記憶力向上には軽度な運動とあるサプリで相乗効果的に上がることが判明! (2019年最新論文)
今回や良く耳にする抗酸化物質サプリである「アスタキサンチン」と「運動」の組み合わせが、記憶と神経細胞の新生に役立つという興味深い報告がありましたのでお伝えします。
この研究はPNASに発表され、Medical Xpressがレビュー記事(英文)を出しましたので、それを翻訳したものをご紹介します。
運動と抗酸化物質:脳の健康にとって良い組み合わせは?
日米のいくつかの機関を代表する研究者らによる国際的な研究チームは、アルツハイマー病や他の神経変性疾患の不安とともに生きる人々や、加齢による認知機能低下に役立つ可能性のある有望な発見をしました。PNASに発表された論文によると「海馬のレプチンは軽度の運動の恩恵を仲介し、抗酸化剤として神経新生と記憶に作用」します。Yookらは認知機能におけるレプチンの役割を明らかにする一連の実験(マウスおよび培養細胞)の結果を発表しています。レプチンは脂肪組織と海馬(記憶と空間学習が処理される脳の一部)で産生されるホルモンです。運動と認知機能の改善との関係はよく知られています。同様に、特定の栄養補助食品、例えば、ドコサヘキサエン酸(DHA)もまた、認知を改善し、認知機能低下を遅らせたり止めることにおいて有用であるとされています。しかしながら、海馬内の可塑性および認知機能に対する、運動と抗酸化剤補給の両方の効果は、ほとんど調べられていません。これまでの研究では、特にレプチンが、アルツハイマー病のような神経変性疾患の有望な治療標的であることが示されています。
Yookらは、この研究で、軽度の運動と抗酸化サプリメントのアスタキサンチンを併用することで、認知機能と神経可塑性の面で有益性が得られるかどうかという問題、また、この2つの介入方法を併用した場合の効果が、それぞれの効果を足し合わせたもの以上の相乗的な効果をもたらすかどうか、に取り組みました。彼らは「軽度の運動による海馬神経新生と記憶の増強は、摂取したアスタキサンチンによって強化され、それは海馬レプチンなどの神経栄養因子を介するものである」というの仮説を立て、マウスおよびヒト脳細胞株を用いた実験を行い検証しました。
最初の実験では、マウスの記憶と空間学習を評価するために使用される標準テストを用い、野生型マウスを4つのグループ(運動の有り/無し、およびアスタキサンチン(AX)投与・有り/無しの4つの組み合わせ)のパフォーマンスを調べました。運動・AX共に無しのグループが最も成績が悪く、運動有り/AX無し、運動無し/AX有りのグループはより良い成績を示しました。運動・AX共に有りのグループが最も優れた成績を示し、これは記憶と空間学習に対する両方の介入の効果の強化を裏付けるものです。この結果は、成人の海馬における神経新生の指標となる、Ki67陽性細胞およびBrdU / NeuN細胞の細胞数によって、さらに裏付けられました。
マウスの脳で観察された変化におけるレプチンの役割をよりよく理解するために、研究者らはDNAマイクロアレイと遺伝子発現分析を行い、上記の4グループに関連して発現が上昇、あるいは低下した遺伝子を同定し、特に介入ごとで重複しているものに注目しました。特に抗酸化剤ABHD3遺伝子とレプチン遺伝子に関し、空間記憶と海馬神経新生に対するアスタキサンチンと軽度の運動の相乗効果が確認されました。
重要なことに、著者らのさらなる分析の結果、循環血漿レプチンレベルが試験の群間で変わらないままであり、海馬レプチンのみが、運動・アスタキサンチン両者の組み合わせ介入による(相乗的な)改善に関与する、特異的な分子ターゲットであることがわかりました。タンパク質レベルでは、海馬レプチンおよびレプチン受容体も空間記憶の改善と相関しており、一方、AKT/STAT3シグナル伝達経路はこれらの改善にも関与していました。
In vitro実験では、研究者らはヒト神経芽細胞腫細胞株(レプチンを合成することが知られている細胞)を使用して、それらを様々な量のアスタキサンチンに直接曝露した効果を観察し、用量依存的なレプチン発現量の増加と、ABHD3遺伝子・レプチン遺伝子の発現上昇を観察しました。
最後に、運動・アスタキサンチン介入のマウスで見られる相乗効果に、レプチンが必要かどうかを立証するため、Yookらは肥満および糖尿病研究用に育成されたレプチン欠損マウス(ob / obマウス)を用いて、同じ試験を行いました。レプチン欠損マウスは野生型マウスに比べ成績が悪いことから、レプチン欠損が重要であることが見出され、またこのことは、すでに明らかとなった運動・アスタキサンチンの相乗効果に、レプチンが重要な要素であることを示しています。
脳におけるレプチンの仲介効果をさらに確認するために、科学者らは4週間にわたってob / obマウスにレプチンを注射し、これらのマウスにおいて運動・アスタキサンチンの相乗効果が回復したことを見出しました。また、野生型・ノックアウトマウスのどちらにおいても、運動によってpIGF1RおよびpP13Kのタンパク質レベルの上昇が観察されました。
研究者らは彼らの研究のいくつかの詳細について、更なる論点を提示しています。例えば、「レプチンとIGF1Rの増加は、運動・アスタキサンチン介入による海馬神経新生と記憶の増強には、レプチンとIGF1R両者の相互的な働きが関係しているかもしれない」点や、また、記憶の増強と海馬のレプチン受容体増加の相関関係にも注意を向けています。
マウスで行われたこれらの結果は、確かに有望なものですが、臨床的にはどのような意味を持つのでしょうか? 人間のための軽度の運動として、この論文では、多くの人にとって取り掛かりやすいヨガや太極拳のセッションが挙げられています。アスタキサンチンは、安価ですぐに手に入るサプリメントです。
「我々の発見は、内在性の海馬レプチンを増加させるアスタキサンチンのような摂取できる抗酸化物質と、軽度の運動との組み合わせは、認知機能や脳の健康の予防や向上、認知力低下を遅らせるための、非薬理学的で効果的な「戦略」となるかもしれないという考えを前進させるものであり、その戦略は高齢者を含む脆弱な個人に対して特に有効かもしれません」と、著者らは結論づけています。
ーーー 翻訳ここまで ーーー
引用ニュース & 原著論文
🔵 英語ニュース:Exercise and antioxidants: A winning combination for brain health?(Medical Xpress)May 20, 2019🔵 原著論文 : Leptin in hippocampus mediates benefits of mild exercise by an antioxidant on neurogenesis and memory. (PNAS. first published May 13, 2019 )
Seigoの追記
レプチンは、脂肪組織と海馬(記憶と空間学習が処理される脳の一部)で産生されるホルモンですが、特に海馬にあるレプチンが増えることが認知機能の改善や神経細胞の新生に重要みたいです。そしてその海馬にあるレプチンは抗酸化物質であるアスタキサンチンや、軽度な運動(ヨガや太極拳)で増えることが分かり、さらにその2つを組み合わせると相乗効果的で良いということでした。
特に薬は必要なくサプリと軽度の運動で、認知症からおさらばできればいいですね!
アスタキサンチンの強い抗酸化作用に関する2つの論文を去年、紹介しました ↓
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20余年アメリカで遺伝子治療&幹細胞の研究者をやってきました。
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理学博士(Ph.D. )
アメリカ生活で学んだアンチエイジングなど健康に関する知識をシェアしたいと思います。
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