マイクロプラスチックが山岳地帯の空気中にも漂っていることが判明! (2019年フランス報告)

ニュース/レビュー

今回は「空中プラスチック粒子は遠くの山々を覆う」についての論文を元にしたAFP通信の記事(英語)が発表されました。

それを翻訳しましたので、ここでご紹介します。

ニュースタイトル「空中プラスチック粒子は遠くの山々を覆う」

イメージ画像(出典:Larisa KoshkinaによるPixabayからの画像)


プラスチック汚染がないとされている人里離れた山岳地帯でさえ、事実上パリのような都市に匹敵する規模のマイクロプラスチックで空中が覆われている、と研究の警告が月曜日に報じられました。

2017 – 2018年の5ヵ月の間に、フランスとスペインにまたがるピレネー山脈の高くない無人地帯で平均365個/1㎡の微細なプラスチック片が積もっていたと彼らはNature Geoscience誌に報告しました。

スコットランドのストラスクライド大学の博士課程のスティーブ・アレン氏は、次のように述べています。

この研究は、破片、繊維およびシート状のフィルム片を含む、主に10〜150マイクロメートルのマイクロプラスチックにフォーカスしました。

人間の髪の毛の幅は平均で約70マイクロメートルです。

南西フランスのトゥールーズの共著者のEcoLabのGael Le Roux氏は、次のように述べています。

プラスチックごみは過去数年間で主要な環境問題として浮上しています。

毎年最大1200万トンのプラスチックが世界の海に行くと考えられており、さらに何百万が陸の水場とゴミ埋め立て地に詰まっています。

プラスチックは分解するのに何十年もかかりずっと残ります。

科学者たちは今、生物への被害と人の健康への影響を測定し始めたばかりです。

今年の初めに行われた研究では、海面下10キロメートル以上に住む動物の腸の中にプラスチック破片を発見しました。

今年の初めから浜で発見された2頭のクジラのうち1頭はフィリピンで、もう1頭はイタリアのサルデーニャ島で、の中にそれぞれ40キロと20キロのプラスチックがありました。

マイクロプラスチックは、世界中の水道水さらには南極大陸でさえも発見されています。

パリのように汚染

フランスとスペインを隔てているピレネー山脈。この人里離れた山岳地帯でマイクロプラスチックが見つかった。(出典:iris VallejoによるPixabayからの画像)


「私たちの最も重要な発見は、マイクロプラスチックが大気中を運ばれ、大都市からも離れた標高の低い山岳地帯に堆積していることです」と、EcoLabの共同執筆者Deonie AllenはAFPに語りました。

「これはマイクロプラスチックが大気汚染物質であることを意味します。」

研究者らは2つの測定装置で、西ヨーロッパで最も手付かずと考えられていた地域の粒子濃度を測定しました。

最寄りの村は7キロメートル(4マイル以上)離れており、最寄りの都市トゥールーズは100キロメートル以上離れています。

科学者たちはプラスチックの種類を識別できましたが、どこから来てどこまで漂っていたかは確実に言えませんでした。

気流のパターンを分析して、いくつかの粒子が少なくとも100キロメートル移動したと推測しました。

「しかし、現地で主なプラスチック汚染源がないので、おそらくさらに遠くを旅行したでしょう。」とDeonie Allenは述べました。

風、雪、雨で運ばれるサンプルは、標高1,500 m以上のベルナドゥーズの気象観測所で収集されました。

研究者らはマイクロプラスチック汚染の濃度が、パリや中国南部の工業都市である東莞(とうかん)を含む主要都市で見られる濃度と同程度であることを知って驚きました。

「調査結果はパリの大都市で報告されたものの範囲内であり、したがって比較できると見なします。」とDeonie Allen氏はAFPに語りました。

「粒子の数がそんなに多いとは思いもよりませんでした。」

引用ニュース & 原著論文

🔵 英語ニュース:Airborne plastic particles blanket remote mountains: studyAFP通信

🔵 原著論文 :Atmospheric transport and deposition of microplastics in a remote mountain catchment (Nature Geoscience, 2019 )

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Seigoの追記

マイクロプラスチックは海だけでなく人が住んでいない山間部にも汚染がひろがっているという報告でした。

それにしてもそんな髪の毛ほどのちいさなプラスチックはどこから発生しているのだろ? 焼却炉?

 

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