若返り物質NMNを細胞へ10分で運んでしまうトランスポーターが発見された!【最新論文紹介】

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今回は若返りの薬とも言われ話題になったNMN(βニコチンアミドモノヌクレオチド)ですが、そのNMNの新しいトランスポーターが発見されたという記事の訳です。
(ちょっと和訳しづらいところもありましたのがご容赦下さい)

細胞への新しい燃料運搬ルートの発見

January 7, 2019 by Julia Evangelou Strait, Washington University School of Medicine

ワシントン大学(in セントルイス)の科学者は今までわからなかった細胞内の燃料を運ぶルートを特定しました。老化や加齢とともに起こる慢性病の解明に役立つかもしれません。

細胞は加齢とともに燃料を運び込んで処理する能力をだんだん失います。
燃料を満たせない細胞は、適切な機能を発揮できません。

研究者は必然的な時間の経過による有害な作用をなんとかしようと、年取った細胞にエネルギーを供給する方法を探そうとしています。

細胞の燃料供給の重要なキーとなるのは、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)という分子です。
過去の研究では、NADレベルが年齢と共に全身の組織で減りました。
細胞がNADを作る方法の一つとして、ニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)という前駆体の分子から始まるのがあります。
NMNは枝豆、ブロッコリー、キャベツ、キュウリ、アボカドなどの食品に含まれています。
しかし、NMNがどのように細胞内に入り込んで、NADになるるかは長い間ナゾでした。

エネルギーの源:ミトコンドリア(by acworks/写真AC)

今井眞一郎教授のNMNに輸送に関する新しい発見

今回、発生生物学の今井眞一郎教授が率いる研究チームは、細胞内の燃料生産に使うNMNを細胞内に直接輸送することに関与するタンパク質を同定しました。
このタンパク質はNMNを細胞内に移動させるだけでなく、素早く輸送します。
この研究は、1月7日にNature Metabolism誌の創刊号に掲載されました。

彼らはNMNが腸から血流を通して全身の組織へと旅する速さを測って、NMNが細胞内に入る直接経路があると長い間予測していました。
マウスでは、その旅はほんの数分で起こります。
細胞が取り込んで、別の形に変換するような複雑な生化学反応の時間はないと感じていました。

「NMNを組織へ迅速に取り込むために、NMNを細胞内に直接移動させるような特定のトランスポーターがなければならないと推測しました。」

ファーストオーサーのAlessia Grozio博士が率いる研究者らは細胞とマウスで複数の実験を行い、Slc12a8と呼ばれるタンパク質が謎のトランスポーターであることを確認しました。
Slc12a8が細胞内にNMNを輸送するためにナトリウムイオンを必要とすることを示しました。

さらに興味深いことに、NADの量が減るとSlc12a8遺伝子の発現は増えました。
Grozio博士は細胞内のNADレベルを下げてからNMNを補ってみると、細胞内で作られたNADは期待した量を上回りました。

これは細胞がNADの喪失を無抵抗に受け入れるだけではないことを示しています。
NMNトランスポーターの量を増やすことによって燃料供給を維持し、それによってNADを作るのに必要な原料を細胞に取り込む能力を高めます。
つまり年取った細胞はある程度は燃料補うことができます。
細胞内のNADが低下すると、細胞はより多くのNMNトランスポーターを作り、持ち込むNMNの量を増やします。

今井教授とGrozio博士はNMNとそのトランスポーターの相互作用の重要性を指摘しました。
たとえばトランスポーターがうまく機能していなければ、NMNを与えるだけでは不十分かもしれません。
NMNを補うのとSlc12a8(NMNトランスポーター)の機能を高めることで、年齢と共に細胞エネルギーレベルを維持するのを助ける治療において役に立つと見ています。

今井研究室での過去の研究として、年取ったマウスにNMNを与えると骨格筋、肝機能、骨密度、眼機能、インスリン感受性、免疫機能、体重および活動レベルで、全身の代謝に良い効果があることを示しました。
また、NMNを補給するといいのは年老いたマウスにのみであることを見出しました。
若く健康なマウスでも十分なNADを作るするのに問題はないようです。

「重要なのは、NMNを投与することとともに細胞内へのNMNの輸送を良くすることの組み合わせです。」と今井教授は述べました。
「加齢でNAD生産に障害が発生します。体は時間の経過とともにNADを作る能力を失っていきます。
同時に恐らくは慢性の炎症によってより多くのNADを燃焼させ始めるようです。
もしNMNを与えて細胞内への輸送を助けることができれば、障害を回避する方法になるかもしれません。」

このことを念頭に、今井研究室ではすでにNMNトランスポーターの機能を増強する小分子を同定しました。
この技術はワシントン大学の技術管理局と協力し「帝人」と呼ばれる会社に認可されました。
そして、老化の慢性疾患をターゲットとする新しい治療に取り組んでいます。
医学部では、高齢者に対するNMNの効果を調査する臨床試験も進行中です。

元記事(英文)

Scientists identify new fuel-delivery route for cells – Findings shed light on chronic diseases, aging.
by Julia Evangelou Strait, January 7, 2019


学術論文(英文、無料で全文が購読可能)

Slc12a8 is a nicotinamide mononucleotide ransporter
nature metabolism (2019)


Seigoの追記

NMNはビタミンB3からつくられる物質でエネルギー代謝に必要なNADになる前の物質です。
若返り物質の候補ですね。

NADは人で言えば60歳が30歳まで若返ったというハーバード大のマウスの研究結果がありました。
ミトコンドリアを元気にすることは若返りの秘訣でもあるのでしょう。

この研究で分かったのは腸から血液を通して10分でSlc12a8というトランスポーターが運んでくれるということです。今までは別の物質に変換されてから運ばれて再変換されるという1日はかかるような方法だされていました。
それからNMNをサプリとして摂るだけでなく、この新しいトランスポーターも活性化させるとより効果的だろうと期待されてます。
Slc12a8遺伝子は乾癬と関係があるそうですよ。それとすい臓がんと乳がん患者が改善するとSlc12a8遺伝子の発現が上がるらしいです。

日本で売っているNMNサプリはL.A.のジョー先生のキネシオロジーで調べていただいたら原材料の何かが自分と合わないと出たので飲んでいませんでした。でもNMN自体は体に合うそうなのでアメリカのAmazonで売っているもっと安いですが品質の良いもの(50ドルくらい)を摂っていたことがあります。まぁ、特に体調に変化が出たというわけでもなく、もっと年取ってからとったほうが効果がよくでるのかな?

NMNを含むサプリメント【楽天】

 

NADが増えるとサーチュイン遺伝子が活性化するらしいので、レスベラトロールを配合したサプリも販売されているようです。

ともあれNADやNMNはミトコンドリアを元気にしてくれて、今後さらなるアンチエイジングの発展に期待しています。

NMNの前駆体の入ったサプリ【iHerb】

Thorne Research, ナイアセル、ニコチンアミドリボシド*、カプセル60粒
(アイハーブのエネルギーフォーミュラ部門1位)

※ ニコチンアミドリボシドはNMNの前駆体

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