砂糖が体に悪い11の科学的理由（論文引用あり）

日本食はいたるところに「白い砂糖」が入っています。

少しなら大丈夫かも知れませんが、ほとんどの料理（煮物や寿司にも）に含まれていてしかも白いご飯で糖質を大量に摂るので、糖類過多になりがちです。

このサイトでは、ダイレクトに砂糖の害を取り上げたことがなかったので今回取り上げることにしました。またYouTube動画で「備蓄の食品を選ぶ」際に砂糖の有無が大切になってきますので、その場合にもこの情報は貴重になってきます。

情報源はHealthline（英文）からです。（リンクは記事の終わりにあります）

砂糖を摂りすぎると体に悪い11の科学的理由

執筆者（英文）: Jillian Kubala, MS, RD

マリナラソースからピーナッツバターまで、意外な食品にも砂糖が含まれています。

多くの人々は、食事やおやつに加工食品を利用します。これらの製品には砂糖が入っていることが多いため、それだけで1日のカロリー摂取量の大半になってしまいます。

米国では、食品に入っている砂糖が成人の総カロリー摂取量の最大17％、子供が最大14％を占めています（1 ← オープンアクセス, 論文の全文が無料で読めます）.

食事療法のガイドラインは、食品に入っている砂糖からのカロリーを1日あたり10％未満に制限することを提案しています（2).

専門家は、砂糖の消費が肥満や2型糖尿病などの多くの慢性疾患の主な原因であると考えています。

砂糖を食べすぎると健康に悪い11の理由があります。

1. がんのリスクを高める可能性があります

砂糖を過剰に食べると、特定のがんを発症するリスクが高まる可能性があります。

まず、糖分の多い食べ物や飲み物が豊富な食事は肥満につながる可能性があり、それは がん のリスクを大幅に高めます（21 ← オープンアクセス）.

さらに、糖分の多い食事は体の炎症を増加させ、インスリン抵抗性を引き起こす可能性があり、どちらも がん のリスクを高めます（22 ← オープンアクセス).

43万人以上を対象とした研究では、砂糖の摂取量の増加が 食道がん 、 胸膜がん 、 小腸がん のリスク増加と正の関連があることがわかりました（23 ← オープンアクセス).

別の研究では、甘いパンとクッキーを週に3回以上摂取した女性は、これらの食品を週に0.5回未満しか摂取しなかった女性よりも 子宮内膜がん を発症する可能性が1.42倍高いことが示されました（24 ← オープンアクセス).

砂糖の追加摂取とがんとの関連についての研究が進行中であり、この複雑な関係を完全に理解するには、さらに多くの研究が必要です。

要点
糖分が多すぎると、肥満、インスリン抵抗性、炎症を引き起こす可能性があり、これらはすべてがんの危険因子です。

2. 心臓病のリスクを高める可能性があります

高糖質の食事は、世界一の死因である 心臓病 を含む多くの病気のリスクの増加と関連しています（7 ← オープンアクセス).

証拠は、高糖質の食事が肥満や炎症、高トリグリセリド、血糖値、血圧レベル（これらは心臓病のすべての危険因子）につながる可能性があることを示唆しています（8 ← オープンアクセス).

さらに、特に甘くした飲み物から砂糖を過剰に消費することは、脂肪性の動脈閉塞性沈着物を特徴とする疾患である アテローム性動脈硬化症 に関連しています（9 ← オープンアクセス).

30,000人以上を対象とした研究では、砂糖を加えてカロリーの17〜21％を消費した人は、砂糖を加えてカロリーを8％しか消費しなかった人と比較して、心臓病で死亡するリスクが38％高いことがわかりました（10).

たった1缶の473 mLのソーダに52ｇ(グラム)の砂糖が含まれています。これは、2,000カロリーの食事に基づくと1日のカロリー消費量の10％以上に相当します（11）。

これは、1日に1杯の甘い飲み物を飲むだけで1日の糖類の推奨制限をすでに超えている可能性があります。

要点
砂糖を過剰に摂取すると、 肥満 、 高血圧 、 炎症 などの心臓病の危険因子が増加します。高糖質の食事は、 心臓病で死亡するリスクの増加 に関連しています。

3. 脂肪肝につながる可能性があります

フルクトースの大量摂取は、脂肪肝のリスク増加と一貫して関連しています。

フルクトースは、体中の多くの細胞に取り込まれるブドウ糖や他の種類の糖とは異なり、ほとんど肝臓で分解されます。

肝臓では、フルクトースはエネルギーに変換されるか、グリコーゲンとして貯蔵されます。

しかし、肝臓は、過剰な量が脂肪に変わる前に、それほど多くのグリコーゲンを貯蔵することしかできません。

フルクトースを多く含む甘味料は肝臓に過負荷をかけ、肝臓に過剰な脂肪が蓄積することを特徴とする 非アルコール性脂肪性肝疾患（NAFLD）を引き起こします（38 ← オープンアクセス).

5,900人以上の成人を対象とした研究では、砂糖入り飲料を毎日飲んだ人は、飲まなかった人と比較して、 NAFLD を発症するリスクが56％高いことが示されました（39 ← オープンアクセス).

要点
砂糖を食べすぎると、肝臓に過剰な脂肪が蓄積する状態である 非アルコール性脂肪性肝疾患 につながる可能性があります。

 

4. うつ病のリスクを高める可能性があります

健康的な食事は気分を改善するのに役立ちますが、砂糖や加工食品を多く含む食事は、 うつ病 を発症する可能性を高める可能性があります。

ケーキや甘い飲み物などの高糖製品を含む多くの加工食品を摂取すると、うつ病のリスクが高くなります（25, 26 ← オープンアクセス).

研究者たちは、血糖値の変動や神経伝達物質の調節不全、炎症がすべて、砂糖が メンタルヘルスに悪影響を与える 理由である可能性があると考えています（27 ← オープンアクセス).

8,000人を22年間追跡した研究では、1日あたり67グラム以上の砂糖を摂取した男性は1日あたり40グラム未満を摂取した男性よりもうつ病を発症する可能性が23％高いことが示されました（28 ← オープンアクセス).

69,000人以上の女性を対象とした別の研究では、糖分の摂取量が最も多い女性は、摂取量が最も少ない女性と比較して、うつ病のリスクが有意に高いことが示されました（29 ← オープンアクセス).

要点
砂糖と加工食品を豊富に含む食事は、 男性と女性の両方でうつ病のリスクを高める可能性 があります。

5. 肌の老化プロセスを加速

しわは老化の自然な兆候です。それらはあなたの健康に関係なく、最終的に現れます。

しかし、食べ物の選択が悪いと、しわが悪化し、肌の老化プロセスがスピードアップする可能性があります。

終末糖化産物（AGE）は、体内の糖とタンパク質の反応によって形成される化合物です。それらは 皮膚の老化 に重要な役割を果たしていると疑われています（30 ← オープンアクセス).

精製された炭水化物(小麦粉)と砂糖を多く含む食事を摂取すると、AGEが生成され、肌の老化が早まる可能性があります（31 ← オープンアクセス).

AGEはコラーゲンとエラスチンにダメージを与えます。これらは肌を伸ばして若々しい外観を保つのを助けるタンパク質です。コラーゲンとエラスチンがダメージを受けると、肌のハリが失われ、たるみ始めます。

ある研究では、糖分入りの炭水化物を多く摂取した女性は、高タンパク・低炭水化物ダイエットをしている女性よりも しわ が寄っていました（32).

研究者たちは、炭水化物の摂取量が少ないと肌の老化の外観が良くなると結論付けました（32).

要点
糖分の多い食品はAGEsの生成を増加させ、 皮膚の老化 と しわの形成 を促進する可能性があります。

6. 2型糖尿病のリスクを高めます

糖尿病の世界的な有病率は過去30年間で2倍以上になっています（16).

これには多くの理由がありますが、過剰な砂糖の消費と糖尿病のリスクの間には明確な関連があります。

糖分を過剰に摂取することによって引き起こされることが多い肥満は、糖尿病の最も強い危険因子と考えられています（17 ← オープンアクセス）.

さらに、高糖の消費が長引くと、膵臓が産生する血糖値を調節するホルモンであるインスリンに対する抵抗性が高まります。

インスリン抵抗性は血糖値を上昇させ、糖尿病のリスクを大幅に高めます。

175ヵ国以上で行われた人口調査によると、 糖尿病を発症するリスク は、1日あたり150カロリーの砂糖または約1缶のソーダごとに1.1％増加しました（18 ← オープンアクセス).

他の研究でも、フルーツジュースなどの砂糖入り飲料を飲む人は糖尿病を発症する可能性が高いことが示されています（19, 20 ← オープンアクセス).

要点
高糖質の食事は、 2型糖尿病 の危険因子である肥満とインスリン抵抗性につながる可能性があります。

7. 体重増加を引き起こす可能性があります

肥満の割合は世界中で上昇しており、特に砂糖で甘くした飲料が主な原因の1つであると考えられています。

ソーダ、ジュース、甘いお茶などの砂糖で甘くした飲み物には、単糖の果糖（フルクトース）が含まれています。

フルクトースを摂取すると、でんぷん質の食品に含まれるブドウ糖よりも、空腹感と食物への欲求が高まります（3 ← オープンアクセス).

さらに、フルクトースの過剰摂取は、空腹を調節し、体に食事をやめるように指示する重要なホルモンであるレプチンへの抵抗性を引き起こす可能性があります（4 ← オープンアクセス).

言い換えれば、甘い飲み物があなたの空腹を抑えないので、大量の液体カロリーを素早く消費するのが簡単になります。これは体重増加につながる可能性があります。

研究によると、ソーダやジュースなどの甘い飲み物を飲む人は、飲まない人よりも体重が多いことが一貫して示されています（5 ← オープンアクセス).

また、砂糖で甘くした飲み物をたくさん飲むことは、糖尿病や心臓病などの状態に関連する内臓脂肪の増加に関連しています（6).

要点
特に糖分の多い飲料から砂糖を過剰に摂取すると、体重増加のリスクが高まり、内臓脂肪の蓄積につながる可能性があります。

8. ニキビの発症と関連があります

糖分の多い食べ物や飲み物など、精製された炭水化物を多く含む食事は、ニキビを発症するリスクが高くなります（Healthlineの参考記事：ニキビを引き起こす可能性のあるトップ7の食品）。

加工菓子など、グリセミック指数（GI値）が高い食品は、GI値が低い食品よりも血糖値が早く上昇します。

糖分の多い食品は、血糖値とインスリンレベルを急速に上昇させ、アンドロゲン分泌の増加、油の生成、炎症を引き起こします。これらはすべて、ニキビの発生に関与します（12 ← オープンアクセス).

研究によると、低GI食はニキビのなりにくさに、高GI食はなりやすさとの関連性が示されています（13 ← オープンアクセス).

たとえば、2,300人の10代の若者を対象とした研究では、砂糖を頻繁に摂取した人はニキビを発症するリスクが30％高いことが示されました（1).

また、多くの人口調査では、伝統的に加工食品を消費しない農村コミュニティでは、都市部の高所得地域と比較して、ニキビの発生率がほとんどないことが示されています（15 ← オープンアクセス).

これらの発見は、糖分を多く含む加工食品がニキビの発生に寄与するという理論と一致しています。

要点
高糖質の食事は、アンドロゲン分泌、油の生成、炎症を増加させる可能性があり、これらすべてがニキビを発症するリスクを高める可能性があります。

9. 体全体の細胞の老化を促進

テロメアは染色体の末端にある構造であり、遺伝情報の一部または全部を保持する分子です。

テロメアは保護キャップとして機能し、染色体が劣化したり融合したりするのを防ぎます。

あなたが年をとるにつれて、テロメアは自然に短くなり、それが細胞の老化と機能不全を引き起こします（33 ← オープンアクセス).

テロメアの短縮は老化現象の１つとして自然にみられることですが、不健康なライフスタイルはプロセスをスピードアップする可能性があります。

糖分を大量に摂取すると、テロメアの短縮が進み細胞の 老化が促進 されることが示されています（34 ← オープンアクセス).

成人5,309人を対象とした研究では、砂糖で甘くした飲料を定期的に飲むと、テロメアの長さが短くなり、細胞の老化が早まることが示されました（35 ← オープンアクセス).

実は砂糖で甘くしたソーダを1日20オンス（約591mL）飲むと、他の原因は関係なく4.6年相当の加齢と一致します（35)。

要点
砂糖を食べすぎるとテロメアの短縮が加速し、細胞の老化が促進されます。

10. あなたのエネルギーのロスにつながります

砂糖を多く含む食品は、血糖値とインスリンレベルを急速に上昇させ、エネルギーの増加につながります。しかし、このエネルギーレベルの上昇は一瞬です。

砂糖が大多数を占めタンパク質や繊維、脂肪が不足している食品は、短時間のエネルギーブーストにつながり、その後すぐに血糖値が急激に低下します。これはクラッシュと呼ばれることがよくあります（36 ← オープンアクセス).

血糖値が急に上がったり下がったりをずっと繰り返していると、エネルギーレベルに激しい変化が起こることになるかもしれません。（37 ← オープンアクセス).

このエネルギーロスのサイクルを回避するには、糖分が少なく、繊維が豊富な炭水化物源を選択してください。

いくつかの研究では、食事やスナックで砂糖と加工炭水化物を最小限に抑えると、通常、エネルギーレベルが高くなることがわかっています（37.4, 37.5, 37.6).

ある研究では、サッカーの試合の前に精製された炭水化物を多く含むスナックを食べた子供たちは、ピーナッツバターベースのスナックを食べた子供たちよりも倦怠感が多いと報告しました（37.6).

炭水化物をタンパク質または脂肪と組み合わせるのは、血糖値とエネルギーレベルを安定させるもう1つの優れた方法です。

たとえば、リンゴをほんの一握りのアーモンドと一緒に食べることは、長期にわたる一貫したエネルギーレベルのための優れたスナックです。

要点
高糖質食品は、血糖値の急上昇とそれに続くクラッシュを引き起こし、エネルギーレベルに悪影響を与える可能性があります。

11. その他の健康上のリスク

上記のリスクとは別に、砂糖は他の無数の方法であなたの体に害を及ぼす可能性があります。

研究によると、砂糖を摂りすぎると次のことが起こります。

• 腎臓病 のリスクを高める：血糖値が一貫して高いと、腎臓のデリケートな血管に損傷を与える可能性があります。これは腎臓病のリスクの増加につながる可能性があります（40).
• 歯の健康に悪影響を与える：砂糖を食べすぎると 虫歯 を引き起こす可能性があります（Healthlineの参考記事：砂糖が虫歯を引き起こし、あなたの歯を破壊する方法）。口の中のバクテリアは砂糖を食べて酸の副産物を放出し、それが 歯の脱灰 を引き起こします（41 ← オープンアクセス).
• 痛風 を発症するリスクを高める： 痛風は、関節の痛みを特徴とする炎症状態です。糖分を加えると、血中の尿酸値が上昇し、 痛風 を発症または悪化させるリスクが高まります（42).
• 認知機能低下の加速：高糖質の食事は記憶障害を引き起こす可能性があり、 認知症 のリスクの増加に関連しています（43）。

砂糖の添加が健康に与える影響に関する研究は進行中であり、新しい発見が絶えず行われています。

要点
砂糖の摂取量が多すぎると、 認知機能が低下 し、 痛風のリスク が高まり、 腎臓に害 を及ぼし、 虫歯を引き起こす可能性 があります。

砂糖の摂取量を減らす方法

砂糖を過剰に加えると、健康に多くの悪影響があります。

時々 少量にすることは健康によいですが、できれば糖分を減らすように心がけたほうがいいでしょう。

幸いなことに、未加工の食品を丸ごと食べることを心がけるだけで、食事中の砂糖の量が自然に減少します。

食品に加えられた砂糖の摂取量を減らす方法（Healthlineの参考記事：砂糖をたくさん食べるのをやめる14の簡単な方法）に関するいくつかのヒントがあります：

• ソーダ、エナジードリンク、ジュース、甘いお茶を水または無糖のセルツァーと交換します。
• コーヒーをブラックで飲むか、ゼロカロリーの天然甘味料としてステビアを使用してください。
• フレーバーがついている砂糖入りヨーグルトを購入する代わりに、フレッシュベリーまたは冷凍ベリーでプレーンヨーグルトを甘くします。
• 砂糖で甘くしたフルーツスムージーの代わりにフルーツ全体を消費します。
• キャンディーを、フルーツ、ナッツ、いくつかのダークチョコレートチップの自家製トレイルミックスに置き換えます。
• ハニーマスタードのような甘いサラダドレッシングの代わりにオリーブオイルと酢を使用してください。
• 砂糖を一切加えていないマリネ、ナッツバター、ケチャップ、マリナーラソースをお選びください。
• 一食当たり4グラム未満の砂糖を含むシリアル、グラノーラ、グラノーラバーを探してください。
• 朝のシリアルを、ナッツバターと新鮮なベリーをトッピングしたロールドオーツのボウル、または新鮮な野菜で作ったオムレツと交換します。
• ゼリーの代わりに、新鮮なバナナをピーナッツバターのサンドイッチにスライスします。
• ヌテッラのような甘いスプレッドの代わりに、天然のナッツバターを使用してください。
• ソーダ、ジュース、蜂蜜、砂糖、リュウゼツランで甘くしたアルコール飲料は避けてください。
• 新鮮な全食材に焦点を当てて、食料品店の周囲を買い物します。

さらに、食事日記をつけることは、食事中の砂糖の主な供給源をよりよく知るための優れた方法です。

砂糖の余分な摂取量を避ける最善の方法は、自宅で健康的な食事を準備し、砂糖を多く含む食べ物や飲み物を購入しないようにすることです。

要点
健康的な食事の準備に焦点を合わせ、甘味料を添加した食品の摂取を制限することで、食事中の砂糖の量を減らすことができます。

結論

砂糖を食べすぎると、健康に悪影響を与える可能性があります。

甘味のある食べ物や飲み物が多すぎると、体重増加、血糖値の問題、心臓病のリスクの増加などの危険な状態につながる可能性があります。

これらの理由から、砂糖の添加は可能な限り最小限に抑える必要があります。これは、全食品に基づく健康的な食事に従う場合に簡単です。

食事から追加の砂糖をカットする必要がある場合は、上記の小さな変更のいくつかを試してください。

あなたがそれを知る前に、あなたの砂糖の習慣は過去のものになります。

参考資料

🔵 Healthline: “11 Reasons Why Too Much Sugar Is Bad for You” on June 3, 2018