インフルエンザを撃退できるのはミカンor柿のどっち? 無農薬フルーツのリンク紹介【林修の今でしょ!講座】2019年12月10日
『林修の今でしょ!講座』(2019年12月10日)〔「みかん」VS「柿」冬の悩みを解消する驚きパワー!SP〕が放送されました。
みかんや柿の素晴らしい成分が紹介されましたが、農薬を無視しているところが気になります。なぜなら農薬でがんの発症や子供のIQの低下、そしてALSの発症の懸念などが外国の論文で明らかにされているからです〔12月5日の記事、12月3日の記事、6月1日の記事〕。
テレビ番組ではみかんや柿の「皮」にも栄養成分があるといって、お茶やふりかけにして食べることを勧めておりましたが、「皮」にたっぷり農薬がついていることは全く触れられていませんでした。
そこで、今回はまず無農薬や有機のみかんや柿のご紹介からしていきます。
この記事のもくじ
有機栽培で育ったみかん
無農薬栽培で育った柿
番組の要点
みかん vs 柿 ー 冬の悩みを解消するのはどっち?
⭐️ みかん博士が伝えたい4大柿パワー① 認知症対策(最新研究)
② 冷え性改善(最新研究)
③ 骨密度アップ(骨粗しょう症対策)
④ 血管を強化(脳卒中対策)
⭐️ 柿博士が伝えたい4大みかんパワー
① インフルエンザ対策(最新研究)
② 腸内環境改善
③ かぜ予防
④ 乾燥肌改善
それではまずこの冬一番心配な柿のインフル撃退パワーからご説明します。
インフルエンザを撃滅する柿のパワーとは?
講師:濱崎貞弘 先生(奈良県マーケティング課)
タンニンとは、ポリフェノールの仲間であり渋み・苦味成分です。研究者の中では、柿のもっている「柿タンニン」はポリフェノールの中でも最強のものであると言われています。 研究結果
2013年の広島大学大学院(島本整教授・坂口剛正教授ら)の研究によりますと、インフルエンザ初スルやノロウイルスなど合計13種類のウイルスに対して、様々なタンニン(コーヒー、緑茶、柿タンニンなど)を使って調べたところ、柿タンニンだけが全てのウイルスの活動を完全に止めました。
問い:なぜ柿タンニンはこんなに効果的なのか?
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答え:緑茶のカテキンより柿タンニンは何十倍も大きく、ウイルスを撃退するための手のような物が、柿タンニンはたくさんついているのです。
柿に入っている血管を柔らかくし血流を改善する成分とは?
柿のシトルリンという成分が血流改善をサポートしてくれます。シトルリンは血管膨張物質を生み出す手助けをしてくれるのです。血流をよくすることで、乾燥肌を改善する効果もあるのです。血管年齢がすごく若い柿農家の方が食べている料理は?
奈良県の五條市西吉野(柿の街として有名)にある柿農家を訪れて血管年齢を測らせてもらったところ、23〜44歳ほど若くてスタジオの観客を驚かせました(測定人数3人)。そして農家の皆さんの肌がキレイなところが目立ちました。柿農家で作っている主な柿料理
🔵 柿とキウイのヨーグルト
🔵 柿の生ハム巻き
🔵 柿サラダ
🔵 柿の天ぷら
🔵 柿のピザ(ピザを焼いた後に生の柿の刻んだものをのせていました)
干し柿が普通の柿より優れている2つメリット
① 柿タンニンがより多い干し柿は渋柿(しぶがき)という普通の柿とは違う品種(細長い柿)から作られますが、渋みの成分が多いため柿タンニンが非常に多いのです。
② 食物繊維が9倍も多い
食物繊維はペクチンという物質ですが、これが干し柿には非常に豊富に含まれています。よくごぼうが食物繊維が多いと言われていますが、干し柿の食物繊維は約2.5倍も多いのです。
干し柿はなんと総重量の14%が食物繊維
🔵 干し柿 14g
🔵 ごぼう 5.7g
(100gあたりの食物繊維量)
問題:みかんより柿の方がなぜ「かぜ予防」になるのか?
答え: 柿にはビタミンCが多いからみかんのビタミンCの量よりも柿は2倍多いのです。
ビタミンCがなぜかぜ予防になるのか?
濱崎先生:体の中に入ってくる病原菌(かぜの菌など)をやっつけるための免疫力を高めてくれるのが、このビタミンCなのです。つまり白血球(免疫)の働きを強化してくれることが分かっています。柿は1日どれくらい食べれば良い?
濱崎先生:1個で十分です。ビタミンCの推奨接収量が1日100mgですので、1個の柿を食べていただければ150mgのビタミンCが取れますので十分なのです。長寿の方からのオススメレシピは?
⭐️ 柿とほうれん草の白和え柿の収穫量全国1位の和歌山県の柿農家を訪ねました。かぜも滅多に引かないというご長寿のご夫婦がよく食べていたのは、「柿とほうれん草の白和え」と「柿の入った味噌汁」でした。
濱崎先生:ほうれん草にはルチンというポリフェノールが含まれていますが(そばに含まれていることで有名)、ルチンを一緒に柿を食べますとビタミンCの吸収を助けてくれます。ビタミンCは食べてもなかなか体に入っていかない物質ですぐに排出されてしまうのです。
柿の葉っぱにはカルシウムがたくさん含まれている
濱崎先生:柿の葉にはたくさんカルシウムが入っていて、柿の葉茶で飲んでいただくとか、我々の方では柿の葉を食べようという研究をしています。たとえば「柿の葉ふりかけ」がその候補です。Seigoの補足:柿の葉茶で一番有名なのは壊れずらいビタミンC(レモンの20倍)が入っていることです。柿の葉を上手く摂れればカルシウムとビタミンCが同時に摂れるので、将来 骨粗しょう症対策に役立つかもしれませんね!
無農薬の柿の葉茶を見つけましたのでリンクを貼っておきます。
認知症の予防効果をもつみかんに含まれるノビレチンとは?
みかん博士:田中一成 先生(長崎県立大学)
まだ実験段階ですが、みかんにはノビレチンという物質が入っており、ポリフェノールの一種で認知症対策に期待できるという研究が進んでいます。 調査結果
1万人以上を対象にした調査で、ミカンなどの柑橘類を食べる人は認知機能低下のリスクが14%減ったという結果がでました。
(引用:国立長寿医療研究センター老年内科部長 遠藤英俊)
認知症の予防・改善に劇的な効果が期待できる特効薬があるといいます。
その名は「ノビレチン」
またノビレチンは神経細胞のネットワークを劇的に再生することが分かってきたそうです。
マウスを使った研究結果
ノビレチンなしで育てたマウスはアルツハイマー病の原因物質アミロイドβの蓄積が見られますが、ノビレチンを入れたエサで育てたマウスはぼけにくくなりアミロイドβの蓄積は少なかった。
〔日本薬学会に出版された大泉康先生のデータ〕
(引用:『名医とつながる! たけしの家庭の医学』2019年10月15日の記事)
みかんに入っている血管を強くする成分とは?
最近の研究でβークリプトキサンチンが血管の酸化を防ぐことによって動脈硬化や脳卒中の予防に役立つことがわかりました。
⭐️ 色が濃いみかんにはβークリプトキサンチンがより多く、みかんの黄色い色素成分で果肉にもっとも多く含まれています。またそれはビタミンの一種です。
β-クリプトキサンチンはどういうミカンに多いか?〔見分け方〕
🔵 色が濃いみかん(理由:β-クリプトキサンチンは黄色い色素なので、濃い色ほど多い)
🔵 皮がシワシワのみかん(理由:水分が不足すると「実」に栄養成分や水分をため込もうとするため「皮」はシワシワになる)
🔵 軸が細いみかん(理由:軸を通って水分が入ってきますが、細いと水分が減り、糖度は上がりβ-クリプトキサンチンも多くなる)
研究データ :甘ければ甘いほどβ-クリプトキサンチンも多くなるという調査結果があります。(同志社女子大学 教授 杉浦実)
果物の中でもβ-クリプトキサンチンが一番多いのはみかんで1800µg含みます。 柿も500µgあります。みかんは1日何個くらい食べればいい?
田中先生:β-クリプトキサンチンの効果が発揮できるのは3mgです。みかん1個で約1mg含まれていますので1日3個食べるのが理想です。みかんは糖分が多いので食べ過ぎず一桁程度(9個以下)がよい。β-クリプトキサンチンは摂取すれば3〜6ヵ月は体内に残るという研究結果も出ています。体の中に入っても悪さはしないので、たくさん食べても問題ありません。
なぜβ-クリプトキサンチンは骨粗しょう症の発症リスクを92%も下げられるのか?
研究結果 :β-クリプトキサンチンの血中濃度が高い人は低い人と比べた場合、骨粗しょう症の発症リスクが92%少ないという結果が出ました。(同志社女子大学 教授 杉浦実)
骨は約5年で新しい骨に入れ変わると言われていますが、それは骨を作る細胞と壊す細胞の働きで行われています。歳をとりますと、骨を作る細胞よりも骨を壊す細胞が強くなってしまって骨がもろくなってきてしまいます。そこで β-クリプトキサンチンがありますと骨を壊す細胞の働きを抑えてくれるので骨が強くなるそうです。β-クリプトキサンチンの吸収率を上げてさらに骨を強くする食材は?
田中先生:β-クリプトキサンチンは脂質や脂肪と相性が良く、それらを含んでいる食べ物と一緒にみかんを食べると吸収率が上がります。例えば脂肪の含んでいる豚肉でも吸収率が上がります。例えば、乳製品(ヨーグルトや牛乳)を一緒に食べると、β-クリプトキサンチンとカルシウムの吸収率が同時に上がるので骨粗しょう症予防に有効なのです
研究結果 :β-クリプトキサンチンは次の食品と一緒に摂るとどのくらい吸収率が上がるか?
牛乳 → 1.9倍上がる
ヨーグルト → 1.6倍上がる
〔引用:Food Style21 2012年9月号(食品化学新聞社発行)〕
みかんを食べ過ぎると手が黄色くなりますが、それは問題?
みかんを食べ過ぎて手が黄色くなると「柑皮症(かんぴしょう)」といわれますが、それは別に悪さをすることはないので、放っておけばそのうち少しずつ排出されます。黄色くなるのは皮下にβ-クリプトキサンチンがたまったためです。クエン酸がカルシウムの吸収を促進して骨を丈夫にする
ミカンの酸っぱい成分であるクエン酸は、カルシウムの吸収をアップさせ骨を丈夫にする効果が期待できるとする研究結果があります(日本農芸化学会、2017年)⭐️ 冬にミカンを食べることはβ-クリプトキサンチンとクエン酸のダブルのパワーで骨粗しょう症予防が期待できる実に理にかなったことだったのです。
みかんの長期保存法・冷凍みかんの作り方のコツ
みかんは1ヵ月以内に悪くなってしまいますので保存したいときは凍らせてしまうのがよく、栄養成分はほとんど変わりません。冷凍するコツは、冷凍する前にみかんを水で洗って水分をつけたまま凍らせることです。こうすることで周りに氷の膜ができて乾燥を防ぐことが出来るのです。食べるときは自然解凍でOK。4ヵ月ほどはこの方法で美味しく食べられるそうです。
冷え性改善のパワーのあるヘスピリジン
田中先生はこの研究を専門にされていて、ヘスペリジンには血液の循環をスムーズにさせる作用があり、冷え性の改善に役立つのです。
ヘスペリジンがどのくらいみかんに含まれているかを調べますと、果肉には95mg, ミカンの果肉の周りの白すぎや皮にはその40倍の3.8gが含まれています(成熟みかん100g中)。
しかし1つ問題があって、ヘスペリジンが体への吸収率が非常に悪いのです。しかし私の研究室で昨年に発表したのですが、みかんと一緒に緑茶や紅茶を飲むと、ヘスペリジンが促進されその冷え性改善効果がアップすることが分かりました(カテキンがヘスペリジンの分子を包み込み吸収されやすくします)。
血管年齢がすごく若いみかん農家の方が食べている料理は?
和歌山県にあるみかん農家を訪れて血管年齢を測らせてもらったところ、5〜62歳ほど若くてスタジオの観客を驚かせました(測定人数3人)。そして農家の皆さんの肌がキレイなところが目立ちました。まとめ:みかんと柿のメリット•比較表
みかん | 柿 | |
インフルエンザ撃退(タンニン) | ❌ | ⭕️ |
骨粗しょう症予防 | ⭕️ | ❌ |
血管強化 | ⭕️ | ⭕️ |
乾燥肌対策 | ⭕️*(お風呂に入れる) | ⭕️ |
腸内環境改善 | ❌ | ⭕️(干し柿) |
Seigoの追記
今回出てきた新しい物質の構造をみていたら、ミカンの皮に多い成分は一部の形が似ていることに気づきました。2つのベンゼン環と1つのベンゼン環が並んでいるところが似ています。
もしかして上のような順序でミカンの皮やシークヮーサーの中で合成されるのかな〜っと考えてしまいました。
ノベルチンが認知症予防に期待されていて、ヘスペリジンが血液をスムーズにする働きがあるそうです。
どちらも長寿には大切な分子ですね。
構造を覚えておいても損はないでしょう!
20余年アメリカで遺伝子治療&幹細胞の研究者をやってきました。
特に遺伝病の間違った遺伝子をピンポイントで修復し、元に戻す技術開発です。
理学博士(Ph.D. )
アメリカ生活で学んだアンチエイジングなど健康に関する知識をシェアしたいと思います。
巷の情報もご紹介、時にはブッた斬ったりしてしまうかもしれません。
またポイントなどの節約術や生活に便利なガジェット(スマホやアプリの紹介)も記事にしますので参考になれば嬉しいです。
皆さん、ご一緒に「究極のヘルシーライフ」を楽しみましょう♪
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