本当は危ないかも!? 食品中の有毒物質7選-BPAや植物油ほか
日本人が一番知らないビスフェノールAという缶詰(金属)の腐食を防ぐ防蝕剤「BPA」。
前回に引きつづいて2本目の記事です。この記事では缶詰のような金属製品だけではなくプラスチック製品にもBPAが入っていると書いてあります。
その他、植物油を含む7つの毒が論文付きで、なぜ悪いかを科学的に説明しています。
🔵(?):カッコ内の数字をクリック/タップすると論文が開きます。ご活用下さい。
この記事のもくじ
実はやばいかもしれない食品に入っている7つの「毒」
執筆者(英文):Franziska Spritzler
ある食べ物やその中に入っている物が「有害」だとかって聞いたことがあるかもしれません。幸いなことに、ほとんどは科学によって裏つけられていません。ただたくさん食べたら有害かもしれないものはいくつかあります。
実際に問題かもしれない、食品中の7つの「毒素」のリストを上げます。
1. BPA
ビスフェノールA(BPA)は、多くの食品や飲料のプラスチック容器に含まれる化学物質です。ボトル入り飲料水、パッケージ食品、魚、鶏肉、豆、野菜などの缶詰から体に入ります。
研究によると、BPAは容器から食品や飲料に溶け出る可能性があります(12)。
研究者は、容器から溶け出たものを食べるのが体内のBPAレベルに一番影響していると報告しています。これは尿中のBPAを測定することによってわかります(13)。
ある研究では、新鮮な七面鳥やベビー用調製粉乳などの105サンプル中63サンプルでBPAが検出されました(14)。
BPAはホルモンはエストロゲンと同じように受容体に結合すると考えられています。これにより通常の機能が阻害される可能性があります(12)。
BPAの1日あたりの推奨される制限量は、23 mcg / lb(50 mcg / kg)です。しかし40の独立した研究では、動物ではこれを下回るレベルで悪影響があったことが報告されています(15)。
さらに、業界が資金提供した11の研究すべてはBPAは影響がないことがわかりましたが、100を超える独立した研究ではBPAが有害であることがわかりました(15)。
妊娠中の動物での研究は、BPA曝露は生殖の問題を起こし、発育中の胎児が将来 乳がん や 前立腺がん のリスクが高まることが示されています(16, 17, 18, 19)。
いくつかの観察研究では、高いBPAレベルが 不妊症 、 インスリン抵抗性 、 2型糖尿病 、 肥満 に関連していることもわかっています(20, 21, 22, 23)。
ある研究結果は、高BPAレベルと多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)との関連を示唆しています。PCOSはテストステロンなどのアンドロゲンレベルの上昇を特徴とするインスリン抵抗性の障害です(24)。
また、高いBPAレベルを甲状腺ホルモンの産生と機能の変化に関連付けています。これは甲状腺ホルモン受容体への化学結合に起因し、エストロゲン受容体との相互作用に似ています(25, 26)。
BPAを含まないボトルや容器を探すことと未精製で未加工の食品を多く食べることによって、BPA曝露を減らすことができます。
ある研究では、3日間パッケージ食品を生鮮食品にした家族は、平均して尿中のBPAレベルが66%減りました(27)。
BPAについて知りたい方はこちらの記事もご覧下さい。
結論:BPAはプラスチックや缶詰によく使われる化学物質です。不妊症、インスリン抵抗性、病気のリスクを高める可能性があります。
精製された植物油と種子油は、トウモロコシ、ヒマワリ、ベニバナ、大豆、綿実油から作られます。
以前はコレステロール値を下げ心臓病を予防するので、飽和脂肪の代わりに植物油がいいと言ってたりしてました。
しかし証拠の多くは、植物の摂りすぎは実は害になることを示唆しています(1)。
植物油は必須栄養素がないくらいしっかりと精製されています。そういう意味では「空の」カロリーです。
多価不飽和オメガ6脂肪が多く、光や空気でダメージや酸化しやすい複数の二重結合からなります。
これらのオイルは、オメガ-6リノール酸を特に多く含んでいます。リノール酸は必要ですが、ほとんどの人は必要以上に摂っています。
一方、ほとんどの人はこれらの脂肪同士の適切なバランスを維持するのに十分なオメガ-3脂肪酸が足りません。
平均でオメガ3脂肪酸の最大16倍のオメガ6脂肪を摂っていると推定されていますが、実は理想的な比率は1:1から3:1の間なのです(2)。
リノール酸の摂りすぎは、炎症が増え、動脈の内側を覆う内皮細胞にダメージを与え、心臓病のリスクを高める可能性があります(3, 4, 5)。
さらに動物実験は、乳細胞から肺などの器官のがんの転移を促進する可能性があることを示唆しています(6, 7)。
観察研究では、オメガ6脂肪の摂取量が最も多くてオメガ3脂肪が最も少ない女性は、よりバランスいい摂取量の女性よりも乳がんのリスクが87〜92%高いことがわかりました(8, 9)。
さらに植物油での加熱調理は、室温で使うよりもさらに悪いです。オイルの加熱によって、心臓病、がん、炎症性疾患のリスクをさらに高めるかもしれない有害な化合物ができてしまいます(10, 11)。
植物油に関する証拠は良いのも悪いのもありますが、多くは有害であると示唆しています。
結論:加工された植物油と種子油にはオメガ6脂肪が含まれています。ほとんどの人はすでに摂りすぎており、いくつかの健康上の問題につながる可能性があります。
3.トランス脂肪
トランス脂肪は食べ物の中では最も不健康な脂肪です。それらは水素を不飽和油に添加して固形脂肪に変えることで作られています。
体は天然に存在する脂肪と同じようにトランス脂肪を認識または処理しません。
当然のことながら、それを食べるのは多くの深刻な健康問題につながる可能性があります(28)。
動物および観察研究は、トランス脂肪の摂取は炎症を引き起こし、心臓の健康に悪影響を与えることを繰り返し示しています(29, 30, 31)。
女性730人のデータを調べた研究者は、トランス脂肪を食べた人は心臓病の強力な危険因子であるCRPのレベルが73%高く、炎症マーカーが最も高いことを発見しました(31)。
人の対象研究では、トランス脂肪が炎症を引き起こし、 心臓の健康に深刻な悪影響 を与えることが確認されています。これには、動脈が適切に拡張して血液の循環を維持する能力の低下が含まれます(32, 33, 34, 35)。
健常な男性でいくつかのタイプの脂肪の影響を調べた研究では、トランス脂肪だけがe-セレクチンというマーカーを増やしました。これは他の炎症マーカーによって活性化され、血管の内側を覆う細胞に損傷を与えます(35)。
心臓病 に加えて慢性炎症は、 インスリン抵抗性 、 2型糖尿病 、 肥満 など、他の多くの深刻な病気の原因です(36, 37, 38, 39)。
入手できる証拠は、トランス脂肪をできる限り避け、代わりにより健康的な脂肪を使うことを支持しています。
結論
多くの研究で、トランス脂肪は非常に炎症性で、心臓病やその他の状態のリスクを高めることがわかっています。
4. 多環芳香族炭化水素(PAH)
赤身の肉は、タンパク質、鉄、など重要な栄養素の優れた供給源です。
ただしある調理の仕方では、多環芳香族炭化水素(PAH)という有毒な副産物を出す可能性があります。
肉を高温で焼いたり燻製(くんせい)したりすると、脂肪が鍋などの熱い部分に付いて揮発性のPAHが生成され、肉に付く可能性があります。木炭の不完全燃焼もPAHの生成を起こす可能性があります(40)。
研究者はPAHは毒性があり、 がんを起こす可能性 があることを発見しました(41, 42)。
PAHは多くの観察研究で 乳がん と 前立腺がん のリスクの増加に関連していますが、遺伝子も関係しています(43, 44, 45, 46, 47)。
さらに研究者は、焼き肉からのPAHの大量摂取は、腎臓がんのリスクを高める可能性があると報告しています。繰り返しますが、これは部分的に遺伝や喫煙などの危険因子にも依存しているようです(48, 49)。
焼き肉との最も強い関連性は、消化管のがん、特に大腸がんにあるようです(50, 51)。
大腸がんとの関係は、牛肉、豚肉、子羊肉、子牛肉など赤身の肉にだけ見られることに注意が必要です。鶏肉などの家禽は、大腸がんのリスクに対してはっきりしないか保護作用があるようです(52, 53, 54)。
ある研究ではカルシウムを加工肉の多い食事に加えると、動物と人の糞便で発ガン性化合物のマーカーが減少することがわかりました(55)。
他の調理法にするのがベストですが、煙を最小限に抑え、滴る肉汁をすばやく取り除くことで、グリル時にPAHを41〜89%も減らせます(42)。
結論:赤身の肉を焼いたりいぶしたりするとPAHができ、がん、特に大腸がんのリスクの増加と関連しています。
5.カシアシナモンのクマリン
シナモンは、2型糖尿病の血糖値の低下やコレステロール値の低下など、健康上の利点がいくつかあります(56)。
ただしシナモンにはクマリンと呼ばれる成分が含まれており、過剰に摂取すると毒性があります。
シナモンの最も一般的なタイプは2つで、カッシアとセイロンです。
セイロンシナモン(Cinnamomum zeylanicum)はスリランカの木の内樹皮です。「本物のシナモン」と呼ばれることもあります。
カシアシナモンは、中国で育つCinnamomum cassia (シナニッケイ)という木の樹皮から得られます。セイロンシナモンよりも安く、米国とヨーロッパに輸入されるシナモンの約90%を占めています(57)。
カシアシナモンには、はるかに高レベルのクマリンが含まれています。摂りすぎるとがんや 肝障害 のリスクの増加と関連しています(57, 58)。
食品中のクマリンの安全限界は0.9mg / lb(2 mg / kg)です(59)。
しかしある調査では、平均4 mg / lb(9 mg / kg)を含むシナモン焼き菓子とシリアル、なんと40 mg / lb(88 mg / kg)も含むシナモンクッキー1種類が見つかりました(59)。
さらにシナモンに実際に含まれるクマリンの量をテストせずに知ることはできません。
47種類のカシアシナモンパウダーを分析したドイツの研究者は、クマリンの含有量がサンプル間で劇的に異なることを発見しました(60)。
クマリンの耐容一日摂取量(TDI)は、体重の0.45 mg / lb(1 mg / kg)に設定されており、これは肝臓毒性の動物実験に基づいています。
しかし人におけるクマリンの研究では、ある人々がさらに低い投与量でも肝障害になりやすい可能性があることがわかっています(58)。
セイロンシナモンはカシアシナモンよりもクマリンがはるかに少ないので、好きなだけ摂取できますが、それほど広く入手可能ではありません。スーパーマーケットのシナモンはほとんど高クマリンのカシア品種です。
そうは言っても、ほとんどの人は1日あたり最大2グラム(小さじ0.5〜1杯)のカシアシナモンなら安全です。実際いくつかの研究ではこの3倍を使用しており、悪影響は報告されていません(61)。
結論:カシアシナモンにはクマリンが多いため、過剰に摂取すると肝障害やガンのリスクが高まる可能性があります。
6.添加糖類
砂糖と高果糖コーンシロップは、「エンプティカロリー」とよく言われます。しかし砂糖の有害な影響はそれをはるかに超えています。
砂糖はフルクトースが豊富で、フルクトースの過剰摂取は、肥満、2型糖尿病、メタボリックシンドローム、脂肪肝疾患など、多くの深刻な病気に関連しています(62, 63, 64, 65, 66, 67)。
過剰な糖は、乳がんや結腸がんにも関連しています。これは腫瘍の成長を促進する可能性のある血糖値やインスリンレベルへの影響が原因であるかもしれません(68, 69)。
35,000人以上の女性を対象とした観察研究では、糖分の摂取量が最も多い女性は、糖分の少ない食事をした女性の2倍の結腸がんを発症するリスクがあることがわかりました(70)。
少量の砂糖ならほとんどの人にとって無害ですが、一部の人は少量の後止めることができません。実際、アルコールや薬を飲む中毒と同じように、砂糖を摂らずにはいられなくなる可能性があります。
研究者の中には、これを報酬経路を刺激する脳内の神経伝達物質ドーパミンを放出する糖の働きに起因すると考えています(71, 72, 73)。
結論:糖分を多く摂取すると、肥満、心臓病、2型糖尿病、がんなどの病気のリスクが高まる可能性があります。
7.魚の水銀
ただし特定の品種には、よく知られた毒素の水銀が高レベルで含まれています。
シーフードの消費は人の水銀蓄積の最大の原因です。
これは化学物質が海の食物連鎖を上っていく結果です(74)。
水銀で汚染された水域で育つ植物は小さな魚に食べられ、次に大きな魚によって食べられます。そのうち水銀は大きな魚の体内に蓄積し、最終的には人に食べられます。
米国とヨーロッパにおいて、人々が魚からどれくらいの水銀がたまるかを決めることは困難です。これはさまざまな魚の水銀含有量が色々違うからです(75)。
水銀は神経毒であり、脳や神経にダメージを与える可能性があることを意味します。水銀は胎児の発達中の脳と神経系に影響を与える可能性があるため、妊娠中の女性は特にリスクが高くなります(76, 77)。
2014年の分析によると、いくつかの国では特に沿岸地域や鉱山の近くで、女性と子供の髪と血中の水銀レベルが世界保健機関の推奨よりも大幅に高かったということです(78)。
他の研究では、水銀の量はマグロの缶詰のブランドや種類によって大きく異なることがわかりました。サンプルの55%がEPAの0.5 ppm(parts per million)の安全限界を超えていることがわかりました(79)。
キングマッケレルやメカジキなどの魚は水銀が非常に高いため、避ける必要があります。ただし他の魚を食べることは、多くの健康上の利点があるため、やはり推奨されます(80)。
水銀曝露を制限するには、このリストの「最低水銀」カテゴリーからシーフードを選択してください。幸いなことに、低水銀カテゴリーには、サーモン、ニシン、イワシ、アンチョビなど、オメガ3脂肪が最も多い魚のほとんどがあります。
これらのオメガ3が豊富な魚を食べることの利点は、少量の水銀の悪影響をはるかに上回ります。
結論:特定の魚は高レベルの水銀を含んでいます。ただし、低水銀魚を食べることの健康上の利点は、リスクをはるかに上回ります。
家庭に持ち帰ってほしいほど重要なこと
食品の「毒素」の有害な影響に関する多くの主張は、科学によって裏付けられていません。
ただし、特に大量に本当に有害である可能性のあるものがいくつかあります。
とは言っても、これらの有害な化学物質や成分を最小限にすることは非常に簡単です。
これらの製品の使用を制限し、可能な限り単一成分の未精製の食品に拘ればいいだけです。
引用記事
🔵 引用:7 “Toxins” in Food That Are Actually Concerning(healthline)Written by Franziska Spritzler — Updated on May 23, 201620余年アメリカで遺伝子治療&幹細胞の研究者をやってきました。
特に遺伝病の間違った遺伝子をピンポイントで修復し、元に戻す技術開発です。
理学博士(Ph.D. )
アメリカ生活で学んだアンチエイジングなど健康に関する知識をシェアしたいと思います。
巷の情報もご紹介、時にはブッた斬ったりしてしまうかもしれません。
またポイントなどの節約術や生活に便利なガジェット(スマホやアプリの紹介)も記事にしますので参考になれば嬉しいです。
皆さん、ご一緒に「究極のヘルシーライフ」を楽しみましょう♪
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