お腹の張りの解消には即効薬より体に優しいハーブティーはいかが? ベスト8〔科学的根拠・論文引用あり〕

ニュース/レビュー

今回は「お腹の張りを解消するハーブティー8種」Healthlineの記事を、研究論文の引用と共にお伝えしていきます。

HealthLineというサイトからのレビュー記事は英文なので、それを翻訳したものです。

以下の訳文のカッコ内の数字研究論文などの英語の参考文献のリンクです。参考文献が情報の信頼度を上げすので、情報をもっと知りたい方はご参照下さい。
→ 最近はGoogle翻訳性能が良くなって結構わかりやすいので(完璧ではないですが)ご活用下さい。(Google翻訳はこちら

ニュースタイトル「お腹の張りを解消するハーブティー8種」

お腹をいたわる(出典:silviaritaによるPixabayからの画像)

英文執筆者:Marsha McCulloch, MS, RD

お腹に時々晴れたような感じで不愉快でも、あなたは一人ではありません。お腹の張りは20〜30%の人に影響を与えています (1)。

食べ物が合わない、腸にガスが溜まっている、腸内細菌のバランスが悪い、潰瘍、便秘、寄生虫感染など多くの原因でお腹が張るかもしれません(1, 2, 3, 4)。

昔からハーブティなどの自然な方法がお腹の張りを和らげるために用いられてきました。予備研究では数種類のハーブティがこの不快な状態を和らげてくれるかもしれないと示しています (5)。

以下がお腹の張りを解消してくれる8つのハーブティです。

1. ペパーミント

伝統医学では、ペパーミント(Mentha piperita)は消化器系の問題を和らげてくれるということで広く知られています。それはスーッとさわやかな風味です (6, 7)。

試験管および動物を用いた研究で、ペパーミントにあるフラボノイドと呼ばれる植物成分が肥満細胞の活性を抑制するかもしれないことを示しています。これは免疫系の細胞で腸に多く、お腹の張りに関係することがあります (7, 8)。

また動物の研究は、ペパーミントは腸を緩め、腸のけいれんやそれに伴う張りと痛みを和らげることを示しています (7)。
さらに、ペパーミントオイルのカプセルは腹痛、張り、その他の胃腸の症状が軽減するかもしれません(9)

ペパーミントティのお腹の張りに関するテストはされていません。しかしある研究ではティーバッグ1個が、1回分のペパーミントの葉のカプセルの6倍のペパーミントオイルを含むことがわかっています。ですからペパーミントティはかなり有力かもしれません(10)。
ペパーミントしか入っていないティーが買えますが、胃を楽にするように処方されたブレンドティーもあります。

ペパーミントティを作るには、大さじ1杯(1.5グラム)の乾燥させたペパーミントの葉、ティーバッグ1袋、または大さじ3杯(17グラム)の生のペパーミントの葉を1カップ(240 ml)のお湯に入れます。10分待ってから注ぎましょう。

要点
試験管、動物、および人での研究から、ペパーミントのフラボノイドと油がお腹の張りを緩和することが示されています。またペパーミントティも同様の効果があります。

試験管、動物、および人での研究から、ペパーミントのフラボノイドと油がお腹の張りを緩和することが示されています。またペパーミントティも同様の効果があります。

(seigo補足 ペパーミントは殺菌作用が強いので、ガスをたくさん出す悪玉菌を減らしてくれるのでいいということもあるかもしれません。)

2. レモンバーム

レモンバーム(ミントの葉と似ています)(出典:congerdesignによるPixabayからの画像)


レモンバーム(Melissa officinalis)ティはミントの仲間なので、ミントの風味にレモンの香りと風味があります。

欧州医薬品庁(European Medicines Agency)は、レモンバームティがその昔ながらの使い方に基づいて、お腹の張りやガスなど消化にかかわる軽い不調を緩和するかもしれないと指摘しています (11, 12)。
レモンバームは、イベロガストという9種類のハーブエキスでできた消化のための液状サプリのキーとなる成分で、北アメリカ、ヨーロッパ、その他の地域やオンラインでも購入が可能です。

いくつかの人での研究によると、腹痛、便秘、その他の胃腸症状を軽くするかもしれません (13, 14, 15, 16)。
しかし、レモンバームやレモンバームティは単独では人々での胃腸の問題への効果について調べられていません。更なる研究が必要です。

このハーブティの作り方は、大さじ1杯(3グラム)の乾燥レモンバームの葉 ― またはティーバッグ1包 ― を1カップのお湯(240 ml)に10分間浸します。

要点
昔からレモンバームティはお腹の張りとガス対策に使われてきました。またレモンバームは胃腸の問題に効果的であることが明らかな液体サプリの9種のハーブのうちの1種です。腸への効能を確認するためにレモンバームティは人での研究が必要です。


3. よもぎ(蓬生)

よもぎ(Artemisia absinthium)は緑の葉っぱのハーブで苦いお茶になります。それはだんだん好きになる味ですが、レモンジュースと蜂蜜で風味を柔らかくすることができます。

よもぎは苦いので、苦い消化剤(digestive bitter:苦味が胃液や唾液の分泌を促し消化をよくする)として使われることがあります。これらは消化に効くとされる苦いハーブやスパイスで作られたサプリメントです (17)。

人の研究で、1グラムの乾燥したよもぎのカプセルは、上腹部の消化不良や不快感を予防または軽減するかもしれないと示しています。このハーブは消化液の分泌を促し、健康的な消化を最大限に高めてお腹の張り和らげてくれる可能性があります(17)。

動物や試験管での研究はよもぎは寄生虫を殺すかもしれないと報告されています (18)。
ただし、よもぎ茶でのお腹の張りへの効果についてはテストされていません。更なる研究が必要です。

このハーブ茶の作り方は、1カップ(240 ml)のお湯に小さじ1杯(1.5 g)の乾燥ハーブを入れ、5分間熱湯に浸します。
特に、よもぎは子宮収縮を引き起こす可能性がある成分であるツホンが含まれているので、妊娠中は使用すべきではありません(17)。

要点
よもぎ茶は、消化液の分泌を促す可能性がありますが、これはお腹の張りや消化の不調を緩和するのに役立つかもしれません。とはいえ、人での研究が必要です。


4. ジンジャー

ジンジャーティは、ジンジベル オフィシナーレ(Zingiber officinale)の分厚い根から作られ、太古から胃に関する病気に使われています (19)。
人の研究で1日1〜1.5グラムのジンジャーカプセルを何回かに分けて服用すると吐き気が和らぐことが示されています (20)。

加えて、ジンジャーのサプリは胃を空にするのをを早め、消化不良を緩和し、腸のけいれんやお腹の張り、ガスを軽減するかもしれません (19, 21)。
特にこれらの研究はお茶よりも液体のエキスかカプセルで行われました。更なる研究が必要ではありますが、ジンジャーの有効成分であるジンゲロールなどもこのお茶に入っています (22)。

作り方は、1杯のお湯(240 ml)に小さじ1/4〜1/2杯(0.5〜1.0グラム)の、またはティーバッグ1包)の粗挽きのジンジャーパウダーを入れて5分間浸します。
代わりに大さじ1杯(6グラム)のスライス生ジンジャーを 1カップの水(240 ml)で、10分間沸騰させ濾します。
ジンジャーティはスパイシーな味ですが、蜂蜜とレモンで和らげることができます。

要点
研究から、ジンジャーのサプリは吐き気、お腹の張り、ガスを軽減する可能性が示されています。ジンジャーティも同様の効果があるかもしれませんが、人での研究が必要です。


5. フェンネル

フェンネル(Foeniculum vulgare)の種はハーブティを作るのに使い、味は甘草に似ています。
フェンネルは古くから、腹痛、お腹の張り、ガス、便秘などの消化の病気に使われてきました (23)。

ラットでは、フェンネルのエキスは潰瘍を防ぐのに役立ちました。潰瘍を予防することはお腹が張らないようにしてくれるかもしれません (3, 24)。
便秘は場合によってはお腹の張りの原因になることがあります。そのため、不活発な腸を解消すること ― これはフェンネルの可能性のある健康効果の1つですが ー はお腹の張りも解決します (1)。

老人ホームに住んでいる慢性の便秘の人がフェンネル種子のハーブティブレンドを1日1回28日以上飲み続けると、プラシーボを飲む人よりも平均4回排便が多かったです (25)。

それでもその消化への効果を確認するにはフェンネルティのみでの人での研究が必要です。
ティーバッグを使わないなら、ティーを作るのにフェンネルの種子を買ってくだきます。熱湯1カップ(240ml)につき小さじ1〜2杯(2〜5グラム)のフェンネルの種を量りとってください。10〜15分間浸します。

要点
予備的な証拠はフェンネルティーが便秘や潰瘍などお腹の張りのリスクをあげる要因に聞くかもしれないことが示されています。効果を確認するためにフェンネルティーの人への研究が必要です。


6. ゲンチアナの根

ゲンチアナ(リンドウ)(出典:Hans BraxmeierによるPixabayからの画像)


ゲンチアナの根はリンドウ属の植物に由来し、黄色い花を咲かせ分厚い根を持ちます。

このお茶は最初は甘い味がしますが、その後に苦くなります。これにカモミール茶とハチミツを混ぜたものを好む人もいます。
古来よりゲンチアナの根は、お腹の張り、ガスや他の消化の不調の手当てに配合した医薬品やハーブ茶に使用されてきました(26)。

さらに、ゲンチアナ根エキスは消化剤として使用されます。ゲンチアナには苦い植物成分ーイリノイドやフラボノイドなど ―が含まれているので、食べ物の分解を助けるために消化液や胆汁の分泌を刺激して、お腹の張りを和らげてくれるかもしれません (17, 27, 28)。

しかし、このお茶は人でテストされていません ― またそれは胃酸を増やす可能性があるので、潰瘍がある場合はお勧めできません。なので更なる研究が必要です (28)。
このお茶を作るには、1カップ(240 ml)の熱湯に、小さじ1/4〜1/2杯(1〜2グラム)の乾燥したゲンチアナ根を10分間浸します。

要点
ゲンチアナ根は消化を助け、お腹の張りやガスを和らげる可能性のある苦い植物成分が含まれています。これらの効果を確認するためには、人での研究が必要です。


7. カモミール

カモミール(Chamomillae romanae)はキク科の仲間です。このハーブの小さく白い花はミニチュアデイジーに似ています。
伝統医学において、カモミールは消化不良、ガス、下痢、悪心、嘔吐、および潰瘍の治療に使用されます (29, 30)。

動物と試験管実験では、胃潰瘍の原因でお腹の張りと関係するヘリコバクター・ピロリ菌の感染をカモミールが防ぐかもしれないことが示されています (30, 31)。

カモミールはまた、お腹の痛みや潰瘍を減らすのに役立つことが示されている液体サプリメントのイベロガストのハーブの一つです (14, 32)。
それでもその消化の効果を確認するためには、カモミールティは人への影響についての更なる研究が必要です。

カモミールの花はフラボノイドを含む最も有効な成分を含んでいます。葉や茎よりむしろ花から作られていることを確認するために乾燥茶を調べてみましょう (31, 33)

この爽やかなほのかに甘いハーブティを作るには、1カップ(240ml)の熱湯を1杯(2〜3グラム)の乾燥カモミール(または1ティーバッグ)に注ぎ、10分間浸します。

要点
伝統医学では、カモミールは消化不良、ガス、吐き気の治療に使用されてきました。予備的調査結果から、このハーブは潰瘍そして腹痛に効くと示唆されていますが、確認には人での研究が必要です。


8. アンジェリカ根

このハーブティは、セロリの仲間のAngelica archangelicaの根から作られています。このハーブには苦味がありますが、レモンバームティと一緒にすると味がよくなります。

アンジェリカ根のエキスはイベロガスト(Iberogast)やその他の消化薬に使われています。このハーブの苦味成分が消化液を刺激して健康的な消化を促進する可能性があります (34)。

さらに動物や試験管での研究から、アンジェリカの根がお腹の張りの元凶である便秘を和らげる可能性が指摘されています(34, 35)。
全体的に、この根の更なる人においての研究が必要です。

安全性についての十分な情報がないことから、アンジェリカ根は妊娠中に使用されるべきではないと一部の筋は主張しています。適切な治療を確かなものにするために、妊娠中や授乳中にハーブを使用する場合は事前に必ず医師に相談してください (35)。

アンジェリカティはふつう熱湯1カップ(240 ml)あたり小さじ1杯(2.5グラム)の乾燥根を5分間浸します。

要点
アンジェリカ根は消化液の分泌を促す可能性のある苦味成分が含まれています。このハーブティのお腹の張りに対する効果を確認するには人での研究が必要です。


総まとめ

伝統医学はいくつかのハーブティはお腹の張りを軽減し、消化不良を和らげることが示されています。

例えば、ペパーミント、レモンバーム、よもぎはお腹の張りへの予備的な効果が示された消化剤として使われます。ですがハーブティについてはそれぞれ人での研究で確認することが必要です。

とはいえ、ハーブティはお腹の張りや他の消化の不調に試せる簡単な自然療法です。

引用ニュース & 原著論文

🔵 英語ニュース:8 Herbal Teas to Help Reduce Bloating(Healthline)April 1, 2019

 

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