ギラン・バレー症候群で原因となる食べ物は? ペルーで4人死亡,200人以上感染!

健康情報

何気ない普段の生活。普通に過ごしていたら具合が悪くなり食中毒、治ったと思ったら手足が動かなくなり死亡。

こんなことがペルーで起こっています(2019年6月12日のニュース)。気をつけているつもりでも突然・・・。

ここで死亡事故も起きているギラン・バレー症候群について分かっていることをご紹介いたします。

ギラン・バレー症候群とは?

イメージ画像(出典:by bBear/写真AC)


あまり馴染みのない言葉なので、どういう症状なのか分からない人も多いでしょう。

ギラン・バレー症候群とは、急性で進行の速い炎症性多発神経障害と言われており、筋力の低下が起こりえます。

腕の筋力が落ちて物が持てなかったり、足の筋力も弱くなり歩行障害も起こりえます。

通常は足の方から、腕の方まで進行。しかし、中には腕から足の方へと進行する場合もあります。

重症になると顔付近にも進行していきます。

そうなると顔や喉の筋力が低下して食事ができにくくなるので、脱水や低栄養素状態もおき、呼吸障害、血圧変動、不整脈等の可能性も起こり、生命の危険にもなる病気です。

これらは「カンピロバクター」という細菌が原因で食中毒になるとされてます。この細菌に感染すると、最初の症状は発熱、下痢、頭痛、倦怠感と風邪や食中毒と似た症状が現れます。

そしてカンピロバクター菌を攻撃するはずの抗体が誤って末梢神経を攻撃している可能性があるそうです。末梢神経を攻撃するため、手足が動かなくなり、最悪の場合は呼吸ができなくなり死亡にいたるという恐ろしい結末になる可能性があるのです。ペルーで死者が出ているのは呼吸筋が動かなくなってしまった可能性があります。

ペルーで起きた死亡4人、感染200人以上

ペルーのマチュ・ピチュには多くの日本人が訪れる(出典:マップ, Wikimedia Commons & マチュピチュ by MOON CHILD/写真AC)


10万人に1人の割合で発症するギラン・バレー症候群ですが、南米のペルーでは今年に入り、死亡した方が4人感染者が200人以上になっています。

NHKニュース – ペルーで「ギラン・バレー症候群」が集団発生 旅行者も注意を – 2019年6月12日 7時14分

ペルー政府非常事態宣言を発表し、筋力低下等の症状が出た場合は直ちに病院を受診するように呼びかけています。また、蚊が媒介するジカ熱との関連もあるのではとの指摘があり、専門医師を派遣し調査をするとの事です。

ペルーはマチュ・ピチュ等の世界遺産があり、日本人も観光に訪れる国です。観光に行く際には食事やトイレに気をつける必要がありますね。

原因となる食べ物とは?

イメージ画像(出典:by yurisyan/写真AC)


カンピロバクターは食中毒を起こす感染症であり、微好気性といって酸素が少しある環境を好み、酸素が十分なところでは増殖しないという特徴があります。鳥、牛、豚、猫などの動物の消化器官内に生息します。

鳥、牛、豚の肉を食べる際はしっかり火熱する必要があります。火を加えることで細菌を消滅出来るからで、生焼けがあると食中毒になる可能性があります。日本では鶏肉をから揚げにした時に中まで火が通っておらず食中毒(カンピロバクター感染)を起こす事件が頻発しています。また、しっかり焼いたとしても賞味期限が切れていると食中毒になるかもしれません。梅雨のジメジメした時期や真夏の暑い時期に食材をそのままにしておくと傷みやすくなりますのでご注意を。

これは食材に限った事ではありません。生の食材を調理した調理器具にも細菌が付着することがあります。手指や器具に細菌が付着したまま使用したり摂取することでも食中毒になりますので、器具の消毒、手指の消毒もマメにやる必要がありますね。

再利用で発生する食中毒(カンピロバクター感染)

日本でよく起こる事故は、お肉の入っていたビニール袋をキッチンのゴミ捨て用に再利用しようとして、肉の汁が知らない間に手につき、その手で食器や生の野菜などに触って食べてしまった場合、食中毒が発生してしまうことがあります。こういう場合は本人もどうして食中毒なったが分からないままカンピロバクターによる感染が広がってしまうので注意が必要です。

少し怖い情報になりますが、日本各地に流通しているスーパー等の肉を感度の高い検査方法で調査した所、4~6割程にカンピロバクターが付着しているとの報告もあります。よって肉の容器から漏れる赤い汁はたいへん危険であることを認識して下さい。

ワクチン摂取後にギラン・バレー症候群になるという事実

厚生労働省によるギラン・バレー症候群の資料(平成21年5月) (出典:厚生労働省・PDF書類, 6ページ)


厚生労働省の資料にギラン・バレー症候群はワクチンなどの医薬品によっても引き起こされるとのことです。

ワクチン接種後にギラン・バレー症候群を起こすことに対して信じられない方もおられるとおもいますので、大学からの資料も合わせて合計4つのリンクを貼っておきます。

🔵 重篤副作用疾患別対応 マニュアル ギラン・バレー症候(PDF書類) , 平成21年5月 厚生労働省 (上記の資料と同じ)

🔵 新型インフルエンザワクチン接種後の,ギラン・バレー症候群の発症に備える(PDF書類) 獨協医科大学神経内科講師 小鷹昌明

🔵 ギラン・バレー症候群(MedicalNote)

🔵 ワクチンの副反応にはどんなものがあるの? (KNOW*VPD!)

まとめ

これからの食中毒の季節に増えるカンピロバクターによる感染に気をつけましょう。

ギラン・バレー症候群になって手足が動かなくなっても生還している方はたくさんおります。

命を落とす場合は呼吸器の筋肉が動かなくなってしまった時で、それでも人工呼吸器で生還した方もおられますので、最後まであきらめないで下さい。

また確率は少ないですがワクチン接種後にもギラン・バレー症候群になることがあるので、それにも注意してまいりましょう。

 

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