アシュワガンダの12の証明された健康効果 (論文引用あり)

今回はアシュワガンダ(Ashwagandha)の12の証明された健康効果という話題で、研究論文の引用と共にお伝えしていきます。

この情報はHealthLineというサイトからのレビュー記事（英文）を、このサイトで翻訳したものです。

記事中の括弧内の数字は、その情報の元となっている論文やレビュー記事が引用されています。

この引用文献が情報の信頼度を上げるはずですので、情報をもっと詳しく知りたい方や吟味したい方は、括弧内の引用先の論文やレビューなどもご活用下さい。（ただ引用先は英語です 😅 ）

ニュースタイトル「アシュワガンダ(Ashwagandha)の12の証明された健康効果」

英文執筆者：Franziska Spritzler, RD, CDE

アシュワガンダは信じられないくらいヘルシーな薬草です。

この薬草は体がストレスに対処するのを助ける「アダプトゲン（adaptogen）」として分類されます。

アシュワガンダは体や脳にも色々と利益をもたらしてくれます。

例えば、血糖値を下げたり、コルチゾールを減らしたり、脳機能を高めたり、不安やうつ病の症状と闘うのを助けます。

以下が科学的に証明されているアシュワガンダの12のベネフィットです。

1. 古代の薬草

アシュワガンダはインドの自然治癒という原則に基づいた代替医療であるアーユルヴェーダ（Ayurveda）の最も重要なハーブの一つです。

それはストレスを和らげ、元気にしてくれて、集中力を高めるために3、000年以上使われてきました (1)。

「アシュワガンダ」は、サンスクリット語で「馬の匂い」ですが、その独特の香りと強壮剤の両方を意味する言葉です。

学名はWithania somniferaで、インドの高麗人参やウィンターチェリー（winter cherry/ホオズキ）など、他の名前としても知られています。

アシュワガンダは、インドや北アフリカ原産の黄色い花を持つ小さな低木です。植物の根や葉からの抽出物や粉末は、さまざまな病気の治療に使われます。

その健康上の利点の多くは高濃度のウィザノライド（withanolides）成分によるもので、抗炎症と抗腫瘍増殖が明らかになっています(1)。

要点
アシュワガンダはインドのアーユルヴェーダ医学の重要なハーブであり、その健康上のベネフィットから人気のサプリメントとなっています。

2. 血糖値を下げます

いくつかの研究によって、アシュワガンダは血糖値を下げることが明らかになっています。

ある試験管研究から、アシュワガンダはインスリンの分泌を増やし、筋肉細胞のインスリン抵抗性を改善することが判明しました (2)。

またいくつかの人の研究で、健康な人と糖尿病を持つ人々共に血糖値を下げる能力が確認されています (3, 4, 5, 6)。

さらに、統合失調症の人々を対象とした4週間の研究では、空腹時血糖値の平均低下が、プラシーボを投与した人々では4.5 mg / dLであったのに対し、アシュワガンダの人々では13.5 mg / dLでした (5)。

さらに、2型糖尿病患者6人を対象とした小規模な研究で、30日間アシュワガンダを摂ると、薬と同じくらいの効果で空腹時血糖値が低下しました (6)。.

要点
アシュワガンダは、インスリン分泌と抵抗性に影響して血糖値を下げる可能性があります。

３. 抗癌性

動物実験と試験管実験から、アシュワガンダは癌細胞のプログラムされた死であるアポトーシス（細胞の自然死）を誘発することが発見されました (7)。

また、いくつかの点で新しい癌細胞の増殖を妨ぎます (7)。

まずアシュワガンダは、活性酸素種（ROS）を生成すると考えられていますが、これは癌細胞には有毒であっても正常細胞には毒になりません。第二に、それは癌細胞のアポトーシスに対して抵抗性を低下させます (8)。

様々な動物実験から、アシュワガンダは、乳癌、肺癌、大腸癌、脳と卵巣癌を含むあるタイプの癌、治療に役立つことが示唆されています (9, 10, 11, 12, 13)。

ある研究では、アシュワガンダのみと抗癌剤と組み合わせて治療された卵巣腫瘍のマウスで、腫瘍増殖が70～80％減少しました。この治療はまた、他の臓器へ転移するのをを防ぎました (13)。

人で確認した研究はまだありませんが、今日までの研究からヒトにも有望と思われます。

要点
動物実験と試験管実験から、アシュワガンダは腫瘍細胞の死を促進し、ある種の癌に対して有効なことが判明しています

４. コルチゾールレベルを下げます

コルチゾールは副腎がストレスに反応すると分泌するので「ストレスホルモン」として知られています。血糖値が下がりすぎた時も同様です。

残念なことにコルチゾールが慢性的に上がる場合があって、それが原因で血糖値が上昇したり腹部の脂肪蓄積が増加したりするという結果を招くことがあります。

様々な研究から、アシュワガンダはコルチゾールレベルの低下を助けることが判明しています(3, 14, 15)。

慢性ストレスの大人を対象としたある研究では、アシュワガンダを服用すると、対照群と比較してコルチゾールにかなり大幅な減少が見られました。アシュワガンダを最高量を服用した人は、平均して30％の減少を示しました (3)。

要点
アシュワガンダのサプリメントは慢性的にストレス状態にある人々のコルチゾールのレベルをを下げるのに役立ちます。

５. ストレスや不安を軽減するのに役立つかもしれません

アシュワガンダは、おそらくストレスを軽減できることで最もよく知られています。

研究者らは、神経系におけるシグナル伝達を調節することでラット脳内のストレス経路がブロックされたと報告しています (16)。

いくつかの人におけるコントロールスタディから、アシュワガンダはストレスや不安障害の人々の症状を効果的に軽減することが明らかになっています (14, 17, 18)。

慢性ストレスを持つ64人の人々を対象とした60日間の研究から、アシュワガンダサプリメントを服用したグループでは、不安神経症と不眠症が平均69％減少したのに比べ、プラセーボでは11％の減少が報告されています (14)。

別の6週間の研究では、アシュワガンダを服用した人々の88％に不安神経症の減少が見られたのに対し、プラセーボを服用した人々は50％であったと報告されています(18)。

要点
アシュワガンダは動物実験、人体実験からストレスと不安を軽減することが判明しています。

６. うつ病の症状を軽減

十分には研究されていませんがいくつかの研究から、アシュワガンダはうつ病を軽減することが判明しています (14, 18)。

64人のストレス状態の成人を対象としたある60日間の研究から、1日当たり600mgの高濃度アシュワガンダエキスを摂取した人々は重度のうつが79％減少したのに対し、プラセーボを摂取した人々では10％増加したと報告したと報告されています (14)。

しかし、参加者のうち１人がうつの病歴を持っていました。これが研究結果に関連性があるかは不明です。

要点
利用可能な限られた研究からは、アシュワガンダがうつ病を減らすのに役立つことが明らかになっています。

７. 男性のテストステロンを増強して生殖力を強化

アシュワガンダのサプリメントは、テストステロンのレベルと生殖力においてパワフルな効果があります (15, 19, 20, 21)。

75人の不妊男性を対象としたある研究では、アシュワガンダで治療したグループは、精子の数と活力に増強が見られました。

さらに、テストステロンレベルの著しい増加をもたらしました (21)。

この研究から、アシュワガンダを摂取したグループは血中の抗酸化物質のレベルが上昇したとも報告されています。

別の研究では、ストレス治療のためにアシュワガンダを摂取した男性は、より高い抗酸化レベルとより質の良い精子を経験しました。3ヵ月の治療後、彼らのパートナーの14％が妊娠しました (15)。

要点
アシュワガンダはテストステロンのレベルを高め、男性の精子の質と繁殖力を顕著に高めます。

８. 筋肉量および筋力を増強します。

研究から、アシュワガンダは身体の組成を改善してより強くなることが示されています(4, 20, 22)。

アシュワガンダの安全で有効な投与量を確認する研究で、健康な男性がアシュワガンダ根の粉末を1日当たり750～1,250 mg摂取して30日後、筋肉が強化しました (4)。

別の研究では、アシュワガンダを服用した人に、筋肉の強度とサイズが著しく増加しました。

プラセーボグループと比べ、体脂肪率の減少も2倍以上になりました (20)。

要点
アシュワガンダは男性の筋肉量を増加させ、体脂肪を減少させ、そして強さを増すことが判明しています。

９. 炎症を減らします

数例の動物研究において、アシュワガンダが炎症を減らしてくれることが示されました (23 , 24, 25)。

人の研究では、アシュワガンダは健康でいられるように感染と戦う免疫細胞であるナチュラルキラー細胞の活性を増やすことが明らかになっています (26, 27)。

Ｃ反応性タンパク質（ＣＲＰ）などの炎症マーカーを減少させることも示されています。このマーカーは心臓病のリスクの増加と関連しています。

ある対照試験で、1日250mgの規格化された（既製品の）アシュワガンダエキスを服用したグループでは、プラセーボグループの6％減少と比較して、平均してCRPが36％減少しました (3)。

要点
アシュワガンダはナチュラルキラー細胞の活性を高め、炎症マーカーを減らすことが証明されています。

10. コレステロールとトリグリセリドを下げます

アシュワガンダは抗炎症効果に加えて、コレステロールとトリグリセリドレベルを減らすことによって心臓を改善するのに役立ちます。

動物実験からアシュワガンダは血中脂肪を大幅に減らすことが判明しました。

ラットのある研究では、総コレステロールが53％、トリグリセリドが45％近くも低下していることがわかりました (28)。

人の研究ではそれほど劇的ではない結果でしたが、研究者たちはこれらのマーカーにいくつかの印象的な改善を認めました (3, 4, 5, 6)。

慢性ストレスにある成人の60日間の研究で、規格化された（既製品の）アシュワガンダエキスの最高の投与量を服用したグループは、「悪玉」LDLコレステロールが平均17％の減少、トリグリセリドが平均11％の減少を体験しました (3)。

要点
アシュワガンダは、コレステロール値やトリグリセリド値を下げることで、心臓病のリスクを減らすのに役立ちます。

11. 記憶などの脳機能を改善

試験管実験および動物実験は、アシュワガンダは損傷または病気によって起きる記憶と脳機能に関わる問題を弱めることを示唆します (29, 30, 31, 32)。

研究から、アシュワガンダは有害なフリーラジカルから神経細胞を守る抗酸化活性を促進することが示されています。

ある研究では、癲癇ラットがアシュワガンダの治療によって空間記憶障害にほぼ完全に回復しました。これはおそらく酸化ストレスの減少によって引き起こされたものです (32)。

アシュワガンダは従来アーユルヴェーダにおいて記憶力を高めるために使用されてきましたが、この分野における人での研究はごくわずかです。

ある対照試験から、500mgのエキスを毎日服用した健康な男性が、プラセーボを服用した男性と比べて、反応時間および作業成績が大幅に改善したことが報告されています (33)。

50人の成人による別の8週間観察試験では、1日2回300mgのアシュワガンダの根エキスを摂取すると、記憶全般、作業成績、および注意力に著しい改善が見られました　(34)。

要点
アシュワガンダのサプリメントは、脳機能、記憶力、反応時間、そして作業能力を向上させてくれるかもしれません。

12. アシュワガンダは安全で幅広い利用が可能です

アシュワガンダは多くの人にとって安全なサプリメントです。

しかし、妊娠中や授乳中の女性など、特定の人は服用すべきではありません。

自己免疫疾患を持つ人々も、医師の許可なしにアシュワガンダを使用することは避けるべきです。慢性関節リウマチ、ループス、橋本甲状腺炎、1型糖尿病などの症状のある人も同様です。

また、甲状腺疾患の治療薬を服用している人は、アシュワガンダを服用するときに注意が必要です。一部の人では甲状腺ホルモンのレベルが上昇する可能性があるからです。

血糖値や血圧レベルが下がる可能性があるので、服用する場合は投薬量を調整する必要があります。

アシュワガンダの推奨量はサプリメントの種類によって異なります。エキスはアシュワガンダ根または葉の粉末よりも効果的です。ラベルの指示に従うことを覚えておいてください。

既製品の根エキスは、通常1日1回か2回を450～500 mg入りカプセルを服用します。

アシュワガンダサプリは、何社かのサプリメントメーカーが供給していますが、健康食品やビタミンなどを扱う様々な小売業者からの入手が可能です。

アマゾンで高品質のサプリメントを購入するという素晴らしい選択肢もあります。

要点
アシュワガンダはほとんどの人にとって安全ですが、特定の人は医師の許可がない限り使用すべきではありません。既製品の根エキスは、一般的に1日1回か2回450～500 mg入りのカプセルを服用します。

 

総まとめ

アシュワガンダは多くのヘルスベネフィットを持つ伝統的な薬草です。

アシュワガンダは不安やストレスを軽減し、うつ病との闘いを助け、男性の生殖機能とテストステロンを高め、さらに脳機能を高めてもくれます。

アシュワガンダのサプリは健康と生活の質を良くするための簡単で効果的な方法かもしれません。

引用レビュー

🔵 英語レビュー：12 Proven Health Benefits of Ashwagandha（ Healthline ）June 11, 2018

 

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