アーモンドミルクをミルクと呼ぶな! 牛乳業界が圧力をかけている理由とは?
ニュース/レビュー
今回はEcoWatchが米国の牛乳の問題について報告(英文)がありましたので、それを翻訳してご紹介いたします。
ニュースタイトル「FDAは死んでいる酪農業界ではなく消費者を保護すべきです」
英語原文の執筆者:Cheryl Leahy
アーモンドミルクはアーモンドという名前の牛からのミルクだと思いますか? それともアーモンドが乳を分泌すると? 牛乳業界は本気で皆さんがそう思ってるとして、食品医薬品局(FDA)に申告しているのです。■■
乳製品業界は消費者の混乱(?)を例に出して、植物ベースの会社が商標として「ミルク (Milk)」のような用語の使用の制限を要求するロビー活動を展開して、州および連邦政府に圧力をずっと掛けてきました。
全国乳製品連盟(National Milk Producers Federation)は、植物由来製品に対する闘争の一環として、「デイリープライド法(Dairy Pride Act)」が導入されるのを支援しました。私的組織であるコンパッションオバーキリング協会/Compassion Over Killing(COK)と1万人を超える請願署名者は、より良い選択肢を提案しています。乳製品業界が自社製品に「プライド(誇り)」があるならそれに「牛のミルク」と表記したら良いだけのことです。
昨秋、COKとアニマルリーガルディフェンス基金(Animal Legal Defense Fund/動物の法的保護基金)、カリフォルニア大学ロサンゼルス校のレスニック食料関連法規政策センター(Resnick Center for Food Law and Policy)は、乳製品業界が植物ベース製品に「ミルク」といった商品名を制限しようとする競争抑止的な行動を支持しないようFDAに促す共同コメントを、何千もの一般大衆から寄せられたコメントに添えて提出しました。
FDAは業界の圧力の下に屈服する一方で、裁判所(および世論)はこの問題については非常に異なった見方をしているようです。米国第9巡回区控訴裁判所(U.S. Court of Appeals for the Ninth Circuit)は、下級裁判所で出された、アーモンドミルクメーカー、ブルーダイアモンド(Blue Diamond)社に対する集団訴訟を棄却する判決を支持しました。裁判所の見解(?)は「合理的な消費者」がラベルによって誤解されたり欺かれたりすることはないとの立場です。
■■
実証的な調査によると、消費者は動物由来の乳製品と植物由来の乳製品の違いを説明できる十二分の能力があります。注目に値する研究は、牛乳を飲む人の78パーセントが豆乳やアーモンドミルクのような製品の最も適切な用語は「ミルク」とすることに同意していることを見出しました。
世界最大のヨーグルト会社ダノン(Danone)でさえ、植物乳製品の表示の変更に反対しています。北米ダノン社の社外コミュニケーション担当シニアディレクターMichael Neuwirthは、次のように述べています。
ビーガン製品は数十億ドル規模の産業であって、消費者はより倫理的で健康的な代替品を求めて伝統的な乳製品を意図的に見送っています。乳製品の売り上げは着実に減少していますが、2016年には、乳製品供給を減らすために50万頭以上の若い乳牛を殺処分することによって価格を違法に固定することに対する集団訴訟があって、酪農業界側が5,200万ドルを支払って和解しました。
もしFDAが「ミルク」の定義を乳製品業界が要求するような厳しいものにすると、この国で売られている牛乳の半分はその用語を使ったラベルを付けることすらできません。FDAの識別基準の下では、「牛乳」は「健康な牛」からのものであるはずです。しかし、COKによる調査や政府自身の記録によると、米国の乳牛の大多数は「健康」とは見なされないことがわかっています。
乳牛は何千もの屋内畜舎に閉じ込められ、立ったり横たわったりして衰弱した日々を過ごしています。単なる牛乳生産機として扱われているため、痛みを伴う乳房炎、皮膚や蹄の感染、下痢、消化器系の疾患、跛行など、健康に多くの問題があります。
多くの乳牛は、その短い一生の間に立つことも歩くこともできなくなります。米国農務省(USDA)の集計によると、米国の乳牛の約4分の1が臨床型乳房炎を患っていました。さらに多くの牛が膿の存在によって検出される無症候性乳房炎を患っていました。2017年にUSDAによってサンプリングされた牛乳の半分に膿(うみ)が含まれていました。
FDAが厳密な「ミルク」の定義に固執するのであれば、それは酪農業の棺桶(かんおけ)に釘を打つことになるでしょう。
更に、母牛を子牛から引き離す、尾を切る、若い子牛の角を熱いアイロンで焼く、そして人工授精手術のような、日常的な虐待と標準的な業界の方法があります。
そして更に乳牛が利益を上げるのに十分な量の牛乳を生産していない場合、通常の寿命よりずっと前に屠殺場に送られます。乳製品が消費者に吐き気を催させる理由を理解するのは難しくありません。
現在の表示用語は明確です。大衆は混乱していません。彼らはますます健康的で親切な選択をしています。FDAが公衆衛生の保護を任されているのは、まさにそれをすることです。業界の利益ではなく消費者の選択を保護する時です。
Cheryl Leahyは、ワシントンDCに拠点を置く非営利動物保護団体、Compassion Over Killingの顧問弁護士です。 彼女は、養殖動物に関する調査、訴訟および方針の策定と監督を担当しています。
この記事はIndependent Media Instituteの1つのプロジェクトである「Earth | Food | Life」によって作成され、Truthoutによって発表されました。
引用記事
🔵 エコ・ウォッチのビーガンカテの記事(英語):The FDA Should Protect Consumers, Not a Dying Dairy Industry(EcoWatch )2019.3.19Seigoの追記
牛乳の消費量は米国ではどんどん減っているようですね。それが米国の牛乳業界が変な行動をとってしまういちばんの理由だと思いますが・・・それにしても、牛乳に膿(うみ)が結構入ってるってゲーって感じです。
なんてひどいことになってるんだろう・・・そしてそんなものを飲んでいたとは・・・
牛にひどい飼育をしているのは知ってる方も多いと思います。
「アーモンドミルク」って、日本で言われたら、「牛乳」にアーモンドのエキスを溶かし込んだのかなって思うかも知れませんね。
米国で「アーモンドミルク」というと牛乳は入っておらず、アーモンドから抽出した成分でできていて、さらに牛乳に近づけるためにビタミンなどが添加されているものです。
私は「アーモンドミルク」を飲んだ時に牛乳とは全然違って、ほとんど味がないので、牛乳とは全く別の飲み物だと感じました。
今では豆乳のほうが美味しいので、そちらを主に飲んでいます。
日本でも有機の美味しい豆乳が売っていますよね!
(大豆は90%以上がすでに遺伝子組み換えですので、普通に投入製品を選ぶと危険です。有機と書いてあるものを選べば、後ろの原材料をみなくても、遺伝子組み換えではないという保証がついているようなものですから安全に選択できます 😄)
|
|
20余年アメリカで遺伝子治療&幹細胞の研究者をやってきました。
特に遺伝病の間違った遺伝子をピンポイントで修復し、元に戻す技術開発です。
理学博士(Ph.D. )
アメリカ生活で学んだアンチエイジングなど健康に関する知識をシェアしたいと思います。
巷の情報もご紹介、時にはブッた斬ったりしてしまうかもしれません。
またポイントなどの節約術や生活に便利なガジェット(スマホやアプリの紹介)も記事にしますので参考になれば嬉しいです。
皆さん、ご一緒に「究極のヘルシーライフ」を楽しみましょう♪
《もっとくわしいプロフィールをみる》
この記事へのコメントはありません。