アセチルシステインはうつ(鬱)にも効果がある!?【科学的根拠・論文あり】

ニュース/レビュー

アセチルシステイン(NAC)は、強力な抗酸化物質であるグルタチオンのレベルを上げたり、脳神経伝達物質のグルタミン酸の調節に必要です。

うつや双極性障害、統合失調症などの改善などメンタルヘルスでも重要な物質ですので、その特徴などをまとめました。

アセチルシステインは何に効果があるのか?

アセチルシステイン (NAC) の構造 〔出典:Wikimedia Commons, By Fvasconcellos 17:33, 14 April 2007 (UTC), Link


アセチルシステインとは、グルタチオン合成の前駆体である物質で、「N-アセチルシステイン(N-acetylcysteine)」や「N-アセチル-L-システイン」とも呼ばれ、略称は「NAC」と表記されます。

アセチルシステインとは、大きく分けて二つの目的で使用されていました。

1つは、慢性閉塞性肺疾患「COPD」(喫煙などで有害物質を長期に渡って吸った時に、肺が炎症を起こし呼吸困難に陥ること。咳や痰、息切れを起こす)の治療に使われています。COPDはタバコの吸い過ぎと受動喫煙が原因と言われています。

もう1つは、急性の上気道炎(ウイルスが原因の鼻水や喉の傷み、頭痛、高熱などの症状)の治療に使われるアセトアミノフェンの取り過ぎによる肝障害の予防するために使用されます。つまりアセチルシステインは、過剰のアセトアミノフェン中毒の解毒剤として利用されているのです。

もともとアセトアミノフェンを分解するには多量の「グルタチオン」が必要です。アセトアミノフェンを過剰に摂取した場合には、グルタチオンが不足してアセトアミノフェンの有毒副産物が蓄積して肝臓細胞に致命的な損傷を与えてしまいます。そこでグルタチオンの前駆体のアセチルシステインが役に立つのです。

アセチルシステインのメンタルヘルスへの作用について!

イメージ画像(出典:by すしぱく/PAKUTASO)


グルタチオンが十分に脳内に供給されていると酸化ストレスが軽減することが分かってきました。

酸化ストレスとは、体内で発生した活性酸素によって細胞にある核酸やタンパク質、脂質、糖質が酸化されてダメージを受けることです。老化を早めたり、アルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症などの神経・精神疾患を引き起こしてしまいます

最近の研究では、気持ちが高揚した躁(そう)状態とうつの状態を反復する精神疾患である双極性障害(躁うつ病)や、統合失調症(幻覚や妄想、意欲低下や認知機能の低下などの症状)の患者さんの脳内で、高いレベルの酸化ストレスが確認されたそうです。

ということは、これらの症状の緩和には酸化ストレスを抑える抗酸化性のグルタチオンが重要なのですが、何らかの影響で不足していくと、これを補うために前駆体のアセチルシステインが必要になってくるのです。アセチルシステインを補給することで、脳内グルタチオンのレベルを上昇させ、脳細胞の酸化劣化を抑えるのです。

アセチルシステインの脳内でのもう一つの役割は、過剰のグルタミン酸の調整です。グルタミン酸は、脳内での神経伝達物質として学習にも重要な働きを担っていますが、過剰になると興奮状態に陥って神経細胞を破壊することにもなるのです。つまり、脳内の過剰のグルタミン酸は、躁うつ病や統合失調症などの症状を助長させる作用が懸念されます。このようにならないように、アセチルシステインはグルタミン酸のシグナル伝達を調整する働きがあるようなのです。

抑うつ効果と神経強迫症の軽減作用をもつ(研究論文より)

イメージ画像(出典:by すしぱく/PAKUTASO)


🔵 5つの研究機関のデータをまとめた報告によりますと、合計574人を12~24週間、追跡調査した結果、アセチルシステインを摂取した方が摂らなかったグループに比べてうつを抑制する効果が認められました(統計学的な分析により有意となった)。

[参考文献] N-Acetylcysteine in depressive symptoms and functionality: a systematic review and meta-analysis.
J Clin Psychiatry. 2016 Apr;77(4):e457-66. doi: 10.4088/JCP.15r09984.
Fernandes BS, Dean OM, Dodd S, Malhi GS, Berk M.

🔵 別の研究では、フルボキサミン(Fluvoxamine; 選択的セロトニン再取り込み阻害薬)は強迫神経症OCD; obsessive-compulsive disorder)の症状を軽減する薬剤ですが、これにアセチルシステインを併用することによりさらに治療効果が増強することが中等度から重度のOCDの患者さんに認められたそうです

[参考文献] N-acetylcysteine augmentation therapy for moderate-to-severe obsessive-compulsive disorder: randomized, double-blind, placebo-controlled trial.
J Clin Pharm Ther. 2016 Apr;41(2):214-9. doi: 10.1111/jcpt.12370. Epub 2016 Mar 2.
Paydary K, Akamaloo A, Ahmadipour A, Pishgar F, Emamzadehfard S, Akhondzadeh S

アセチルシステインはどれぐらい摂取すればよいのか?

イメージ(出典:by いらすとや)


市販されているN-アセチルシステインのサプリメントは1粒600mg含有で、摂取量の目安は1日に1~3粒(600mg~1800mg)となっています。サプリメントで摂取の目的はシステインと同じで、肌の透明性を維持することと加齢を感じさせない健康と美容です。抗酸化物質のグルタチオンを生成させることから、喫煙による有害物質から肺を守ることができるので、愛煙家にも好評のようです。

(※ このサイトでは論文からの情報をお伝えしておりますが、治療効果を求めている方は医師の判断を仰いで下さい。このサイトは治療法をお伝えするサイトではありません。)

質の高いサプリを提供しているiHerbがアセチルシステインを販売しておりましたのでそのリンクを貼っておきます。

Source Naturals, N-アセチルシステイン, 1000 mg, 120錠
(出展:https://jp.iherb.com

N-アセチルシステイン
1000 mg, 120錠(Source Naturals製)
¥3,397
1,360円割引, 29%オフ
→ レビューをみる (60人以上)
iHerbのサイトへGo!

 

関連記事一覧

  1. この記事へのコメントはありません。