日本の大気中のPM2.5濃度がWHOの基準値以下でも心臓停止に影響していることが判明!?【2020年最新報告】

ニュース/レビュー

シドニー大学の根岸一明教授のグループが日本の大気の危険性について論文を発表しました。

またプレスリリース(英文)が大学のサイトに公開されましたので、翻訳して紹介いたします。(翻訳のプロではないので読みづらかったらすみません。

また発表された論文はオープンアクセスですので、どなたも無料で全文が閲覧できます。リンクを以下のレビュー記事の後に貼っておきます。
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大気汚染の影響によって心停止になる可能性あり

森林火災、ガソリン自動車が主な汚染者に

世界的な基準を満たしている濃度であっても、大気汚染への短期間の曝露による致命的な心停止のリスクが増加します。 包括的な研究は、より厳しい基準とよりクリーンなエネルギーが必要であることを示しています。

オーストラリアの研究によると、低濃度の微粒子状物質PM2.5へ短期間さらされただけでも、院外心停止OHCA)〔病院の外で心機能が停止すること〕のリスクが高まることがわかりました。また石炭の燃焼/採掘、山火事、自動車などのガス状汚染物質との関連に注意してください。

優れたモニタリング、人口密度、大気の質で選ばれた日本での全国調査は、PM2.5と心停止の関係の包括的な証拠を提供し、今までの研究を全て組み合わせた3倍のサンプルを使用し、高齢者などのグループへの影響を実証する大規模なものです。

本日の調査結果は、インパクトファクターの高いジャーナル The Lancet Planetary Health 誌に掲載されました。

シドニー大学医学部の責任著者である根岸一明教授は、特に世界保健機関(WHO)のガイドラインに合うか、より良い大気濃度では、大気汚染と急性心臓イベントに関するこれまでの研究は一定しないと述べました。

これまでのデータの不一致はこの研究の規模と信頼性によるものです。OHCAの90%以上はWHOガイドライン(およびオーストラリアの標準レベル、1日平均25µg / ㎥)より低いPM2.5レベルで起こりました。同様に、OHCAの98%は日本またはアメリカの1日の標準レベルである35 µg / ㎥よりも低いレベルで発生しました。

「院外心停止は世界中で10人に1人未満しか生き残れないという重大な医学的緊急事態で、もっと深刻な大気汚染やPM2.5などの微粒子状物質と関連するという証拠が増えています。」と大学の健康医学部、Nepean Clinical Schoolの医学部長でネピアン病院の心臓専門医の根岸教授は言いました。

「私たちは院外心停止の約25万件を分析し、空気の質が一般基準を満たしているにもかかわらず心停止のリスクが高まることを発見し、大気汚染に安全なレベルはないという最新の証拠を裏付けます。

「自動車の数が増えたり、山火事などの災害で大気汚染が悪化の傾向があるという事実を考えると、呼吸器疾患や肺がんに加えて心血管への影響などヘルスケアの対応を考慮する必要があります。

2014年のビクトリアでの大規模なHazelwood炭鉱火災後にフィールドワークを行った根岸教授は、一般的に心血管への影響が懸念されるのは高齢者であると述べました。もし若くて健康体ならすぐに深刻な影響は起こらないでしょう。しかし、彼はこの調査結果は短期間の暴露にのみ関連しており、その影響は最大5年間持続することを強調しています。

この論文は、大気の質を改善する「緊急の」必要性があると結論付けています。「空気の質には国によって境界がないため、この重大な健康問題に取り組むための世界的なアプローチが地球のために必要です」と著者は述べています。

重要な調査結果とそのすべての意味すること

日本は大気汚染レベルの総合的な記録とOHCAの質の高く全国的なデータを持っているため、日本のデータを使いました。

研究者はPM2.5が10µg/㎥増えるごとに、リスクが1〜4%増加することを発見しました。

シドニーは近年山火事の煙によって大気汚染が増えており、リッチモンド郊外で最悪の日ではPM 2.5は25µg/㎥という基準を超えて連続喫煙に相当する500µg/㎥以上に跳ね上がりました。オーストラリアには毎年約15,000人のOHCAがあり、仮にPM2.5の1日平均が10単位増加すると、さらにOHCAが600増え、540人の死亡(世界全体で10%の生存率)が生じる可能性があります。

Lancet Planetary Health 誌の論文は、大気汚染が記録されてから3日後までに発生したOHCAを比較しました。しかし心臓への影響は、急性大気汚染の5〜7日後まで発生する可能性があると根岸教授は述べているため、心血管への影響全体は示されているよりも悪化する可能性があります。

また、性別や年齢に関する影響も分析しました。性別での差はありませんでしたが、65歳以上の人はPM2.5と全原因OHCAの発生率と(統計学的に)有意に関連していました。

データは一酸化炭素、光化学オキシダント、二酸化硫黄の短期暴露と全原因OHCAの間の関連を明らかにしましたが、二酸化窒素とは関連していません。根岸教授は、例えば車の排気ガスからの二酸化窒素のレベルは、OHCAをもたらすほど高くなかった可能性が高いと説明しています。

一般に大気汚染が心血管系死亡率に及ぼす既知の影響に加えて、この研究はOHCAに対する急性大気汚染への短期暴露の影響に関する知識の重要なギャップを埋めます。

著者は「大気の予測と合わせて、この結果からこの緊急事態を予測し、リソースをより効率的に割り当てることができます。」と述べています。

この研究は、シドニー大学、タスマニア大学/メンジーズ医学研究所、モナッシュ大学、オーストラリアの農村保健センター、日本の群馬大学との共同研究です。

大気汚染の進む真相

PM2.5には、 世界中に2つの主要なソースがあります。

1. 交通/自動車
2. 山火事(カリフォルニアとアマゾン、オーストラリアでの大規模な年中行事)

– PM2.5とPM10は両方とも人の目に見えないもので、心停止の可能性を高めます。心臓が停止し、治療しないと数分以内に死に至る傾向があります。

– 粒子状物質PM10は比較的粗い粉塵で、たとえば粉砕作業から出て、道路で攪拌されます。比べてPM 2.5 は微粒子状物質で、体内に移動しより長く滞在します。

最も危険な大気汚染はPM2.5です。これは人間の髪の毛の直径の約3%しかない微粒子です。

ーーー 翻訳ここまで ーーー


引用ニュース & 原著論文

🔵 英語ニュース:Air pollution impacts can be heart-stopping: Lancet publication ()28 January 2020

🔵 原著論文(オープンアクセス:全文が無料でご覧になれます) : Short-term exposure to ambient fine particulate matter and out-of-hospital cardiac arrest: a nationwide case-crossover study in Japan( The Lancet Planetary HealthVOLUME 4, ISSUE 1, PE15-E23, JANUARY 01, 2020 )
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Seigoの追記

原著論文の要約も合わせてまとめますとWHOの基準は甘く、それを下回るPM2.5の大気汚染であっても心臓が停止するような心不全が起こりえることを明らかにしています。

WHOの基準は25μg/m3という値ですが、日本の11.98μg/m3という半分以下のPM2.5の量でも心臓停止を起こすようなトラブルが明らかに増えているということのようです。

今回は心臓についてのトラブルを調べていますが、日本ではタバコの喫煙率が落ちているのに肺がんがは増加しているので、もしかしたら大気汚染が原因かも知れません。

中国が特にPM2.5の汚染が非常に深刻ですが、噂では人口を減らすために大気汚染を改善させない(中国の役人が中国の人口を減らしたいと思っている)という恐い話も聞こえてきますので、日本は中国の問題(今回の新型コロナを含めて)をどうにかしないと安心できる生活は来ないようです。

中国共産党ではなく中国国民は、もちろん中国を良くしていきたいと思っているので(そちらの方が大多数)、日本や世界と協力して1つ1つ良くしていくしかありません。

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