砂漠を緑化するには「ビニールのゴミ」が役立った! 誰も予想しなかったある生き物との共同作業とは?【世界一受けたい授業】

テレビ速報

世界一受けたい授業
2018年6月16日(土)
19時56分~20時54分(日テレ)
ヒミツは、あの生き物! 砂漠を緑に変える日本人

講師:大山修一 先生(京都大学大学院 准教授)

今回はアフリカの砂漠を緑化するのに「ゴミ」を使って成功した京大のすごい先生のお話です。

先生はすでに東京ドーム2個分の砂漠を緑に変えること成功しております。

今回はその方法をクイズ形式で紹介ていきます。

また緑地化計画が、大きな2つの社会問題を解決する可能性があることを最後にまとめます。


サハラ砂漠の中にある国「ニジェール」

大山先生が砂漠の緑化に挑んでいるのは、アフリカの「ニジェール」という国で人口は2000万人です。

面積は日本の4倍ですが、4分の3が砂漠です。

そのため常に「食糧不足」や「貧困」の問題が生じ、さらに社会情勢の悪さからサハラ砂漠の周りにテロ組織が生まれ、とても危険な地域になっています。

砂漠を緑化し「自給自足」できるようにることによって、これらの社会問題の解決につながるのではないかと期待されています。


問題(1):砂漠地帯には雨が降るのになぜ植物が育たない?

正解:ニジェールでは雨期になると大量の雨だけではなく台風並みの強風が吹きます(秒速20km以上)。この強風によって栄養豊富な土は流され硬い岩がむき出しになり植物が根付きづらい環境になってしまうのです。


問題(2):砂漠の緑化には「ゴミ」と「ある生き物」が必要だった。そのある生き物とは?

正解:シロアリ

シロアリはゴミを食べに来るので、土に穴が開きます。

雨が降るとアリが空けた穴の奥まで水分が浸透するので、土地がますます柔らかくなり植物が根を張れる状態となるわけです。

シロアリが砕いた硬い土はシロアリのだ液と混ざりさらに水分と空気を含んでいるので、柔らかくい緑地化しやすい土となります。


問題(3):ゴミの中でもシロアリにもっとも役立ったゴミは?

正解:ビニール

ビニールを焼却するとダイオキシンが発生し大気汚染につながったり、近魚にマイクロプラスチックが混入し海洋汚染の問題浮上してきました。

しかしビニールを砂漠に捨てた場合、シロアリにとっては天敵から身を守る絶好のすみかとなります。

またビニールは土の中に程よくすき間を作りますので空気と水分を保つことができるのです。


ゴミが砂漠を緑化する仕組み

ニジェールで出るゴミは3種類あり、それぞれのゴミが砂漠の緑化に役立っています。

食べかす:植物のタネ(主にひえのタネ;ニジャールの主食)→このタネがゴミを捨てた後に発芽しヒエが自然に育つ。

サンダル・布:砂を受け止め定着させる。シロアリが作った土だけでは植物が育つのには高さが足りないので砂をキープする土手としてサンダルや布が役立ちます。

ビニール(飲み水の袋、買い物袋):上記で説明しましたように、シロアリのすみかになり、水分や空気を適度に保ちます。

この3種類のゴミによって硬い荒れた土地が半年後には緑地化されます。

しかしこのように緑地化に成功しても養分を足さないと元の荒れた土地に戻ってしまいます。そこで次の問題です。


問題(4):毎年植物が育つような豊かな土地にするためには「ゴミ」と「シロアリ」の他にもう一つ必要です。それはなに?

正解:家畜のフン

家畜のフンには植物が育つのに必要不可欠な栄養素である窒素やリンそしてカリウムが多量に含まれています。家畜のフンが土地の養分に最適なのです。

大山先生はニジェールの牧畜民にお願いしてゴミで緑地化した草をフンが貯まるまで家畜に食べてもらいました。牧畜民は放牧する土地が少なくて困っていましたので大喜びでした。ウィンウィン(お互いが得をする)関係ができた上に毎年緑地化することに成功したのです。

この緑地化を支えているのは村人たちで、手伝ってくれた村人たちに大山先生はしっかりと日当(にっとう)を払い(研究費+ポケットマネーより)、しかもニジェール平均の2倍の日当(1日800円)なのだそうです。

問題:ニジェール政府がゴミによる緑地化計画に援助資金を出さない理由は?

正解:ニジェール政府はこの画期的な緑地化の方法を信じていません。「ゴミから緑が生まれるわけがない」と思っており、援助資金は出してもらえません。大山先生は緑地化した時のビデオや研究成果を見せて、信じてもらえるように働きかけるそうです。


砂漠の緑地化で予防が期待されるニジェールの大きな2つの問題

① 民族紛争を減らすことができる

ニジェールでは家畜を育てる牧畜民と畑を耕す農耕民がに暮らしています。家畜が農耕民の畑に勝手に侵入し食糧を食べてしまうため牧畜民と農耕民の間で激しい争いが発生してしまいます。1000人以上の死者が出る年もあります。

しかし緑地が増えることで牧畜民は家畜を元気に育てられるし、そのフンのおかげで農耕民食糧をたくさん収穫できます。

牧畜民の言葉:「大山さんのゴミの牧草地のおかげで家畜がヒエ畑を荒らしません。平和な放牧ができるのです。」


② テロ思想を減らすことができる

実はサハラ砂漠は世界で最も危ない地域の1つです。アルカイダ系の反政府組織やイスラム過激派組織ボコ・ハラムがテロを繰り返しています。今年2月にはボコ・ハラムが女子生徒110人を誘拐したニュースが報道されました。

大山先生:テロ思想が生まれる大きな原因の1つが、飢えと貧困への怒りです。私は比較的安全な地域で活動していますが飢えと貧しさから社会に怒りをもつ友人たちが一時期『テロは正しい』と言っていたのには背筋が凍りました。飢えや貧しさから人間は追いつめられるとその社会をつぶそうと考えてしまうのです。」

ゴミをくことで緑が広がり自給自足できるようになると「テロへ走る人たちを止めることができる」と期待されています。

大山先生の閉めの言葉:「ニジェールの首都では毎日1000トンのゴミが出ます。ゴミによる緑化への理解を広めこの宝の山を生かせるようにこれからも活動を続けていきたいと思います。」


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最初ゴミを撒いて緑地化ってゲッ!て思いましたが、こんなにいいことだらけだとすごいアイディアだなっと脱帽です。

砂漠の緑地化ガンバレ!

Seigo

 

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