腸内環境を整えるとインフルエンザに強くなるのは本当だった? (2019年東大研究)

ニュース/レビュー

今回は熱波、気候変動による食の危険性で免疫システムが弱体化という報告です。

東京大学が最新研究をプレスリリース(英文)されましたので、それを翻訳してたものここにご紹介します。
(日本の大学ですが日本語のプレスリリースは見つかりませんでした。)

ニュースタイトル「酷暑、気候変動による食糧不足で免疫システムが弱体化」

東京大学の研究者は、気候変動と栄養状態の違いが免疫システムにおよぼす影響を研究しています。彼らの最近のインフルエンザに関する研究は、Proceedings of the National Academy of Sciences(PNAS)誌に掲載されました。

この新しいマウスの研究で、酷暑(こくしょ)はインフルエンザに対する体の免疫反応を低下させる可能性があります。その結果は気候変動がワクチン接種や栄養の摂り方に将来、影響を与えるでしょう。

気候変動は作物の収量と栄養価を低下させると同時に、病気を拡散する昆虫の活動範囲を広げると予測されています。しかしながら、インフルエンザ免疫に対する酷暑の影響はこれまで研究されていませんでした。

東京大学 一戸猛助 教授と博士課程3年生の森山美由は、インフルエンザウイルスに感染したマウスに高温がどのように影響するかを調査しました。

酷暑とインフルエンザ

イメージ画像(出典:andreas160578によるPixabayからの画像)


「インフルエンザは冬の病気です。そういうわけで、高い気温がどのようにインフルエンザに影響するかについては他に誰も研究していないのはこのためだと思います」と一戸助教授は述べました。

インフルエンザウイルスは乾燥した冷たい空気の中でより生き残るので、冬に多くの人々に感染します。しかし、一戸助教授は感染後の体の反応に興味を惹かれました。

研究者は、健康的で若いメスのマウスを冷蔵温度(摂氏4度(℃), 華氏39.2度(°F))、室温(22℃, 71.6°F)、または熱波温度36℃, 96.8°F)の条件下に置いて飼育しました。

インフルエンザに感染すると、高温環境下のマウスの免疫システムは効果的に反応しませんでした。高温の影響を最も受けたのは、インフルエンザウイルスを認識する免疫システムと特異的な適応免疫を開始の間にある重要なステップでした。

他の点において、高温で生活したマウスの免疫系に他の顕著な変化はありませんでした:彼らは皮下注射されたインフルエンザワクチンに対して正常な反応を示しました。さらに、最近健康に重要と見なされるようになってきた腸内細菌は、高温で飼育するマウスでは正常のままでした。

体温と栄養

インフルエンザ・ウイルスの実際の画像(出典:Wikimedia Commons, By Photo Credit: Cynthia GoldsmithContent Providers(s), Public Domain, Link )


特に高温で生活したマウスはホットルームに移動してから24時間以内に摂食量が減少し、体重が10パーセント減少しました。体重の減少は2日目までに安定し、そしてマウスは高温で8日目に生きたインフルエンザウイルスを吸入により感染させました。

高温度で飼育するマウスは、研究者が感染の前後に栄養補給をした場合に通常の免疫反応を始めることができました。研究者らはマウスにグルコース(糖)または短鎖脂肪酸(酢酸、酪酸など)の、腸内細菌によって自然に作られる化学物質のいずれかを与えました。

室温実験では、研究者らはマウスを外科的に接続して、両方ともインフルエンザに感染した過少給餌マウス通常給餌マウスの間で体液が自由に移動するようにしました。正常に給餌されたマウスからの体液は、十分に摂食していないマウスの免疫システムに対し、インフルエンザウイルスに正常に反応するよう促しました。

「免疫システムは、恐らく高温が遺伝子発現に変化に影響をおよぼしてインフルエンザウイルスに反応しないのでしょうか? それともマウスに栄養が十分でないからなのでしょうか? 詳細に理解するためにはさらに実験が必要です」。

結果は別の病気から回復しながら再び病気になるという不運な状況を解決するヒントを与えてくれるかも知れません。

「人は病気になるとしばしば食欲を失います。栄養失調をになってしまう長い期間 食べるのをやめると免疫システムを弱め、病気を再発する可能性が高まります」

感染の未来

ジカウイルスの表面構造(出典:Wikimedia Commons, By Manuel Almagro RivasOwn work, CC BY-SA 4.0, Link )


将来の重要な研究領域は、異なる種類のワクチン接種に対する高温の影響です。上腕に注射するインフルエンザワクチンは不活化ウイルスを使用しますが、にスプレーするワクチンは弱毒化生ウイルスを使用します。

「ウイルスの伝播経路と種類の両方が影響して、免疫システムの高温下での反応形態を変化させるかもしれません」と、森山氏は言いました。

更なる研究をもってこれらの発見が人間にとって何を意味するかを明確にすることができるまでは、公衆衛生への積極的なアプローチを心掛けるべきと、一戸教授と森山氏からの慎重なアドバイスです。

「おそらく、ワクチンとサプリメントは食料が不足している地域に供給すると良いです。インフルエンザ、ジカ、エボラなどの新たな感染症の臨床管理には、標準的な抗ウイルス療法に加えてサプリメントが必要になるかもしれません」

研究者たちは肥満マウスを用いた実験、細胞死の化学的阻害剤、さまざまな湿度レベルなど、免疫システムに対する温度と栄養の影響をよりよく理解するための将来のプロジェクトを計画しています。

研究について


この研究で使用されたインフルエンザの系統はA / PR8 / 34インフルエンザウイルス、1934年にプエルトリコで最初に分離されたH1N1インフルエンザウイルスの一種で、現在実験室のマウス研究で一般的に使用されています。

引用ニュース & 原著論文

🔵 英語ニュース:Heat waves, food insecurity due to climate change may weaken immune systemsUniversity of Tokyo)February 5, 2019

🔵 原著論文:High ambient temperature dampens adaptive immune responses to influenza A virus infection (PNAS, February 19, 2019)

Seigoの追記

上のプレスリリースでは足りないところを原著論文の要約から補充して、この研究のポイントを簡単にまとめてみました。

 研究のポイント 
・マウスを36℃の環境にすると、食事が減少し、ウイルス性病原体に対する抵抗性がなくなった。(つまりインフルエンザやジガ、フルボウイルスにかかりやすくなった
・しかし腸内細菌が作る「グルコース」や「食事性短鎖脂肪酸」を与えたところウイルス性病原体に対する免疫力が回復した。(つまり抵抗性をもった)

暑くなるとあまり食べなくなって、腸内フローラの環境が悪くなるためにウイルスに抵抗性がなくなってしまうのでしょうか?

暑くなっても腸内細菌を整えることは重要のようですね。

また、最低サプリを補っておけば(「グルコース」や「食事性短鎖脂肪酸」など)、ウイルスに対する抵抗性が出るというのも興味深い結果ですね。

それではみなさん腸内フローラを抜群の状態にして、どんなウイルスにも抵抗性をもってしまいましょーーー! 😄

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