このまま中国の大気汚染が続くと約3500人が日本で早死にする!? (2019年MIT調査)

ニュース/レビュー

中国からのPM2.5の汚染問題は、今や日本全国に飛散しており、その健康的影響も心配されるところですが、MITの研究者が計算したところ、この大気汚染がこのまま続くと日本では約3500人、アメリカでは約2500人が早期に死亡するという調査結果が出ました。

このMITの研究結果は論文として出版され、また大学のサイト内にレビュー記事(英文)が発表されました。今回はそのレビュー記事を翻訳しましたのでご紹介します。(翻訳のプロではないので読みづらかったらすみません m(_ _)m )

また発表された論文はオープンアクセスですので、どなたでも無料で論文の全文が閲覧できます! 翻訳文の下にリンクを貼っておきます。
→ 最近はGoogle翻訳性能が良くなってきましたので、読みやすい日本語に翻訳してくれます。ご活用下さい。(Google翻訳はこちら</span 

中国の気候政策の健康への影響は太平洋全域に及ぶ

中国の大気の状態(汚染)の改善が、米国で約2,000人の早期死亡を防ぐ

英文執筆者:Mark Dwortzan (地球変動の科学と政策に関する共同プログラム)
2019年7月29日

気候緩和政策は、温室効果ガスの排出削減を目的としたものですが、それにより大気の状態が改善されるという効果が現れます。大気汚染を排出する国が(汚染を)減らす政策によってかなりの数の早死にを回避することができます。同時に、その国の風下にある国々も、その恩恵に預かることになります。

Environmental Research Letters (環境研究レター) 誌に発表されたMITの研究によると、世界最大の温室効果ガス排出国である中国によって、2030年が二酸化炭素排出量のピークであるとする条約が守られるとすると、その恩恵はアメリカにまで及び、大気汚染の改善によって2,000人近くの早死が回避されるとのことです。

中国の大気汚染防止および健康促進の政策は、オゾンの減少とそれに付随するPM2.5の低減を介するものですが、それが風下にある3つの大国、韓国日本、そしてアメリカにどのような影響を及ぼすかが、この研究で推定されています。

オゾンPM2.5は、大気汚染物質としてよく調べられており、長距離に影響を及ぼすため、両者の汚染物質を考慮することで、排出国および風下国に対する健康への影響をより正確に予測することができます。

エネルギー経済モデルと大気化学モデルを組み合わせたモデリングフレームワークを使用し、2030年をCO2排出量のピークとするという中国の公約と一致する気候政策を仮定すると公約が達せられない場合に比べ、大気中オゾン濃度が 1.6 ppb (parts per billion) 減少し、その結果、54,300人の早死にを回避できるとされています。早死にの約60%は、PM2.5に起因するものと考えられています。同様の、主にPM2.5による韓国と日本における早死にの人数は、それぞれ1,200人、3,500人が回避されますアメリカでは、より残存しやすいオゾンの影響が大きいとされていますが、1,900人の早死にが回避されます。

これら3ヵ国で回避される死者数は、中国本土での回避死者数の4%にあたります(中国本土では16万5千人が死亡する計算)。より厳しい気候政策によって、風下3ヵ国と中国での早期死亡の回避にさらにつながることも明らかとなりました。

中国でのオゾンによる早期死亡を減らすための温暖化対策のコベネフィット*はPM2.5のものと同程度で、オゾンとPM2.5を削減する相乗効果は中国の国境を越えて重要であることを示すこの研究は、新分野を開拓しました。
コベネフィット:気候変動対策と同時に持続可能な開発に取り組みを進めること(共通便益、相乗便益と訳すときもある)

「この結果は、中国の気候政策が、アメリカにまで遠く離れたとしても、大気の状態に影響を与える可能性があることを示しています。これは、気候に関する政策行動が、長期的だけでなく、短期的にも、すべての人の利益になることを示しています」と、研究を主導した一人である、MIT EAPS学部のNoelle Eckley Selin 准教授は述べています。

研究主導者のもう一人は、MIT’s Sloan School of Managementのグローバル経済学および経営学のValerie Karplus助教授です。二人はMIT Joint Program on the Science and Policy of Global Changeに所属しています。共著者には、元EAPS大学院生であり、筆頭著者であるMingwei Li,、元Joint Program研究者のDa Zhang、および元MITのポスドクChiao-Ting Liが含まれます。

ーーー 翻訳ここまで ーーー


引用ニュース & 原著論文

🔵 英語ニュース:Health effects of China’s climate policy extend across PacificMIT  NEWS2019年7月29日

🔵 原著論文(オープンアクセス;論文の全文が無料でご覧になれます): Health Co-Benefits of Sub-National Renewable Energy Policy in the U.S.
Environmental Research Letters, 14(8), 2019
→ 最近はGoogle翻訳性能が良くなってきましたので、読みやすい日本語に翻訳してくれます。ご活用下さい。(Google翻訳はこちら</span

中国の大気汚染に関連する書籍

Seigoの追記

2030年にCO2排出量がピークでその後は減少していくという公約を中国は結びましたが、米国と中国の今の状態を見てみますと、この公約は破棄される可能性があります

公約が守られた場合は、日本では約3500人、アメリカでは約2500人の早期死亡は防げるということですが、もし守られない場合は早期死亡を防げたはずの人は死亡することになり、この記事のタイトルのように「日本では約3500人が早期に死亡」してしまうことになります。

中国やインドが、早く環境問題を解決しないと、致命的な環境汚染を将来の地球はかかえることになります。日本が積極的にこの問題の解決をサポートする必要があるでしょう。

 

関連記事一覧

  1. この記事へのコメントはありません。