スピルリナやグルコサミンはインターフェロン応答を高め自然免疫を活性化することによってコロナに対抗できることが判明!?【2020年最新論文】
新しい研究では、スピルリナなどの栄養補助食品が1型インターフェロン応答を高めることによって自然免疫を活性化し、RNAウイルスからも守ってくれるという大きな可能性を秘めていることを明らかにしています。
この論文では、コロナウイルスやインフルエンザなどのRNAウイルスに感染してもウイルスを増やさないように働き、その免疫力をアップしてくれる機能性食品(スピルリナを含む9種類)を特に紹介しています。その機能性食品は、自然免疫にとって重要なサイトカインである1型インターフェロン応答を高めるということです。この論文は複雑な細胞内伝達経路について論じており、全てを書くと一般の人にわかりにづらくなってしまう可能性があるので、このページではあまり専門的なことは触れないようにしました。詳しいメカニズムなどを知りたい方は原著論文をお読み下さい。
ここではスピルリナを含むウイルスに対抗できる可能性のある機能性食品とその推奨量についてまとめてみました。
この記事のもくじ
栄養補助食品がインフルエンザやコロナウイルスなどのRNAウイルスに対する1型インターフェロン応答を高める可能性
フェルラ酸やリポ酸、スルフォラファンはヘムオキシナーゼ1(HO-1)を活性化して、1型インターフェロンも増やし、抗酸化作用や抗炎症作用を高めてくれる効果が期待できるそうです。以下に今回の報告でキーワードとなっている3つの物質をまずまとめておきます。
フェルラ酸
米ぬかなど穀物に多いポリフェノールでクルクミンによく似ています(フェルラ酸が2個くっついたのがクルクミン)。 コーヒーのクロロゲン酸は肝臓で半分以上がフェルラ酸になることが分かっています。高い抗酸化作用があり、抗菌と高血圧や認知症の改善が期待できる物質です。
リポ酸
高い抗酸化作用があり、エネルギーを作るのに重要な酵素です。酵母や肝臓に多い脂肪酸の一種です。スルフォラファン
ブロッコリーやキャベツに含まれるピリっと辛いフィトケミカルで、強い抗酸化作用、抗炎症、抗腫瘍、ピロリ菌などの抗菌作用、解毒作用、免疫力アップ、生活習慣病予防や美肌など多くの研究がされている物質です。自然免疫(1型インターフェロン応答を通して)を活性化する優れ者たち
「自然免疫」とは、もともと人間の体に備わっている原始的な防衛機能で、マクロファージという白血球などがそれを担当しています。〔マクロファージは受容体にToll様受容体7(TLR7)を持っており、それがウイルスの1本鎖RNAを感知しインターフェロンを放出します〕スピルリナに含まれるフィコシアノビリン発色団
スピルリナなどのシアノバクテリアや藍藻類にフィコシアノビリン(PCB)発色団などが含まれています。緑や青の光合成色素で、抗酸化や抗炎症が期待されます。これがNAPDHオキシダーゼを阻害するような働きをして1型インターフェロンを増やすそうです。インフルエンザにかかったマウスにスピルリナを飲ませると、死亡率が下がりました。N-アセチルシステイン(NAC)
N-アセチルシステイン(NAC)はグルタチオンという強い抗酸化物質になる前のアミノ酸の一種で、アンチエイジングに欠かせないとても人気のあるサプリです。ウイルスが感染すると体は過酸化水素を出してウイルスを攻撃します。しかし過酸化水素をすぐに無毒化しないと自身の細胞がやられてしまいます。そこでグルタチオンペルオキシダーゼがしっかりと働く必要があります。600 mgのNACを1日2回摂ったインフルエンザの患者さんは入院日数が大幅に減ったという報告があります。年齢とともにグルタチオンが減ってしまいますが、高齢者にインフルエンザによる死亡が多いことも合わせると特に高齢者がNACを摂るのは大切なことのようです。
セレン
セレンというミネラルはグルタチオンペルオキシダーゼの活性中心で、抗酸化作用によって過酸化脂質や過酸化水素を無毒化してくれます。セレンは土壌中のセレンの量によって濃度が違いますが、魚介類や肉類、卵、玉ねぎ、トマトなどに含まれ、亜鉛やビタミンEと一緒に摂るとさらに抗酸化作用が強くなります。セレン欠乏症の人は多く、中国など世界で10億人いるかもしれないと言われています。セレン欠乏マウスではインフルエンザの症状がひどくなり、しかもウイルスが変異しやすくなって強くなってしまう(ウイルスの強毒化)という報告があります。グルコサミン
グルコサミンは軟骨にあるアミノ糖(アミンを含む糖)です。カニやエビ、軟骨、きのこ、オクラ、山芋などに含まれます。グルコサミンはミトコンドリアの抗ウイルスシグナリングタンパク質(MAVS)を活性化し結果的に1型インターフェロンを増やしてウイルスと戦う体制に入ります。グルコサミンが多い餌(2.5%/体重)をマウスに与えると、インフルエンザウイルスに感染したマウスの生存率が(統計学的に)有意に上がりました。しかしMAVS、1型インターフェロン、O-GlcNacトランスフェラーゼ(O-GlcNAc化のメディエーター)の遺伝子がないマウスは生存率が上がらなかったという報告からも、グルコサミンはRNAウイルスからの防御に効く可能性があります。ただ体重の2.5%というと毎日10g(グラム)もグルコサミンが入った餌を摂るのは難しいので、3g以上がいいのではと研究者は述べています。
βグルカン
酵母のβグルカンが樹状細胞を活性化を通して免疫力が上がることにより、インフルエンザウイルスからマウスを守ることが示されています。またキノコと海草の多糖類も同じように働きます。亜鉛
亜鉛は免疫細胞を増やしたり、しっかり機能するために大切なミネラルです。ですから小さいお子様や高齢者は亜鉛を補うことが大切です(文献23, 35)。加齢性の目の病気の研究で、高用量の亜鉛を摂った高齢者の死亡率が27%も減ったという報告があります(文献36)。亜鉛は食品からの吸収率は30%くらいですが、牡蠣やお肉、イワシ、卵、抹茶、ココア、松の実、ごま、アーモンド、海藻、凍み豆腐、ブロッコリー、アマランサスなどに含まれます。
エルダーベリー
エルダーベリーのエキスはインフルエンザや風邪への効果がかなり報告されています(文献38)。
エルダーベリーはアントシアニン(紫のポリフェノール)が非常に多く、アントシアニンを摂った後に血液に増えるフェルラ酸が良い働きをすることが期待されています(文献39)。
⭐️ 文献に見られるエルダーベリーの効能
免疫強化、風邪・インフルエンザ予防、抗ガン、コレステロール、皮膚炎、アレルギー、抗炎症、血糖値、鎮痛、美肌、高血圧
詳しくはこちらの記事より(第17位にエルダーベリーが登場) 👇
この研究の要点
⭐️ スピルリナ(またはPCBが豊富なスピルリナ抽出物)、フェーズ2インデューサー(フェルラ酸、リポ酸、スルフォラファンなど)、N-アセチルシステイン(NAC)、セレン、および高用量グルコサミンの適切な投与用量は、1型インターフェロン応答を通して自然免疫を活性化し、RNAウイルス感染の防止と制御に役立つと期待されます。
RNAウイルスに対抗する各栄養補助食品の1日の摂取目安
この研究では、インフルエンザやコロナウイルスなどのRNAウイルス感染から人々を保護する上で真の見込みがあると思われるいくつかの異なる栄養補助食品を検討しました。栄養補助食品の投与量(1日当たり)の目安は以下になります。研究が推奨する用量:
フェルラ酸 | 500〜1,000 mg |
リポ酸 | 1,200〜1,800 mg(フェルラ酸の代わりに) |
スピルリナ | 15 g(または100 mg PCB) |
N-アセチルシステイン(NAC) | 1,200〜1,800 mg |
セレン | 50〜100 µg |
グルコサミン | 3,000 mg以上 |
酵母ベータグルカン | 250〜500 mg |
亜鉛 | 30〜50 mg |
エルダーベリー | 600〜1,500 mg |
原著論文(オープン)
🔵 Nutraceuticals have potential for boosting the type 1 interferon response to RNA viruses including influenza and coronavirus. (オープンアクセス;論文の全文が無料で読めます)Prog Cardiovasc Dis. 2020 Feb 12 PDF書類
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20余年アメリカで遺伝子治療&幹細胞の研究者をやってきました。
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理学博士(Ph.D. )
アメリカ生活で学んだアンチエイジングなど健康に関する知識をシェアしたいと思います。
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