食物繊維とヨーグルトでがん抑制効果があることが判明! (2019年最新論文)

ニュース/レビュー

今回は食事とバクテリアの正しい組み合わせでがんの進行を抑制についての報告です。

ルクセンブルク大学が最新研究をプレスリリース(英文)しました。それを翻訳しましたのでここでご紹介します。

この研究が発表された論文はオープンアクセスのため全文を閲覧できます。(下にリンクあり)

ニュースタイトル「食事とバクテリアの正しい組み合わせでがんの進行を抑制」

英文執筆者: Matt Shipman

食事は、腸のマイクロバイオーム(腸内フローラ)、すなわち人間の腸に住む細菌などの微生物の集団に大きな影響を与える可能性があります。食習慣が複雑な代謝相互作用を通じて、がん予防に寄与することはよく知られています。より具体的には、食物繊維が豊富な食事は大腸がん(CRC, colorectal cancer)などの特定のがんを発症するリスクを軽減します。そのような食事療法はがん予防の有効な手段ですが、がんの進行および治療におけるそれらの可能な役割はよくわかっていないままなのです。

ルクセンブルク大学のシステム生物医学研究センター(LCSB)およびライフサイエンス研究ユニット(LSRU)の科学者チームは、食物繊維などのプレバイオティクスとプロバイオティクス、すなわち特定の有益なバクテリアの組み合わせによって、発がん性および薬剤耐性遺伝子の発現が減少することを発見しました。

 用語説明 
🔵 プレバイオティクス: 「消化管に常在する有用な細菌を選択的に増殖させる,あるいは有害な細菌の増殖を抑制することで宿主に有益な効果をもたらす難消化性食品成分」 であり,オリゴ糖類や,食物繊維類などがある。
🔵 プロバイオティクス: 「腸内細菌叢のバランスを改善することによって宿主の健康に好影響を与える生きた微生物菌体」 であり,Lactobacillus 属細菌 (乳酸菌),Bifidobacterium 属細菌 (ビフィズス菌) などの生菌製剤およびヨーグルトなどがある。(実験医学online より)

これらの組み合わせは、がん細胞の増殖に影響を及ぼす代謝変化をもたらして、大腸がんなどの疾患の治療に役立つ可能性があります。


これら生物学者たちは、食餌-マイクロバイオーム(微生物叢)-ホスト相関(diet-microbiome-host interactions)を研究するために、Human-Microbial X-talk(HuMiX)と呼ばれ、典型的な条件下でヒトの腸細胞と細菌の同時培養を可能とする特殊なガットオンチップ(gut-on-a-chip)デバイスプラットフォームを用い、食餌療法と特定のプロバイオティクスがCRC(大腸がん)細胞に及ぼす影響を調べました。

ファイバーリッチ、またはプロバイオティクスそれぞれ単独の食餌療法とは対照的に、有益な効果が観察されたのはファイバーリッチとプロバイオティクスの両療法を組み合わせた場合のみにでした。この協力者との共同研究は、食事、宿主およびマイクロバイオーム間の相互作用のコンピューターベースの代謝モデルを統合して行われました。

この研究で彼らは、この結合治療の効果を確認しました;それはつまり、大腸がんと薬剤耐性に関連する遺伝子が下方制御され、ならびにがん細胞の自己複製能力を減衰させる効果です。重要なことに彼らはまた、注意深く行った分子分析を通じてこの組み合わせから産生される分子のカクテルを確認、その確認を以て、そこで観察された有益な効果に対する基本的なメカニズムをも得たということです。

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この研究の責任者でLCSB エコシステム生物学グループのグリーンハルフ(Greenhalgh)博士は、「現在、化学療法中のがん患者には、エビデンスに基づきパーソナライズされた食事療法介入は行っていません。我々の研究結果は、抗がん治療の補完的治療法として食物-マイクロバイオーム相関(food-microbiome interactions)を活用する際に役立ちます」として、「将来、我々の研究結果があらゆる種類の疾病を病む患者とその医療従事者に波及して、がん治療計画で推奨されるパーソナライズされた食事に織り込むなど、将来的にはもっと努力が払われることを願っています」と述べています。

 LSRU の分子疾患メカニズム群の中で主要な研究者であるエリザベス博士(Dr. Elisabeth Letellier)は、「このことは特に、そこではここ数年の間、マイクロバイオーム(微生物叢)がますます重要性を増している CRC(大腸がん)のケースに当てはまります。マイクロバイオーム-ホスト相関をより深く理解することは、CRC(大腸がん)患者の新しい治療戦略につながる可能性があります。」と述べています。

この研究プロジェクトは、ルクセンブルク大学の異なるグループ間の共同作業で行われたものです。LCSB のエコシステム生物学グループの長で、この研究の責任者であるポールウィルメス准教授は、

「複雑なホスト-食事-マイクロバイオーム相関、とその健康と疾病状態への影響を解読するには、異なる分野の専門家が協調して努力することが必要です。この学際的アプローチは、観察された有益な生体効果の根底にある非常に複雑な分子プロセスを理解する点で重要なアプローチでした」と述べています。

引用ニュース & 原著論文

🔵 英語ニュース:Right combination of diet and bacteria limits cancer progression( University of Luxembourg

🔵 原著論文 :Integrated In Vitro and In Silico Modeling Delineates the Molecular Effects of a Synbiotic Regimen on Colorectal-Cancer-Derived Cells (Cell Reports, 2019 )

Seigoの追記

食物繊維などを含むプレバイオティクスと、乳酸菌などを含むプロバイオティクスの両方を利用して治療すると大腸がんが改善される〔大腸がんの増殖を抑え、薬剤耐性も抑える(つまり抗がん剤が効きやすくなる)〕という素晴らしい報告でした。

ヨーグルトなどの善玉菌をとるだけでなく、その菌のエサとなる食物繊維やオリゴ糖などと一緒にとることが大切ということは、いかに大腸がんの改善には腸内細菌(腸内フローラ)の状態が大切かを物語っているのではないでしょうか。

皆さんも腸内フローラを整えて、長生きしちゃいましょう 😄

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