アトピー性皮膚炎の治療に?健常な人の皮膚からの善玉菌をスプレーで改善という報告
健常な人の皮膚に存在する菌をアトピー性皮膚炎の患部にスプレーする治療法がJCI Insight.というジャーナルで発表されました。
本日はそのデータの要約を速報致します。
方法:健常者の皮膚からとった菌を患者さんにスプレーする
アトピー性皮膚炎の患者さんの皮膚は悪玉菌の黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)が多く、炎症やバリア機能の破綻に関わっています。
研究では、健常な人の皮膚からとったグラム陰性菌である R. mucosa(Roseomonas mucosa)をアトピー性皮膚炎の患者さんの皮膚にスプレーしました。
結果
週に2回6週間スプレーで大人10人のアトピー患者 → 6人症状が軽減(60%に良い効果)
12週間、週に2回の後4週間1日おき、症状のある箇所にスプレーで
9~14歳位の5人→4人症状が軽減(80%に良い効果)
いずれも皮疹などが50%以上軽くなりました。
子供では黄色ブドウ球菌が減りました。
副作用や合併症は特にありませんでした。
この治療法の後、ステロイドの量を減らせたというケースもありました。
また今回の研究でスキンケア用品に入っているパラベンなどの防腐剤が善玉菌 R. mucosa の成長を邪魔することもわかりました。
Seigoの追記
防腐剤でいい菌を殺してしまうと皮膚の状態は悪くなるかもしれないので、防腐剤の入っていないものを選んだほうが良いようです。今は抗菌剤であふれていますので生活スタイルの変更が必要です!
皮膚の常在菌のバランスが崩れて悪玉菌が増えると、皮膚が乾燥したり炎症を起こしたりするのだそうです。
この研究を参考に将来、常在菌のバランスをよくする新しい治療法が開発できるかもしれません。
アトピーのマウスモデルの実験では、健常な皮膚からとった R. mucosa は改善しますが、アトピーの皮膚から採取した R. mucosa では悪化する場合もあるそうです。菌株が違っているのか、機能が変わってしまっているのか興味深いところです。
ところでニュースのタイトルで移植とあり、皮膚移植みたいなものかと思ってちょっとびっくりしました。単にスプレーするだけですね。
Seigo
引用論文:(この論文は無料で読むことができます😄 ↓)
🔵 First-in-human topical microbiome transplantation with Roseomonas mucosa for atopic dermatitis
JCI Insight. 2018 May 3; 3(9)
Ian A. Myles et al.
🔵 アトピーの最新治療、健康な皮膚の「常在菌」を移植 (ダイヤモンド社)
20余年アメリカで遺伝子治療&幹細胞の研究者をやってきました。
特に遺伝病の間違った遺伝子をピンポイントで修復し、元に戻す技術開発です。
理学博士(Ph.D. )
アメリカ生活で学んだアンチエイジングなど健康に関する知識をシェアしたいと思います。
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