誠品生活とは? コレド室町テラスの名前の由来は?

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コレド室町テラスのコレドとはどう意味かご存知でしょうか?

コレド(COREDO)とは中心「CORE」と江戸「EDO」を合わせた造語です。

新しく生まれ変わる日本橋が東京の商業の中心に再びなってほしいという願いが込められているのでしょう。

日本橋はもともと江戸時代に「五街道の起点」と定められた日本の中心であり、全国から様々な物産が集まり産業が生まれたのです。

今回は、ガイアの夜明け(テレビ東京、2019年10月8日)で誠品生活の日本への進出の背景を取り上げておりましたので、それを中心にまとめてみました。

台湾・誠品生活のビジネス戦略

台湾を拠点とする「誠品生活」は次の様な戦略で発展してきました。

🔵 書籍は誰でも手にとって中身が見れるような落ち着いた空間を作り、何時間でも自由に「座って」読むことも可能。

🔵 誠品生活にはどの店にも「誠品選書」というコーナがある。毎月約200〜300冊の新刊の中から各分野の代表的なもの、編集力が際立つものなどの基準から15冊を厳選

🔵 レシピ本の近くには本格的なスーパーマーケットがあり簡単に食材を手にして購入することができる。

🔵 近くにガラス工房があり、自分でガラス細工を作ることが可能。

🔵 誠品生活49店舗で、年5000回のイベント。延べ2億人を集客。(1店舗あたり年約100回のイベント。週に約2回のイベントの多さ)

🔵 誠品生活の店舗は全てデザインが異なっている。

台湾の厳しい時代背景
1949〜1987年の約40年間、戒厳令がしかれていて、表現や言論の自由が厳しく制限されていた。


誠品生活の歴史

誠品は戒厳令が解かれた2年後の1989年に開業しました。創業者のロバート・ウー(呉 清友)氏は「本による文化の創造」を目指しました。

その考えは娘のマーシーさん(現会長)に受け継がれています。

マーシーさんによりますと「誠品が手掛ける書店の本質はライフスタイルの提案にとどまりません。創業者が最初に考えたのは『人生のための読書』です。読書は人生と共にあり、読書によって人生を悟ることができる。本を読むことの力を信じています。」

誠品生活日本橋の位置とマップ



コレド室町テラス2階にある誠品生活の売り場スペース(ピンク色の部分) 〔画像をクリック/タップすると拡大できます〕


<コレド室町テラス(日本橋室町三井タワー)への行き方は前記事を参照>

誠品生活はコレド室町テラスの2階に位置していますが、すべてのスペースが誠品生活に属しているわけではありません。

誠品生活の売り場スペースは2階の約半分で、上の右のマップでピンク色の部分です。

売り場は大きく分けて、書店、文具スペース、フォーラムスペース、廊下にある雑誌コーナー、クッキングスタジオ、そしてガラス工房のスペースがあります。

誠品文具 in 日本橋

誠品生活日本橋のデザイン

東京の日本橋にだす誠品生活の1号店は、江戸時代の街の風景に合うようにしたいいう初期コンセプトが出ていました。

路地とか、のれんとか、これまでの商業施設にはないものを目指しています。

床は木で作ることに決まっていましたが、ベージュのような薄い茶色が誠品生活のマーシー会長は気に入らず(偽物に見える上に)木の良さが感じられないと却下しました。そしてもっと濃い茶色に変更になったのです。

誠品生活・日本橋のデザイン(写真は開店初日に配られたパンフレットより)

誠品生活・日本橋の誠品選書

台湾とは言語が違いますので台湾の本を日本におくわけにはいきません。日本用には有隣堂4人のスタッフが40冊の本を選出し、台湾の誠品生活でプレゼンをして選ばれたものが今日本橋の「誠品選書」のコーナーで並んでいます。

タイトルの例は「上級国民、下級国民」「時間は存在しない」「民主主義を救え!」など。有隣堂スタッフが書店員として自分が薦めたい本が並んでいるのです。

誠品生活日本橋の書籍コーナーは、300坪に11万冊の書籍が置かれていて、本棚と本棚と間に隠れ家的に座れるスペースが用意されていて、人目を気にせずゆっくり本を閲覧できるようになっています。

誠品生活・日本橋の無料読書スペース。木の色までこだわっている。


そのため写真のようなフリースペースがたくさん存在し(本棚の裏、外に面するガラスの内側の隠れスペースにも)自由に本を選んだりすることが無料でできるのです。

誠品生活日本橋の最初のイベント

台湾風「電鍋」を使った料理のイベント

開店から3日後の2019年9月30日、イベントの舞台は雑誌がある棚のすぐ近くのクッキングスタジオで行われました。

玉ねぎを炒めることもなく(全く火を全く使わないで)「煮込みハンバーグ」や「肉じゃが」を作るイベントです。

キッチンの周りには日本では手に入りにくい台湾の食材も販売しています。調理の方法を学んで、一緒にその食材も購入することができるのです。

イベントの20人の席はすぐにいっぱいになり立ち見まで出ていたそうです。電鍋と合わせて料理本も販売していました。この日だけで電鍋が7台、料理本が38冊売れたそうです。最初のイベントはまずまず成功だったようです。

誠品生活と三井不動産、そして有隣堂との関係


誠品生活を誘致したのは三井不動産で合弁会社を設立し有隣堂に運営権を与えフランチャイズの形をとっています。

有隣堂はサポートを受ける代わりに対価(ライセンス料)を支払います。

つまり日本の老舗書店が歴史の浅い台湾の書店に教えを請う形をとっています。

誠品生活の日本初出店のサポーターは日本の老舗書店・有隣堂

日本の誠品生活の初出店をお手伝いしているのが有隣堂の副社長・松信健太郎さんです。

有隣堂は神奈川県を中心に東京・千葉に37店舗を展開する書店です。本の販売事業は4期連続の赤字です。有隣堂の創業は1909年の老舗です。最近はネット通販や電子書籍に押され、有隣堂の本の販売事業は4期連続の赤字です。

2018年10月に副社長は誠品生活の本社がある台湾の台北市を訪れ、誠品生活の戦略のノウハウを勉強し、日本最初の誠品生活の進出と発展のお手伝いを15年間の契約で始めています。

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台湾の文化の発信拠点だけでなく、日本の文化の発信地として、日本橋が復活することを応援しております。
Seigo

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