腸内の乳酸菌から人の免疫細胞に直接働きかける分子が発見される!(ドイツ2019年最新研究)

ニュース/レビュー

腸内細菌から分泌される物質の人に対する有効性が次から次へと明らかにされていますが、今回は乳酸菌から出る物質が明らかにされ、さらにそれが結合する受容体も分かりました。乳酸菌から出る物質の受容体を我々人間へ霊長類だけが持っていた(進化過程で獲得した)そうです。

この研究はドイツのライプツィヒ大学がその研究結果を論文に発表し、またレビュー記事(英文)を大学サイトにリリースしました(ドイツ語)。またその記事を簡単にまとめた英語レビューも米国のあるサイトから発表されました。今回はその2つのレビュー記事を翻訳してまとめましたのでご紹介します。(翻訳のプロではないので読みづらかったらすみません m(_ _)m )

また発表された論文はオープンアクセスですので、どなたでも無料で論文の全文が閲覧できます!(英語)
→ 最近はGoogle翻訳性能が良くなって読みやすい日本語に和訳をしてくれますので(完璧ではないですが)ご活用下さい。(Google翻訳はこちら

それでは翻訳したまとめ記事を次のセクションからスタートします ↓

発酵食品中のバクテリアは私たちの免疫システムと相互作用します

研究は微生物と免疫システムの間の進化のダイナミクスに新しい考え方を提供します

乳酸菌は体に良く、私たちの健康維持にとって大切な役割をしていますが、これまでどのように人の生理機能に影響を与えるかについての理解はまだ多くは知られていません。 ライプチヒ大学の科学者たちは、人間や類人猿で、発酵食品に含まれるバクテリアからのシグナルによって活性化される受容体が細胞にあることを発見しました。 研究は微生物と免疫システムの間の進化のダイナミクスに新しい洞察を提供します。 科学者たちはその調査結果を研究雑誌 Plos Genetics に発表しました。

牛乳をヨーグルトに、キャベツをザワークラウトにする乳酸菌は、人に健康増進効果をもたらします。それらは発酵食品と一緒に摂取されるか、腸に永久に定着するかのいずれかです。ライプチヒの科学者たちは、乳酸菌が私たちの体とどのように相互作用するのかという分子メカニズムを初めて実証しました。

当初、研究者らはヒドロキシカルボン酸(HCA)受容体と呼ばれる細胞表面のタンパク質を調べていました。ほとんどの動物はこの受容体を2種類しか持っていませんが、ヒトと類人猿に限っては3番目のヒドロキシカルボン酸受容体(HCA3)を持っています人と類人猿以外のほ乳類も持っていない)。研究者らは、乳酸菌によって産生される代謝産物D-フェニル乳酸(D-phenyllactic acid;D-PLA )が、そのHCA3に強く結合し、免疫系にそれらの存在を知らせることを発見しました。「我々は進化的、薬理学的、免疫学的および分析的方法を組み合わせ、なぜこの受容体が進化の間に保存されてきたのかを調べました」と研究リーダー med 教授は述べました。

乳酸菌の電子顕微鏡写真(出典:Wikipedia Commons, By Photo Credit:Janice Haney CarrContent Providers(s):CDC/ Pete Wardell, PHIL, #258, Link )


医学部・生化学のためのRudolf Schönheimer 研究所からの Claudia Stäubert 博士は次のように述べています「私たちの人間の祖先は地球上で大きな変化の時に住んでいたことがあったのでしょう。それはまた彼らの生息地と食糧供給に影響を与えました。これらは利用可能な新鮮な果物が少なくなり、発酵して落ちた果物を摂取しなくてはならない新しいライフスタイルをもたらしたのでしょう。 この研究の過程で、ザワークラウトなどの発酵食品中に高濃度で見つかる物質が受容体HCA3を活性化し、それによってヒトの免疫システムの機能に影響を与えることを発見しました。」

Stäubert 博士の研究チームは、ザワークラウト由来D-フェニル乳酸と呼ばれる物質が(ザワークラウトを直接食べるだけで血中に検出されることを証明しました。そして、それはレセプターHCA3を刺激するのに十分な量でした 。

「我々の進化的および機能的分析は、この受容体が免疫系の機能に対処するための新しいシグナル伝達系として進化の間にヒトおよび類人猿に保存されているという仮説を支持しています」とStäubert 博士は要約しました。新しく発見された物質であるD-フェニル乳酸は、一方では異物、そして他方ではエネルギーが体内に入ったというシグナルを受容体を介して免疫系と脂肪細胞に伝達します。

責任者である Claudia Stäubert 博士は、
「無数の研究は、乳酸菌と発酵食品によって仲介されるプラスの効果を示しています。この受容体(HCA3)がヒトにおいて乳酸菌の有益な抗炎症作用を仲介する可能性が非常に高いと我々は確信しています。そのため、例えば過敏性腸症候群のような炎症性疾患の治療の薬剤ターゲットとして役立つかもしれないと考えています。

また、D-フェニル乳酸がどのように免疫系に影響を与えるのか、そしてHCA3受容体を発現している脂肪細胞(エネルギー貯蔵)にもその代謝物がどのような影響を与えるか、今後の研究によって明らかにされるかもしれません。」

ーーー 翻訳ここまで ーーー


引用レビュー & 原著論文

🔵 大学サイト・レビュー (ドイツ語):BAKTERIEN IN FERMENTIERTEN LEBENSMITTELN INTERAGIEREN MIT UNSEREM IMMUNSYSTEMUniversität Leipzig)24.05.2019

🔵 英語レビュー:Bacteria in fermented food signal the human immune system, explaining health benefitsMedicalXpress)May 23, 2019

🔵 原著論文 :A Moderate Daily Dose of Resveratrol Mitigates Muscle Deconditioning in a Martian Gravity Analog, (Frontiers in Physiology, 2019 )

Seigoの追記

ヨーグルト製品(出典:Katja S. VerhoevenによるPixabayからの画像)


ヨーグルトなどを作るのに欠かせない乳酸菌が分泌している物質が1つ解明されました。

炎症を抑えてくれる作用のある物質の1つがD-フェニル乳酸(略語はD-PLA)ということです。

ぜひ覚えておきたい物質ですね。

将来は過敏性腸症候群のような炎症性疾患の治療の薬剤としても期待できるそうです。潰瘍性大腸炎にもいいかもね。

また、その受容体(HCA3)がユニークでしたね。
人と類人猿しか持っていないHCA3受容体にD-フェニル乳酸がくっついて活性化するそうですね。
ということはヨーグルトを食べてのその健康効果が出るのは人と類人猿だけで、犬やネコには役立たないのでしょうか?

またそのHCA3受容体は免疫細胞と脂肪細胞が持っているそうなので、抗炎症や肥満解消などに役立ちそうです。

腸内細菌の良い分子が科学的に解明されてくるのは楽しいものですね 😄

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