オキシトシン(幸せホルモン)スプレーでアルコール依存症が治る!? (2019年最新論文 )

ニュース/レビュー

今回はオキシトシンはアルコール依存症の治療に役立つかもしれないという報告です。

米国国立薬物乱用研究所のプレスリリースを翻訳したものをご紹介します。

またこの原著論文はオープンアクセスなので全文を無料で閲覧できます。
(※ 最近はGoogle翻訳の性能が上がってきておりますので和訳すればなんとか意味が分かりますよ 😀)

ニュースタイトル「オキシトシンはアルコール依存症の治療に役立つ」

オキシトシンは、アルコール依存症におけるアルコールへの誘惑を止めさせ、中扁桃体のGABA作動性伝達に対するアルコールの影響をブロックします。

オキシトシンの構造(出典:Wikimedia Commons, By MindZiperOwn work, CC0, Link )


科学者たちが手掌するオープンアクセスジャーナルPLOS Biologyの 4月16日号に発表された国立衛生研究所のタンストール(Tunstall)博士、クーブ(Koob)博士、ヴェンドラスコロ(Vendruscolo)博士およびスクリップス研究所(Scripps Research Institute)のキルソン(Kirson)博士、ロベルト(Roberto)博士たちの研究によれば、ニューロペプチドオキシトシン」(Oxytocinはアルコール依存性ラットの飲酒促進をやめさせました。オキシトシン系を標的とすることによって、アルコール使用障害の治療に革新的な医薬品の役立つ機会を提供するかもしれない、研究者らは指摘しています。

オキシトシンを投与することは、いくつかの乱用薬物に関連する消費、離脱症状、および薬物探索行動を減少させることを可能とし、これは薬物中毒を治療するための薬理学的アプローチとしての可能性を示すものです。しかし先ずは、オキシトシンが動物モデルにおいてこれらの効果をどのように関係するかを解明する必要があります。

タンストール博士らはこの問題に取り組むべく、オキシトシン投与はアルコール依存症で起こる不適当な脳の変化を正常化し、それによって確立されたアルコール依存症のラットモデルでの飲酒を減らすことができるという仮説を検証しました。



イメージ画像(出典:Gerd AltmannによるPixabayからの画像)

研究者らは、依存症によって引き起こされるアルコール消費に対するオキシトシンの効果と、扁桃体の中心核CeA)における抑制性神経伝達物質GABAのシグナル伝達の変化 ― アルコール依存によって影響を受けるネットワーク上の重要な脳領域を調べました。

この実験は、①全身的に、②鼻腔内にあるいは③脳内に投与されたオキシトシンが、アルコール依存症のラットでは過剰な飲酒を阻止したが、正常ラットでは阻止しなかったことを証明しました。さらに、オキシトシンCeA中のGABAシグナル伝達を遮断しました。これらの結果はまとめると、オキシトシンがCeA-GABA伝達を変化させることによって飲酒の増強をブロックする可能性が高いという証拠を提供するものです。

これらの結果は、オキシトシン系の異常がアルコール使用障害の根底にあって、オキシトシン系の鼻腔内投与に的を絞ることによって、アルコールを誤用する人々におそらくは有望な治療法であることを証明する証拠を提供するものです。


引用ニュース

🔵 :Oxytocin blocks enhanced motivation for alcohol in alcohol dependence and blocks alcohol effects on GABAergic transmission in the central amygdala.The National Institute on Drug Abuse )

🔵 :Oxytocin blocks enhanced motivation for alcohol in alcohol dependence and blocks alcohol effects on GABAergic transmission in the central amygdala.
(PLoS Biol, 17 (4), pp. e2006421, 2019 )

Seigoの追記

オキシトシンは幸せを感じる時などに分泌されるホルモンとして有名ですが、今回の研究は外からオキシトシンを加えることによってアルコール性依存症の症状をブロックすることが(ラットで)できるという驚きの発表がなされました(人ではまだ試していない)。

3月に書いたオキシトシンの記事では、オキシトシンを受け取る受容体のタイプによっては、すごく幸福度を感じだり(GG型)、逆にネガティブ思考に陥ってしまうタイプがあるという論文を紹介しました。オキシトシンが放出が盛んでも受容体のタイプによって全く異なる結果を生んでしまうことが明らかにされました。

> オキシトシン-幸せを感じるホルモンは受容体の種類によって幸福度が変わる!?【2019年最新論文】2019.03.04

また去年の記事では、オキシトシンの分泌を促す方法を10個掲載させていただきました。

> オキシトシン(幸せホルモン)を科学的に分泌させる10の方法/ベストアロマもご紹介 2018.08.17

それでは、皆さんもオキシトシンを上手にコントロールして、ますますハッピーになってしまいましょう。
Seigo

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