温暖化が大気汚染を加速する!?(カリフォルニア大の最新研究レポート)

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今回は大気汚染が温暖化に影響をあたえるという研究の報告です。

米国のカリフォルニア大学が最新研究をプレスリリース(英文)しましたので、それを和訳したものをご紹介します。

ニュースタイトル「温暖化は大気汚染を加速する」

カリフォルニア大学リバーサイド校の新しい研究によると、気候変動は海を暖めているが陸地を暖めるスピードはもっと早く、そのことは世界中の大気の悪化に大きな影響を与えているということです。

2月4日の Nature Climate Change に発表されたこの研究は、陸と海の温度上昇の差が大気汚染の原因となる大気中のエアロゾル濃度の増加を引き起こすことを示しています。

エアロゾルは、大気中に浮遊する小さな固体粒子または液滴です。それらにはほこりや山火事などの自然由来のものと自動車や産業の排出物などの人為的なものが含まれます。エアロゾルは水循環の乱れなどの気候システムと同時に人間の健康にも影響を与えます。また、スモッグなどの大気汚染を引き起こし、人、動物、植物の健康を脅かす可能性があります。

UC RiversideのRobert Allen地球科学准教授は、次のように説明しています。

「温室効果ガスの増加による最も影響力のある反応は、陸地が海よりも早く温まることです。陸地がより暖められやすいことは、大陸の乾燥度の増加とも関連しています。乾燥度の増加は雲量と雨の減少、つまり、大気からエアロゾルが減っていく速さの減少に繋がるのです」

これを検証するために、研究者らは2つのシナリオの下で気候変動のシミュレーションを実行しました。第一のモデルはよく用いられる一定上昇率の温暖化モデル、第二のモデルは陸地の温度上昇率を第一のモデルより下げたモデルです。

第一のモデルでは、より暖められやすい陸地は大陸の乾燥化とそれに続くエアロゾル濃度の上昇、大気の汚染が起こることが示されました。一方、第二のモデルでは陸地の温度上昇率以外は第一のモデルと同じ条件にも関わらず、大陸の乾燥化と大気汚染は軽減する結果を示しました。つまり、大気汚染の増加は、陸地の暖まりやすさと乾燥化に直接に関係している事象なのです。

この結果は、地球が温暖化する限り大気汚染をある程度のレベルに抑えるためには、エアロゾルの発生を厳しく規制する必要があることを示しています。

研究者たちは温室効果ガスの温暖化が大気汚染にどのように影響するかの解析が目的なので、人為的なエアロゾルの排出量に変化がないと仮定していました。

Allen准教授は次のように警鐘を鳴らしています。

「この仮定は現実的ではないでしょう。人為的なエアロゾル排出量を減らし、大気汚染を阻止しようという動きがあるからです。ですからこれは最悪のシナリオというわけです。しかし同時に地球の温暖化が進むのであれば、大気の状態を保つにはより人為的エアロゾルの排出を抑制する必要があるということです。どの程度の大気の汚染度が受け入れられるかが問題です。カリフォルニアはアメリカの中でも最も環境に関する法律が厳しい地域ですが、それでも大気の状態は悪いし、他の国と比べたら本当にひどいものですから」

人為的エアロゾルの排出量の削減が行われない限り、温暖化する世界は大気汚染から逃れることはできないでしょう。

引用ニュース & 原著論文

🔵 プレスリリース(英文):A warming world increases air pollution( University of California – Riverside, FEBRUARY 4TH, 2019 )

🔵 元の原著論文:Enhanced land–sea warming contrast elevates aerosol pollution in a warmer world(Nature Climate Change, 2019)

Seigoの追記

海より陸の方が温まりやすいので温暖化で大気汚染が増えやすいということですか・・・

カリフォルニアの場合はL.A.の(車からの)大気汚染もスゴイですが(L.A.は米国でワースト1)、山火事もエアロゾルが増えるの原因となっている事でしょう。

日本でもPM2.5の問題がありますよね。

人類はいつまでも甘えてないで、本格的に地球の事を考えて大気汚染(PM2.5を含むエアロゾル)の減少に取り組まないと、生存すら危うくなりそうですね(海の汚染もありますし)。

このサイトでは環境問題に関する最新情報もバンバン出していきますよ!

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