国際がん研究機関がラウンドアップに”おそらく発がん性がある”と発表しつつなぜかすぐに撤回!? (2019年最新論文)
国際がん研究機関が変な行動を取っていることが発覚しました。ラウンドアップが発がん性の疑いがあるというランク付けを理由もなく撤回していたそうです。
この経緯をいち早く発表したのが, EcoWatchでその記事を翻訳したものをご紹介します。(翻訳のプロではないので読みづらかったらすみません。)
また発表された論文はオープンアクセスですので、どなたも無料で全文が閲覧できます。リンクを以下のレビュー記事の後に貼っておきます。
→ 最近はGoogle翻訳の性能が良くなってスムーズな日本語に翻訳してくれるようになってきました。(時々変ですが)ご活用下さい。(Google翻訳のページはこちら)
この記事のもくじ
実は・・・教授はグリホサートの新しい科学論文の訂正を拒否していました
英文執筆者:Carey Gillam
6月5日更新:6月5日、Scientific Reports 誌の広報担当者は「Scientific Reports に発行した論文に問題が発生した場合、慎重に調査し適切な措置を講じます。」と述べました。 彼はScientific Reports は Nature と同じグループのオープンアクセスジャーナルですが、Nature とは編集上独立していますと指摘しました。世界で最も広く使用される除草剤の暴露被害を調査した論文の著者が、衝撃的なニュースを発表しました。
ワシントン州立大学のチームは、グリホサートにさらされたラットの子孫が 前立腺異常 、 腎臓異常 、 卵巣疾患 、 肥満 および 出生異常 になったことを発見しました。Scientific Reports 誌の4月号に発表されたこの調査結果は、グリホサート、モンサント社製ラウンドアップ、その他のグリホサート系除草剤の安全性についてのグローバルな議論に追加されました。
しかしおそらくそのニュースよりさらに驚くべきことは、世界保健機関(WHO)の専門科学機関である国際がん研究機関(IARC)が、グリホサートがおそらく人への発がん性物質であるという調査結果を「撤回」したと研究チームはこの論文で述べたことです。
これは1ヵ月以上前に著者に報告された修正されなければならない論文の中の多くのエラーの1つです。しかし、IARCに関するこれほど明白なものはないでしょう。
IARCは2015年にグリホサートをグループ2A※1の「ヒトへの発がん性物質」と分類し結論付けた長いレポート(92ページ, PDF書類)を発表しました。ラウンドアップや他のグリホサート系除草剤の長年の間、製造・販売をしてきたモンサント社に、IARCのこの分類の結果が何千もの訴訟に拍車をかけ、世界中で議論を巻き起こしました。
Seigoの補足
※1:IARCの発がん性評価は5段階あり、一番悪いのがグループ1で「人に対して発がん性がある」、2Aは次に悪いランクで「人に対しておそらく発がん性がある」というグレードです。グループ2Aにエントリーしている物質はアクリルアミドやクレオソト(木材の防腐剤)等などがあり、アクリルアミドに関してはコーヒーに入っているためロサンゼルスの裁判所がスタバに「発がん性表示義務」を命令したこともあります。〔当サイトの2019年7月24日の記事参照〕
しかしワシントン州立大学チームによると、それらの状況を引き起こしたIARCの分類は2016年に撤回されたということです。彼らは次のように書いています。
「2015年3月に、IARC(国際がん研究機関)は長期的な給餌実験における肝臓や腎臓の腫瘍の有病率に基づき、グリホサートをグループ2Aの発がん性物質として分類した。その直後、この報告書は2016年に撤回された。」(Scientific Reports, 2019 スキナーグループの論文より)
IARCにとってその調査結果の撤回は極めて大きな影響を与えます。実際2015年にモンサントは撤回を求めましたが、IARCは色々な国の多数の独立した科学者と同じようにその結果を擁護しました。そして特に、IARCはグリホサートの2Aおそらく発がんという結果を決して撤回しませんでした。
IARCの広報担当のテラス氏(Veronique Terrasse)は、「分類は決して変わらず、今でも有効です」と言いました。
ワシントン州の研究チームは、ワシントン州立大学生物学科のスキナー(Michael Skinner)教授によって率いられました。
この誤りを正すのは簡単なように見えるかもしれません。しかし、誤りについて連絡を受けた時、スキナー教授は訂正の必要はないのでその発表を訂正するつもりはないと言いました。彼は共にこの問題を提起した科学者たちにこのジャーナルの編集者に手紙を書くように言ったと述べています。
「撤回(Retruct)の定義は、「引く、引き返す、戻る」あるいは「取り消す、戻る」または「再考する、戻る」が含まれますが、そう言うわけでこの文脈でこの言葉を使用しました。」とスキナー教授はEメールで回答しました。
Scientific Reports 誌は Nature 誌グループ毎週発行の国際ジャーナルで、「科学と技術のすべての分野で最高の査読された研究を発表する」と謳っていますが、 Nature も Scientific Reports もこの誤りが訂正されるかどうかについての質問には答えませんでした。
外部の科学者の何人かは論文中の他の事実上の誤りについては確認しており、それは研究結果全体の信頼性を損なう恐れがあると述べています。
「これは査読によって(審査中に)取り上げられることになっている」とこの論文でスキナーチームに間違って引用された科学研究を所有する農業経済学者でグリホサート専門家のベンブルック(Chuck Benbrook)氏は言いました。ベンブルック氏はこの論文が修正が必要ないくつかの誤りを記載して出版された直後に、スキナー教授に連絡を4月中にとっています。
ベンブルック氏は彼が知っている問題はすべてこの論文の序文(Introduction)にあり、科学的な結論とは何にも関係ありませんと指摘しています。
「なぜ、彼が事実上の誤りをすぐに修正しなかったのか・・・理解に苦しみます」とベンブルック氏は述べています。
以下は、その他の事実上の誤りです:
1.この論文はベンブルックの研究を引用して、グリホサートが世界の農薬使用量の72%近くを占めていると述べています。しかし、ベンブルックの研究はそうは言ってなくて、世界的に散布されたグリホサートの72パーセントが過去10年間で使用されたと言っています。
2. スキナー論文では、IARCによるグリホサートの分類は長期の給餌実験における肝臓と腎臓の腫瘍の有病率に基づいていると述べています。実際はIARCのレポートに詳述されているように、IARCの分類は動物実験、疫学研究、および遺伝毒性作用に関する「強力な証拠」からのデータに基づいていると述べています。
3. 同様に客注で引用された論文は前にモンサントの科学者がゴーストライティングしたと約2年前に暴かれたグリホサートをおそらく発がん物質としたIARCの調査結果と矛盾する論文を引用しています。スキナー論文では、そこに引用されたこの「遺伝毒性学専門家パネル審査(Genotoxicity Expert Panel review):グリホサート、グリホサート系製剤、およびアミノメチルホスホン酸の遺伝毒性に関する裏付証拠の重要性評価」と題された論文ついては、モンサントの関与が問題であると言う指摘はなく、それを掲載したCritical Reviews in Toxicology 誌は「懸念を表明して修正声明を出しました。
スキナー教授の研究結果
スキナー教授の研究はジョンテンプルトン財団(John Templeton Foundation)からの助成金によって支えられていました。彼らは妊娠しているラットを妊娠8〜14日の間にグリホサートにさらしました。その量は有害作用を示さないと予想される量の半分であり、親にも第一世代にも明らかな悪影響を及ぼさなかったとのことです。しかし研究のプレスリリースによれば、研究者たちは「二代目と三代目に起こったいくつかの病理」において劇的な増加を見た」とされています。この研究はかなりの注目を集めています。いくつかの報道機関がスキナー教授を引用してこの研究を報道しています。昨年モンサントを買収したドイツのバイエル社は、スキナー教授の研究は信頼性がないと述べています。しかしスキナー教授はこの研究が信頼ある科学雑誌に査読されて発表したという事実を引用して、この研究の正確性を主張しています。
ーーー 翻訳ここまで ーーー
引用ニュース & 撤回を求められた論文
🔵 英語ニュース:A Matter of Fact – Professor Refuses to Correct Errors in New Scientific Paper Finding Problems With Glyphosate Jun. 04, 2019🔵 撤回を求められた論文(オープンアクセス:全文が無料でご覧になれます): Assessment of Glyphosate Induced Epigenetic Transgenerational Inheritance of Pathologies and Sperm Epimutations: Generational Toxicology.(Scientific Reports, 2019 )
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農薬に関する書籍
Seigoの追記
国際がん研究機関(IARC)はすでに2015年にラウンドアップ(グリホサートが主成分)が「おそらく発がん性がある」というグループ2Aのランクをつけていたようですね。その後ラウンドアップに関する訴訟が山のように増えて、そして翌年このグループ2Aのランク付けを撤回していたようです。
そのことを記した論文を、論文の内容には触れずに序文(Introduction)に「IRCAが撤回」と書いてある部分が困るので、論文自体を撤回しろとIRCAが論文の執筆者に命令してきたのです。
それで執筆者は撤回しないとジャーナル「Scientific Reports」誌に伝えたそうですが、今のところ撤回されずに論文はオンラインで見れるようです。
どうやら不当なIRCAの行動は認められなかったようですね。
それにしてもラウンドアップが発がん性があると噂になってから、先進国を筆頭に各国では禁止の方向へ動いていますが、日本では全く報道もされず相変わらず農家や家庭菜園でジャンジャン使われておりますので、皆さんお気をつけ下さい。
日本では「農薬の悪さに気づいた時には子供が生まれなくなった」ということになりかねない
撤回を求められた論文はオープンアクセスですので、全文が無料でご覧になれます。英文ですがご一読されることをオススメします。英語の苦手な方はGoogle翻訳などで結構読みやすい日本語に訳してくれるようになりましたのでご活用下さい。論文の結果によりますと、ラットを使って実験した結果、グリホサートを使用してもすぐにがんなどの異常が出るわけではなく、子供の代まで全く正常だと言うことが恐ろしいのです。つまりラウンドアップを使っても全く問題ない農薬のように子供の代までは見えるのですが、孫の代になって初めて異常が出始めるのです。
その異常が特殊で、オスの精子(雌は卵子)のDNAの中に異常が発生し(メチル化と呼ぶ)、遺伝子発現のパターンを変えてしまうことによって、 前立腺異常 や 腎臓異常 、 卵巣疾患 、 肥満 および 出生異常 が発生すると言うのです。また精子が正常に働かなくなるため、次の子供が生まれなくなってしまう可能性が高いのです。
これは見えない(静かに進む)ジェノサイド(民族を根絶やしにすること)に等しいです。
なので今は異常でないからといって、ラウンドアップを使うと雑草が生えなくてラクだからと言わずに、農薬や除草剤(グリホサートを含むもの)を使わないようにしないと、後で日本は大変なことになりかねません。 また無農薬野菜や有機野菜にすることが家庭での自衛策になりますので、そういうところから始めて行きたいものです。皆さんが農薬を使った野菜を買わなくなれば、生産者の方が変わらなくてはいけなくなるのですから。
合わせて読みたいラウンドアップに関する過去記事(7本)
上記で撤回要求された論文を別のプレスリリースで紹介されていました。その記事はこちらからどうぞ ↓
20余年アメリカで遺伝子治療&幹細胞の研究者をやってきました。
特に遺伝病の間違った遺伝子をピンポイントで修復し、元に戻す技術開発です。
理学博士(Ph.D. )
アメリカ生活で学んだアンチエイジングなど健康に関する知識をシェアしたいと思います。
巷の情報もご紹介、時にはブッた斬ったりしてしまうかもしれません。
またポイントなどの節約術や生活に便利なガジェット(スマホやアプリの紹介)も記事にしますので参考になれば嬉しいです。
皆さん、ご一緒に「究極のヘルシーライフ」を楽しみましょう♪
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