新型コロナに効果的な生理活性のあるファイトケミカルのまとめ-なぜ海藻や緑茶が効果的かの科学的根拠

ニュース/レビュー

執筆日:2020年9月8日、更新日:2021年1月9日

今回は新型コロナと戦ってくれるポリフェノールなどの植物成分についてのレビュー論文からのまとめです。

この論文(英文)はオープンアクセスですので全ての方が無料でご覧になれます。記事の下にリンクを貼っておきます。

ファイトケミカルとは?

緑茶や海藻、ドクダミ、漢方薬、そしてハーブなどの色々なファイトケミカルが、コロナウイルスの重要なタンパク質を阻害して増えないようにするそうです。

ファイトケミカルとは植物が虫や紫外線など過酷な環境から自分を守るための成分のことです。
フィト植物を意味します。色素苦味成分が多いです。

ファイトケミカルはだいたいポリフェノール、カロテノイド、テルペン、多糖類、含硫化合物の5種類に分類されます。

ポリフェノールは、ほとんどの植物に存在する苦味や色素の成分で、自然界に5,000種類以上あると言われています。ポリフェノールは抗酸化作用が強く、活性酸素などの有害物質を無害な物質に変える作用があり、動脈硬化など生活習慣病の予防に役立ちます(健康長寿ネットより)。

Covid-19に効果的な生理活性のあるポリフェノールなどのファイトケミカル

植物の有効成分は天然のウイルス酵素阻害剤

ポリフェノールの様な植物成分はウイルスプロテアーゼを阻害するので、安全で副作用がなくコロナの治療や予防に役立つ可能性が高いです。

コロナウイルスなどのRNAウイルスは自身を増やすために必要なタンパク質の情報(ウイルスを作るすべての遺伝情報)をRNA(リボ核酸)として持ち、それをウイルスの殻の中に入れて常に運んでいます。

感染すると宿主細胞の材料を使って大きなポリタンパク質を作ります。そしてプロテアーゼ(タンパク分解酵素)がポリタンパク質を切ると、機能するいくつかのタンパク質が出来上がるという効率の良いシステムを持っています(人の場合は1つ1つタンパク質を作らなければならない。それは遺伝子が1つ1つ離れて独立してあるためです)。

新しく合成されて連なったウイルス・タンパク質を切り離す3CLproという酵素

3C様プロテアーゼ3CLpro;3ーキモトリプシン様システインプロテアーゼ)というコロナウイルスの重要なタンパク分解酵素は、連なったタンパク質(ポリプロテイン)の中にありますが、自分で切って出てきます。でっかいタンパク質をざっと作ってから、1つ1つ機能性のあるタンパク質を切り外しているのです。そのほうが遺伝情報が短くて済みますので、持ち運びに便利なためなのでしょう。ウイルスが増えるのを防ぐ1つの方法として、機能するタンパク質を作らせない様にウイルスのプロテアーゼを阻害する薬が研究されています。

ベツリン酸、インジゴ、アロエモジン、ルテオリン、およびキノメチルトリテルペノイド、ケルシチン、没食子酸などのポリフェノールは、3CLproの阻害活性があります。ケルセチン、エピガロカテキンガレート、ガラウサチンガレート(GCG)などは3CLproの活性部位とウイルス阻害活性に必要な3-OHガロイル基に結合することによって阻害することが示されました(Nguyenら, 2012) 。ドクダミや玉ねぎなどに含まれるケルセチンはフラボノイドで、花、葉、果実に存在し、免疫をサポートします。タンニンやカテキンなどの没食子酸(Gallic acid)は水に溶けるフェノール酸の一種で防腐性があり、発癌プロセスをブロックします。

中国の科学者はSARS-CoV-2を阻害する可能性のある26の植物でテストしたところ、抗ウイルス活性を示しました(Zhang、2020)。

SARS-CoV-2のゲノムは約3万塩基で、16個の非構造タンパク質と4個の構造タンパク質をコードします(Jinら, 2020)。いくつかは宿主細胞への侵入と複製に必要なタンパク質です(Jiménez-Alberto、 Ribas-Aparicio、Aparicio-Ozores、およびCastelán-Vega、2020)。まずウイルスはスパイク糖タンパク質(タンパク質S)を使って宿主細胞の細胞膜タンパク質であるアンジオテンシン変換酵素2(ACE2)にくっつきます。スパイクタンパク質は細胞接着とその後の融合に関する2つのサブユニットで構成されています(Zhou, Fang, Xu, Ni, Shen, &Meng, 2020)。SARS-CoV-2のACE2膜受容体に結合する能力は、SARS-CoVよりはるかに強いです(Liuら, 020)。プロテインSはエンドソームプロテアーゼ(カテプシンまたはセリンプロテアーゼ2(TMPRSS2))によって加水分解され、膜融合を引き起こします。(Quiros Roldan, Basisotto, Magro, およびZanella, 2020)。治療薬としては、受容体とプロテアーゼ切断スパイクタンパク質の二つが標的となりえます(Zhouら, 2020)。宿主細胞と融合してから、RNAを細胞質に放ち、ウイルスRNAとエンベロープを作るタンパク質を生成するために、色々な分子メカニズムが関与しています。ウイルスの複製と増殖に関与する主なタンパク質として、パパイン様プロテアーゼ(PLpro)、キモトリプシン様プロテアーゼ(3CLpro)などのプロテアーゼは、最も重要なターゲットです。SARS-CoV-2、SARS-CoV、MERS-CoVはよく似ているので、植物成分の作用メカニズムは似ている可能性があります。

Covid-19のワクチンなどの有効な薬がないので、今のところ抗生物質や抗ウイルス薬、コルチコステロイドが使われてます。ハーブなど自然由来の薬剤も一種の解決策であり、実際、植物の抽出成分はコロナウイルスに対して使用できる活性化合物をたくさん含んでいます。

漢方薬に見出される抗ウイルス作用

漢方薬 Cibotium barometz(金毛狗脊(きんもうくせき);タカワラビ)、Gentiana scabra(竜胆(りゅうたん);リンドウ)、Dioscorea batatas(山薬(さんやく);長芋)、Cassia tora(決明子(ケツメイシ))、Taxillus chinensis(桑寄生)の抽出物は、SARS-CoV 複製を阻害することがわかりました(Wenら, 2011)。 SARSコロナウイルスの阻害については、200以上の中国の薬草の抽出物を調査しました。Vero E6細胞(アフリカミドリザルの腎臓上皮細胞;ワクチン研究などによく使われる細胞株)にSARSを感染させて、病原性効果(CPE)を誘発する試験を実施しました。Gentianae radix(GSH ゲンチアナ;リンドウ科)、Dioscoreae rhizoma(DBM 山薬(さんやく);ヤマノイモ)、Cassiae Semen(CTH 決明子(ケツメイシ))、Loranthi Ramus(TCH 桑寄生)、Rhizoma Cibotii(CBEorCBM タカワラビ)は25〜200μg / mlの濃度で、SARS-CoVの阻害効果を示しました。インデックス値(SI = 細胞増殖CC50 / ウイルス複製EC50)はそれぞれタカワラビ> 59.4、ゲンチアナ> 57.5、ヤマノイモ> 57.5、ケツメイシ> 62.1、桑寄生> 92.9でした。

Rhizoma Cibotii(タカワラビ)39μg/ mlとGentiana scabra(竜胆)44μg/ mlは、SARS-CoV 3CLproを最も有意に阻害しました。これは抽出物がSARSの薬や予防の候補としての可能性があるということです(Wenら, 2011)。

またアジアで薬として使われるTorreya nucifera(カヤ)葉のエタノール抽出物に含まれるビフラボノイドは、SARS-CoV 3CLproの複製を阻害したことがわかりました(Ryuら, 2010)。SARS-CoV 3CLpro阻害活性が100μg/ mlで62%と高いことがわかりました。蛍光共鳴エネルギー移動分析によって8つのジテルペノイドと4つのビフラボノイドを特定しました。ビフラボンアメントフラボン(IC50 = 8.3 µM)がウイルスに対して最も効果的でした。また、フラボン(アピゲニン280.8µM、ルテオリン20.2 µM、ケルセチン23.8 µMIC50値)の活性も調査しました。分子ドッキング研究による結合エネルギー値は、酵素テストの結果を裏付けました。ビフラボンは3CLpro阻害活性に影響を与えたため、より強い活性はフラボンのC-30位置でのアピゲニン部分の存在に関連していました(Ryuら, 2010).

Chowら(2016)は、Houttuynia cordata Thunb ドクダミ からケルセチン、ケルシトリン、ルチンを含む酢酸エチル抽出物の抗ウイルス活性をin vitroでマウスコロナウイルスとデング熱ウイルスを用いて評価しました。ウイルス中和試験でマウスコロナウイルスとデング熱ウイルスの効率と、C57BL / 6マウスでの急性経口毒性についてテストされました。結果、植物抽出物はウイルス感染を最大6日間抑制しました。ドクダミ抽出物の細胞毒性のない50%阻害濃度(IC50)はコロナウイルスでは0.98 mg / ml、デング熱では7.50 mg / mlでした。抽出物を2000 mg / kgまで与えられたマウスでも急性毒性は起こらず、臓器は組織学的に正常でした。著者らはケルセチンとクエルシトリンのフラボノイドの組み合わせの相乗効果があり、ドクダミがコロナやデング感染の抗ウイルス剤として大きな可能性を秘めていることを確認しました(Chiowら、2016)。

キムら(2019)の研究では中東呼吸器症候群 MERS-CoV 3コロナウイルスの阻害剤の可能性としてフラボノイドを調べました MERS-CoV 3は動物と人間の間で感染する人畜共通感染ウイルスで、高い死亡率を特徴とし、ワクチンも治療もありませんでした。あるフラボノイドの抗ウイルス活性はよく知られているため、著者はフラボノイドライブラリを使用し、MERS-CoV 3C様プロテアーゼ(3CLpro)を阻害する化合物を研究しました。

MERS-CoV 3CLproの酵素活性をブロックする成分
エルバセチン、イソババカルコン、ケルセチン3-β-d-グルコシド、ヘリクリステチン

研究者らは、蛍光ベースのトリプトファン法による4つのフラボノイドの結合に関するモデルテストを実施しました。その結果、フラボノールとカルコンはMERS-CoVの 3CLに結合しました。そしてコア構造に疎水性基または炭水化物基が結合したフラボノイド誘導体がウイルスを阻害することがわかりました。このフラボノイドはMERS-CoV 3CLpro阻害剤を開発するためのテンプレートとして使用できます(Joら, 2019)。

グエン他 (2012)はピキア酵母Pichia pastorisで発現したフラボノイドのSARSコロナウイルスに対する抑制を研究しました。7つのフラボノイド化合物での3CLproの阻害および速度論テストを実施しました。ケルセチン、エピガロカテキンガレート、ガラサチンガレートのIC50は、それぞれ73, 73, 47 µMでした。最も効果的だったのはガラサチンガレート(Ki 25±1.7 µM)の3CLpro活性部位(分子ドッキング実験)で結合エネルギーは-14 kcal / molでした。効率的な阻害活性には、ガロイル基が3-OH位に存在する必要があることがわかりました(Nguyenら, 2012)。

Lv ら (2020) は肺炎球菌Streptococcus pneumoniaeからマウスを守るニューモリシン阻害剤としてケルセチンを調べました。ニューモリシン(PLY)は膜孔形成毒素(膜に穴を開けて殺す毒)で、コレステロール依存性細胞溶解素ファミリー(CDC)に属する主な病原性決定因子であり、肺炎球菌感染症に見られます。抗生物質で細菌を殺した後に放出されるニューモリシンは、依然として宿主細胞にダメージを与える能力があります。最も効果的なのは、溶血素の活動を直接阻害する薬理学的治療です。溶血テストを使用して、ケルセチンがニューモリシン活性を阻害できることを確認しました。オリゴマー化アッセイを用いて、ニューモリシンをケルセチンが阻害するメカニズムを決定しました。ケルセチンはオリゴマー形成を阻害して、PLY誘発溶血活性と細胞毒性を有意に減らしました。さらに感染したマウスの生存率が上がりました。著者らはケルセチンは臨床肺炎球菌感染症の治療における新しい薬剤候補である可能性があると結論付けました(Lvら, 2020)。

Chongら(2012)は、SARS関連コロナウイルス(SCV)とC型肝炎ウイルス(HCV)に対する7-O-arylmethylquercetin誘導体の合成と抗ウイルス特性をテストしました。抗ウイルス剤のアリールジケト酸(ADK)は、芳香族アリールメチル置換基によって活性を高めます。天然フラボノイドのケルセチンは、ファーマコフォア3,5-ジヒドロキシクロモンが含まれています。これはADKの1,3-ジケト酸グループを含む生物学的等価化合物です。著者らはアリールメチル基-7-O-アリールメチルセルセチンを含むケルセチン誘導体の抗ウイルス活性をテストしたところ、SARS関連コロナウイルスに対して効果的でした(Parkら, 2012)。

Chen ら(2006)は、ケルセチン-3-β-ガラクトシドとその合成誘導体のSARS-CoV 3CLproへの結合を研究しました。ケルセチン-3-β-ガラクトシドは、分子ドッキング、SPR / FRETベースのバイオアッセイ、および突然変異誘発により、プロテアーゼ阻害剤として(結合により)重要な役割を果たすことがわかりました。著者らはケルセチン-3-β-ガラクトシドが抗SARS薬としての可能性があるが、標的酵素に対する阻害のメカニズムを理解するのにも役立つと報告しました(Chenら, 2006)。

チェら(2011)はケルセチン7-ラムノシド (Q7R)がウイルスによって起きる活性酸素種の独立した経路によってブタ流行性下痢ウイルスの複製を減らすことを示しました(Songら, 2011)。抗酸化作用に関係しないQ7Rフラボノイドの抗ウイルス効果は、ウイルスによる細胞変性テストCPE(CPE reduction test)によって確認されました。DNA断片の生成と感染によって起きた活性酸素種(ROS)は、DNA断片化テストとフローサイトメトリーによって調べられました。Q7Rによる流行性ブタ下痢ウイルスPEDV)の阻害作用は、抗酸化活性の結果としてではなく、PEDV感染に対してでした(Songら, 2011)。PEDVは豚の重い腸内病原性下痢の原因です。Q7RPEDV複製を50%阻害濃度(IC50)が0.014μg/ mlで阻害することがわかりました。Q7Rの50%細胞毒性(CC50)濃度は100μg/ mlで、治療指数は7142でした。Q7R、ケルセチン、アピゲニン、ルテオリン、カテキンの構造類似体も抗PEDV活性を示しました。抗ウイルス薬とリバビリン、インターフェロン、クマリン、タンニン酸などの天然化合物はQ7Rと比べると効果が比較的低いということです。Q7Rは他の抗ウイルス剤でも有効な化合物ということがわかりました(Choiら, 2009)。

ニワトコ Sambucus Formosana Nakaiの抽出物は、主にコーヒー酸、クロロゲン酸、没食子酸を含むフェノール酸成分の活性によって、強力な抗HCoV-NL63作用を示しました(ウェンら, 2019)。緑茶の主な成分である(+)-カテキンは、TGEV(伝染性胃腸炎ウイルス)に対して抗ウイルス活性を示します。これはウイルスの増殖、正確にはウイルス複製を log10を減少させます(Liangら, 2015)。緑茶は、主に(−)-エピガロカテキンガレート(EGCG)、(−)-エピガロカテキンガレート、(−)-エピカテキンガレート(−)-エピカテキン、(+)-カテキンなどのポリフェノールの存在により、抗ウイルス効果があります(Mahmoodら, 2016)。

ナノ粒子状のチャンチンToona sinensis Roem葉抽出物でもSARS-CoV阻害は証明されました。SARS-CoVの選択係数は12〜17でした。抽出物には、没食子酸メチル、没食子酸、ケルセチン、(+)-カテキン、(-)-エピカテキンなど多くの生理活性成分が含まれていました(Chenら, 2008)。
ドクダミ成分によるウイルスのRNA合成酵素
ドクダミHouttuynia cordata抽出物は、重度のコロナウイルス急性呼吸器症候群(SARS)において、3C様プロテアーゼ(3CLpro)とRNA依存性RNA合成酵素(RdRp)を阻害しました。〔seigoの補足:RdRpの阻害はアビガンと同じ作用ですね!〕
抗体のようにスパイクたんぱく質にくっついて感染予防する植物成分
Galla chinensis(ヌルデ;ゴバイシ (五倍子))、Veronica linariifolia (蔓菁)抽出物に含まれるフラボノイドは、SARSウイルスのスパイクタンパク質の表面にくっつき、ウイルスが細胞に侵入するのを妨ぐ可能性があります(Wang&Liu、2014)。

褐藻から抽出されたフロロタンニンは、ウイルスの複製に必要なSARS-CoV 3CLproの阻害効果を示します。特に、ダイエコールは高い結合係数と強い水素結合の形成で高い阻害活性(IC 50 = 2.7 µM)を示しました。これは分子ドッキングシミュレーションによっても示されました(Parkら, 013)。

中国の清肺排毒(qingfei payu;QPD)は免疫反応を緩和し、ウイルスによって起こる炎症を軽減することを示しました。中国医学は、炎症を軽減し、体を刺激して修復することにより、Covid-19疾患の症状を緩和できることも示されています(Ren、2020)。

Isatis indigotica(ホソバタイセイ)の根の水抽出物は、多くのフェノール化合物(μMレベルのインディゴ、シニグリン、アロエモジン、ヘスペレチン)が含まれており、抗SARS-CoV 3CLproを示しました。特にヘスペレチン(IC 50:8.3μM)、シニグリン(IC 50:217μM )は、この酵素の阻害剤の可能性があります。(Linら, 2005)。漢方薬に入っているテトラ-O-ガロロ-β-d-グルコース(TG​​G)とルテオリンは、SARS-CoVに有効であることが証明されています。TGGは選択インデックス240.0 での抗SARS-CoV(IC 50 4.5μM)活性がありました。(Yiら, 2004)。

Lycoris radiata(彼岸花)、Artemisia annua(クソ人参)、Pyrrosia lingua(ヒトツバ;セキイ( 石韋))、Lindera aggregata(テンダイウヤク;烏薬(ウヤク))は、2.4〜88.2 ng / mlの範囲で50%の有効濃度(EC 50)でSARS-CoVの抗ウイルス活性を示しています。特にテンダイウヤクは、主にリコリン成分(Liら, 2005)により、最高の有効性(EC 50 2.4μg/ ml、SI> 300)を示したため、抗ウイルス薬の優れた候補であることがわかりました。

Sophorae radix(苦参) 、Acanthopanacis(五加皮)の樹皮、Sanguisorbae radix(地楡)、Torilis(ヤブジラミ)の実の抽出物には抗ウイルス効果があり、50%の複製を阻害するのに必要な濃度は0.8〜3.7 µg / mlでした。この効果はRNA複製に必要なRNA依存性RNA合成酵素またはプロテアーゼ活性の阻害によって誘発されました(Kimら, 2010)。

同様に、ハーブのCimicifuga rhizomes(升麻(ショウマ))、Meliae bark(苦楝皮)、Coptidis rhizome(黄連(オウレン))、Phellodendron bark(黄柏( オウバク))もコロナウイルスの複製に影響します(Kimら, 2008)。
新型コロナのM proの阻害
Covid-19の薬における重要な側面は、主要なプロテアーゼ(M pro)阻害剤の発見でもあります。逐次マッチングにより、SARS-CoV-2 M proはSARS-CoV-1 M proと約96%の類似性を持つことが証明されています(Xuら, 2020)。違いは、12のタンパク質構築アミノ酸と結合部位のサイズにあり、SARS-CoV-2の場合はSARS-CoV-1の2倍です。異なるアミノ酸の1つ(Ser 46)がCys44-Pro52ループ上にあり、結合部位の空洞を取り囲んでいることも注目に値します(Bzowkaら, 2020)。Mpro阻害剤を特定するために、Pharmit(N3 / SARS-CoV-2 M pro)およびMarine Natural Product(MNP)ライブラリデータを使用してシミュレーションを行い、17のSARS-CoV-2 M プロ阻害剤が同定されました。M proの阻害は、フロロン酸塩、フラボノイド、疑ペプチドのグループの化合物でした。ウイルスの最も有望な阻害剤は、褐藻Sergassum spinuligerumのフロログルシン(1,3,5-トリヒドロキシベンゼン)のオリゴマーであることがわかりました。次に、SARS-CoV-2の最も活性な阻害剤は、褐藻Ecklonia cavaから単離されたフロロタンニングループ(8,8′-バイエコール、6,6′-バイエコール、ダイエコール)です。シミュレーションは、植物成分がSARS-CoV-2 M pro阻害剤のソースであり、Covid-19の増殖を抑制する可能性があることを示しています(Gentileら, 2020)。
ドングリの思わぬ健康効果
ブナ科コナラの木の果実であるドングリは、食品や栄養価の高い食料です。アメリカのインドのポモコミュニティでは、ドングリのスープやダンプリンなどでドングリを食べます(Meyersら, 2007)。どんぐりは抗菌性、抗潰瘍性、抗蠕虫性、抗炎症性、抗酸化性があり、痔、糖尿病、腎臓結石の民間療法の治療薬です。特有の香りがあり、Eichel Kaffe(ドングリコーヒー)というハーブコーヒーにもなります(Gezici & Sekeroglu、2019)。現在ドングリは、コーヒーのような風味を持ちながら、カフェインやグルテンを含まないコーヒードリンクパウダーを作るために使用されています(Coelhoら, 2018)。

石田ら(2015)によって示されるように、ドングリの水とメタノール抽出物は高濃度の没食子酸とその誘導体が含まれています。これはどんぐりコーヒーの高濃度のポリフェノールと抗酸化活性を説明しています。Szymczycha-Madeja(2015)によるどんぐりコーヒーの研究では、最も高い抗酸化活性を示しました。DPPHフリーラジカルの捕捉で得られたEC50値は、朝鮮人参は0.063、ドングリコーヒーは0.066 mg dm / mlでした(Samsonowicz、Regulska、Karpowicz、およびLeśniewska、2019)。主にエラグ酸(フェノール化合物)が抗酸化能、抗変異原性があります。主な脂肪酸はエステル化脂質でした:オレイン酸、リノール酸、パルミチン酸、オレイン酸とリノール酸を含み熱処理で減少しました。どんぐりは遺伝毒性または細胞毒性を起こさないことが実証されています。エラグ酸と没食子酸エピカテキン (—) も検出され、エピカテキンガレートと没食子酸のレベルは熱処理で減少したことを示しました(Coelhoら, 2018)。

生理活性物質と抗ウイルス作用をまとめた表

植物成分とそれがどの種類のウイルスに有効かまとめたリストです(参考文献付き)。

見やすいようにPDF書類にしますので、それを開けるには下の緑のボタンをクリック/タップして下さい。

生理活性物質と抗ウイルス作用の表の一部(表全体を見るには下のボタンをクリック/タップすると表示されます)

表全体を見る(PDF書類)


 原著論文

🔵 オープンアクセス(論文の全てのページが無料で読めます) : Phytochemicals containing biologically active polyphenols as an effective agent against Covid-19-inducing coronavirus
Journal of Functional Foods, Volume 73, October 2020  PDF書類

seigoの追記

このレビュー論文は2020年の10月頃に発表されましたが、日本でも奈良県立医科大学がカテキン(緑茶や紅茶)が新型コロナを抑制するという研究発表をしましたね。

このレビュー論文や奈良の研究発表を知って、やはり日本は古くから緑茶や海藻に恵まれていて素晴らしいなぁと感じました。
そのため他の国よりも感染率や死亡率が低いのでしょう。
ただしこれまで日本では感染症が何回も流行し、その犠牲の上にこのような食習慣ができたことが大きいのだろうと感じます。

奈良の大仏を建てたり、天皇による神事が多かったり、昔には見えないウイルスをどうしたら対処できるかの長い苦悩の時代が続いたのでしょう。

私たちは、その先人達の苦労の上に今の日本が成り立っていて、外国よりも良い環境に置かれていることを感謝せずにはおれません。

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