活性型ビタミンDが多い人はあの腸内細菌が多かったことが判明!【最新研究】やっぱり腸内細菌が大事じゃねーかシリーズ第13弾

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投稿日:2021年1月6日、更新日:2021年7月20日

ビタミンDを利用するには活性型ビタミンに変換しなければなりません。

その活性化には実は腸内細菌の種類が大切であることが見出されました。

いくらサプリをとってもこの活性型ビタミンDに変換されなければ、意味がないともこの報告では言っています。

プレスリリースが英語で発表されましたので、それを和訳して要約しておきます。

腸内細菌の種類と活性型ビタミンDの量に関係があることが明らかに!

カリフォルニア大学サンディエゴ校の研究者は、年配の男性の腸内フローラの種類が、通常のビタミンD(前駆体)はなく、活性型ビタミンDのレベルと関連していることを見出しました。〔Nature Communications (ネイチャー・コミュニケーションズ) 2020年11月26日〕

ビタミンDはいくつかのフォームがありますが、普通の血液検査では体が保存できる不活性な前駆体を検出しています。ビタミンDを体が利用するためには前駆体を活性型に変換する必要があります。

UCサンディエゴ骨粗鬆症クリニックのディレクターであるデボラ・カド氏はこう述べます。「腸内細菌叢の多様性が増すと、一般的に健康状態が良くなると考えられています。」

カド氏は、2000年に始まった大規模な多数の施設で取り組む米国国立老化研究所の男性骨粗鬆症性骨折の研究グループMrOS)の研究を主導しました。彼女はカリフォルニア大学サンディエゴ校マイクロバイオームイノベーションのロブ・ナイトセンター長、同大医学部内分泌学部門で共同筆頭著者のロバート・L.トーマスMD, PhD、Herbert Wertheim 公衆衛生および人長寿科学部の生物統計学プログラムの大学院生であるSerene Lingjing Jiangと共同研究しました。

複数の研究から、ビタミンDが少ない人はガンや心臓病、COVID-19感染症、その他の病気のリスクが高いことが示唆されています。
ですが、25,000人以上の成人を対象とした最大のランダム化臨床試験で、ビタミンDサプリの摂取は心臓病やがん、骨などの健康に影響を及ぼさないと結論付けています。

「私たちの研究は今までの研究が活性ホルモンではなく、ビタミンD前駆体だけを測定していたにすぎないことを示唆しています。
ビタミンDの形成と分化速度を測定することは、健康問題のより良い指標であり、どんな人がビタミンDの補給に最もよく反応するかです。」 とカド氏は述べました。

チームはMrOSに参加した567人の男性の便と血液サンプルを分析しました。参加者は米国の6つの都市に住み、平均年齢は84歳、ほとんどの人が健康状態が良好または優れていると報告されています。研究者らは16s rRNAシーケンスという手法(腸内フローラの種類を調べる方法)を用い、特異的な遺伝的識別に基づいて各便サンプル中の細菌の種類を特定し定量化しました。またLC-MSMSという方法で参加者の血清中のビタミンD代謝物(前駆体、活性ホルモン、分解生成物)を定量化しました。

研究者らは活性型ビタミンDと腸内フローラ全体の多様性との関連を発見し、さらに腸壁を健康に保つのに有益な脂肪酸の酪酸塩を作る12種類の細菌が、多くの活性型ビタミンDを含む男性の腸内フローラに頻繁に現れることにも注目しました。

「腸内フローラは非常に複雑で、人によって様々です」とJiang氏は述べます。「私たちが相関を見つけた場合、通常これほど明確ではありません。」

調査対象の男性は米国のさまざまな所に住んでいるので、ビタミンDの供給源である日光の量が違います。予想どおりカリフォルニア州サンディエゴに住んでいた男性が最も多くの日光を浴びており、ビタミンDの前駆体が最も多かったです。

しかし予想外にも、居住地と活性型ビタミンDホルモンのレベルに相関関係はありませんでした。

「日光やサプリメントからどれだけのビタミンDを摂っても、体がどれだけ保存できるかは問題ではないようです」とカド氏は言いました。「活性型ビタミンDにどれだけ変換できるかが重要なのです。おそらくそれが健康におけるビタミンの役割をより正確に把握するために測定する必要があります。」

カド氏はこの研究は参加者のビタミンDの状態は便中の微生物の種類と密接な関連があり、これらの要因は人の住む環境や食事、睡眠習慣、投薬などによって時間とともに変動する可能性があると指摘しました。

プレスリリース & 原著論文

🔵 プレスリリースStudy Reveals Connection Between Gut Bacteria and Vitamin D Levels (University of California San Diego) November 30, 2020

🔵 原著論文オープンアクセス, 論文が全文が無料で読める):Vitamin D metabolites and the gut microbiome in older men
Nature Communications volume 11, Article number: 5997 (2020) 26 November 2020

seigoの追記

ビタミンDの活性化に関わっている腸内細菌が存在していることが分かり、その種類が発表されました!

活性型ビタミンDレベルが高い人では、12種類の腸内細菌の割合が高いことも明らかになりました。

活性型ビタミンDの多い人が特に多く持っていた腸内細菌の種類(原著論文、表2より)


それら12種類の細菌のほとんどは酪酸という脂肪酸を生成しており、酸酪は腸の内壁を保護する働きを持つことが知られています。

細菌の種類はFirmicutes Lentisphaerae 門に属した腸内細菌が多い事が判明したのです!

ビタミンDの活性型は体内ではどこで出来るかを調べてみますと腎臓でした。

日光をあびて生成したビタミンD前駆体は肝臓を経由して腎臓で活性型となります。(出典:DSM.com, 図3に日本語を付加)


ビタミンDを活性する酵素は腎臓にありますので、その腸内細菌が何らかの影響を与えている可能性があるわけです。

酪酸菌といえばミヤリサン

ところで私たちが酪酸菌と聞いて一番身近な存在はミヤリサン (酪酸菌) というサプリです。。

そのミヤリサンはどんな分類名がついているか調べてみました。
ミヤリサン(酪酸菌)の分類
フィルミクテス門 ( Firmicutes ), クロストリジウム綱 ( Clostridia ), クロストリジウム目( Clostridiales ), クロストリジウム科( Clostridiaceae ), クロストリジウム属( Clostridium )
学名クロストリジウム・ブチリカム ( Clostridium butyricum )

上記で発見されたビタミンDの活性型を多く持つ人の腸内細菌とほとんど同じ種類であることが分かります。

ミヤリサンは腸の調子を整えるとてもよいサプリでしたが、実はビタミンDの活性化をとして活躍していてくれたのですね!

素晴らしい情報です。

それでは皆さん、腸内細菌を上手く利用して、ビタミンDの量をコントロールし、ウイルスに打ち勝っていきましょう!

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