新型コロナを抑える黄色い物質が続々と見つかる【最新論文】

ニュース/レビュー

研究で新型コロナを抑えることが示唆されているものには黄色いものが多いことをお気づきになられましたか?

黄花蒿 (クソニンジン)黄花黄蓍(Astragalus Membranaceus)麻黄黄芩などなど・・・

そして今回、その分子メカニズムの1つが明らかになり硫黄を含むチオールがそのカギとなっている事が分かってきました。

そのチオールの結合を別の硫黄化合物でブロックしてしまえばウイルスの侵入を防げるいうのです!

この研究はジュネーブ大学のStefan Matile教授の研究チームによるもので、Chemical Science 誌に掲載されました。

チオールを介した取り込み阻害剤

ヒト免疫不全ウイルス(HIV)やジフテリア毒素の発症には細胞膜にあるチオール(メルカプタン類)というアルコールの水酸基(OH)が硫黄(S)に置き換わった(SH)化合物が関係しているということです。チオール-ジスルフィド交換反応によって膜を通過して細胞内に入ることができます。

チオールはガスやおなら、ニンニクやグレープフルーツの匂いの成分を構成する分子です。グルタチオンなどの強力な抗酸化物質や抗炎症作用のある物質もチオールを持っています(アミノ酸の1つシステインももつ)。

探索方法と結果

チオールを測定するのにエルマン試薬(DTNB)というものを用います。SH基が存在すると、同じ量のSS結合が切れて5-Mercapto-2-nitrobenzoic acidができて発色することでチオールの量を測れます。
しかしエルマン試薬は反応性が低いので信頼性が低いです。
そのエルマン試薬の5000倍以上の活性でチオールと結合できる阻害剤が分かりました。

1つ目の実験はHeLa細胞を用い、蛍光で標識したレポーター(エピジチオジケトピペラジンとベンゾポリスルファン)と28つの阻害剤をそれぞれ色々な濃度でインキュベートし、レポーターの取り込みが邪魔されると蛍光が減るというスクリーニングです。

2つ目は抗ウイルス作用のテストで、D614G変異を持つSARS-CoV-2スパイクタンパク質を入れたレンチウイルスベクターに感染したら光るようにルシフェラーゼをつけました。感染しやすいようにACE2とTMPRSS2が多く発現するようにしたヒト肺基底上皮細胞株A549にその擬似ウイルスを感染させました。
結果、環状チオスルホネートが一番有望なのが確認されたのです。

参考文献 & 英語レビュー

🔵 参考文献(オープンアクセス, 論文の全文が無料で読めます):Inhibitors of thiol-mediated uptake
Chemical Science, 2020

🔵 英語レビュー:Chemists discover a sulfur molecule that blocks the SARS-CoV-2 coronavirus(newsbeezer.com)November 22, 2020

seigoの追記

コロナの侵入の阻害剤で有望なのが環状チオスルホネートということで、この発見によりさらに便利で有効な阻害剤が開発される可能性が出てきした。

実はニュースのタイトルが「コロナウイルスをブロックする硫黄分子を発見」というのを見かけて、また黄色かぁ〜と思い、考えてみたらコロナに効く候補のハーブは黄花蒿 (クソニンジン)黄花黄蓍(Astragalus Membranaceus)麻黄黄芩と黄色がつくものが多いのかなあと思いまして・・・そういえばケルセチンウコンも黄色ですしね。

緑茶や海藻も新型コロナ予防には大切ですが、黄色いものも食べましょう〜!

麻黄湯などの抗ウイルス効果については当サイトで取り上げました 👇

関連記事一覧

  1. この記事へのコメントはありません。