ステルス毒発見! IQの低下を招く環境ホルモンランキング・ワースト9/どの食品・家庭用品に混入している?
ニュース/レビュー
執筆日:2019年11月2日、更新日:2021年3月5日
(更新内容:毒物の新しい立体構造が手に入りましたので入れ換えました。また追記を加えました。)
今回はその子供のIQに影響した9つの環境ホルモンはどれか、またその環境ホルモンはビジュアル的にどういう形をしているのかなどをランキング形式でお見せします。そして日本ではどの商品に入っているか、私が短い時間で調べた結果と共にお伝えします。
日本の家庭用製品も環境ホルモンが多数使われていますが、早急の除去が求められます。特に妊娠期の女性が使用する製品は、生まれてくるお子さんにとって一生を引きずる脳障害として現れる可能性があるので、特に注意が必要です。
問題となっている一番悪い化学物質をワーストNo.1として合計9つをランキング形式で発表します(ワーストNo.8は2つあります。合計9つとなります)。
この記事のもくじ
ワーストNo.8 ビスフェノールA (BPA)
ビスフェノールA (bisphenol A, BPA)はこれまでの研究で次のような病気を引き起こす可能性があることが科学的に示されています(括弧内の数字は学術論文のリンク)。
🔴 がん ( 31, 34)
🔴 糖尿病(37, 38, 39), 糖尿病とBPAは関係ないとする研究(40, 41, 42).
🔴 不妊を引き起こす (13, 14, 15 ← オープンアクセス:無料で全文が読めます)
🔴 早産 (52)
🔴 胎児の体重の減少 (22, 23, 24)
🔴 子供の行動異常 (26, 27, 28 ← オープンアクセス:無料で全文が読めます)
🔴 肥満 :血液中にBPAが高いと肥満の可能性が50〜85%上がる(37, 39, 44, 45, 46, 47)
🔴 高血圧 (35, 36).
🔴 喘息 (53, 54)
🔴 免疫機能の悪化 (55)
🔴 甲状腺機能の異常・低下 (56, 57, 58)
🔴 脳のシナプス形成の異常 (59)
ビスフェノールAはどの食品に含まれているか?
🔴 食品缶詰または飲料缶内面のエポキシ樹脂による防蝕塗装が施された部分からビスフェノールAが飲食物に移行するケースがあります。日本ではサバ缶ブームによって食品缶詰が大量消費されています。しかし日本ではビスフェノールAの使用は禁止されていません。一部の事業者による自主的対策(量を減らしたり、他のも化学物質へ変更したりする努力)は見られるのみです。
🔴 プラスチック製(特にポリカーボネート製)の容器またの食器等からビスフェノールAが飲食物に移行するケースがあります。ほ乳瓶はポリカーボネート製からガラス容器が使われる場合が多くなってきましたが、今回の研究ではむしろ妊婦への影響が大きいので、子供が生まれてからの対策だけでは完全ではないことが分かっています。
ワーストNo.8 (2) PFHxS
PFHxSはペルフルオロヘキサンスルホン酸(perfluorohexane sulfonic acid)の略語です。
有機フッ素化合物の一種です。
使用用途は、コーティング、含浸/補強材(湿気、真菌などからの保護用) 、織物、革製品及び室内装飾品、泡消火薬剤、腐食防止剤、金属メッキ 、研磨剤及び洗浄剤、電子機器及び半導体の製造、難燃剤
PFHxSを体内に持ち込む原因を作った商品
米国の製品ですが「Oral-B Glide製のフロス」を使用した女性は、使用していない女性と比較すると、体内の血液中にPFHxS(ペルフルオロヘキサンスルホン酸)が高濃度で発見されました。(2019年3月26日の論文レビュー参照)
ちなみにこの「Oral-B Glide製のフロス」の製品は日本のAmazonや楽天でも売られているので注意が必要です。
ワーストNo.6 トリクロサン
トリクロサンは、医薬部外品の薬用石鹸、うがい薬、食器用洗剤、練り歯磨き、脱臭剤、手の消毒剤、及び化粧品など、様々な場面で使用されている、一般的な家庭用の抗菌剤である。EUでは早くからこのケミカルの販売は禁止され、それに続いてアメリカでもその効果への疑問や健康リスクからトリクロサンを含む一般用抗菌石鹸の販売は禁止されている[1]。(一部 ウィキペディア より)
日本では以下のようにトリクロサンが含まれている家庭製品が普通に売られています。
トリクロサンが含まれている商品
🔴 大正製薬 デントウェル 薬用ハミガキ (参考ページ)🔴 花王薬用ハンドソープ (参考ページ)
🔴 ライオン シュービングループ (同上)
🔴 GATSBY バイオコア デオドラントボディペーパー(同上)
🔴 GUM ガム・デンタルリンス薬用ノンアルコールタイプ(同上)
ワーストNo. 6 (2) PFOS
PFOSはパーフルオロオクタンスルホン酸(Perfluorooctane Sulfonate)の略称です。
パーフルオロ化合物で有機フッ素化合物の一種です。
PFASの一種。このPFOSはアメリカ環境保護局(EPA)が次の疾患を引き起こすリスク要因になると指摘したもの: 腎臓がん 、 精巣がん 、 膵臓がん 、 前立腺がん 、 乳腺がん 、および 低体重児 、 甲状疾腺患 、 精子減少 〔EPAの記事(英文)〕
米国ではすでに製造が禁止されているが、日本では2010年4月1日の化審法改正で第一種特定化学物質に指定され、製造と輸入を許可制にし、事実上禁止とした(ウィキペディア)。
PFOSが含まれている商品
ファーストフードの包み紙や箱、電子レンジ調理用ポップコーンの袋などの紙製品に、撥水(はっすい;水をはじく性質)または撥油(はつゆ;油をはじく性質)性を持たせるためにコーティングされている。(参考PDF書類)大阪府の地下水や埼玉件の河川にPFOSが高濃度で見つかっています。(参考: PDF書類)
ワーストNo.4 PFOA
PFOAはパーフルオロオクタン酸(Perfluorooctanoic Acid)の略称です。
パーフルオロ化合物で有機フッ素化合物の一種です。
国際化学物質安全性カードによりますとPFOAは、発がんの恐れの疑い、授乳中の子に害を及ぼすおそれ、生殖能または胎児への悪影響のおそれ、長期または反復曝露による免疫系および肝臓の障害のおそれ、重度の眼刺激、吸入すると有毒、飲み込むと有害となっております。
PFOAはフッ素樹脂製造などで使用されており、現時点で規制対象とはなっていないが、将来的にはPFOSと同様に規制される見込みのようです。
東レの広告を見ますと、2020年7月からPFOAの規制が始まるようです(東レの広告.PDF書類)。
PFOAが含まれる可能性のある商品
ファーストフードの包み紙や箱、電子レンジ調理用ポップコーンの袋などの紙製品に、撥水(はっすい;水をはじく性質)または撥油(はつゆ;油をはじく性質)性を持たせるためにコーティングされています。(参考PDF書類)大阪府の地下水や埼玉件の河川にPFOAが高濃度で見つかっています。(参考PDF書類)
ワーストNo.4 (2) MFP(フタル酸モノエチル)
MEPはフタル酸モノエチル(Monoethyl Phthalate)略語です。フタル酸水素1-エチルと呼ぶこともあります。
フタル酸モノエチルが使われている製品
フタル酸モノエチルは香料やコロン、消臭剤、石鹸、シャンプー、ローション、およびその他のパーソナルケア製品、特に香りを含むものに使用されるフタル酸ジエチルの代謝物または分解生成物です。ポリ塩化ビニル製品にも含まれます。
ワーストNo.2 TCP
TCPは3,5,6- トリクロロ-2-ピリジノールの略語である。「TCPy」とも表記する。
TCPは、有機リン系殺虫剤であるクロルピリホスおよびクロルピリホス-メチルの代謝産物です。マサチューセッツ州の研究では、男性がTCPにさらされるとテストステロンレベルの低下との相関関係が報告されました。[1]〔Wikipedia-英語, TCP〕
TCPが含まれている食品
農薬 有機リン系殺虫剤(TCP)を使った野菜、農作物。ワーストNo. 2 (2) PBA
PBAは3-フェノキシ安息香酸(3-Phenoxybenzoic Acid)の略称です。
人体に入ったピレスロイドは、代謝されて尿中にPBAとして検出できます。
よってピレスロイドを避けることが大切です。家庭用殺虫剤(蚊取り線香など)にピレスロイドが90%以上を占めているとも言われています。フランスでは数百人の母親とその子どもを対象として、妊娠中と子どもたちが6歳の時の尿中のPBA濃度を測定しピレスロイド曝露量を測定しました。またその6歳の行動も評価して因果関係を調べた結果、PBA尿中濃度が最も高かった子どもたちは、異常行動がみられる可能性が約3倍高いという結果になりました。(参考資料)
PBAやその前駆物質ピレスロイドが含まれている商品
家庭用殺虫剤(蚊取り線香など)、農薬など。ワーストNo.1 ビスフェノールF
ビスフェノールFはビスフェノールAが毒性が強かったため、その代替品として”安全なケミカルとして”使われていましたが、実はこちらのほうが、残念なことに、子供のIQを下げる効果が強いことが今回の研究論文で示されています。そして最も悪い化学物質(ワーストNo.1)としてエントリーされてしまいました。
工業的にビスフェノールFは、可撓性、耐候性、電気絶縁性等に優れていることから、主にエポキシ原料として電子材料用バインダー、飲料缶の内面塗料、CFRP用バインダー、土木用塗料等の主成分として幅広く用いられている信頼性の高い材料とされています。(参考資料)
ビスフェノールFはどの食品に含まれているか?
食品缶詰または飲料缶内面のエポキシ樹脂による防蝕塗装が施された部分からビスフェノールFが飲食物に移行する可能性があります。日本では缶の内部塗装に何が使われているかほとんど開示されませんので注意が必要です。缶詰や飲料缶は、内部塗装に何を使っているかを調べて、人間にとって安全な対策を施している企業から購入するようにしましょう。
■■
seigoの追記
ほとんどの方が上記の化学物質について初めて見る方が多いと思われますので、なるべく視覚的にも印象づけられるようにそれぞれの毒物の立体構造もつけました。皆さんが使っておられる食器やスポーツ用品などに上記の毒物が使われていないかチェックしてみて下さい。特にフライパンのコーティングや耐水製の食品トレイ(キャンプ用品など)そしてダイビングなどをやる方がいればダイバースーツの材質などに使われていないか注意してみて下さい。環境ホルモンや缶詰内面の有毒塗料についての情報は、日本の報道機関はほとんど報道しません。テレビは今でもサバ缶を宣伝しますが、コーティングには触れません。
農薬や家庭用殺虫剤は中身が何なのか内容物の情報を見れば分かるので、上記のケミカルが含まれている場合は避けましょう。環境ホルモンは微量でも人に作用するので注意が必要です。
野菜を購入するときは使われた農薬をチェックして下さい。分からないものは避けるようにして下さい。
化学構造から毒を予測する
次の構造は2019年6月1日の記事でお知らせしたALS患者に見つかった毒物の構造です。ベンゼン環が2つ連なっているところが、上記の構造がビスフェノールF(BPF)やビスフェノールA(BPA)と似ていることにお気づきでしょうか?
このような構造をもった物質が少し構造を変えて「まったく新しい物質」のようにして(特許をとって)売られているのです。
私たちは、化学物質の新名称だけで安心するのではなく、構造をみて毒性を推測できるようにするために、今回このように物質1つ1つの構造も示させていただきました。
日本の未来を生きる子供たちのIQの下がることのないように見張っていきましょう!
執筆日:2019年11月1日、更新日:2021年3月24日
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20余年アメリカで遺伝子治療&幹細胞の研究者をやってきました。
特に遺伝病の間違った遺伝子をピンポイントで修復し、元に戻す技術開発です。
理学博士(Ph.D. )
アメリカ生活で学んだアンチエイジングなど健康に関する知識をシェアしたいと思います。
巷の情報もご紹介、時にはブッた斬ったりしてしまうかもしれません。
またポイントなどの節約術や生活に便利なガジェット(スマホやアプリの紹介)も記事にしますので参考になれば嬉しいです。
皆さん、ご一緒に「究極のヘルシーライフ」を楽しみましょう♪
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