あんこはワインより抗酸化物質が多く,鉄分はほうれん草よりも多いので美肌に良い!

テレビ速報

今回は『林修の今でしょ!講座』の「あんこ」編です。(2019年2月19日放送分)

あんこは砂糖が入っているのに太りにくい!?
常識を覆すデータをご紹介します。

※ このサイト「究極のヘルシーライフ」では砂糖は老化を促進する物質となので「あんこ」はご紹介しないつもりでしたが、砂糖は別の甘味料と交換して作れば「あんこ」は素晴らしい健康食になりますので、小豆の長所をご紹介することを目的として今回の記事を書かせていただいております。

講師:川本徹 先生(みなと芝クリニック 院長)


あんこの原料である「あずき」は抗酸化物質を最も多く含む食品 No.1 !!

あずき(小豆)〔出展イメージ:by wuzefe / Pixabay〕


アメリカ農務省の調べではあずき(小豆)抗酸化物質を最も多く含む食品の第1位に選ばれています。

 報告された論文  (英文;要約だけ読めます)
Lipophilic and hydrophilic antioxidant capacities of common foods in the United States.
J Agric Food Chem. 2004 Jun 16;52(12):4026-37.
Wu X, Beecher GR, Holden JM, Haytowitz DB, Gebhardt SE, Prior RL.


あんこの抗酸化力は赤ワインより高い

あんこと赤ワインの抗酸化力を比べたグラフ。右に行くほど抗酸化力が高い。(グラフをクリック/タップすると拡大できます)


あずき(小豆)に含まれるポリフェノールだけでは赤ワインより少ないですが、あんこを作る過程でメラノイジンという抗酸化物質が発生するのでトータルではあんこのほうが抗酸化力が上になります。

 メラノイジンができるメカニズム 
タンパク質糖分が加熱される → メイラード反応という化学反応が起こる

メラノイジンとはポリフェノールと同じような血管の大掃除が期待できる抗酸化物質なのです。

 あんこのポリフェノールとメラノイジンの主な体内での作用 
余分な活性酸素を減らし、悪玉コレステロールと活性酸素が結合するのを防ぐ(酸化型悪玉コレステロールをできないようにしてくれる)


あずきポリフェノールは悪玉コレステロールを減少させる



血管を詰まらせる原因の一つが悪玉コレステロールですが、マウスを使った実験データに寄りますと、ずきのポリフェノールが悪玉コレステロールの上昇を抑えることが期待できることが判明しました。

クイズ:あんこが入った和菓子でポリフェノールの多いのは次の9つのうちどれ?

(※ あんこの量が同じ場合)



答え:粒あんの和菓子(イチゴ大福、あんこ団子(粒あん)、あんみつ、おはぎ、たい焼き、どら焼き)

川本先生:粒あんがポリフェノールが多いのはあんこの製造過程を見ればわかります。

あんこの作り方

的場製飴所(千葉県松戸市)
北海道の十勝産のあずきを使用
① 下茹でを45分間して渋みをなくし柔らかくする。
※ ここで「こしあん」は回転する機械に入れ皮を取り除き、細かく砕く→水分を飛ばして粉状にする。(なまあんと呼ぶ)

② 水の入った大きな釜に移し砂糖と一緒にして、あずきを潰さないように約1時間煮詰める。
→ 粒あんの完成

 

② 水の入った大きな釜に移し砂糖と一緒にして、あずきを潰さないように約1時間煮詰める。
→ 粒あんの完成

 こしあんと粒あんの違い 
こしあん:あずきの皮が入っていない(鉄分に関して言えば、こしあんのほう粒あんより比率が高い)
粒あん:あずきの皮が入っている(皮にポリフェノールが多い)


クイズ:あんこ(粒あん)と??を組み合わせればポリフェノールの働きが高まる?

答え:いちご大福、あんみつ

川本先生:ポイントはビタミンCです。ポリフェノールは活性酸素をやっつけると自分自身が弱ってしまう。その弱ったポリフェノールを元気にしてくれるビタミンCです。〔Seigoの補足:実際、化学的にはビタミンCはポリフェノールを還元して元気にしていると思います。〕あんこと一緒に果物を食べるのがオススメです。


絶品!「ジャガイモ団子入りぜんざい」とは?

あずきの名産地 北海道十勝地方では、ぜんざいに「ジャガイモ団子」を入れて食べています。

ジャガイモ団子とは茹でて柔らかくなったジャガイモを潰し、片栗粉を加えてねばりをつけた後(おもちのような感じになる)、大根状に整形して小さく切って茹でたものです。

川本先生:このジャガイモ団子ぜんざいは医学的に正しい食べ方です。ジャガイモにはビタミンCが豊富に入っていて、ジャガイモの中のビタミンCは熱に強くて壊れにくいのが特徴。元気のいいポリフェノールを保つのに重要です。

クイズ:あんこのポリフェノールを効率よく摂るために合わせると良い飲み物は? A. コーヒー B. 牛乳

答え: A. コーヒー

川本先生:コーヒーにはクロロゲン酸類という抗酸化力の強いポリフェノールを含んでいるのであんことコーヒーは相性が良く、効率よくポリフェノールがとれます。

ところが牛乳にはカゼインというタンパクがあり、ポリフェノールと結合して吸収されにくくなってしまいます。

緑茶と一緒に飲むのは良くて、カテキンタンニンなどのポリフェノールがたくさん含まれているので、一緒にとると非常に効率良くポリフェノールがとれます。

Seigoの補足:日本人なら和菓子と一緒に飲むのだったら緑茶が定番なのに、なんでテレビはコーヒーを押してくるのでしょう?


ポリフェノールの抗酸化力はどのくらい持続するか?

川本先生:ポリフェノールの抗酸化作用は、約2時間がピークで約4時間で消えます。まめにあんこをとったほうがいいです。

1回だけ食べる方は、脳の働きからすると朝に食べるのがオススメです。あんこの糖質とビタミンB1が脳を活性化しやすい。
名古屋の方が朝食に「小倉トースト」を食べますがこれは医学的にも理にかなっているのです。

Seigoの補足:まめにあんこを食べるのは賛成しません。砂糖インシュリンスパイクを食べた後に何度も生じることになるので老化を早めるかもしれません。空きっ腹にあんこを食べるのはなおさら良くないです(朝食にも)。また砂糖による虫歯を防ぐために毎回食後に歯を磨く必要があるでしょう。まめに食べるのなら、砂糖の吸収をゆるやかにするためにサラダなどを事前に食べておく必要があるでしょう。食後に少しだけあんこを食べるのが健康的な食べ方だと思います。(砂糖が入ってないあんこが良い。ココナッツシュガーや羅漢果で甘くしたもの。)


あんこの鉄分が肌にいい理由

まずあんこの鉄分量はほうれん草の1.4倍もあるのです。

あんこ   2.8 mg
ほうれん草  2.0 mg
(100g中の鉄分量)

このようにあんこには鉄分がたっぷり入っているのです。

冬の肌荒れの原因の1つがコラーゲン不足です。このコラーゲンを体内で作り出すためにはあんこに含まれる鉄分が必要不可欠なのです。

川本先生:コラーゲンを作るのに鉄分が必要なんですね。鉄分だけではなくビタミンCと豊富な酸素も必要です。

 コラーゲンは体の中で作られる 
タンパク質鉄分ビタミンCがあれば、体内でコラーゲンが作られます。

また鉄分はあずきの皮よりも実の部分に多いので、こしあんのほうが100g当りの鉄分量は多いです。

 

こしあんの和菓子の中で鉄分がより多く取れる和菓子を2つ選びなさい? A. 柏餅 B. 草餅 C. 塩豆大福 D. 栗ようかん E. きな粉おはぎ

答え:B. 草餅 と E. きな粉おはぎ

川本先生:よもぎ自体にも鉄分が豊富で、カボチャやほうれん草よりも鉄分が豊富だと言われています。

きな粉も鉄分が多いですが、きな粉の原料である大豆には鉄分の吸収を助けるタンパク質も豊富なので、鉄分の補給にたいへんオススメな食材です。

あずきを摂るのに甘くない食べ物はありますか?

赤飯に使われるあずきの栄養を余すことなく引き出す方法

茹でたあずきを炊飯器に入れて赤飯を作りますが、ちょっとした一手間を加えれば栄養を余すところなく食べられます。

クイズ:栄養を逃さない赤飯の作り方は? A. 一度あずきを冷凍 B. 一度あずきを天日干し

答え: A. 一度あずきを冷凍

川本先生:あずきを冷凍することで細胞壁が壊れ、細胞の中の栄養成分が吸収しやすくなります。

 あずきの栄養成分を余すことなく摂る調理法 
① あずきを茹でて柔らかくする
② 袋に詰めて(水を入れずに)凍らせる
③ 炊飯器に米と混ぜて赤飯を作る


あんこは他のスイーツに比べて太りにくい理由は?

川本先生:あんこの砂糖は他のスイーツの砂糖に比べて吸収されにくいのです。

 

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