キノコでがんを予防する仕組み/有害物質を浄化できる5つの理由

ニュース/レビュー

今回はEcoWatchにキノコが有害物質を浄化する仕組みがグラフィカルな図と共に発表されましたので、それを和訳してみました。

がんの原因物質を分解する仕組みは❷番に出てきます。

ご参考までに。

『キノコが有害物質を浄化する仕組み』EcoWatch

英文記事執筆者:By Tracy Matsue Loeffelholz(YES! Magazine)

キノコは、マイコレメディエーションmyco-remediation; 菌類による毒の吸収分解除去)と呼ばれるプロセスで、土壌から有毒な化学物質 ― 同様に水から金属 ― を、その菌糸体を介して除去することができます。

研究者によれば、キノコは細菌や植物よりも効率的な物質分解媒体であり、世界的に石油の流出汚染を浄化する目的に使用されていると言われています。

以下にキノコの代表的な汚染を浄化する5つの方法を図と共にご説明します。


キノコが有害物質を浄化する仕組み❶〜❸〔画像をクリック/タップすると拡大できます〕(出典:EcoWatch.com)By Tracy Matsue Loeffelholz




❶ 菌類は何でも食べつくす – 菌類はほとんどの環境において主要な物質分解媒体です。菌類には炭化水素および他の有機化学薬品を分解するための独特なツールが発達しています。

❷ それは酵素 – 科学者たちは、キノコを形成する組織に120以上の酵素を同定しています。これら酵素は、 がんの原因となる油分中に見つかる炭化水素を含む有毒な化学物質を分解することができます。

❸ それは地中で – それは地中で菌糸体 (真菌の地下部分)は、低分子量の炭化水素を、高分子のものよりも良く消化します。菌糸体は徐々に重い炭化水素を、人や環境に害の少ない軽量の化合物に分解して、繰り返し真菌処理を行うことにより油の毒素を無毒にすることができます。


キノコが有害物質を浄化する仕組み❹〜❺〔画像をクリック/タップすると拡大できます〕(出典:EcoWatch.com)By Tracy Matsue Loeffelholz



❹ キノコは地域に適応 – ネイティブキノコ種は、各地に根付いて有毒な汚染を浄化するに最高の役割を果たします。

❺ コンポスの併用ヒラタケの菌糸体は、木材チップや堆肥と混合するとはるかに効果的に炭化水素を分解します。研究者は、塩水環境で油分を食べるヒラタケ株を発見しました。この菌糸は海水に浸したワラに繁殖します。


キノコが有害物質を浄化する仕組み❻〔画像をクリック/タップすると拡大できます〕(出典:EcoWatch.com)By Tracy Matsue Loeffelholz



❻ 健康な土壌 – あるテストで、研究者はヒラタケディーゼルで汚染された土壌に植菌したところ、その後16週間で、汚染物質または炭化水素が100万当たり 10,000パーツだったのが100万当たり僅か200パーツに減少したことを発見しました。この改良された土壌は、高速道路沿いの植栽用に使用が承認されたほどにクリーンでした。

⭐️⭐️⭐️ 翻訳ここまで ⭐️⭐️⭐️

引用:Infographic: How Mushrooms Clean Up Toxic Messes , YES! Magazine
Apr. 14, 2019 【EcoWatch

Seigoの追記

キノコは体に良いのはみなさんご存じかと思われますが、こうしてメリットをはっきり並べられると改めてそのすごさを思い知らされます。

1つの食品を細かく分解して解説を加えると、さらに理解が深まっていいですね。

キノコのがん予防効果に関する論文

このサイト(究極のヘルシーライフ)は科学的に証明された情報と共に素晴らしい情報をお伝えするのが恒例となっていますが、今回のレビューでは参考文献が付与されてなかったので、2件ほど加えさせていただきます。

(1)上記の❷番目に「がんの原因となる炭化水素を分解することできる」とありましたが、私はその事実を知らなかったので、そういう論文があるかどうか調べみましたら2016年の論文が1本見つかりました。

🔵 ヒラタケの成分が多環芳香族炭化水素分解するという論文です。

Pleurotus ostreatus spent mushroom substrate for the degradation of polycyclic aromatic hydrocarbons: The case study of a pilot dynamic biopile for the decontamination of a historically contaminated soil.
Journal of Chemical Technology & Biotechnology 91(6), DOI: 10.1002/jctb.4936
Simona Di Gregorio, Simone Becarelli, ・・・Mara Rúbia de Lima e Silva, Roberto Lorenzi

🔵 抗がん治療薬としてのきのこのレビュー

Recent developments in mushrooms as anti-cancer therapeutics: a review.
3 Biotech. 2012 Mar;2(1):1-15. Epub 2011 Nov 25.
Seema Patel and Arun Goyal

日本のキノコは放射能汚染に注意

キノコで注意すべき点は、東北地方や関東地方そして新潟で放射性物質が100ベクレル以上のきのこ類が未だに検出されていることです(2018年2019年)。

キノコは土壌の放射能を吸い取って、蓄えてくれる貴重な存在なのでしょうか?
ナウシカに出てくる腐海の森みたいに・・・

せっかく放射性物質を吸って集めてくれているのですから、それを人間はうまく利用しなくてはいけないのかもしれませんね。

キノコ関連の書籍

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