ショウガのジンゲロールが血栓や自己免疫疾患に効果があることが判明! (最新研究)

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今回は、生姜(ショウガ)に含まれるジンゲロールが血栓やエリテマトーデスなどの自己免疫疾患を軽減できることという研究発表がありましたのでご紹介します。

新型コロナでは重症患者に起きる血栓が問題になっており、血栓ができすぎると死に至ることもあることが示されています。

今回は自然食品が血栓を防ぐ可能性があることが基礎研究で発見され、しかも自己免疫疾患を軽減させるという免疫の適正化に役立つ結果が出ていましたので、ここで取り上げました。

ちなみにこれはまだマウスの研究で人では確かめられていませんが、ショウガはすでに安全な食品として認識されているので、人に適応するのはそんなに難しいはずはありません。→ つまり速攻で私たちの生活に適応可能なわけです!

今回はまずエリテマトーデスとはどんな病気か説明し、その後にプレスリリースをご紹介します。

この研究のポインと

この研究では抗リン脂質抗体症候群とエリテマトーデスのモデルマウスに生姜の6-ジンゲロールを与えたところ、ホスホジエステラーゼという好中球の酵素を阻害し、好中球細胞外トラップNETというクモの巣のような構造が減ったことがわかりました。

NETは細菌など侵入者から体を守る大事なものですが、必要以上に出てしまうと血栓などを作ってしまったりします。

🔵 自己抗体がショウガによって減ることが発見され、自己抗体がなくなればNETを刺激すものもいなくなり、結果的にNETも激減することがわかりました。

エリテマトーデスとは

全身性エリテマトーデスSystemic Lupus Erythematosus;SLE; 日本では全身性紅斑性狼瘡と呼ぶこともある)は膠原病で関節リウマチの次に多く、何かの理由で自己抗体ができて、いろいろな臓器にダメージを与えてしまう病気です。狼瘡(ろうそう)という狼に噛まれた後のような発疹が特徴です。Lupus(ループス)は、ラテン語でおおかみerythematosus(エリテマトーデス)紅斑のことです。他にも関節痛、高熱、倦怠感、ループス腎炎、抗リン脂質抗体症候群(血栓症)、日光過敏症などがあります。20〜40代の女性に多く、日本では6万人以上の患者が推定されていて年々増えいます。マイケルジャクソンさんもこの病気だったそうです。
原因は不明ですが、妊娠、ウイルス感染、薬、紫外線が関係している場合があるようです。

以下はミシガン大学医学部が発表したプレスリリースを和訳したものです。

ショウガはマウスの特定の自己免疫疾患に対抗します

ショウガ(根茎部)の生理活性成分は、自己抗体産生を減らし、マウスの抗リン脂質抗体症候群とエリテマトーデスという病気の進行を止めるのに役立ちます。

自然療法やハーブは、特に若者の間で大流行しています。しかしどれだけが科学によってサポートされているのでしょうか?

ショウガ抗炎症作用抗酸化作用が知られており、炎症性疾患を治す人気のハーブサプリメントです。

また JCI Insight 誌に掲載されたミシガン大医学部(Michigan Medicine)主導の研究によると、ショウガの主な生物活性成分の6-ジンゲロールは、マウスの特定の自己免疫疾患に治療効果があります。研究者はエリテマトーデスという自身の免疫システムを攻撃する病気と、特にその合併症として血栓を引き起こす抗リン脂質抗体症候群に注目しました。どちらも広範囲の炎症を引き起こし、だんだんと臓器にダメージを与えてしまいます。

抗リン脂質抗体症候群かエリテマトーデスのモデルマウスでは、6-ジンゲロールは、自己抗体によって起こされる好中球細胞外トラップの放出を防ぎました。

好中球細胞外トラップ(NET)は、好中球という白血球に由来します」と筆頭著者の Ramadan Ali 博士は述べます。「これらの粘着性のクモの巣のような構造は、自己抗体が好中球の表面にある受容体にくっつくときにできます。

Ali 博士によれば、このNETは、エリテマトーデスと抗リン脂質抗体症候群の病因において重要な役割を果たし、自己抗体の形成を起こし、血管の凝固やダメージに寄与します。

「ショウガの抗炎症作用は好中球にまで及ぶのでしょうか? 具体的に、この自然のハーブは好中球が病気を進行させるNETを作るのを防げるのでしょうか?」という質問にAli 博士は次のように答えました。

「マウスの前臨床試験では、その答えは驚きとワクワク感を伴う「Yes」を提示しています。」

Ali 博士は6-ジンゲロールを与るとマウスのNETが少なくなることを発見しました。さらに血栓が劇的に減り、6-ジンゲロールホスホジエステラーゼという好中球酵素を阻害するように見え、そして好中球の活性化を減らしました。

しかし一番驚く発見は、抗リン脂質抗体症候群でもエリテマトーデスでも、炎症サイクルを示唆する自己抗体が減少したことであり、NETを刺激する自己抗体が壊れていました。


次のステップと治療の可能性

「長年の医学教育で私はサプリメントについてあまり教えられませんでしたが、非常に多くの患者から聞かされました。」とリウマチ専門医のジェイソン・ナイト医学博士は言います。「Ali 博士が私に教えてくれた時、それは患者さんにも重要だとは分かっていたので、私の研究室でそれを研究して下さいと。患者さんはしばしば私たちに本当に良いアイデアを教えてくれます!」

研究はマウスモデルで行われましたが、アリ博士とナイト医学博士は、6-ジンゲロールが自己免疫疾患の進行を防ぐ可能性のある抗好中球特性のあることを示す前臨床データが臨床試験の展開を促すと考えています。

「基本的にすべての治療法に関して、1つがすべてに適合するわけではありません。しかし、6-ジンゲロールの摂取量を増やすことで恩恵を受ける可能性のある活動亢進性好中球を持つ自己免疫患者もいると思います。」とナイト医学博士は言います。「治療の前後に好中球を研究することが重要です。そうすれば効果がえられる可能性が最も高いサブグループを特定できます。」

この生理活性化成分は、活動性抗リン脂質抗体症候群やエリテマトーデスのある人の主な治療法にはならないとはいえ、研究チームは天然のサプリが病気の発症のリスクが高い人に役立つかどうかを確認することに関心があります。

「自己抗体を持ってても症状が出ていない人は、6-ジンゲロールがマウスと同じように保護してくれることが証明できれば、この治療の恩恵を受けるかもしれません」とリウマチ性疾患の自然医学研究に情熱を注ぐAli 博士はおっしゃっています。

プレスリリース & 原著論文

🔵 ミシガン大学医学部プレスリリース:Ginger Counters Certain Autoimmune Diseases in Mice (Michigan Medicine)

🔵 原著論文:Anti-neutrophil properties of natural gingerols in models of lupus , Ramadan A. Ali et al.
JCI Insight (2020). DOI: 10.1172/jci.insight.138385

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