【NEJM & ランセット】医学雑誌トップ2の権威失墜! レムデシビルやクロロキンの論文が承認後に撤回/代わりに自然系補助薬が浮上
このサイトではいち早く、海藻や漢方薬の抗ウイルス作用を科学論文と合わせてご紹介していきましたが、今回はさらに3つの興味深い候補が加わったのでお知らせ致します。
最近もご紹介しましたが、タイの医学情報サイト(Thailand Medical News)からの記事で、新型コロナの最新情報を活発に発信し続けています(前回紹介したのは2020年6月2日の記事)。
3つの興味深い候補をお伝えする前に、製薬会社の作る薬の論文が撤回されたというニュースが入ってきましたので、それから取り上げていきたいと思います。
この記事のもくじ
The New England Journal Of Medicine や The Lancetが論文を次々と撤回。査読制度の崩壊か!?
新型コロナの薬「レムデシビル」はアメリカで最初に認可され日本でも5月に認可されましたが、「効かない」という結果が以下のように次々と出ているようです。
『レムデシビル大規模研究を中止するという物議をかもすNIHの決定の内幕ー』
死亡率がレムデシビル投与で8%でコントロールで11.6%、統計的に差はなし・・・
The New England Journal Of Medicineの報告:
「回復する時間が早かったが、人工呼吸器の患者には効かない。安全で効果的ということがわかったのは大きな前進だ。組み合わせて使いましょう。(!?)」
STAT (May 22, 2020)より
回復はコントロール群15日に対してレムデシビルでは11日と平均31%早いが、死亡率に有意な差はない。レムデシビルは中程度の効果なので他の薬と組み合わせて研究すべき。『コロナウイルス:レムデシビルは奇跡の治療法ではない』(DW.com)
中国の237人の重症患者の研究ではLancetにレムデシビルがほとんど効果がないと発表。『Covid-19:矛盾する研究後、レムデシビルの有効性は疑問』(france24.com)
The New England Journal Of Medicineの研究では1063人の患者で回復時間は早かったが死亡率はまだ高いので、他の薬も組み合わせる必要がある。『レムデシビルだけではCovid-19の治療に十分ではない』(thehill.com, msn.com)
トランプ大統領も摂っているクロロキンにもネガティブな報告が!
トランプ大統領が推奨した抗マラリア薬のクロロキンもアメリカで認可されましたが、効果がないどころか死亡リスクすらあるかもしれないという研究結果もあります。確か亜鉛の併用で効果が上がるようですね。The Lancetの報告:
「COVID-19の治療のためのマクロライド系抗生物質の有り無しでのヒドロキシクロロキンまたはクロロキン:多国籍レジストリ分析」PDF書類
でもこちらの研究は審査をうけて正式に論文発表になりましたが、 撤回された ようです。このランセットと同じ著者のニューイングランドジャーナルオブメディシンの論文も撤回されたそうで・・・
どうやら何か問題が起こったようで、調査しようとしたのにサージスフィア社(Surgisphere)がデータ提出を拒否したそうです。サージスフィア社は社員がたった3人でしかもマーケティングエグゼクティブがアダルトモデル(女性)やSF作家ということで、一体何が起こっているのでしょうか?
しかも2つの超一流科学雑誌が論文を撤回するとなるとこちらも信用を失ってしまいます。
という怪しい情報が科学の世界にも横行しており、科学的に未確認な薬を広めるためにメディア、ソーシャルメディアプラットフォーム、ファクトチェッカー、医療ジャーナル、非倫理的な医療研究者さえもが、政府や大手製薬会社に買収されている現状です。ある製薬大手は未検証の医薬品のPRに大金をつぎ込んで、研究者や医療ジャーナルなどに働きかけるということがあるようです。
また細胞実験のデータがないのに、FDAがレムデシビルを承認したこともショッキングです。データは、ただ入院期間の短縮だけです。ということは患者にバナナを与えて退院が早くなったら、バナナは新型コロナの薬だと承認できるということになってしまいます。レムデシビルについては安全性について詳しく研究されておらず、ギリアド社も小さい字で警告してるだけです。
SARS-CoV-2のウイルス複製をある程度阻害する薬やサイトカインストームを防ぐ薬はたくさん上がってきていますが、資金不足だったり大手に邪魔されたりでなかなか研究が進みません。
結局、薬が正しく効果的だというデータはまだなく、 サイトカインストームの治療にしても免疫を良くする薬を使う代わりに、免疫抑制薬で免疫反応と炎症反応を完全に止めるべきかどうか議論しているのが現状です。
免疫抑制剤の危険性
免疫抑制剤でウイルスなどに感染した人の敗血症や死につながる可能性があることを示す研究があります。🔵『敗血症による免疫抑制のメカニズムと敗血症の免疫学的修飾療法』(2018年論文、オープンアクセス;全文が無料で読めます)PDF書類
🔵『免疫抑制は敗血症性ショックの原因に影響?』(2018年論文 ← オープンアクセス)
🔵『敗血症による免疫抑制とToll様受容体9の関係』(2018年論文、オープンアクセス)PDF書類
ということで、サイトカインストーム、血栓症など新型コロナに伴う症状を治療する有効な薬や抗ウイルス薬は今のところないようなものなので、ここでサポートしてくれるような物質の候補が3つ浮上しました。
COVID-19の補助薬としてアシュワガンダ、黄花蒿、SOD3の研究の必要性
抗ウイルス効果をサポートする3つの有力な物質
① アシュワガンダ(Ashwagandha)
インドのアーユルヴェーダ医学で長い間使用されてきた伝統的なハーブで、アシュワガンダまたはウィタニア・ソムニフェラ(Withania somnifera)と呼ばれています。アシュワガンダは副腎のサポートに使うハーブで、12の証明された効果についてこのサイトでも紹介しました。
さらに、アシュワガンダは新型コロナへの抗ウイルス作用も査読前の論文ですが報告されています。
『アシュワガンダのWithanone(ウィザノン)は、ウイルスSタンパク質受容体結合ドメインと宿主ACE2受容体の相互作用を阻害することで、COVID-19の侵入を阻害する可能性』
(審査を受けていない新論文)
さらにインフルエンザなどの抗ウイルス作用の報告はいくつかあります。
『H1N1インフルエンザのノイラミニダーゼを標的としたウィザニアソムニフェラアーユルヴェーダハーブの有効成分の有望な抗インフルエンザプロパティ:計算研究』(2015年論文)
『感染性ファブリキウス嚢病ウイルス複製に対するアシュワガンダ抽出物の抗ウイルス活性』(ResearchGate)
『大腸菌に感染した実験モルモットのいくつかの選択的生化学的、血液学的および免疫学的パラメーターに対するウィタニア・ソムニフェラ抽出物の効果』(2013年論文、オープンアクセス)PDF書類
『アシュワガンダ (Withania somnifera):健康の保護、免疫調節効果、感染症の治療および治療への応用における役割(レビュー)』(2014年論文)
アシュワガンダの抗炎症効果
また、アシュワガンダに含まれる成分は抗炎症効果も示します。🔵『 アシュワガンダの抗炎症効果の評価:in vitroでの予備研究』(2012年論文)
🔵『ラットのコラーゲン誘発関節炎に対するウィタニアソムニフェラ根の抗炎症効果の評価』(2014年論文)
🔵『アシュワガンダ根抽出物は、MAPK / NF‑κB経路を阻害し、サイトカインの調節によりHaCaT細胞に抗炎症作用を持つ』(2018年論文、オープンアクセス)PDF書類
🔵『第25章-関節炎、変形性関節症、および関連する炎症における栄養補助食品の治療標的としての核因子カッパB阻害』(2012年書籍)
🔵 インド工科大学(IIT-D)と産業技術総合研究所の共同研究で、アシュワガンダがコロナウイルス薬として効果があるかもしれない天然化合物が含まれていることを発見しました。
研究者らはWithanone(Wi-N)というアシュワガンダの成分とニュージーランドプロポリスの有効成分カフェイン酸フェネチルエステル(CAPE)が、3CLヒドロラーゼ(Mpro)の活性をブロックする可能性があることを発見しました。
<Thailand Medical News 記事下の注意書きより>
調査結果はレビュー中であり、まだ発表されていません。しかし、それでも、アシュワガンダのいずれかがCOVID-19の治療に役立つ場合は、そのメリットを調査するために世界中の研究機関がさらに多くの研究を必要とするでしょう。調査結果はレビュー中であり、まだ発表されていません。 しかし、それでも、アシュワガンダのいずれかがCOVID-19の治療に役立つ場合は、そのメリットを調査するために世界中の研究機関がさらに多くの研究を必要とするでしょう。
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大手製薬会社はすでに利益志向の目的で在庫にある高価な薬を宣伝することに忙しい一方で、世界中の医学研究者は、COVID-19とその効果を治療する効果がある可能性のある安価な非特許代替品にも焦点を当てるべきです。付随する症状は、無毒で安全な証拠であり、安価で効率的です。
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読者は、COVID-19またはその症状を治療するために、言及された製品を消費しようとしないように警告されます。 COVID-19の疑いがある場合は、直ちに保健当局または最寄りの病院に報告してください。 決して自己治療を試みないでください。COVID-19に対して何らかの効果があることが研究で示されている場合でも、これらのすべての化合物は資格のある資格のある医師の監督の下でのみ取られるべきです。
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詳細については、タイメディカルニュースにログインしてください。
私たちは必死にあなたの助けを必要としています。このウェブサイトを維持し、寄付によって研究を推進するためのすべての取り組みを支援してください。https://www.thailandmedical.news/p/sponsorship
② 黄花蒿(おうかこう)
黄花蒿(おうかこう)はクソニンジン(Artemisia annua)とも呼ばれる漢方で、現在は米国やマダガスカルでも栽培されており、抗マラリアと抗ウイルス作用があります。2003年のSARSの抗ウイルス剤としてある程度の有効性が示されています。
『SARS関連コロナウイルスに対する抗ウイルス活性を持つ天然化合物の同定』Antiviral Research, 2005年(オープンアクセス) PDR書類
アルテミシニンがSARS-CoV-2に影響を与える可能性についてのヒントはいくつかあります。 2005年中国の科学者たちは、黄花蒿のアルコール抽出物が、重度急性呼吸器症候群(SARS)ウイルスをペトリ皿で無毒化できたと報告しました。 (ただし、抽出物はSARSに対して動物や人でテストされたことはありません。)
🔵『アルテミシニン-ジペプチジルビニルスルホンハイブリッド分子:抗マラリア原虫活性およびファルシパイン-2阻害のための設計、合成および予備的SAR』(2010年論文)
🔵『SARS療法のためのカテプシン-Lに対する天然の阻害剤を見つけるためのバーチャルスクリーニング』(2006年論文、オープンアクセス)PDF書類
黄花蒿は適切な研究がないまま、マダガスカルでのCOVID-19の奇跡的な治療法として宣伝されています。ハーブの不適切な使用は、マラリア耐性や肝臓の問題を起こす可能性もあります。
黄花蒿から抽出されたアルテミシニンと抗マラリア薬の併用は、オックスフォード大学のケビンマーシュ博士によれば、アフリカで毎年100万人以上の死を約40万人に下げるのに役立っています。 「完全にアルテミシニンに依存しているので、耐性について非常に心配しています」とMarsh博士は特にアフリカでマラリアによる死が世界の90%であると述べています。
耐性を防ぐために、ほとんどのアルテミシニンを使ったマラリア治療には、2番目の抗マラリア薬が含まれているため、寄生虫がアルテミシニンに耐性を持っても、他の薬で殺します。
世界保健機関(WHO)は、薬剤耐性の発生を早める可能性がるため、アルテミシニンを単独で使用することを各国に強く勧めません。2019年10月のWHOの報告では、マラリアの治療や予防に黄花蒿を推奨していません。それでも黄花蒿のCOVID-19治療はすごい多いですとマーシュ博士は言います。
③ スーパーオキシドジスムターゼ3(SOD3)
スーパーオキシドジスムターゼ3(SOD3)は、SOD3遺伝子によってコードされる酵素で、スーパーオキシドジスムターゼタンパク質ファミリーです。 SODは細胞内で発生した活性酸素を過酸化水素と酸素に分解する抗酸化酵素で、それにより脳、肺などの器官を酸化ストレスから守ってくれます。特にSOD3は肺での研究があり、サイトカインをよく調節してくれます。
🔵『高齢者での肺胞II型細胞の低いSOD3は、COVID-19の重症度と関連?』(2020年5月8日論文、オープンアクセス) PDF書類
🔵『SOD3は活性酸素種のスカベンジャーとして作用することにより、酸化ストレスから脳と組織を保護し、KCNH7は神経伝達物質の放出を調節します。』(2020年学会発表)
🔵『シリカによる肺線維症および肺血管リモデリングにおけるSOD3の役割』(2018年論文、オープンアクセス)PDF書類
🔵『細胞外スーパーオキシドジスムターゼとCOPDのリスク』(2014年論文、オープンアクセス)
引用ニュース
🔵 英語ニュース:MUST READ! COVID-19 Treatment: Calls For Research Into SOD-3, Artemisia Annua And Ashwagandha As Possible Adjuvant Drugs For COVID-19.〔機械翻訳『必読! COVID-19の補助薬としてSOD-3、Artemisia Annua、Ashwagandhaの研究を望む』(Thailand Medical News) May 24, 2020Seigoの追記
前に新型コロナに対処できそうな食べ物やサプリをご紹介しました(代表的な2つの記事を以下に貼ってあります)。ビタミンDや海藻のフコイダン、緑茶のカテキン、黄色いウコンや麻黄湯などの抗酸化物質などたくさんありますが、今回はアシュワガンダ, 黄花蒿, SOD3ということで、特にアシュワガンダはちょっと意外なようですが、抗ウイルス作用の研究はされたことがあるみたいですね。アシュワガンダというと副腎疲労のハーブとしてアメリカでは人気で、私もお世話になったことがあります。副腎を元気にするので、抵抗力や免疫力はアップするという意味で、普段から朝起きれないとか、週末は寝てたい、疲れが取れないなどがある場合はアシュワガンダを摂られるといいですね。ついでにコロナにもかかりにくくなるとは一石二鳥ですね。
黄花蒿は寄生虫デトックス、いわゆる虫下しにも使われるようでブラックウォルナッツと組み合わせたものもあります。やはりイベルメクチンのような駆虫剤はウイルス感染に抵抗性をもたせるという効果があるようですね(腸から余計な虫がいなくなる → 腸内細菌のバランスが良くなる → 免疫力が上がる っといったイメージでしょうか?)
ところでSOD3ですが、メロンから抽出した物質が体内のSOD3を増加させるそうです。
🔵『特定のメロン濃縮物を含む栄養補助食品は、食堂の食事によって誘発される血管機能障害を逆転させます』(2016年の論文、オープンアクセス)PDF書類
ネットで購入できるアシュワガンダ, アルテミシニン, SOD
アシュワガンダの根
60粒, Gaia Herbs製
iHerb
有機アシュワガンダ
60粒, Garden of Life製
楽天
アルテミシニン, 100mg
60粒, Doctor’s Best製
iHerb
ブラック ウォールナッツ&ヨモギ
30mL, Nature’s Answer製
iHerb
グリーンブラックウォルナット
ワームウッドコンプレックス Now製
Amazon
SOD (メロン果実濃縮物)
60粒, Jarrow Formulas製
iHerb
20余年アメリカで遺伝子治療&幹細胞の研究者をやってきました。
特に遺伝病の間違った遺伝子をピンポイントで修復し、元に戻す技術開発です。
理学博士(Ph.D. )
アメリカ生活で学んだアンチエイジングなど健康に関する知識をシェアしたいと思います。
巷の情報もご紹介、時にはブッた斬ったりしてしまうかもしれません。
またポイントなどの節約術や生活に便利なガジェット(スマホやアプリの紹介)も記事にしますので参考になれば嬉しいです。
皆さん、ご一緒に「究極のヘルシーライフ」を楽しみましょう♪
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