【武田邦彦】松井市長のような素人に原発処理水のことがわかるはずがない

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虎ノ門ニュース(2019/9/20)武田邦彦先生が報道されない福一の汚染水について言及されておりましたので、ニュース記事と共に簡単にまとめてみました。

ニュースタイトル『松井大阪市長、福島原発処理水 大阪湾放出に応じる構え』
〔産経新聞の記事を割愛、2019.9.17〕

 日本維新の会の松井一郎代表(大阪市長)は17日、福島第1原子力発電所で増え続ける有害放射性物質除去後の処理水に関し「科学が風評に負けてはだめだ」と述べ、環境被害が生じないという国の確認を条件に、大阪湾での海洋放出に応じる考えを示しました。松井氏は大阪市内で記者団に「自然界レベルの基準を下回っているのであれば海洋放出すべきだ。政府、環境大臣が丁寧に説明し、決断すべきだ」と述べたということです。

海洋放出をめぐっては、原田前環境大臣が「海洋放出しかない」と述べた直後、小泉進次郎環境相が11日の就任会見で“所管外だ”と前置きした上で「努力してきた方々の苦労をさらに大きくしてしまうことがあったとしたならば、大変申し訳ない」と語っている。

維新の橋下徹元代表はその後、ツイッターで海洋放出について「大阪湾だと兵庫や和歌山からクレームが来るというなら、(大阪の)道頓堀や中之島へ」と発信。小泉氏には「これまでのようにポエムを語るだけでは大臣の仕事は務まらない。吉村洋文大阪府知事と小泉氏のタッグで解決策を捻(ひね)り出して欲しい」と注文をつけました。

武田邦彦 先生(要点を抜粋):

処理水といっているのは、原発の中で汚染された水を出してきてそれを処理したもの。「汚染水」というのが正しいが国は「処理水」(とまるで汚染してない言葉)に変えようとしている。

日本は最初は青酸カリなどの有害物質を海洋に投棄してきたが、その後「海はキレイなほうがいい」という考え方になっていった。

「奇麗なものしか海へは放出しない」ということができないかと検討が行われ、そして有害物質のないキレイな状態に(技術的に)できることがわかったです。

そして
絶対に有害物質を海洋へ捨てたりしない」ということが産業界の常識になった。

東電の姿勢は今までの産業界とは違う

今度の原発事故では、東電がもししっかりしているのなら(汚染物質を)絶対に放出しないでしょう。そもそも今の基準値は(通常の)1万倍なのだから。

汚染水を大量に海水と一緒にして希釈してしまえば、法律上は海に流せる。青酸カリだって大量の水と希釈すれば基準以下になる。

大企業は希釈すれば海洋投棄することができたが、社会的責任があるから(経済的に余裕があるから)絶対にしなかった。法律を抜けようとするのではなくて、「法律を抜こうと思ってはいけない」と考えていた。

ロンドン条約の精神は1つである:
「産業界はできるならば(汚染物を海洋に)出さない」

フランスが出しているかではない。韓国が出しているかではない。
・・・そういう問題ではないと武田先生は言っている。

これは大阪市の松井さんも間違っているけれども、日本の国内法で禁止しているのは危険だから禁止している

松井さんなどの素人がわかるはずがない。そして国もわかるはずなどがない。なぜなら専門家が決めたものを審議会を通して国会で決めたり、省庁で決めたりしているわけだから。

汚染水(処理水)を海に流さないことこそが日本人らしさ

私たち(一般人にとって)大切な事は「海がキレイなこと」なのです。

今の放射能汚染水は「ALPS(アルプス、多核種除去設備)」という装置で処理した水で、まだトリチウムを中心として(放射性核種が)入っています。しかし(地上に)240年置いておけば、ほとんどの核種は半減期がきてほとんどキレイな水になります。

240年置いておくためにはどのくらい費用がかかるかの資産もされていて約3000億円かかります(1年あたり12.5億円)。

須田:どのくらいの量なのですか?

武田:福島の原発とその周辺に置いておける量です。(処理水を置くための)土地がないと言っているのは東電のウソです。こういったウソはついてはいけない。なぜかというと「東電の現在の敷地内ではダメだ(足りない)」と言っている」。ところが原発周辺では人が住めないから、土地は売ってくれるでしょう。

240年で約3000億円ですから、1年で15億円くらいですよ。

処理水を置くための)土地がないと言っているのは東電のウソです


汚い物を直接に投棄するのと薄めて投棄するのは科学的には全く同じ

武田先生の考えによりますと、原発を成功させるためには絶対に安全にやらなくてはいけない。人間をごまかし通すことはできませんから。

国の委員会が薄めて流せと言ってますが、これを国が認めてしまえば各企業が全部薄めて流しますよ。

薄めて流すのと直接海に捨てるのと一緒なのですよ。なぜかというと、企業が毒物を出すでしょう。それを船に乗せて沖合に行ってチョロチョロ流したらたちどころに薄まるわけです。だから薄めて流すというのは、汚い物を直接海洋に投棄するのと意味は全く同じなのです。

原発の技術は未完成なので、使えば必ずこういう事故が起きるのです。では完成するまで待てるかと言えば、待てないわけです。待てないなら3000億円を払うしかないのです。

原発関係の裁判で国を擁護する判決を出さなければ裁判官は左遷される

3年前に高浜原発差止訴訟で住民を認めた判決がでましたが、その高等裁判所の裁判官はすぐに名古屋高等裁判所に左遷されてしまいました。

日本国民の健康を守るために原発関係の司法は動いていない。今は政治的なもので判決がでている

松井市長、素人にわかるはずがない

武田:これは松井さんに言いたいのだけれども、素人がこういうことを考えないでほしい。松井さん、素人なんだ。これは非常に難しい問題なんだ。昔は1年1mSvが安全なんだという人がいっぱいいたんだけど、1年1mSvくらいならあのころ飲んでも大丈夫だとか、どこかの国には10mSvまで大丈夫などとする基準があるとか、そう言うようなレベルの低い話しではなく、原発の安全性や国民の安全性、そして世界の安全性を保てないわけですよ。

放射能の規制値はどうやって決まるか知っていますか?

一番の議論では、原発の被曝の影響が二世代後の孫までいかないようなレベルの計算(放射線の)規制値は決まっている。

「オレは飲んでも大丈夫だ〜」と言っても、赤ちゃんも飲むことになることを考えていない。

だから低レベルの政治的議論をしてはいけない。

政治家は原発を進めるなら、原発の技術の未熟性をわかっていることが政治家として大切な事。

 

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