新型コロナとBCG(〇クチン)の関係『3つの最新論文』
※ (ワ)クチンという言葉はGAFA(ガーファ)グループが規制をかけ、検索結果に大きな影響を与えるので、〇クチンと表記に変えさせていただいております(2021/04/28)
BCG〇クチンが新型コロナに効果があるのかという研究が進んでいますが、最新論文が3報発表されましたので、分かりやすくまとめてみました。
論文はすべてオープンアクセスですので、無料で論文の全文が読めます 😄
この記事のもくじ
BCG〇クチンは安全で、COVID-19のリスク増加につながらない
研究・調査の要約:
オランダでに結核〇クチンのBacilleCalmette-Guérin(BCG)を受けたグループの調査では、コロナのパンデミック中に感染症など病気になったり、強い疲労を経験するケースが少ないことがわかりました。BCG接種により炎症が起こることによる害が懸念されていますが、BCGは安全で、重症化したり強い炎症作用などの悪い作用は起こしませんでした。
調査方法:BCGを接種した時期と対象年齢
過去5年にBCGを受けたグループ(164人)の多くが2017年4月〜2018年6月までに接種し、年齢の中央値が25歳(21〜73歳)、対して受けなかったグループ(164人)は30歳(23〜80歳)が調査の対象となりました。感染者数は変わらないが、感染しても疲れを感じる人が少ない
新型コロナの感染者の割合は(調査方法はPCR陽性か医師による診断)BCG接種者1.5%、そして非接種者 1.2%でそんなに違いはありませんでしたが、入院したり重い症状のBCG接種者は、一人もいませんでした。また他の病気も少なかったです(20.7% vs 31.1%)。鼻水、喉の痛み、頭痛、咳などの症状はBCG接種者も非接種者もそんなに差はありませんでしたが、BCG接種者は特に新型コロナの典型的な症状の強い疲れを感じる人が少なかったです(8.3% vs 18.9%)。血中のサイトカインIL-6, -8, -10, -18を測定したところ、病気の人も健康な人も差はありませんでした。
BCGでなにが強化されたか?
結核菌で刺激したBCG接種の人の末梢血単核細胞で調べると、3ヵ月後にサイトカイン(IL-6およびTNF-α)が接種前と比べて倍数(数倍?)に増えており、これは訓練免疫(自然免疫記憶)の指標となります。 特定の(適応)免疫記憶応答はIFN-γより評価され、これも倍数に増えていました。年齢で違いはなく、高齢者でも自然免疫記憶は働いていることがわかりました。BCGは単球やマクロファージ、ナチュラルキラー(NK)細胞など長期間の自然免疫細胞を訓練する(trained immunity:訓練免疫)ことで免疫を強化します。
高齢者の肺感染症の予防効果もインドネシアや日本で報告されています。
インフルエンザAやヘルペス2型を軽くするというこれまでの研究結果からも、新型コロナにむしろいいかもしれませんが、感染や重症化を防ぐかどうか明らかにするには、大規模なランダム化試験が必要となります。
この研究はラドバウド大学医療センターのMihai Netea教授チームによりCell Reports Medicine 誌に掲載されました。
🔵 原著論文 : Safety and COVID-19 symptoms in individuals recently vaccinated with BCG: a retrospective cohort study.
Cell Reports Medicine (2020). DOI: 10.1016/j.xcrm.2020.100073
BCGに関する他の2つの論文
世界の地域ごとのBCGと新型コロナの死亡率を調べた PNAS 誌の2020年6月の研究では、確かに新型コロナとBCGの関連があり、強いBCGを打った国(注釈:強いBCGとは日本型とロシア型ことだと思われます)は有意に新型コロナによる死亡が少なく、最近のBCG接種は打たない国より死亡率が低くなっています。例えばBCG接種をしないニューヨーク、イリノイ、ルイジアナ、アラバマ、フロリダはBCG接種したブラジルのペルナンブコ、 リオデジャネイロ、サンパウロ、メキシコ州とメキシコシティと比べると有意に死亡率は高かったということです。🔵 BCG vaccine protection from severe coronavirus disease 2019 (COVID-19)
PNAS(2020)米国科学アカデミーの会員用の投稿枠(”Contributed”)を使用して出版
BCGが訓練免疫によって他の感染症を防ぐという2020年6月の Cell Host&Microbe 誌の研究では、BCGを受けた15人の血液と骨髄を調べ、サイトカインが増え、CD14+単球の訓練免疫を誘発したり、造血幹細胞で肝核因子(Hepatic nuclear factors:HNF)が訓練免疫を調節することがわかりました。
🔵 BCG Vaccination in Humans Elicits Trained Immunity via the Hematopoietic Progenitor Compartment.
Cell Host & Microbe, 28, 1–13, August 12, 2020
seigoの追記
オランダはどの株を使っているのか、論文を読んでもよく分かりませんでした。こちらのサイトの地図を見るとオランダは「デンマーク株 (Danish 1331株)」を使っているようです(地図が小さくてはっきりは分かりません)。デンマーク株は旧西ドイツが使っていたものと同じで、今回のコロナにはあまり効かなかったようにみられ、良かったのは旧東ドイツで使われた「ロシア株(BCG-I株)」なので、この良い株で研究結果を出してもらいたいものです。BCG以外に免疫力を上げる手軽な方法は?
免疫力を上げるには、手軽な方法としてビタミンDを十分とっておくとよいですね。私が気に入っている米国製の(安くて質の良い)ナウフーズ社のビタミンDが日本でも購入できますので、以下にリンクを貼っておきます。Amazonの値段が高すぎすのに、他に楽天とiHerbへのリンクも貼っておきました。通常、健康な大人なら2000 IUを1日に摂りますが、私の場合は遺伝子検査の結果で”ビタミンDの受容体に変異がある”ことが分かった(2017年9月20日の記事)ので、多めの5000IUを毎日とっています(ジョー先生によるキネシオロジーの結果も5000IUが体に合っていると出ました〜)。
ビタミンD3 (2個セット)~1420円
2000IU ナウフーズ製 [並行輸入品]
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[3個セット]ビタミンD-3 ~1467円
2000IU 120粒 ナウフーズ製
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2,000 IU, Now Foods製
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20余年アメリカで遺伝子治療&幹細胞の研究者をやってきました。
特に遺伝病の間違った遺伝子をピンポイントで修復し、元に戻す技術開発です。
理学博士(Ph.D. )
アメリカ生活で学んだアンチエイジングなど健康に関する知識をシェアしたいと思います。
巷の情報もご紹介、時にはブッた斬ったりしてしまうかもしれません。
またポイントなどの節約術や生活に便利なガジェット(スマホやアプリの紹介)も記事にしますので参考になれば嬉しいです。
皆さん、ご一緒に「究極のヘルシーライフ」を楽しみましょう♪
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