトなどナス科の野菜にリスクがあるという。

花粉症とリスクのある食品を以下にまとめておきます。

花粉症の種類別 – アレルギーを起こしやすい食品
🔴 スギ(ヒノキ科)の花粉症 ➡️ ナス科(トマトなど)にリスク

🔴 白樺、ハンノキ(カバノキ科)の花粉症 ➡️ バラ科の果物(りんごさくらんぼなど)にリスク

🔴 オオアワガエリ(イネ科) ➡️ メロン、スイカ、オレンジにリスク

もし自分が花粉症という方はこれらの野菜や果物を食べるときは注意しましょう。

秋津先生「アレルギーはすぐに始まるものではない」

秋津先生「アレルギーは原因となる物質が体に入ってその日に始まることはありません。コップに発症の要素が入っていて水が溜まるようにどんどん免疫状態が高くなって溢れた時にアレルギーがスタートすると考えられます。

コップの大きさや水のたまり具合は人によって違います。例えば外国人が日本に来ると最初はスギ花粉症はほとんどないが、5年ぐらい住むと花がムズムスしてくる。」
「稀に体がうまく理解し順応してアレルギーがリセットすることがあります。おじいちゃんがあんまり花粉症がないと言われているのはそのせいじゃないかと言われています。」

卵アレルギーの意外な事実

たまたまその卵が相性悪かった、つまり卵によっては殻をしっかりさせるためにイワシパウダーを餌にあげてお母さん鶏が食べた餌からのキャリーオーバーでなる(イワシの成分が卵に入り込む)ことがあります。だから卵の種類によってアレルギーが起きたり起こらなかったりします。」

「エビ、カニは意外と検査の信頼度が低いです。それはエビ、カニがどこで獲れて、冷凍か、ボイルかそれとも焼いたかなどでも反応性が違ってきます。
体調が悪いときにたくさんの相性の悪いカニを食べてしまった場合は、 喉が腫れ 呼吸が止まる ことがあるので注意が必要です。

貝やカニ類にどんな対策が必要?

中華料理などダシ系に入っていると形がわからないので、海鮮系の出汁やソースが入っているメニューは控えたほうが安全かもしれません。」

南雲先生の花粉症を食事で予防する方法

花粉症は食事で予防することもできます。
・発酵食品
・ビタミンD
・オメガ3油(えごま油・亜麻仁油)
果物も天日干しにするとビタミンDが非常に増えます。
ですから
天日干しドライフルーツにヨーグルトにエゴマオイルをちょいとかけて朝召し上がっていただくのはとてもいいです。」

ホタテもアワビはアレルギー陰性でも注意

矢上 先生「ホタテがクラス3に注目していて、ホタテもアワビも貝で共通した成分が入っていて、いか、タコとか甲殻類にもアレルギーが広がることがありますので、多分目が腫れたのはホタテやアワビに共通するたんぱく質ではないかと思います。なので血液検査で陰性だとしても注意が必要です。」

参考資料

『主治医が見つかる診療所』2020年2月13日
【番組主治医】秋津壽男(循環器内科)、石原新菜(内科・漢方内科)、上山博康(脳神経外科)、中山久德(内科・リウマチ科)、南雲吉則(乳腺外科・形成外科)、姫野友美(心療内科)

Seigoの追記

「食物依存性運動誘発アナフィラキシー」は小麦アレルギーが原因なので、普段から小麦にアレルギーをもっていないかチェックすることが大切です。そうしないと誰にでも死に直面する危険があるということに注意して下さい。

私は遺伝子検査をして小麦アレルギーになりやすい体質であることが分かりましたが、実際のアレルギーはまだ出ていませんでした。ただし、小麦を頻繁に食べるとアレルギーを発症しやすいということで、小麦を食べるのは2週間に一度だけにしています。(そのためこのサイトでは、小麦の入ってない代替食品をたくさん紹介してきました。)

上記の例のように、アレルギーチェックをしてない方は(自分が小麦にアレルギーがあるかないかが分からない方は)、パンやラーメンなどを食べた後に激しい運動をすると、アレルギー症状を突然発症して呼吸困難になる可能性があるので十分に注意して下さい。

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