子供が有機フッ素化合物(昼寝マットなど)に触れる機会が増加! PFASを減らす方法とは?

執筆日：2020年7月4日、更新日：2021年3月12日

ファーストフードで使われる容器やダイバーが使う潜水具には防水性（または撥水性；はすいせい＝水をはじく性質）を高めるために有機フッ素化合物（PFAS）が使われている場合が多いですが、この毒性が米国で問題になっていることが報告されています。

これは２年前から一般に知られはじめましたが、日本ではこのような情報は完全にブロックされているので、今回は以前の記事の復刻版を掲載します。

ーーー　2020年7月4日の記事：ここから　ーーー

子供を取り巻く環境に有機フッ素化合物が増えていることが判明！

その論文を発表したのはインディアナ大学の研究者で、プレスリリースが大学のサイトより英文で公開されましたので、以下に要約した訳文を示します。（翻訳のプロではないので読みづらかったらすみません。）

クリーニング製品は子供を保育施設で危険な汚染物質にさらす可能性があります

小さいお子さんたちは、一日中ハイハイしたり、よじ登ったりして遊びます。だから床や家具など常に拭いたり掃除してきれいに安全な状態にしておかないといけません。

インディアナ大学の研究によると、子供たちの健康を守るはずの製品に含まれるPFASという危険な汚染物質が育児施設に多く存在するということです。

この研究はインディアナ大学公共環境学部のAmina Salamova氏とGuomao Zheng氏によりEnvironmental Pollution 誌に出たもので、自宅以外の室内環境でPFASを最初に調査したものの1つです。実は育児環境にはPFASが多く「初期の重要な曝露」だということがわかりました。

「子供たちは成長が早いので、環境汚染物質の影響を受けやすいです。」とSalamova氏は言及しています。「私たちは、家や育児施設、車など多くの時間を過ごす場所で子供たちが暴露されることをよく知っておく必要があります。早期暴露は、後年に有害な影響を与える可能性があります。」

PFAS（ポリorパーフルオロアルキル物質の頭文字より; 有機フッ素化合物）は、泡消火薬剤や汚れ防止や油をはじくカーペット、椅子カバー、衣類、クリーナー、食品のパッケージ、調理器具などの製品に何十年も広く使用されている化学物質です 。PFASは台所用品や食品のパッケージから食べ物に溶け出したり、生活用品から蒸発して部屋の空気やほこりに入り込むことが知られています。

PFASはがんやホルモンバランス、そして免疫系を悪くするのに関連するフォーエバーケミカル（直訳は, 永遠に分解されない化学物質）です。

「PFAS汚染がどんなに広まってしまったかわかり始めたばかりです」と、シアトルのToxic-Free Futureの科学ディレクターで著者のErika Schreder氏は述べます。「調べれば調べるほど見つかります。この有毒な化学物質が水や空気、食品にさえ入っていることを知らされます。そして今、子供たちが勉強したり発見したり探索したりする場所に存在しているのがわかりました。」

子どもたちは通常、自宅で多くの時間を過ごしますが、育児施設では1日平均7〜10時間を過ごすということで重要な曝露源となります。

調査法

研究者らはシアトル都市圏の7つの保育施設とインディアナ州ウエストラファイエットの1つの施設で、37種類のPFASの昼寝マットとほこりを分析しました。研究者たちは、教会や家だったところや複数の教室がある施設など、さまざまな施設からサンプルを集めました。カーペットが敷かれた施設は1つだけでした。すべての施設は、毎日掃除機で掃除していました。

結果

研究者たちは集めたダストから28種類のPFASを発見しました。Salamova氏は、ある種のPFASが米国とカナダの家庭よりも多く育児施設のダストにあったことに驚いたと述べました。さらに意外なことに、ダストには、予想外にフルオロテロマースルホネートが多く含まれていました。これはクリーナー、ワックス、ポリッシュに使うPFASです。マットにはペルフルオロオクタンスルホンアミドおよびペルフルオロオクタンスルホンアミドエタノール（FOSA / FOSE）が多かったです。

研究者たちは、床製品が育児施設を汚染している場合、病院や高齢者介護施設などの屋内環境も汚染している可能性が高いと考えています。

PFASを減らす方法

PFASを減らしたい場合、以下の製品を避ける必要があります。

PFASを減らす５つのコツ（以下の製品を避ける）
・電子レンジ用ポップコーンのバッグなど撥油性パッケージで包装された食品を使わない
・汚れ防止加工の衣類、靴、家具、荷物、カーペットを使わない
・テフロンや焦げ付かない調理器具を使わない
・「フルオロ」とか「ペルフルオロ」という言葉を含む成分の入ったパーソナルケア製品。例えばデンタルフロスやマニキュア、保湿剤、アイメイクなどの化粧品を使わない
・過フッ素化またはポリフッ素化された成分を含む洗浄剤を使わない

ーーー　要約＆翻訳ここまで　ーーー

引用ニュース & 原著論文

🔵 英語ニュース：Cleaning products could expose children to dangerous contaminants at child care facilities.　（Indiana University）March 2, 2020

🔵 原著論文 : Indoor exposure to per- and polyfluoroalkyl substances (PFAS) in the childcare environment.
（Environmental Pollution, 2020 ）

Seigoの追記

37のPFASは、米国の8つの保育所の粉塵と昼寝マットで測定され、粉塵の摂取と皮膚吸収による子供の曝露が推定されていいるそうです。

ダストにはFTOH、マットはFOSAとFOSEという種類の有機フッ化化合物が多く見つかりました。

保育所での粉塵摂取による1日あたりの推定PFAS摂取量は、米国の家庭での摂取量と同様でした。

この研究では、ペルフルオロアルキルカルボキシレート（PFCA）ペルフルオロアルキルスルホネート（PFSA）、フルオロテロマーアルコール（FTOH）、フルオロテロマースルホン酸（FTS）、ペルフルオロオクタンスルホンアミドおよびペルフルオロオクタンスルホンアミドエタノール（FOSA / FOSE）を含む37の中性およびイオンPFASの発生と分布を調査しました。

粉塵摂取による育児環境での中性PFASの毎日の摂取量は0.20 ng / kg体重/日と推定され、PFAS摂取量の75％を占めていました。

当サイトの去年の記事ではPFASのような有機フッ化物が、 子供のIQを低下させる 環境ホルモン ランキング･ワースト9中３つもエントリしていたことに驚きました。（2019.11.02の記事）

🔴　ワーストNo.４　PFOA
🔴　ワーストNo.６　PFOS
🔴　ワーストNo.８　PFHxS

このような有機フッ素化合物は日本でも多い事が予想されますが、メディアや厚生労働省などの機関では、これらの問題に対してたいへん静かなところが心配です。私たちは防衛策を考え、自主的に対応していきましょう！

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