老化を防ぐ最高の疲労回復食材とは? 焼き肉食べると余計に疲れる理由とは?【主治医が見つかる診療所】

テレビ速報

主治医が見つかる診療所
2018年8月30日(木) 19時53分~21時48分
【老化を防ぐ最高の疲労回復食材とは?】

今回は「最高の疲労回復食材」についてまとめさせていただきました。

意外なものが疲れているときに食べてはいけないそうなのでチェックして下さい!

クイズ形式にまとめましたので楽しみながら読んで下さい。

講師:杉岡重爾 先生(すぎおかクリニック院長、循環器内科、千葉県船橋市)の経歴

救命救急の医師として20年勤めてきた経験から、疲労が溜まり過ぎたことが原因で働き盛りの人が突然倒れて亡くなってしまうケースをたくさん見てきました。

疲労回復こそ健康の第一歩という考え方のもとに4年前にクリニックを開院しました。

私が1番心配するケースは、正しい知識がない状態で間違った疲労回復法をやる方が多いです。そうすると疲労回復しているつもりで逆に疲労が溜まってしまいます。

また疲労をため込むと老化が進んでしまいます。

疲れをとる大切な臓器は腎臓の上にある

副腎は腎臓の上にのっかっているミニトマトほどの臓器で、疲れをとるホルモンが蓄えられており、寝ている間に分泌されて朝までに疲れが解消されるという仕組みを持っています。

杉岡先生はこの臓器のことをホルモンタンクと呼び、このホルモンをいかに無駄遣いしないようにするかが疲労をためないコツだそうです。

クイズ:疲労回復に焼き肉を食べることは A. 正しい, B. 間違い

答え:B. 間違い
杉岡先生:肉を高温で焼くと焦げ目がつきますが、あの焦げ目がAGEという物質です。
AGEを疲労している時に食べると体が酸化してしまって余計に疲れがとれないのです。

 AGEとは 
タンパク質と糖が結合して出来る物質
→ 老化を加速させる
(※ AGE は Advanced Glycation End Productsの略語であり、終末糖化産物、後期糖化生成物 などと訳される。)


杉岡先生のオススメの肉の食べ方

肉を焼かない「しゃぶしゃぶ」にすると高温にならないのでAGEができません。
・「豚しゃぶ」がオススメ。疲労回復に役立つビタミンB1が一番多いから
〔  ビタミンB1含有量: 豚肉 0.96mg > 鶏肉 0.12mg > 牛肉 0.1mg ;100gあたり、もも・生 ※ 出展:文部科学省 食品成分データベース〕
・「豚しゃぶ」+ブロッコリースプラウトで抗酸化作用が得られるので疲れたときの酸化を抑えてくれます。
豚しゃぶにブロッコリースプラウトを巻いて食べたりすると良い!

クイズ:疲労回復に甘いチョコレートを食べることは A. 正しい, B. 間違い

答え:B. 間違い
杉岡先生:糖分をとると血糖値が上がりすぎて、血糖を下げるためにインスリンが分泌されてしまいます。血糖の上下が激しいと血糖値のジェットコースターとなり、ホルモンタンクの無駄遣いをしてしまいます。

杉岡先生のオススメの疲労回復おやつ

ブルーベリーは他のフルーツに比べて糖分が少なく、血糖値が上がりづらいです。
・抗酸化力が強く、疲れの解消や老化予防が期待できます。
・手のひら一杯分が適量(テレビ画面では12~14粒くらいに見えた。)

クイズ:疲れたときにコーヒーを飲むことは A. 正しい, B. 間違い

答え:B. 間違い
杉岡先生:何がダメかというとコーヒーの中のカフェインなのです。カフェインの効果で(疲労回復ホルモンが)いっぱい出ちゃってまさに無駄遣いとなってしまいます。

 なぜコーヒーで疲れがとれないか? 
コーヒーに含まれるカフェインには脳からドーパミンという快楽物質を分泌させる働きがあるため、一時的に疲労感を減らすことができます。しかし実際にたまった疲労までは消せないため、疲れを増やす原因になる場合があります。


番組主治医の評価

姫野友美 先生(⭐️×3):
間食のブルーベリーは果物の中では糖質が少なくて抗酸化作用が強いので、ちょっと甘みが欲しい時に良いと思うのですけど、私としてはブルーベリーは果糖が入っているので、間食としてはナッツや小魚スナック、ゆでタマゴもお勧めしたいなと思います。

中山久德 先生(⭐️×2):
コーヒーの良い所・悪い所はおっしゃる通りですが、私はコーヒーが好きなので休憩でホッとしたい時はカフェインで頭をスッキリしたいのです。他のところではホルモンを無駄遣いしないようにして、休憩のちょっとしたカフェインはいいんじゃないかなというので1つ星を減らさせてもらいました。

杉岡先生:もちろんコーヒーが全部ダメと言っているわけではなく、中山先生のコーヒーの飲み方はすごくいい飲み方なんですよね。
悪い飲み方の典型例としては、すごく疲れているのに仕事で休めないので「コーヒーで気合いを入れて」頑張るような飲み方が良くないということです。

南雲吉則 先生が普段から実践しているという疲れない食事法をご紹介
疲れたからお酒を飲むとか、疲れたからたくさん食べるとかというのは逆に体の負担になります。(疲れたときは)一食抜いて寝るのがいいのではないかなぁっと。僕なんかは疲れたときは1日1食で胃腸を休めるようにしています。

夏の胃腸疲れを解消する飲み物 – カツオ出汁

秋津壽男 先生(⭐️×2):それはお出汁です。
カツオ出汁です。なにか飲みたいときにはあたたかいお出汁を飲むといいです。
塩は入れないで出汁だけ。
夏の疲れは胃腸から始まるので、胃腸疲れは食事を抜いて上記の出汁を飲んで休めます。
醤油や煮麺を加えてはいけません。

Seigo追記

チョコレートは砂糖なしならOKですね

チョコレートのインシュリンジェットコースターだけが問題なら砂糖の入っていないものを選べばよいと思います。(低GIの甘味料で甘くしてあるものならおいしい!)食べ過ぎはカフェインを摂り過ぎてしまうので気をつけた方が良いです。

食事を抜くのは低血糖症などの人は避けたほうがいいです

低血糖で症状の出る方は食事を抜くのはお勧め出来ないと思います。
血糖値が低くなりすぎることによって体に負担がかかってしまいますので(そういう知り合いがいますので)。
むしろジェットコースターを避けるため、少ない量を日に4回などの方がいいかもしれません。(もちろん精製した砂糖や炭水化物はだめ)

低血糖の人はどうやって疲れをとるか?

肉や魚の出汁で作った野菜の入ったスープにちょっと炭水化物が入っているような食事が低血糖になりがちに人には良いと思います。
また肉は豚しゃぶではなくても、(基本的にお肉は消化に悪く胃腸に負担をかけるので)、肉スープのスープを飲むだけにして「良く体を休める」というのが、私の経験上疲れをとるには最も効果的です。

アンチエイジングの観点から見たAGEの怖さ

最後にAGEのことについて追記させていただきますが、今回番組では体に入る前のAGEで特にコゲを取り上げておられました。ただAGEは体内で起こるほうが問題だと私は考えておりまして、《GI値が高い》砂糖や精製された炭水化物(パンや米)を食べた時に血液中の糖分が多い状態が続くと、糖とタンパク質が結びつき体内でAGEが発生します。
そちらの方が怖いです。なぜならAGEが脳で生じればアルツハイマー型認知症の原因になると言われていますし(βアミロイドの中にAGEが多く検出されています)、皮膚でAGEが生じればシワ、たるみ、シミなどが起きてしまい老化が体のあちこちで進んでしまうのです。

ブルーベリーなどに含まれるアントシアニンは、シワの原因となる活性酸素を抑え、AGEを抑制する働きがあるといわれていますが、果糖は糖質の中で最もAGEを作りやすく、その速さはブドウ糖の約10倍というデータがあります(参考資料3)。番組で紹介されたように、ブルーベリーは抗酸化物質が多く疲労回復にはもってこいの果物ですが、姫野先生が指摘されたように果糖が含まれているのも確かです。ただ私の経験からしますと、ブルーベリーなどのような生の果物を摂れば果糖はそんなに問題はなく(むしろアンチエイジングにいいかも)、一方市販のフルーツジュース(濃縮還元されたもの)などはすでに生でない上に砂糖が加えられているものが多いので(血糖値を上げ、果糖によるAGEも促進することになるので)なるべく避けるようにしています。

今回の番組でさらに疲労回復やアンチエイジングの知識が深まって嬉しいです。

⭐️ 杉岡重爾 先生の書籍:『毎日のカラダが楽になる 最高の疲労回復法』杉岡 充爾 (著)

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