消化を改善する選りすぐりの食べ物ベスト19/消化に良い食べ物一覧【論文の裏付けデータあり】

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今回は消化を助けてくれる食べ物ベスト19をお伝えします。

HealthLine(ヘルスライン)からのレビュー記事(英文)を、翻訳しましたのでここで紹介させていただきます。

記事中の括弧内にはその情報元となった論文やレビューが引用されています。

これがデータの信頼度を上げ、皆さんがこのデータを活用するときに裏付け証拠となりますので、ぜひご活用下さい。(ただ引用先は英語です 😅 )

レビュータイトル「消化を改善するのに最適な19の食べ物」

英文レビュー執筆者:Amy Goodson (理学修士/管理栄養士/スポーツ栄養士/有資格の栄養士)

消化管は栄養を吸収したり、吸収できないものを排出したりと、健康に大切な役割があります。

残念なことにさまざまな理由で、お腹が張ったり差し込みおなら腹痛下痢便秘といった消化の問題に苦しむ人は多くいます。

過敏性腸症候群(IBS)胃食道逆流症(GERD)ローン病憩室(けいしつ)炎、そして胸焼けなどの疾患で、より深刻な消化の問題の危険にさらされる可能性があります。

しかし健康な人でさえ、食物繊維やプロバイオティクスを豊富に含む食べ物の 不足 で消化の問題を引き起こすことがあります。

以下はあなたの消化を助ける19の食べ物になります。

① ヨーグルト

ヨーグルトは通常乳酸菌で牛乳を発酵し作られます。

体に良いバクテリアとして知られるプロバイオティクスが豊富で、消化管に住み着き、消化を助けたり、腸を健康的な状態にしてくれます (1, 2)。

プロバイオティクスはもともと腸内に存在しますが、ヨーグルトのような食べ物を摂取することで消化を助けてくれます (1, 3)。

プロバイオティクスは膨張や便秘、下痢といった消化の問題の役に立ちます。また、プロバイオティクスはラクトース(乳糖)の消化を改善させることが示されてきました (2, 4)。

しかし、全てのヨーグルトがプロバイオティクスを含んでいるわけではありません。買い物の際に、ヨーグルトのパッケージに「生きた活発な培養菌」と表記されているかどうか確認してみてください。

要点
ヨーグルトはプロバイオティクスを含み、消化管の体に良いバクテリアを促すことで消化を支えることができます。


② りんご

りんごは水溶性繊維であるペクチンをたくさん含んでいます。

ペクチンは小腸で消化されずに、結腸で善玉菌によって分解されます(5)。

ペクチンは便の量を増やすので、よく便秘や下痢を治すために使われます。

またペクチンは結腸の炎症と同様に、腸内感染のリスクを下げることが示されてきました (5, 6)。

要点
りんごの中に含まれるペクチンは便の量を増やし、消化管の進みを活発にします。また、ペクチンには結腸の炎症を軽減する可能性があります。


③ フェンネル

ファンネル(出典:congerdesignによるPixabayからの画像)


フェンネルは淡い色の球根と長い緑色の茎を持つ植物で、食物に風味を与えるために使われます。

フェンネルの繊維含有物は便秘を防ぎ、消化管の便通を改善します(7, 8)。

またフェンネルは抗けいれん物質を含み、消化管の平滑筋を緩めます。

この働きにより、お腹が張ったり、膨張、筋けいれんといった消化症状を軽減します (9)。

要点
フェンネルの繊維含有量と鎮けい剤は体に悪い胃腸症状を軽減し、消化を改善することができます。


④ ケフィア

生の(非加熱の)ケフィア(ロサンゼルスのヘルシーグローサリーで売っているのをSeigoが撮影)


ケフィアはケフィア粒を牛乳に加え培養した乳製品です。

この粒は酵母と菌を牛乳で混ぜたもので、消化に良いメリットがあるようです。

ヨーグルトのプロバイオティクスのようにケフィア菌もラクトースの消化を助け、お腹のはりや筋けいれん、おならといった乳糖不耐症に関連したいくつかの体に悪い副作用を軽減します (10, 11)。

多数の研究で、ケフィアは健康的で消化を改善してくれる腸内細菌を増やし、悪玉菌を激減してくれました(12, 13)。

また、ケフィアの摂取が腸内の炎症の軽減と関連し、さらには消化を強化します (12)。

要点
ケフィア独特の成分(酵母と細菌から作られた粒)は消化を改善し、腸内の炎症を軽減するように思われます。

Seigoによるロサンゼルスで売っているケフィアのレビュー記事:
若返りのコツ-10.2 オーガニックパスチャー(有機牧場)製のケフィア」2017.10.21


⑤ チアシード

チアシードは食物繊維が豊富で、食べた後胃の中でゼラチン状の物質を作ります。

チアシードはプレバイオティクスのような働きをし、腸内の健康的な細菌の成長を支え、そこで健康的な消化の役割を果たします(7, 8)。

また、チアシードの繊維は整腸と健康的な便を促します。

要点
チアシードの繊維は腸内細菌の成長を促し、消化の助けになり、毎日のお通事を促します。


⑥ コンブチャ

コンブチャ(出典:LyraSidによるPixabayからの画像)


コンブチャはお茶を発酵させたものです。

ブラックコーヒーや緑茶に特定の菌株の細菌、砂糖、酵母を加え、一週間以上発酵して作られます(14)。

発酵の過程でたくさんの善玉菌が生み出され、消化を改善します (15)。

その上マウスを対象にした調査では、コンブチャが胃潰瘍の治癒を助けている可能性があることが示されました (16)。

要点
コンブチャにたっぷり含まれているプロバイオティクスは消化と腸の健康を改善します。また、コンブチャは胃潰瘍を治癒する可能性があります。


⑦ パパイヤ

甘い熱帯のフルーツであるパパイヤはパパインと呼ばれる消化を促進する酵素を含みます。

パパインは消化の過程でタンパク繊維を分解するのを助けます。食事には欠かせないというわけではないですが、パパインはたんぱく質の消化を助けます (17)。

また、パパインは便秘やお腹の張りといった過敏性腸症候群(IBS)の症状を緩和する可能性があります (18)。

パパインは胃腸のような能力のために、消化サプリメントの主な酵素として使われます。

要点
通常、パパイヤは健康的なタンパク質の消化に起因する強い消化酵素であるパパインを含みます。また、パパインはIBSの症状を緩和します。


⑧ 全粒穀物

穀粒とは穀物と呼ばれる草のような植物の種です。

全粒穀物として分類されるには、ふすまや胚、内胚乳が入った穀粒を100%含んでいなければいけません。

人気がある食物繊維の多い全粒穀物にはオート麦やキヌア、ファッロ(古代麦)や全粒小麦でできた製品があります。

これらの穀物で見られる食物繊維は以下の2つの点で消化を改善してくれます。

1つ目は、食物繊維は便を増やし、便秘を減らします (19)。

2つ目は、穀物の食物繊維はプレバイオティクスのような働きとして善玉菌にエサを与える助けをしてくれます(20, 21)。

要点
全粒穀物は食物繊維をたくさん含む為、便を増やし、便秘を減らし、善玉菌にエサを与えることで健康的な腸のサポートをしてくれます。


⑨ テンペ

テンペは発酵された大豆からできています。発酵は細菌と酵母を通して糖を分解します。発酵の間、フィチン酸〔※ フィチン酸のレビュー記事へあり(英文)〕と呼ばれる大豆の反栄養素が分解されます。フィチン酸は栄養素の吸収を妨げる可能性があります。

したがって、発酵の過程で消化や栄養素の吸収が改善されます。
テンペなどの発酵食品はプロバイオティクスの良い材料になります (22)。
プロバイオティクスが腸内で、有害な細菌から守ってくれる保護粘膜層を作ってくれることを覚えておきましょう (23, 24)。
複数の調査で、プロバイオティクスがIBSの症状を軽減し、下痢を防ぎ、腫脹を軽減し、便通を改善するのを助けることが分かりました (25, 26)。

要点
テンペの発酵過程とプロバイオティクスは体に悪い消化症状を軽減し、反栄養素であるフィチン酸を分解することにより栄養の吸収を改善することができます。


⑩ ビーツ

ビーツ(出典:TakenによるPixabayからの画像)


ビーツ〔※ ビーツのレビュー記事へあり(英文)〕としても知られる、ビートの根は食物繊維の良い素材です。
1カップ(136g)のビーツにつき、3.4gの食物繊維を含みます。食物繊維は消化を避けて結腸に向かい、そこで体に良い腸内細菌に栄養を与えたり、便の量を増やしたりし、消化を改善します。
少し人気のあるビーツの食べ方としては、焼いたり、サラダに混ぜたり、塩漬けしたり、スムージーにする方法などがあります。

要点
ビートの根の栄養素は体に良い細菌に餌を与える支え、便を増やすことで、消化改善を助けます。


⑪ 味噌

味噌は一般的に味噌汁に使用されますが、大豆に塩と、菌類の一種である麹とで発酵して作られています。
味噌〔※ 味噌のレビュー記事へあり(英文)〕には、その他の発酵食品と同様、腸内の体に良い細菌を増やすことで消化を助けるプロバイオティクスが含まれています。
味噌に含まれるプロバイオティクスは消化問題を減らすのを助け、下痢などの腸の病気を克服します (29)。

要点
味噌のプロバイオティクスは消化問題を減らし、下痢のような腸の病気を克服するのに効果的です。


⑫ 生姜

生姜は東洋医学では伝統的な食材で、消化改善を助け、吐き気を防ぎます。多くの妊婦の方はつわりの治療の為に生姜を使用します (30, 31)。
消化の観点から、この黄色っぽい根は胃内容排出を早めることが示されてきました(32, 33)。
食べ物を胃から小腸へ素早く移すことによって、胸焼け、吐き気、胃の不快感といったリスクを減らします。

要点
生姜は胃を通した動きを早め、遅い消化に関連する副作用を和らげるように思われます。また、妊娠の間のつわりなどの吐き気を治す為に使われてきました。x


⑬ キムチ

キムチは通常発酵したキャベツからできていますが、他の発酵野菜からもできています。
キムチには消化を助け、結腸内の体に良い細菌の成長を促進するプロバイオティクスが含まれています。キムチは発酵すればするほど、プロバイオティクスが多く集まります(3, 25)。
また、キムチは便の量を増やし、腸の健康を促進する食物繊維を含んでいます。

要点
キムチには消化を改善し、腸の健康を促進するプロバイオティクスと食物繊維が含まれています。


⑭ 緑色野菜

緑色野菜は不溶性食物繊維の素晴らしい食材です。
このタイプの食物繊維は便の量を増やし、便通内の動きを加速させます(7)。
また、緑色野菜は、消化管の筋収縮を改善することによって便秘を緩和するのを助けるマグネシウムが含まれています (34, 35)。
このようなメリットを持つ最も一般的な緑色野菜はほうれん草、芽キャベツ、ブロッコリーやその他葉物野菜です。
加えて、2016年の調査では、腸内の体に良い細菌にえさを与える珍しい糖が緑色葉野菜で見つかったことが分かりました。この糖は消化を支える一方で、病気を引き起こす可能性がある悪い細菌を弱めます (36)。

要点
緑色野菜は食物繊維やマグネシウムが摂取でき、腸内の体に良い細菌にエサを与えることで健康的な消化を支えます。


⑮ 納豆

テンペのように、納豆は発酵された大豆でできています。
通常そのままでも食べれますが、人気のトッピングとしてはキムチ、醤油、ネギ、生卵があります。また、米飯とも一緒に食べます。
消化を改善する体に良い腸内細菌増やし、毒や有害な細菌に対する防衛装置として機能するプロバイオティクスを納豆は含みます (37, 38)。
興味深いことに、1gの納豆には、6オンス(170g)のヨーグルトなど、他のプロバイオティクスが豊富な食品やサプリメントの1食全体と同じくらい多く含んでいます (39)。
また、納豆に含まれる食物繊維は便通を改善し、便秘を減らします。

要点
納豆に多く含まれるプロバイオティクスは腸の健康を支え、便通を改善し、下痢を減らすことができます。


⑯ ザワークラウト

ザワークラウト(出典:ぽんぽこ/写真AC)


 

ザワークラウトは乳酸で発酵させた千切りキャベツからできています。
この発酵のおかげで、ザワークラウトはプロバイオティクスを含んでいます。
一人前半カップ(71グラム)のザワークラウトにはバクテリアの菌株を最高228種類まで含んでいる可能性があり、この菌株はよいバクテリアの餌になって腸の役に立つと研究結果が示唆しています (40, 41)。
加えて、ザワークラウトに多く含まれる酵素は栄養素をより小さく、消化しやすい微粒子に分解します (41)。

要点
ザワークラウトはたくさんのプロバイオティクスと酵素を含んでいます。酵素は栄養を容易く消化しやすい微粒子に分解することで消化を助けます。


⑰ 鮭

鮭はオメガ3脂肪酸の素晴らしいもとで〔※ オメガ3脂肪酸のレビュー記事へあり(英文)〕、体内の炎症を軽減する役目を果たせます (42, 43)。
炎症性腸疾患、食物不耐性や消化器疾患を患う人たちの腸内は炎症を引き起こしています。オメガ3脂肪酸はこの炎症を軽減するのを助けるので、消化を改善してくれます (44, 45)。

要点
鮭で見つかるオメガ3は腸内の炎症を軽減するので、消化が改善されます。


⑱ 骨スープ

骨スープは骨と動物の結合組織を煮て作られてます。
骨培養液に含まれるゼラチンは、アミノ酸のグルタミンとグリシンに由来します。
これらのアミノ酸はあなたの消化管の液体に結合し、食物がより容易に通過するのを助けます (46)。
グルタミンは腸壁の機能を保護してくれます。
また、その他の炎症性腸疾患同様、リーキーガットとして知られる消化の病をグルタミンが改善することが示されてきました(46, 47)。

要点
骨スープで見つかったゼラチンは消化の改善と、腸壁を守る助けをすることができます。ゼラチンはリーキーガットと、その他の炎症性腸疾患を改善するのに役立つ可能性があります。


⑲ ペパーミント

ハッカ属であるペパーミントは世界中でみられます。
ペパーミントオイルはペパーミントの葉で見られるエッセンシャルオイルからできていて、消化の問題を改善することが示されてきました。
このオイルにはメントールと呼ばれる混合物が含まれていて、腫脹や胃の不快感、排便の問題を含むIBSの症状を和らげる可能性があります (48, 49)。
ペパーミントオイルは消化管の筋肉にリラックス効果をもたらし、消化を改善する可能性があります (49, 50)。
また、ペパーミントオイルは消化器系を通る食べ物の動きを早めることにより、消化不良を和らげることができます。

要点
ペパーミントは消化を改善することが示されてきました。そして、IBSの症状を軽減し、消化管を通る食物の動きを早めることができます。


最後に

消化の問題は困難ですが、不快な症状を和らげる食べ物もいくつかあります。
消化の健康を改善できるプロバイオティクスを食事中に増やすために、研究ではヨーグルトやキムチ、テンペといった発酵食品を食べることが支持されています。
また、全粒穀物や緑色野菜、チアシードといった食物繊維が豊富な食べ物も、消化器官を通る食べ物の動きをより容易く、早くするのを助けることにより、消化で役目を果たします。
消化の苦痛を和らげたい人は、ぜひこの19の食べ物を食事に取り入れてみてください。

引用レビュー

🔵 レビュー記事:The 19 Best Foods to Improve Digestion( Healthline )

 

 

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